映像作家の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
映像作家は、映画の制作、テレビ局など、映像関係の仕事を目指す方にとっては花形ともいえる職業です。そんな映像作家の主な仕事内容は、映像制作の現場において統括と制作の両方を担当することです。本記事では、映像作家の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなど、仕事についてご紹介します。
映像作家とはどんな仕事?
「映像作家」という職業の肩書について、その名前を聞いたことはあっても、実際にどのような仕事をするのか内容について詳しく知っている方は少ないでしょう。
映像作家の仕事は、映像クリエイターなどとは異なり、また単に映像を撮影するカメラマン・テレビカメラマンとも異なります。それでは、実際の映像作家とはどのような仕事をするのでしょうか。
以下には、映像作家の仕事内容について、多方面から解説をしていきます。
映像作家とは「映像制作」を行うクリエイター全般を指す言葉
映像を制作することを職業とする人は数多くいます。しかし日常会話として、そうした方々を「映像作家」とは呼ばないでしょう。多くの場合、「映像クリエイター」ですとか、「デザイナー」といった呼称が用いられます。
「映像作家」という言葉は、本来は映像制作を行うクリエイター全般を指す言葉です。しかしながら、現在の世の中で「映像作家」と呼ばれる場合にはより限定的に、映像制作の「統括」や「責任を負う」という立場にある職業人のことを指す言葉として認知されています。
映像クリエイターと呼ばれる職業との間の呼び分けは明確ではありませんが、おおむねこのような区別がなされています。
映像制作には様々な専門家が関わる
映像を制作するには、様々な機材が必要となることは間違いありません。しかし、それだけではなくそれぞれの専門領域に対して知識やスキルを持つ専門家が必要です。制作する映像の規模や種類などによっては、いくらかの専門家の領分を映像作家自身がこなしてしまう場合もあります。
しかしたとえばミュージックビデオや映画などの企画の場合には、音響や美術、照明など多くの担当者が集まってひとつの映像作品を作るというのが一般的です。
どのような映像を、どういった意図で、どのような層に向けて作るか、編集をどうするか、どのような専門家にアサインするかといったことを手配して調整するという立場の人間が必要となるのが映像制作の現場なのです。
映像制作の現場の総括と責任を負う
先に述べたように、映像そのものを制作するというクリエイターの領分、そしてそれぞれの専門家の持つスキルを動員してひとつの作品を作り上げます。
そのために、どのように人員や機材を集め、どのようなスケジュールで制作を進行していくか、クライアントの要望をどのように反映して制作していくかといったような、映像制作の統括指揮を行うのが映像作家の仕事です。
ときにプレイヤーとして、そしてときに責任者として、映像作家はまさしく「現場監督」のように制作現場を指揮していく立場をこなすという仕事なのです。ここが、単純な「映像制作のプレイヤー」というだけではない、「映像作家」としての仕事の内容であるといえます。
自由に映像制作ができるわけではない
映像制作とは、単純な事務作業などとは異なりある程度クリエイティビティが求められる業務内容です。このようなことから、アーティストのように「自由な」仕事ができると考える方も少なくありません。
しかしながら、映像作家が完全なるアーティストと異なる部分としては、クライアントがおり、そのクライアントから仕事を請け負うという形で映像制作を行う職務である以上、クライアントの要望に沿い、その要望を制作物である映像作品によって実現するという点があります。
このポイントは、一般の人々が意識するような「自由」とは、幾分趣を異にするものであるといえるでしょう。自分自身が伝えたいことではなく、クライアントからの何らかのメッセージを視聴者に伝えるための映像制作を行うことが、映像作家の仕事なのです。
映像作家の具体的な仕事内容
映像作家の仕事が映像制作、およびその映像制作現場の統括指揮や、ときにはプレイヤーとして制作そのものに携わることは、先に解説したとおりです。
では、実際に映像作家が映像制作の現場に関わる際には、どのような具体的な仕事があるのでしょうか。以下には、より具体的な映像作家の仕事内容について、現実に行われている、映像作家が携わる映像制作の業務内容から解説していきます。
映画やテレビドラマの監督・演出家としての仕事
映像作家の仕事内容として、一般の人々がイメージしやすい仕事内容としては「映画やテレビドラマなどの監督・演出家」という仕事でしょう。
このような仕事内容は、実際に映像を制作するという現場の中で、制作する映像をどのような方向で撮影していくのか、どのように編集するのか、どのような意図をもって視聴者にその映像を届けるのかといったことを検討し、映像制作を進めていきます。
場合によっては、企画段階から映像作家が加わるというケースも多く、先に述べた映像作家の仕事内容からすると、より「調整役」「統括指揮」といった側面が強い仕事内容であるといえます。
制作現場のいわば花形ともいえる仕事ですが、それだけに責任も重く、また多方面に気を配って仕事を進める必要があります。
ミュージックビデオの制作やディレクター
テレビドラマや映画とは趣が異なりますが、こうした映像でも映像作家が関わる機会は多くあります。
特に、短い時間でその音楽の魅力を充分に訴求するために、どのような映像にするかということを慎重に検討し、かつ自身の持つ知識、そして制作現場に関わる専門家たちのスキル・知識を動員して魅力的なミュージックビデオを制作します。
場合によっては1分にも満たないような映像制作であっても、それだけの時間でどのように魅力を伝えるか、どの部分を切り取って映像に使うかというようなことにもしっかりと気を配って映像制作を行うことが業務上求められるのが、映像作家という立場の人間なのです。
CMやPV映像の作成
意外と知られていないこととしては、映像作家がコマーシャル映像や商品紹介・サービス紹介のPVなどの制作に携わっているということです。
これらの映像制作を行うにあたっては、それら映像制作を依頼したクライアントがおり、そのクライアントの要望を受け、どのようなコンセプトで映像制作を行うのかという企画を行います。
企画段階から映像制作の現場に関わり、クライアントの要望をどのような映像で具体化するか、そしてどのように視聴者に訴えるかということを検討しながら制作に打ち込むことを求められます。
これには、映像作家自身が、映像に関する知識やスキルだけではなく、クライアントが今回の映像制作のもととなる商品、サービスに対する深い理解が必要となることは言うまでもありません。
CG映像、アニメーション映像の作成
従前の映像といえば、基本的に被写体があり、それを撮影したうえで編集をすることで映像を制作していました。しかし近年では、CG(コンピュータグラフィックス)や、アニメーションを用いた映像制作も、現場では重宝されています。とくに時間の短いCMやPVなどの場面ではアニメーションやCGを用いるケースも多くなっています。
こうした映像制作においては、映像作家自身がコンピュータグラフィックスやアニメーションに対しての知識・理解が深いことはもちろんのこと、そうした担当者への調整や指揮なども含めて現場を統括することとなります。
「映像」という単語の持つ広い範囲をカバーする必要があるということが、このような制作からも読み取れます。
映像作家の仕事のやりがい
映像作家は、やはり映像の制作を行うクリエイターとしての意欲が強い人々が目指すことの多い職業です。そうして映像作家になった場合の、仕事の「やりがい」とはどのようなものがあるのでしょうか。
世の中にあるあらゆる仕事にはそれぞれ異なる「やりがい」がありますが、こと映像作家の場合はどうなのか、以下に映像作家の「やりがい」について解説します。
映像を用いて人々に思いを伝えるよろこび
映像作家は、先にも述べたように、必ずしも自分自身の思いだけで映像を作ることができるわけではありません。しかし映像作家は、何らかの思いなしに映像を作ることができないこともまた事実でしょう。
「映像をつくる」ということへの情熱をダイレクトに仕事につなげることができ、それを通じて世の中に対してなにかの「メッセージ」を発信することができるということは、映像作家の仕事のやりがいのひとつであるといえます。
映像に対するリアクションが得られやすい
映像は、見る人を選ばず、見た側が何らかの感想を得やすいといえます。近年ではSNSなども含めて、自分が感動した映画や映像作品への感想を投稿する人も増えています。
映像作家の側から見ると、このような視聴者の反応・リアクションが見えやすいという点は、仕事へのやりがいや士気を高める一因となるでしょう。
映像作家の仕事内容まとめ
映像を制作する現場のブレインとして活躍する仕事
映像作家は、およそ映像を作る場面において、その指揮・統括をしながらときに自分自身も制作現場において指示出しをしたりと、多方面にわたる動きが求められる仕事です。
雑務的な仕事の多いアシスタントの立場では、「理想と違う」と感じることもあるかもしれませんが、いざ映像作家として働く際には、その多岐にわたる仕事内容に対して、かつて経験したアシスタント時代のノウハウが役立つこともあるでしょう。
映像作家の参考情報
平均年収 | 300万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | テレビ・映画・映像 |
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