左官の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

左官の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

こてを使い壁や床を仕上げる職人である左官。きれいな平面の壁だけでなく、デザイン性にあふれた芸術的な壁や天井を仕上げる左官は、具体的にどのような仕事なのでしょうか。左官を取り巻く環境や仕事内容について紹介します。

左官とはどんな仕事?

鏝(こて)を使い壁や床を作る職人

左官とは建物の建築に関わる職業で、鏝(こて)を使って材料を塗り、壁や床などを作る職人を指しています。

建物の新築時には仕上げとして登場し、組みあがった建物の壁や床を仕上げていきます。均等にムラがないように材料を塗り、きれいな平面を作り上げる技術はまさに一流の職人芸。しかし一流の左官となるには長い経験を積む必要があります。

左官という呼び名には歴史があり、由来は平安時代にまでさかのぼります。宮中の建築物に関わる職人を出入りさせるには官位が必要だったため、壁塗り職人に「左官」という官位を与えたのが始まりといわれています。

外壁塗装で高まる需要

左官の主な仕事は建築物の新築、増築時に壁や床を塗ることですが、近年では補修のための活動にも需要が高まっています。

建築物の外壁には耐用年数があります。素材により差はありますが、おおよそ10~20年程度といわれており、建物の壁は建てた順から壁が傷んでいきます。

外壁の傷みが小さなひび割れ程度のうちは問題ありませんが、長い間放置するとやがて雨漏りや内壁の腐食につながり、最終的には柱や梁といった建物の骨格にまで影響がおよびます。

そういった惨事を防ぐために定期的な外壁の塗りなおしが必要とされ、左官による外壁塗装の需要が非常に高まってきています。

左官業界が抱える後継者問題

職人数の減少に悩む業界

左官を含む職人の世界は男性社会で上下関係が厳しく、肉体的にも非常に厳しい上、給料も安い「3K」と呼ばれる職業というイメージが残っています。それも影響してか、左官の職人数は年々減少しており、60代以上の職人が中心で活躍しているのが現状です。

業界では後継者不足を大きく問題視しており、左官志望者を増加・定着させるために対策を講じています。

習得までに10年かかり、見て覚えるのが当たり前といわれた左官の技術。これを体系化し、人材育成のプログラムに落とし込むことで、トレーニング慣れしている若者に左官の技術を身に着けさせる動きがでてきています。

また他業界で働く人間に対して「塾」を開き、左官を体験しながら技術を身に着けてもらうというような、門戸を広げる活動も行われてきています。

女性や若者の希望者が増加中

左官は大工やとび職に比べ、重い材料を大量に運ぶ必要がないことから、肉体的な負荷は比較的軽い職人業です。また建物にあった壁をデザインし、自らの技術で仕上げる芸術性が求められる点も知られています。

人材育成プログラムや塾といった、左官に触れる機会を増やし、体系的に左官の技術を学べる形式を重視し始めた結果、若者や女性の志望者が徐々に増加してきています。

左官の仕事の具体的な内容

多種多様な壁を作る

工程には時間がかかる

左官の代表的な仕事は「塗り壁」です。必要な素材を調合し、壁に適した材料を作り上げるところからが左官の仕事です。

塗り壁は、材料を一度に塗って終わりにはなりません。大まかに塗り付ける下塗り、徐々に形を作っていく中塗り、最終的な仕上げをする仕上げ塗りと、細かい段階を経て壁を作っていきます。

それぞれの段階で材料を塗った後は、完全に乾かしてから次の塗りに入ります。そのため、塗りの時間と乾かす時間まで計算にいれる必要があるため、左官の工程には非常に時間がかかります。

しかし建築の最終工程に登場する左官は、それまでの工程で遅れが出ている場合には少しでも工期を短縮することが求められることもあります。スピーディで確実な塗りによって時間を短縮することも、左官に求められている仕事の一つといえるでしょう。

壁だけが塗る対象ではない

塗り壁が代表的な仕事ですが、それだけが左官の仕事ではありません。

レンガやブロックを積んで、壁を作ることも左官の仕事として知られています。塗り壁ほど繊細な塗りは求められませんが、レンガのつなぎとなるモルタルの量や塗り方によって、壁の安定性に大きな差がでます。長期間崩れずにもつ頑丈な壁が出来上がるのも、左官の腕によるところが大きいのです。

またタイル張りも左官の仕事の一つです。同じサイズ、形のタイルをずれがないように規則正しく張るためには繊細な塗り、張りの技術が必要です。

またさまざまな形やサイズ・色のタイルを組み合わせ、デザイン性の高いタイル壁やタイル床を作ることもあるため、芸術的なセンスも要求されます。

塗る対象は壁だけではない

左官が仕上げる対象は壁や床だけとは限りません。

デザイン性の高い住居などでは、壁や床だけでなく、キッチンや洗面台、テーブルにも施工し、オリジナル性の高い住居に仕上げることが要求されることも。

またキッチンスタジオやギャラリーのような、機能と芸術性の両面を重視したい環境においては、床と什器を一体化させるように、境目のない同一の塗りを施すこともあります。

複雑な形の家具などに、デザイン性の高い塗りを施すためには、壁とは違った技術を駆使する必要があるでしょう。

最高峰は塗り天井

左官の仕事の中で、最高峰の技術が要求されるのが塗り天井です。

天井は光の影響を受けやすく、波やムラがわかりやすいため高度な塗り技術が求められます。天井の塗りがきれいにできるようになれば、一人前の左官といってよいでしょう。

左官の仕事のやりがい

建物の評価を決める最後の仕事

左官は建物の建築工程の最後に登場し、最も目につきやすい壁や床を仕上げる仕事を担当します。建物が完成した後に施主の目に最初に入るのはまさに壁や床。ここでの印象が良くないと、建物全体の仕上がりが悪いという印象になってしまうこともあります。

左官の仕事の出来栄えにより建物の評価が変わることは、大きなプレッシャーになるともいえます。しかし自身の仕事の出来栄えが直接評価されやすいことは、大きなやりがいをもって取り組むことができる点でしょう。

世界に一つだけの壁を作り上げる

左官が行う作業は全て手作業です。タイル壁のように、ある程度形がきまった材料を使って壁を作ることはありますが、壁のサイズ、設置する場所、仕上がりの具合など一つとして同じ壁は存在しません。

施主から受けるさまざまな要求に応じて、左官は最適な壁を作り上げます。ほかの誰にも作れない、世界に一つだけの壁を作り上げることは、職人冥利に尽きるでしょう。

求められる芸術性

建物を建てるとき、施主はそれぞれが頭の中に理想の完成図を描いています。その完成図の中にはもちろん壁や床、天井も含まれており、きれいなだけでなくデザイン性のある施工が求められることも少なくありません。

施主のイメージを把握し、自らの技術で形にしていくためには、左官本人に芸術的なセンスが求められます。まるでデザイナーズマンションでしか見られないような、デザイン性の高い壁や床に仕上がったとき、施主の感動はとても大きなものになるでしょう。

磨き上げた芸術性が施主に喜んでもらう形となることは、左官として大きなやりがいと充実感を得られることでしょう。

左官の仕事内容まとめ

壁や天井を作る職人芸

建物の壁や床、天井を作る職人が左官です。さまざまな種類のこてと材料を使い、自由自在に思い通りの壁を塗る役割は建築においてとても重要であり、近年では女性や若者の就職先として評価が高まっています。

>建築の最後を締める技

建物の建築において左官が登場するのは工程の最後です。組みあがった建物に対し最後に壁や床を仕上げることにより、建物が完成します。壁や床は施主が最初に目にする個所であるため、左官の仕事がその建物の評価を左右するといっても過言ではありません。

高めた芸術性で唯一無二の壁を作る

建物によってはデザインを施した壁に仕上げることを求められることがあるため、左官には芸術的なセンスが求められます。すべて手作業で行われ、自らのセンスで仕上げられる壁は、世界で唯一無二の存在となるのです。

左官の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種建築・不動産

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