ドローン操縦士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
さまざまな場面で需要が広がりつつあるドローン操縦士。仕事で利用するからには高度な技術が求められますが、それだけの技術を持った人材が不足しているのが現状です。この記事では、ドローン操縦士の具体的な仕事内容からその特徴、魅力などについてご紹介します。
ドローン操縦士とはどんな仕事?
無人飛行機を遠隔操縦などで飛行させるのがドローン操縦士の仕事
近年、空撮や農薬散布などのように従来から利用されてきた分野だけでなく、測量や警備などの分野でも使われるようになったことで注目を集めているのが、無人航空機のドローン。このドローンを飛行させるのが、今回紹介するドローン操縦士という職業です。
ドローン操縦士の仕事を簡単に説明すると、ドローンを飛行させて目的に合わせて操縦することになります。
現在販売されているドローンは、個人利用で使われる手のひらサイズのものからビデオカメラや物資を搭載することを前提とした中型~大型サイズ、軍事用の大型ドローンまでさまざまです。
ちなみに日本では、農薬散布や空撮、測量用途などのようないわゆる「産業用ドローン」を操縦する人のことを「ドローン操縦士」または「ドローンパイロット」と呼びます。
ドローン操縦士には、安定した操縦技術が求められる
2010年頃から一般に普及しはじめ、「空の産業革命」として一気にその名を知られるようになったドローンですが、その種類は様々。手のひらに乗る小型サイズから農薬散布やビデオカメラを搭載できるように作られたものや軍事用に作られた大型サイズのものまであります。
バッテリーの駆動方式に関しても、バッテリーで動くものからガソリンエンジンモデルまであり、遠隔操作で動かすものや自動制御で飛行させるものまでさまざまです。
こうしたドローンはビデオカメラや物資など、それなりの重量があるものを積載することが多いので、荷物を搭載しても不安定にならないよう機体も丈夫に作られていますし、モーターも出力が強いものが使われています。
そのため、どのような機体であっても安定して飛行させることのできる技術が必要です。
操縦技術だけでなく、撮影技術も求められる仕事
ドローン操縦士は、依頼に応じてさまざまな場面でドローンを飛ばします。皆さんがイメージするのは、Youtubeや報道番組などで使われる映像を撮影するいわゆる「空撮」と呼ばれるものでしょう。
その他、土地の測量や被災地など立ち入りが難しい場所での撮影においては、複数の角度から目的地の撮影を行う機会もあるかもしれません。
当たり前ですが、依頼する側は自分たちでは撮影できない映像を期待しています。操縦士には、どのような難しい注文にも応えられる操縦技術が必要です。また、測量の場合は画像を使った分析が必要になるので、立ち入りにくい部分で的確に撮影を行うことが求められます。
空撮では、絵になる画像を撮影するための撮影技術も求められるため、クリエイティブのセンスを要求される仕事です。測量や被災地での撮影の場合は、どこから撮影すれば求める画像が手に入るかを考える力が求められる仕事といえます。
農薬散布や物資の輸送では荷物を安定して運ぶことが求められる
すでにドローンが活用されている分野に、農薬散布があります。実際に大規模農場では、広範囲な土地で農薬の散布が行われており、そういった農家では仕事量の削減に役立っています。
ドローンによる農薬散布が盛んなアメリカでは、GPSを利用して自動操縦による農薬散布が行われている地域もあります。この場合は、ドローン操縦士の手による操縦より自動操縦のほうが需要も多いでしょう。
また、その他にも物流業界ではドローンによる宅配が実験されています。これに関しては、アメリカやイギリスのAmazonで「Amazon Prime Air」と呼ばれるサービスが行われており、一部地域が対象です。日本でも、高松市で小型ドローンを使って物資輸送を行う実験が行われています。
また実験段階なので、実際に実用化されるまでにはもう少し時間がかかるでしょう。ただ、日本は離島も多く陸送ではコストもかかりやすいので、ドローンによる宅配サービスが実用化されたら、仕事としてつながりやすくなるかもしれません。
ドローン操縦士の仕事は多岐にわたり、「空の産業革命」とも言われている
後ほど詳しく説明しますが、ドローン操縦士が活躍できる場は先に書いた空撮や農薬散布、測量などの他にも、警備会社での点検・検査、消防、宅配やインフラ管理など多岐にわたっています。実際、通販サイトなどでは手のひらサイズのものから、先にあげた産業用途に耐えうる構造のものまでさまざま見られます。
2015年4月に首相官邸に墜落したというニュースが報道されるなど、最初は物議を醸したこともあったドローンですが、現在は法整備も進み、政府も「空の産業革命」として活用を推し進め、宅配の実験が進められるなどさまざまな分野での利用促進が期待されます。
全世界的に操縦士が不足傾向にありますが、特に日本では仕事で活用できるだけの操縦技術を持った操縦士が不足しています。
実際にプロと呼ばれるようになるには、50時間~100時間以上の操縦経験が求められると言われていますが、そのように呼べるだけの技術を持った人はまだ100人程度しかいないのが現実です。
ドローン操縦士として必要な技術を有する操縦士は少ない
プロのドローン操縦士として認められるために必要な条件は、何でしょうか。
民間の認定資格・資格取得のための講座があるので、その受講条件を見てみると、操縦士の資格であれば10時間の飛行経験、インストラクターや安全運航管理者の資格を取得するためには50時間以上の飛行経験を有することとなっています。
単純に操縦するだけであれば最低10時間、プロとして産業用途で操縦したいのであれば最低でも50時間~100時間以上の飛行経験を必要としているところが多いようです。
日本では、2015年頃からドローンの飛行に関する法整備が進められ、ようやく制度が整ってきたのが現状で、資格制度についても2016年から認定が始まったばかりの新しい制度となっています。そのため、産業用途で活用できるだけの操縦技術を持つドローン操縦士が不足しており、日本国内全体でもまだ100人程度しかいないのが現実です。
その他にもホバリングや8の字飛行、ノーズインサークルなどの技術を低速や高速で確実にこなせる必要があるので、実際に仕事でドローンを使おうと思うと、操縦技術の高い壁があります。
ドローン操縦士の給料・収入レベルは高い人から低い人までさまざま
ドローン操縦士の市場はまだまだ発展途上です。しかしながら、現在需要のある農薬散布やインフラ保守・測量などといった分野のほか、宅配などの物流業界でも実用化に向けた各種実験が行われています。そういった分野も含めると、ドローン操縦士を必要とする分野は拡大傾向にあるといえるでしょう。
一方で、給与・収入レベルはどうかというと、高収入を得ている人もいればそこまで収入を得ていない人もいます。
「ドローン操縦士」と聞いて想像するのは、報道番組やYoutubeなどの動画サイトで見られる映像の空撮でしょう。空撮を行っている操縦士の場合、名前が売れている人であればフリーランスで億単位の年収を得ている人もいますが、それはあくまでも一握りで大半はほとんど収入がないというのが現実です。
需要があるのは、測量や太陽光発電などのインフラ保守などといった産業分野になります。こうした分野ではフリーランスで請け負う人より企業の正社員が関連資格を取得して、業務の一つとしてやっているのが現状で、平均の収入は分野によって異なりますが、260万円~450万円前後が平均です。
これを高いと見るか低いと見るかは、それぞれの価値観にもよると思います。それでも、現状でも生活に困らない程度の収入は得られていますし、今後活用できる分野が拡充することでドローン操縦士の需要も増えることが考えられるので、今後も十分な収入を確保できる可能性はあるといえるでしょう。
ドローン操縦士の具体的な仕事内容
ドローン操縦士の仕事は目的に合わせてドローンを操縦すること
ドローン操縦士の仕事は、「操縦士」という名前がついているくらいなので、その目的に合わせてドローンを操縦することがメインになります。
ドローンを使った仕事として、動画などの撮影(空撮)を行っている操縦士が取り上げられた影響で、「空撮」の仕事がよく取り上げられがちですが、実際には空撮以外の仕事における需要が多いのが現状です。
現在では法整備も進み、人口密集地域で飛ばす際は航空局の許可が必要となるなどの規制があります。また、他の飛行物体や鳥との衝突、下にいる人との衝突を避けるなど、危険に配慮することが求められるなど、安全への配慮が必要不可欠となります。
このように、安全へ配慮しつつ使用目的に応じてドローンを操縦することが要求される仕事といえるでしょう。
操縦以外でのドローン操縦士の仕事
ドローン操縦士の仕事は、ドローンの操縦だけではありません。操縦以外にも、さまざまな仕事があります。
ドローンを飛行させるためには操縦技術はもちろんですが、操縦以外の技術・技能も求められます。
ここでは、操縦に関連する仕事について説明していきましょう。
映像の撮影・機器の取り付け
ドローン操縦士が行う操縦以外の仕事で、代表的なのが映像の撮影です。映像の撮影はなにも空撮に限ったことではなく、ドローンを使った測量や警備用として人間の目や監視カメラの届かない箇所を監視するためなどの目的でカメラが使用されます。
カメラはいわゆる業務用のビデオカメラから、一眼レフカメラや監視用のカメラまでさまざまです。ドローンの中にはカメラが搭載されているものもあり、用途によっては搭載されているカメラで十分間に合う場合もあります。
ただ、搭載されたカメラの画像では不十分という場合には、取り外せる場合であれば、そのカメラを取り外して手持ちのカメラを取り外して撮影を行います。
基本的には外で飛行させるものなので、カメラを設置するときはブレを防ぐための「ジンバル」と呼ばれる道具と一緒に設置することが求められます。その際に確認しなければならないのが「ペイロード(最大積載量)」です。
ジンバルも一緒に設置をするのであれば、その分の重量も考えてドローンを選ぶ必要があるので、十分に注意してください。
モーターやバッテリー、制御装置のメンテナンス
どのような用途でドローンを使用するかにもよりますが、宅配や離島への配送で使うのであれば、最大積載量への対応はもちろんのこと、悪天候にも耐えうるようなモーターやバッテリーを搭載することが求められます。
また、趣味で飛ばすためのドローンと業務で使用するものとの最大の違いは、制御装置にあります。ホビー用であれば簡易的な制御装置でも十分に利用可能ですが、仕事で利用するとなれば雪や雨などといった悪天候にも対応できるよう3軸ジャイロや加速度センサーなどの制御装置をコントロールできなければ操縦もままなりません。
ドローンを操作するために必要な、こうした部品をメンテナンスすることも、ドローン操縦士の大切な仕事です。
ドローンのインストラクター
ドローンの操縦経験を積んで、低速・中速。高速での操縦技術を安定して使いこなせるようになったら、ドローン操縦士を養成する認定校でインストラクターを務めることも可能です。
それぞれの認定団体のインストラクターなどの資格取得が必要となりますが、技術を認められることでドローンの操縦を指導する道も開けてくるので、興味のある人は挑戦してみる価値があるでしょう。
撮影の許認可申請
ドローンは趣味で飛行させている人のほか、空撮や農業、測量、点検・整備、防災分野などで実用化に向けた実証実験が行われている最中です。これから数年後に各種分野で実用化が進んでいくものと考えられます。
そこで出てくるのが、墜落や衝突に関するリスクです。個人用であれば手のひらサイズで軽量ですが、産業用途で用いられるものになればカメラなど重量のあるものを搭載できるような構造になっている機体もあります。
そのため、利点を最大限に活用しながら、かつそのリスクを最小限に抑えるための法律とそれに基づいた制限ができました。代表的な法律は航空法で、次の3つのエリアでは原則飛行禁止です。
- 空港などの周辺エリア
- 人口集中地区の上空
- 地表または水面から150メートル以上の高さにある空域
これらの区域では、飛行させる前に国土交通省航空局に承認を受けなければ飛行させることができません。
その他、国土交通省が定めた飛行ルールとして、次のようなルールが定められています。
- 日中に飛行させる
- 目視で周囲を常に監視しながら飛行させる
- 人または物との間に30メートル以上の距離を保ち飛行させる
- お祭りや縁日など不特定多数の人が集まるようなイベントの上空では飛行させない
- 爆発物などといった危険物は輸送しない
- ドローンから物を落とさない
飛行ルール外の行為(夜間飛行など)を行う場合には、地方航空局長(国土交通省)による許可が必要なので、事前に許可を得なければなりません。
また、小型無人機等飛行禁止法という法律で、内閣総理大臣官邸や皇居・御所、自衛隊施設や米軍施設といった防衛関係施設といった防衛関係施設ではドローンを飛行させること自体が禁止です。
当然ですが、許可・承認を得れば飛行させることができるエリア(人口集中地区などの原則飛行禁止区域、もしくは飛行ルール外の飛行)であっても、許可が降りなければ飛行させることができないので、事前に許可を得れば飛行させることができる区域かどうか、許認可申請も操縦士の仕事になります。
許可や承認を取得した場合、国土交通省に対して3ヶ月毎の飛行実績報告が義務づけられるので、忘れないように気をつけてください。
河川敷で飛行させる場合は河川法、海であれば港則法や港湾法、公園内であれば自然公園法などといったような法律が関係してくるかもしれないので、事前の相談を行っておくといいでしょう。
最後に、事前に許可を得ていない車や人を追尾するような行為は、後のトラブルにつながる可能性もあるので、周囲に不安や不快感を与えないような配慮も必要となります。
ドローン操縦士の活躍の場は様々
一口にドローン操縦士といっても、活躍の場はさまざまあります。ここでは、すでにドローンを使って仕事が行われている分野から、現在実用化に向けた実験が行われている分野について幅広く紹介していきましょう。
現在、ドローン操縦士が求められているもしくは可能性のある分野は、下記のとおりです。
- 空撮(報道用、Youtubeなど)
- 農薬散布・農地や農作物の管理
- 測量(土地・家屋など)、建設現場などの監視
- 動植物の観察・監視
- 災害状況の調査
- セキュリティ(警備・防災など)
- 太陽光発電設備などの整備
- ドローンインストラクター
- 物流(宅配・離島への物資輸送など)
空撮(報道用、Youtubeなど)
ドローン操縦士の仕事と聞いて、多くの人が連想するのが「空撮」という言葉です。2016年以降は、報道番組やバラエティ番組でもドローンによる空撮画像を使うことが多くなっています。
その他にも、映画やYoutubeのような動画サービスで使う目的で撮影する人が増えているようです。意外と知られていないものとして、危険を伴う車のタイヤ撮影や地上での歩行シーンの撮影という用途もあります。
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組でも、ドローン操縦士が紹介されていることで、よりドローン操縦士と空撮というキーワードが結びつきやすくなっているのでしょう。
空撮を行うメリットは、空から見た世界を簡単に映像や写真として残すことができる点にあります。上限の高さは規制で決められているものの、人の手よりも簡単に高所からの撮影ができるので、より自由な構図での撮影が可能です。
動画サービスの存在やドローンが手に届きやすくなったことなどもあり、空撮を仕事にしたいという人も増えています。街や施設のPRなどで、こうしたドローンの画像を使いたい人もいるので、そうした方面からの依頼もあるでしょう。
ただし、シェアとしてはそれほど多くないのが現実なので、撮影実績やスキルに加えて「こういう構図で撮影するのはどうか」など提案する能力も求められます。
農薬散布・農地や農作物の管理
欧米などで広大な農場を所有している農家では、すでにドローンの自動操縦による農薬散布が実用化されています。
農薬散布では、定期的に一定量を散布することが求められます。また、面積が広くなればその分多くの人の手を割くことが必要になるため、人件費や手間がかかる仕事でした。
しかし、ドローンが数台あれば農薬散布が可能になるので、こうした分野での需要が増えてきたという背景があります。その他にも、農場を飛行させて監視を行うことで、農作物泥棒を防ぐことにもつながり、監視・管理を行う役割も期待できるでしょう。
日本でもこうした農薬散布や農地・農作物の管理に関する需要が期待できるので、これから農家での導入が増えてくると考えられます。
測量(土地・家屋など)、建設現場などの監視
以前は測量で地形の3Dデータを作成するための航空写真を撮影する際、航空機が使われていました。しかし、現在ではドローンを使って撮影が行われています。
航空機であれば操縦士が必要なので、測量技術者だけでなく操縦士の人件費も別途かかります。その点、ドローンは測量技術者が操縦してもいいので、そこで人件費の削減につながるため、現在では測量分野での活用が進んでいます。
また、建設現場でも建設資材を盗難する人がいるので、これまでは防犯カメラをつけている現場が多かったのですが、現在ではドローンを飛ばして空から監視しているところが多いようです。
この分野は、現在のところ比較的求人や需要も多い分野と言われています。測量士や測量士補としてすでに働いている人が経験のある分有利ですし、そうした有資格者が新たにドローン操縦士に関する資格を取っています。
それでも、測量技術や3Dデータ処理の方法を一から教えるという企業もあるので、測量分野で活躍したいドローン操縦士には狙い目といえるかもしれません。
動植物の観察・監視
これまでは、現地に行って直接観察するしかなかった分野ですが、ドローンにカメラなどを搭載することで綺麗な画像を見ることができるようになりました。
これによって自然に生息する動植物の生態を手軽に撮影して、観察・監視する用途で使われるようになりました。
災害状況の調査
近年、地震や洪水によって大きな被害が出ることも多くなりました。こうした被害が出たときは、状況調査をできるだけ速やかに行う必要があります。しかし、実際は立ち入り許可が出るまでは入るのが難しいこともあり、数日経過しないと立ち入り調査も難しいのが現状でした。
現在はドローンが普及したことで、人が入らなくても無人で被害状況の撮影ができるようになりました。ただし、ドローンも墜落するリスクがまったくないとはいえないので、しっかりとした操縦技術が必要です。
セキュリティ(警備・防災など)
警備や防災分野のドローン飛行も実用化に向けた実験が進んでいます。
どんなに防犯カメラをつけたとしても、どうしても盲点が出てきます。しかし、ドローンで空から監視することで、従来は届かなかったところも空から監視ができるので、犯罪行為を抑止する効果があるでしょう。
また、水難救助や防火などの分野でも、ドローンを活用した取り組みが期待されています。
太陽光発電設備などの整備
ドローンの活用が期待される分野に、太陽光発電設備などの整備があります。太陽光発電に使われるパネルは一般家庭であれば屋根、ビルであれば屋上にあるので、整備をしようと思っても簡単にはできません。
そこで、ドローンで点検を行って、各種整備を行う動きが出てきています。
ドローンインストラクター
ドローンに関連する法律の整備が進み始めてから、ドローン操縦士に関する資格制度の整備が進められてきました。
現在は、ドローンスクールで講義を受けてから試験を受験して合格することで資格が与えられるという流れとなっていますが、操縦経験を積んで各種技術を使いこなすことができると認められたら、ドローンスクールのインストラクターとして教えることも夢ではなくなるでしょう。
団体によっては、「ドローンインストラクター」という資格が制定されているところもあります。これについては、団体の推薦が必要なので、推薦されるよう技術を身につけることが必要です。
物流(宅配・離島への物資輸送など)
物流分野は、もっともドローン活用が期待される分野の一つといえます。日本は離島が多いのが特徴で、陸送で物資を運ぼうと思ったら、どうしても輸送コストがかかりやすいというのが弱点でした。
しかし、ドローンが普及したことで、ドローンに荷物を搭載して運ぶことで、人件費やガソリン代がかからなくなり経費削減につながります。
実際に、アメリカやイギリスではAmazonが宅配の実験を進めていますし、日本でも高松市で物資輸送の実証実験を行っており、将来の実用化に期待大です。
ドローン操縦士の仕事は今が狙い目
ドローン操縦士の仕事は、今が狙い目です。一般社団法人ドローン操縦士協会によると、2020年までに約14万人のドローン操縦士が必要になると言われていますが、実際にプロと呼べるだけの操縦技術のある人は100人程度なので、操縦技術を認められれば仕事を得やすくなる可能性があります。
ただし、風景や企業・施設などのPR動画を撮影する空撮の仕事は、ほぼ飽和状態です。現在は工事現場の測量や太陽光発電設備の点検・整備などの仕事が9割以上を占めています。
正社員として勤務している人もいれば、副業で稼いでいる人もいる
まだ法律や各種資格制度などが整備されている途中ということもあり、ドローン操縦士として働いている人も様々な形態が見られます。
空撮分野であれば、フリーランスとして個人で仕事を受けている人が多くいるのが特徴です。一方、現在のところ需要が多くなると予想される建設現場などの測量については、測量の知識が求められるため、建設会社で正社員として働いている人が新たにドローン操縦士の資格を取っています。
まったく知識がない未経験者でも、一からCADの操作を覚えることで測量の仕事を行うことも可能とはいえ、知識が求められるため経験者が重宝される可能性が高いでしょう。
その他の分野では、本業が休みの日だけ副業で仕事を行っている人もいます。実際、ドローンを動かす時間も特別な理由がない限り、日中が多いので副業で行う人が多いと考えられます。
これからは転職も狙い目になる可能性が高い
ドローン操縦士に関する資格制度が作られたのは2016年で新しい資格です。現在は民間資格でも、今後は国家資格や免許性になる可能性もあります。
現在は車やバイクのように免許制ではないため、無資格で操縦しても違反にはなりません。操縦経験をしっかりと積んでいき、高い技術があると認められたらベテラン操縦士として重宝される可能性もあるでしょう。
転職についても、若い世代であれば未経験でも採用される可能性もあると考えられますし、その分野の専門知識があれば、ドローン操縦士としての操縦技術と合わせて転職で有利になる可能性も出てくるかもしれません。
ドローン操縦士の仕事のやりがい
政府も推し進める「空の産業革命」を支える仕事
ドローン操縦士の仕事のやりがいは、「空の産業革命」という呼び声も高い仕事という点です。
「ドローン」という言葉が一般に知られるようになったのは、2015年4月に報道された「総理官邸にドローンが墜落したのが発見された」というニュースだったこともあり、最初はお騒がせなものというイメージで見られていました。
しかし、各種産業分野での活用が期待され、実用化に向けた各種実験が盛んに行われるようになってからは、そうした声も少しずつ小さくなり、地上からでは考えられない風景を撮ることができるという点で高いやりがいを感じている人も多くいます。
経験や実力が形になる仕事
今後、どのような制度になるのかについては不透明な部分もまだまだ多いものの、各種関連法律の制度や資格認定制度も整えられていくでしょう。
これから2020年までに約14万人のドローン操縦士が必要になると言われており、今後もドローン関連サービスが広がっていけばより多くの操縦士が求められるようになる可能性もあります。
車やバイクのように免許が必要ではないので、無資格で操縦しても違反に問われることはありません。そのため、ドローンを活用した仕事をしたいと考えているのであれば、関連する法律の知識を身に着けながら、実際に操縦経験を積んでいくことが必要となってくるでしょう。
そこに測量や物流、警備などの専門分野に関する知識が加わることで、鬼に金棒の人材となることができるようになります。
ドローン操縦士の仕事内容まとめ
ドローン操縦士は、操縦技能以外にも専門分野の知識が求められる
ドローン操縦士という職業は、文字通りドローンを操縦することが仕事です。しかし、当然のことながら、ドローンを操縦するだけで仕事になるわけではありません。
たとえば空撮であれば、ドローンの操縦技術の他、絵になる写真や動画を撮影できることが求められます。測量分野であれば、土地や家屋の測量に関する知識・技術が必要です。その他、警備や物流でも、各分野で必要な専門知識があります。
現状では、測量や警備などの専門知識の上に、ドローン操縦技術が求められるという形になります。フリーランスとして働くというより、正社員がさらに操縦知識を身につけるもしくは副業で関連する仕事をするというイメージが強いので、まずは操縦に関する知識と経験を身につけるといいでしょう。
ドローン操縦士の参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 運輸・乗り物 |
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