照明デザイナーの給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計
照明デザイナーと言う職業の年収水準をご存知でしょうか。照明デザインの専門職ですが、建築士やインテリアデザイナーなどが手掛けることも多いため、知名度はあまり高くないようです。今回はこの記事で、照明デザイナーの気になる給与・年収などについてまとめました。
照明デザイナーの初任給
認知度が低い職業で初任給も低め
照明デザイナーは、建築士、インテリアデザイナーなどが照明の仕事も行なうことが多いため、単独での専門職としてはあまり知られていません。このため、照明デザイナー単独での初任給や給与、年収もあまり詳細には明らかになっていませんが、一般的に言われている照明デザイナーの初任給は、17~20万円程度です。
現状では、照明デザイナーの仕事のみをしている人が少ないため、照明デザイナーになれば高収入を見込めるということはありません。
照明デザインは、上に挙げた建築士やインテリアデザイナーのほか、照明コンサルタント、照明士といった照明関係の資格を持っている人が手がける場合が非常に多いので、これらの資格を持っていれば、より高収入が見込めるでしょう。
資格やスキルによって変わる可能性も
他業種から転職して照明デザイナーを目指す場合は、関連する資格やスキルがあれば優遇されることがあるでしょう。
照明デザイン、空間デザイン、インテリアコーディネートなどの仕事の経験があったり、関連する資格を所有していたりすれば、即戦力として採用される可能性が高まると考えられますし、採用後も能力に応じた待遇を期待できます。
しかし、資格・スキルが何もなければ、まったくの新人として扱われ、待遇面についても低いところからのスタートとなってしまいますので、転職を考える時は慎重な判断が必要です。
実際に照明デザイナーの求人を見ても、アシスタントやパート・アルバイトとしての募集は比較的多くありますが、そこから一人前として扱われるようになるまでには、相当の修行期間を覚悟しなければならないでしょう。
照明デザイナーの平均給与
給与はあまり高くないが昇進の可能性も
照明デザイナーの平均給与は、24~30万円程度と言われています。照明デザイナーは、照明器具メーカー、建築・設計事務所、照明施工事務所、照明デザイン事務所などの会社で働く人が大半です。その会社で手がけている空間デザイン、インテリアデザインなどの仕事をする中で照明デザインも担当することが多いようです。
会社にもよりますが、一般的には経験年数が長くなるにつれ、給与も上がる傾向にあります。社内で昇進し、ライティングプラン全体の企画・立案をしたり、部下やアルバイトを指揮・指導したりする立場になれば、より高収入が期待できるでしょう。
平均給与の統計
厚生労働省の平成30年「賃金構造基本統計調査」をもとに、照明デザイナーの給与を見てみましょう。
照明デザイナーは、同調査では「デザイナー」に分類されています。この「デザイナー」には、以下の通り様々な職種のデザイナーが含まれているので、照明デザイナーのみの実態をこれだけで明らかにすることはできませんが、類似の職種も含めた業界全体の姿を捉えるためには十分な参考になると考えられます。
「デザイナー」に含まれる職種
デザイナー、服飾デザイナー、商業デザイナー、インテリアデザイナー、ディスプレイデザイナー、テキスタイルデザイナー、ファッションデザイナー、フラワーデザイナー、グラフィックデザイナー、広告デザイナー、インダストリアルデザイナー、図案家、建築装飾図案家、陶磁器デザイナー、友禅図案家、レイアウター(広告・宣伝業)
企業規模別・男女別のデザイナーの給与
性別 | 全体 | 1,000人以上 | 100~999人 | 10~99人 |
---|---|---|---|---|
男女計 | 29.2万円 | 34.2万円 | 26.7万円 | 29.5万円 |
男 | 32.3万円 | 39.0万円 | 28.7万円 | 32.9万円 |
女 | 26.3万円 | 30.3万円 | 25.0万円 | 26.3万円 |
(なお、上の表の給与は「所定内給与額」で、時間外勤務手当、深夜勤務手当などの超過労働給与額は含んでいません。)
統計によると、照明デザイナーの給与は全体の平均で29.2万円前後です。男性は32.3万円、女性は26.3万円で、男性の方が高くなっています。
企業別に見ると、企業規模が10~99人の企業は29.5万円、100~999人は26.7万円、1,000人以上が34.2万円となっています。1,000人以上の企業は1,000人未満の企業より高くなっています。一方で、企業規模が100人未満の企業の方が100人以上より高い結果となっています。これは、サンプル数が十分でないため逆転現象が起きたとも考えられます。
男女別に見ても、それぞれ100人未満の企業の方が100人以上より高くなっていますが、その差よりも、1,000人以上の企業との差の方が大きいことが読み取れます。全体としては大企業の方が給与が高い傾向にあると言えるでしょう。
年齢区分別・男女別のデザイナーの給与
次に、「賃金構造基本統計調査」をもとに照明デザイナーの年齢区分別、男女別の給与を見てみましょう。
年齢区分 | 男 | 女 |
---|---|---|
全体 | 32.3万円 | 26.3万円 |
20~24歳 | 21.0万円 | 21.7万円 |
25~29歳 | 26.8万円 | 22.8万円 |
30~34歳 | 29.7万円 | 26.4万円 |
35~39歳 | 35.3万円 | 26.6万円 |
40~44歳 | 37.1万円 | 31.8万円 |
45~49歳 | 34.4万円 | 30.5万円 |
50~54歳 | 37.5万円 | 38.5万円 |
55~59歳 | 40.0万円 | 29.6万円 |
60~64歳 | 25.0万円 | 18.7万円 |
統計のサンプル数が限られているため、年代が上がっても金額が下がっているところもありますが、全体としては、20代、30代よりも40代、50代の方が金額が高く、男性は55~59歳の40.0万円、女性は50~54歳の38.5万円がそれぞれピークとなっています。また、ほとんどの年代で女性よりも男性の方が高くなっています。
照明デザイナーの平均年収
年収の統計
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに、照明デザイナーの年収を見てみましょう。
企業規模別・男女別のデザイナーの年収
性別 | 全体 | 1,000人以上 | 100~999人 | 10~99人 |
---|---|---|---|---|
男女計 | 415.7万円 | 512.1万円 | 402.8万円 | 407.1万円 |
男 | 465.4万円 | 594.6万円 | 446.2万円 | 455.7万円 |
女 | 369.7万円 | 443.2万円 | 363.2万円 | 361.0万円 |
なお、年収は、「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」により算定しています。
統計によると、照明デザイナーの年収は、全体平均で415.7万円です。企業規模別に見ると、10~99人の企業で407.1万円、100~999人では402.8人とあまり大きな差はありませんが、1,000人以上の企業は512.1万円となっていて、1,000人未満の企業と100万円以上の差があります。(平均給与と同様、1,000人未満の企業のサンプル数が十分でないため、金額が逆転したものと考えられます。)
男女別に見ると、男性は465.4万円、女性は369.7万円で、男性の方が高くなっています。企業規模別、男女別に見ても、10~99人と100~999人は金額に大差はありませんが、1,000人以上は1,000人未満より高くなっています。
特に、男性は1,000人未満の企業より1,000人以上の企業の方がおよそ140万円高く、全体に大企業の方が高い傾向にあることが推測できます。
年齢区分別・男女別のデザイナーの年収
次に、「賃金構造基本統計調査」をもとに照明デザイナーの年齢区分別、男女別の年収を見てみましょう。
年齢区分 | 男 | 女 |
---|---|---|
全体 | 465.4万円 | 369.7万円 |
20~24歳 | 306.4万円 | 290.7万円 |
25~29歳 | 392.6万円 | 324.8万円 |
30~34歳 | 417.5万円 | 382.2万円 |
35~39歳 | 526.0万円 | 388.9万円 |
40~44歳 | 533.0万円 | 432.8万円 |
45~49歳 | 481.1万円 | 413.4万円 |
50~54歳 | 546.4万円 | 526.2万円 |
55~59歳 | 541.1万円 | 436.3万円 |
60~64歳 | 336.3万円 | 239.0万円 |
こちらもこれまでと同様にサンプル数の制約はあるものの、全体としては年代が上がるにつれ年収も上がる傾向にあり、男女とも50代の年収がもっとも多くなっています。また、いずれの年代でも女性より男性の方が高い金額となっています。
スキル次第では好待遇も
照明デザインは、まだまだ進化の途上にある分野と言われています。照明デザインの技術はどんどん進化してきていて、最近は、プロジェクションマッピングやメディアファサードといった新しい照明演出が積極的に使われるようになっています。また、商業施設や寺社仏閣、観光施設などでも照明による演出で集客や顧客サービスを図ることが増えています。
現状では照明デザインのみを仕事としている人は少ないのが実態ですが、新しい技術を取り入れ、顧客ニーズに合うような照明デザインを提示できるような実力を身につければ、照明デザイナーとして独立したり、企業内で昇進したりして、より高収入を得ることも可能となるでしょう。
照明デザイナーの給与・年収まとめ
センスと努力次第では高収入も
照明デザイナーは、専門職としての知名度はまだまだ低く、企業に就職している人が大半です。給与・年収はある程度安定してはいますが、特に高いということもありません。仕事内容も、空間デザインやインテリアデザインなどの仕事をする中で照明デザインも担当することがほとんどです。
これからの時代、次々と開発されている新技術を取り入れ、顧客に評価されるデザイナーとなれば、より高収入が期待できるでしょう。
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照明デザイナーの参考情報
平均年収 | 300万円〜500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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