財務専門官の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ
財務専門官は、全国の財務局や財務支局で、財政、国有財産、金融等に関する施策を地域の特性をふまえて実施する、財務省・金融庁の重要施策等を広報する、地域の意見や要望を財務省・金融庁に伝達するといった仕事を行います。この仕事の初任給、月収、年収を詳しく解説します。
財務専門官の初任給
財務専門官の初任給はどれくらいの金額なのか、採用後はまずどのような仕事を行うのかを紹介します。
財務専門官の初任給は約21万円
財務専門官採用試験の受験案内には初任給について書かれています。金額は216,840円です。公務員の給与は、法律によって規定されており、財務専門官の給与は「行政職俸給表(一)」に基づいて決定されます。
俸給表には、課長、係長、係員といった職務段階に応じて、職務の級が定められています。昇進した場合には上位の級に格付けされます。財務専門官として採用された当初は俸給表の1級25号俸が適用されます。
ちなみにこの俸給表に基づいて算出された216,840円という初任給は、東京特別区(東京23区のこと)に勤務する場合の例です。地域手当の支給されない地域に勤務した場合は、180,700円です。
参考リンク:国家公務員財務専門官採用試験―大学卒業程度―受験案内
財務専門官の採用後の仕事
財務専門官の初任給について解説しましたが、新人の財務専門官はどのような仕事をまず行うのかをあわせて紹介します。
採用後2か月の間、財務省の研修施設で、経済や財政、金融、法律、会計など財務局の業務を遂行するうえで必須の基礎知識を学びます。さらに社会人としてのビジネスマナーも勉強します。
その後、採用局又は各局管内の財務事務所等に配属され、金融機関の検査・監督や国有財産の管理・活用を行う業務に携わります。
次に、財務省や金融庁等における国の施策の企画・立案業務、財務局における地域と密着した様々な業務にも関わるようになります。こうしたステップを踏んで、財務専門官としての知識やスキルをアップさせていきます。
財務専門官の平均給与の統計
次に、財務専門官の仕事の平均給与、俸給(基本給)以外に支給されるもの、給与アップの方法などを紹介します。
財務専門官の平均給与は約41万円
内閣官房内閣人事局の公表している「公務員の給与(平成30年版)」には、財務専門官も含まれる「行政職俸給表(一)」に該当する公務員の平均給与が記載されています。
行政職俸給表(一)に該当する職員(平均年齢43.6歳)の平均月給は410,719 円です。
財務専門官の俸給(基本給)以外の手当
国家公務員である財務専門官の場合も、普通の会社員と同じように、基本給つまり俸給以外に支給されるものがあります。俸給以外に支給されるものについても、法律により厳格に規定されており、大まかに分けると次の6つになります。
財務専門官を含む公務員への手当は、その種類ごとに6つに細かく分けられています。
- 生活補助的手当
- 地域給的手当
- 職務の特殊性に応じた手当
- 時間外手当
- 賞与に相当する手当
- その他
俸給とこれら諸手当を合計したものが、財務専門官の給与ということになります。これら6つの手当をもう少しわかりやすく解説します。
生活補助手当
配偶者や子供などの扶養家族がいる場合の扶養手当、さらに住居手当や通勤手当、単身赴任手当が含まれます。
地域給的手当
民間企業の賃金が高い地域で働く職員に支給される地域手当や、寒冷地に勤務する職員に11月から翌年3月まで支給される寒冷地手当などがこれに含まれます。
職務の特殊性に応じた手当
民間企業の管理職手当に相当する管理・監督の地位に就く職員に支給される俸給の特別調整額、危険が伴うなどの特殊な勤務に従事した場合の特殊勤務手当がこの手当に該当します。
時間外手当
名前の通りで、正規の勤務時間を超えて仕事を行ったときの超過勤務手当や、宿日直手当が含まれます。
賞与に相当する手当
いわゆるボーナスに該当するものです。公務員の賞与(ボーナス)は2つに分かれています。
- 期末手当
- 勤勉手当
期末手当はボーナスの一律支給分のことです。一般職員が俸給の2.6か月分、管理職が2.2か月分です。勤勉手当はボーナスの考課査定分のことです。一般職員が1.8か月分、管理職が2.2か月分です。
勤勉手当は人事評価の結果に基づいて支給されます。期末手当と勤勉手当を合計した4.4か月分のボーナスが、年2回に分けて、6月と12月に支給されます。
その他
本府省の業務に従事する課長補佐級以下の職員に支給される本府省業務調整手当や、重要度や専門性の高い業務に従事する専門スタッフ職3級職員に支給される専門職スタッフ調整手当などが、その他の手当に含まれます。
財務専門官は安定した稼ぎが保証されている!?
財務専門官は、国家公務員ですので給与が安定しています。給与面だけでなく、スキルアップの道も様々用意されています。
例えば、通常業務から離れ、国内・海外の大学院に留学する制度が用意されています。多くの職員がこの制度を利用し、経済、金融、会計に関する知識を習得し、財務専門官としてのスキルをアップさせています。 また、研修制度を利用し、不動産鑑定士試験や公認会計士試験の合格を目指すことも可能です。
安定した給料とスキルアップの両方を獲得できるのが、この財務専門官の仕事の魅力のひとつです。
財務専門官の年収統計
財務専門官の年収についても解説します。さらに財務専門官の仕事で年収をアップさせる方法なども紹介します。
年齢・職務階級による年収の例
財務専門官を含めた公務員の年齢・職務段階別の年間給与の例も、「公務員の給与(平成30年版)」に記載されています。表で表すと以下のようになります。
年齢 | 役職 | 年収 |
---|---|---|
25歳 | 係員 | 3,095,000円 |
35歳 | 係長 | 4,480,000円 |
50歳 | 地方機関課長 | 6,686,000円 |
35歳 | 本府省課長補佐 | 7,231,000円 |
50歳 | 本府省課長補佐 | 12,550,000円 |
年間給与の金額は四捨五入しています。
厚生労働省の発表した「賃金構造基本統計調査」によると平成29年の男女の平均年収は304.3万円です。25歳係員クラスの職員の年収でも、それをすでに越していますから、公務員の財務専門官の給与や年収は平均より上であるといえます。
財務専門官の仕事で年収を上げる方法
財務専門官の仕事でも年収アップは可能です。年収アップにつながる方法を2つ紹介します。
- 昇進
- 勤務成績を上げる
昇進
財務専門官を含む国家公務員の給与は、「行政職俸給表(一)」に基づいて計算されます。俸給表には、課長、係長、係員といった職務段階に応じて、1から10までの職務の級が定められており、昇進した場合に上位の級に格付けされます。
例えば、採用された時の級は1級の係員クラスです。俸給月額は約180,000円程度です。これが昇給して、2級の主任クラスになると俸給月額は、約230,000円となります。さらに、昇進し4級の係長クラスになると、俸給月額は、300,000円を超えます。
昇進すれば、俸給の金額が上がりますが、この俸給の金額は、ボーナスの期末手当の金額に影響します。昇進して俸給表の級が上がれば、毎月の給与とボーナスの金額が上がるので、年収がアップします。
勤務成績を上げる
財務専門官を含む公務員のボーナスは、期末手当と勤勉手当の2つで構成されています。勤勉手当は、職員の勤務成績に応じて支給されるもので、民間企業でいう能力給のようなものです。
財務専門官としての職務を勤勉に果たすことが、勤勉手当の支給額のアップ、年収アップにつながります。
財務専門官の給与・年収まとめ
財政・金融のプロフェッショナルとして正当な金額で評価される仕事
国家公務員の財務専門官は、財政・金融のプロとして、地方の経済活動が活発化するよう予算の面で国と地方のパイプ役を果たす、国有財産の有効活用や処分などの仕事に携わります。
初任給は約210,000円、平均月給は約410,000円、昇進すれば確実に年収がアップするなど、公務員という背景があるので、給与面では優遇されています。
財務専門官の仕事は、地域の経済活動を財政面から支えるという高潔な仕事であり、金銭面でもその仕事は正当な評価を受けています。
年収UPも可能なオススメ転職・就職支援サービス
doda(デューダ)は、転職活動の疑問に応える充実のコンテンツであなたをサポート! 約10万件の求人数・転職の悩みを解決・転職に役立つサービス満載・doda限定の求人も多数・タイプ: 営業職, エンジニア, 事務職, 販売サービス, 人事, 総務, 法務, 経理, 財務。
財務専門官の参考情報
平均年収 | 400万円〜600万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 公務員 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
財務専門官の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします