ブロックチェーンエンジニアに必要な資格や試験は?詳しい内容と関連資格を解説
ブロックチェーンエンジニアとして働く上で資格を取得しておきたいと考える方もいるでしょう。実際にどのような資格を取得すれば良いのか知ることで取得に向けたモチベーションも高まります。今回はブロックチェーンエンジニアに役立つ資格試験について解説を行います。
ブロックチェーンエンジニアに役立つ資格とは?
ブロックチェーン技能検定
ブロックチェーンエンジニアとして働く上でブロックチェーン技能検定の取得はおすすめです。これはブロックチェーン推進協会(BCCC)が実施している検定試験で、ブロックチェーンに関する正しい理解や普及を目的として実施されています。
資格を取得すればブロックチェーンに関する正しい知識を持っていることを証明できるので、就職の際も有利に働きやすくなります。
エンジニアの知識や技術に特化した検定
ブロックチェーン技能検定はエンジニアの知識や技術に特化した検定試験です。ブロックチェーンや仮想通貨に関する知識を問われることがメインです。
その他、ブロックチェーンの基礎的な講義プログラムに関する習熟度合いを図る場としても利用されています。
出題内容としてはブロックチェーンの技術的な問題が多く、数学やネットワークに関する知識問題もあります。ブロックチェーン技術を中心に幅広く対策を練ることが重要です。
暗号通貨技能検定
暗号通貨技能検定もブロックチェーンエンジニアに役立つ資格の1つです。暗号通貨技能検定は日本クリプトコイン協会が主催する検定試験です。協会は暗号通貨に関する理解力向上や使用促進などを目的として活動を行っており、その一環として検定試験を実施しています。
初級検定と上級検定の2種類
試験は初級検定と上級検定の2種類に分けて実施されます。上級試験は初級試験に合格した受験者のみ受けることができます。初級検定に関しては80点以上が合格ラインです。
16歳以上が対象で暗号通貨に関して興味がある方や前向きな姿勢がある方は誰でも受験できます。
検定講座が用意されている
初級検定と上級検定のいずれも日本クリプトコイン協会が実施する検定講座を受講できます。基本的には検定講座を受講した上で試験を受けることになるので、暗号通貨に関する知識がなくてもチャレンジ可能です。
講座で説明されることを中心に試験で問われるので、講座の内容をしっかりと把握できれば十分に合格のチャンスがあります。
初級検定の講義は約4時間行われるので、試験に向けて十分に知識を入れることができます。
合格者は公認インストラクターとして講義も可能
上級検定に合格して口頭試問までクリアすると、「公認アドバイザー認定証」を授与されます。公認アドバイザー資格の保有者がインストラクター養成講座を受講して一定の資質やスキルがあると判断された場合、公認インストラクターとして活動する権利を付与されます。
公認インストラクターになると、ご自身で初級検定講座を開催できます。そうなればブロックチェーンエンジニアとして働きつつ、講師として働くチャンスも広がります。
公認上級アドバイザーとしての仕事も可能
インストラクターとしてさらに上を目指したい方には公認上級アドバイザーと呼ばれるポジションがあります。公認アドバイザーの資格を取得した上で、暗号通貨基礎講座を10回以上開催すると公認上級アドバイザー資格が付与されます。
公認上級アドバイザーになると学校や企業に出向いて出張講座などを行うことも可能です。優秀な人材には協会から講座開催の打診が来ることもあります。
いずれの資格もオンラインで受験可能
ブロックチェーン技能検定と暗号通貨技能検定の双方に共通するのはオンラインで受験できることです。試験会場に出向く必要がなく、自宅でも受験できるため学生だけではなく社会人も受験しやすい検定試験です。
暗号通貨技能検定の方は講義とセットで受験可能であり、知識がない方でもチャレンジしやすい試験となっています。まずは気軽な気持ちでチャレンジしてみるのも良いでしょう。
資格取得によって知識やスキルを客観的にアピールできる
検定試験に合格して資格を取得することによって、自身の知識やスキルを客観的にアピールできるというメリットがあります。ブロックチェーンや暗号通貨に関して知識やスキルがあると自信を持っている人でも、その知識が本当に正しいものなのか客観的に証明することが難しい場面もあります。
その点において、協会が発行している認定証を提示できれば初対面の人に対しても知識やスキルを証明しやすくなります。就職活動の際もそうですし、取引先との交渉に臨む際にも認定証を提示することで相手に聞く耳を持ってもらいやすくなるでしょう。
ブロックチェーンエンジニアに役立つ資格の難易度・合格率
ブロックチェーンエンジニアに役立つ資格試験として、ブロックチェーン技能検定と暗号通貨技能検定の試験概要を紹介します。ブロックチェーンエンジニアとして活躍したいと考えるのであれば、どちらの資格も取得しておきたいところです。資格を持っていて損をすることはありません。
それぞれの試験概要について確認しましょう。
ブロックチェーン技能検定の試験概要
ブロックチェーン技能検定はエンジニアに特化した体系的な技能検定として実施されています。個人でも受験可能ですし、BCCC会員企業の場合は受験料を安くすることができます。受験資格も特に設定されていないので、どなたでもチャレンジできます。
試験時間は60分で、合格点に関しては全50問のうちの60%以上(30問以上)の正答率が必要とされています。
合格率
非公開
受験資格
年齢・性別・学歴・職歴などによる制限はなし
受験費用
- 一般:2万円(税別)
- BCCC加盟企業:1万5,000円(税別)
出題範囲
- ECDSA:数学的な知見に関する問題
- Script:ビットコインでの取引を行う際のコマンドの知識に関する問題
- データ書式:ブロックチェーンのデータフォーマットに関する問題
- P2P:ネットワークのコア技術に関する問題
- BIPS:ビットコインの標準仕様に関する問題
暗号通貨技能検定(初級検定)の試験概要
暗号通貨技能検定(初級検定)は16歳以上であれば基本的に誰でも受験可能です。事前の講義を受講した上で試験に臨みます。
試験時間は20分で80%以上の得点率で合格です。事前の知識がなくても合格できるチャンスがある試験であり、まずは暗号通貨システムやブロックチェーン技術の仕組みについて理解することがポイントです。
合格率
非公開
受験資格
16歳以上で日本クリプトコイン協会が実施する暗号通貨技能初級検定講座を受講した方
受験費用
- オンライン受講&資格試験:4万5,000円(税別)
- 教室受講&資格試験:5万円(税別)
出題範囲
- お金について
- 暗号通貨の未来と可能性
- 暗号通貨とは何かについて
- 決済システムの進化について
- ブロックチェーン技術
- ウォレット作成演習
暗号通貨技能検定(上級検定)の試験概要
暗号通貨技能検定(上級検定)は初級検定に合格した方を対象として実施される試験です。初級検定に比べてさらに深い知識の習得が求められる試験であり、暗号通貨やブロックチェーン技術を活用してさまざまな問題解決へとつなげるなどの探求心も求められます。
上級試験では小論文の作成や口頭試問も実施されます。それぞれのテーマについて深い知識や情報、システムと技術に関する自身の熱意などをアピールすることがポイントです。
合格率
非公開
受験資格
暗号通貨技能検定(初級検定)に合格し、「暗号通貨アドバイザー」の資格を所有する方
受験費用
7万円(税別)
出題範囲
- FATF調査報告書および信用創造
- 改正資金決済法・改正金融商品取引法と税法
- 暗号通貨システムの概念
- 暗号化技術
- 暗号通貨システムの構成技術
- ブロックチェーン技術
- システムとしての暗号通貨
- SDGs×Blockchain×Action
ブロックチェーンエンジニアの関連資格を取得するのに役立つ学校や講座
ブロックチェーンエンジニアの関連資格を取得するために独学で勉強することも可能ですが、学校に通うことでより効率的に知識やスキルを習得できます。ブロックチェーンに関する知識や技術はもちろん、エンジニアとして活躍するためのコースも用意されているところがおすすめです。
学校によっては就職や転職のサポートを行ってくれることもあるので、資格取得と合わせて一石二鳥です。具体的なおすすめの学校について確認しましょう。
ブロックチェーン大学校
ブロックチェーン大学校ではブロックチェーンに特化した入門コースが用意されています。「文系ブロックチェーン人材になるためのプログラミング入門コース」では、ブロックチェーン技術の仕組みや全体像を理解した上で、データ構造やアドレスの理解、ブロックチェーンの実装など、実践的な内容が盛り込まれていることが特徴です。
教室受講も可能ですし、Webでの受講も可能です。日中は仕事で忙しい社会人でも学びやすい形式になっているところが魅力的です。費用的には20万円前後の料金がかかることが一般的です。
希望者にはブロックチェーン企業を紹介する制度もあります。講師への質疑応答や受講者同士のコミュニケーションも活発に行われているので、自身に足りないスキルを身につけやすい環境が整っています。
公式サイト:ブロックチェーン大学校
Udemy
Udemyではオンラインでエンジニアとして必要な知識やスキルを習得できます。ブロックチェーンに関しても「ブロックチェーン超入門」コースなどが用意されており、ブロックチェーンに関する知識を体系的に学ぶことができます。
ブロックチェーンに限らず、Pythonやjavascript、人工知能や暗号通貨など、テーマごとに好きなコースを選択できることも特徴です。
費用は講座やコースによってさまざまですが、1講座1,500円から2万4,000円前後で受講できることが多いです。
自身で学びたいと思った分野を集中的に選択できるので、短期間で効率的な学習効果を期待できます。世界最大級の講座数が用意されているので、何か学びたいことがあったらUdemyの公式サイトを閲覧してみると良いでしょう。
公式サイト:Udemy
Tech boost
未経験からIT業界やブロックチェーンエンジニアを目指したい方にはTech boostがおすすめです。Tech boostではエンジニアの転職に力を入れており、未経験の方でもチャレンジしやすい環境があります。
1人1人の受講者に合わせたオーダーメイドのカリキュラムを組むことが特徴で、ブロックチェーンや暗号通貨について学びたい方には専用の独自カリキュラムが組まれます。
学習形式に関してはオンラインか通学のいずれかを選択できます。3ヶ月以上の期間にわたって学べることも特徴で、費用は20万円から30万円前後です。
就職や転職の支援サポートもあるので、ブロックチェーンエンジニアを目指している方は積極的に活用することがおすすめです。
公式サイト:Tech boost
ブロックチェーンエンジニアの資格試験まとめ
資格取得でブロックチェーンエンジニアとしての客観的なスキルを証明しよう
ブロックチェーンエンジニアとして活躍するために関連資格を取得することは有効です。資格がなければブロックチェーンエンジニアになれないわけではありませんが、自身の知識やスキルを客観的に証明する手段として資格取得には価値があります。
資格取得に向けた勉強に励むことで、ブロックチェーンや暗号通貨の知識を体系的に整理することができます。習得した知識やスキルが実際の業務に活きることもあるでしょう。
暗号通貨技能検定であれば、試験対策を兼ねた講座も用意されています。現時点で全く知識がない方でもチャレンジしやすい環境が整っているので、興味がある方は積極的にチャレンジしましょう。
ブロックチェーンエンジニアの参考情報
平均年収 | 500万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | コンピューター |
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