小説家の資格試験とは?小説家の登竜門である新人賞の詳細や、その他のデビューへの道

小説家の資格試験とは?小説家の登竜門である新人賞の詳細や、その他のデビューへの道

ベストセラーを出せば億単位の高収入を見込める小説家の世界。小説家になるために特別な資格は必要ありませんし、新人賞を獲るのも必須ではありません。しかし商業的な成功を望むのであれば、新人賞獲得は最善、かつ最適なセオリーです。今回は、小説家の登竜門である新人賞の詳細や、その他のデビューへの道についてご紹介します。

小説家デビューへの入り口である「新人賞」とは?

小説家デビューを目指すには「新人賞」への応募が最適

書店には様々な新刊小説が毎月のように棚に並びます。ベストセラーを出せば億単位の高収入をも見込める小説家の世界。そのデビューへの第一歩となるのが、出版社などが主催する新人賞です。

公募の文学賞については、全国規模、地方規模問わず全国に数多く存在します。全国的に知名度の高い有名作家、ベストセラー作家が審査員を務める魅力的な賞も多々あるでしょう。しかし、一般的な公募の文学賞、新人賞と銘打っていない文学賞は、「作品を評価する」ことのみが主眼であり、新人を発掘し育てようという取り組みではないことが多いです。

小説家としてデビューを望み、その後も小説を書き続けて稼いで行くことを望むのであれば、公募の文学賞ではなく、新人賞に応募するのが最適と言えるでしょう。公募から話題になることもなくはありませんが、出版社の新人賞を狙うのが着実かつ圧倒的に有利です。

出版社が主催ということで一定の賞金も頂けますし、新人を育てることを主軸としている賞なので、受賞後は出版社の担当者がついて、デビュー後の面倒も見てもらえます。

新人賞応募資格は、新人であり、オリジナル小説であること

新人賞はいくつかありますが、各賞概ね年一回行われます。メフィスト賞など、随時募集の新人賞もありますが、極めて少数です。新人賞は、基本的に作品の出来が重要視され、年齢、学歴、資格は不問です。ただし、新人賞は文字通り、特定の出版社と契約していない無名の新人であることが条件となります。

そして、「これまで公開したことのないオリジナル小説であること」が重要です。これは雑誌だけでなく、同人誌やWebサイトで公開した作品や、自費出版した作品も含まれますので、アマチュアで小説家として活動している方などは注意が必要です。

新人賞の傾向は大きく3種類、長さは賞によって様々

新人賞には様々なジャンルの賞があります。純文学から、ライトノベル、ホラー、ミステリ、恋愛、時代小説など。新潮新人賞、小説現代新人賞などのように、ジャンルを指定しない新人賞も少なくありませんが、大きく分けると3種類、「純文学」系の新人賞と、「大衆・エンターテインメント」系の新人賞、そして「ライトノベル」系の新人賞に別れます。

また、新人賞の応募条件を見てみると、作品の長さも様々です。小説の新人賞というと長編小説を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、オール讀物新人賞や太宰治賞など、原稿用紙換算50枚からという短めの作品でも応募できる新人賞も存在します。しかし、応募作の執筆にあたっては概ね100~250枚を目安にすると、応募できる新人賞の幅も広がります。

応募作のジャンル選びについては、ライトノベル系はジャンル特有の癖や特徴が重要視される傾向にありますが、純文学系、エンターテインメント系は間口が広い印象があります。とはいえ、ここ数年の受賞作を一通り読んでおくなど、応募したい賞の傾向を把握しておくことも重要です。

まだ見ぬ新人を発掘するためにジャンルの間口は広いですが、得意ジャンルに合致する新人賞があれば、そちらに応募するのも得策かもしれません。

新人賞の難易度、倍率

倍率は極めて高く、一次選考で殆どが落とされる

新人賞の場合、応募数は概ね700~2,500作品の範囲に収まるものが大半となっています。大手出版社が主催する純文学系の新人賞だと、1,500~2,500作が平均となります。しかし賞によっても様々で、ライトノベル系新人賞で最大手の電撃小説大賞は、知名度が極めて高いため、5,000作もの応募数があると言われます。

これらの大量の作品の中から、一次選考を突破する作品は、応募数2,000作を超える新人賞で300~500作、応募数1,000~1,500作の新人賞で70~100作と言われ、極めて倍率が高く、一次選考を突破することすら難しいことがわかります。一次選考の段階で、応募総数の9割以上は落とされてしまう計算になります。

新人賞応募作には、応募規定を守っていないものが多い

新人賞を選考する、特に一次選考を行う出版社の編集担当や社員がよく口にするのは、「応募規定に満たない、明らかに応募規定を守っていない作品があまりにも多い」ということです。応募総数が1,000作を超えるような新人賞での一次選考突破作品数を見ても分かる通り、9割以上の作品は一次選考すら突破せずに落選しています。

つまり出版社の人間もこの傾向に従って、二次以降の選考を煩わせることがないよう、できる限り作品を減らす必要があるわけで、一次選考は「9割は落とす」つもりで読んでいるということです。これだけの数を落とすとなると、応募規定に沿っているものでも気の長い選考員でも最初の4枚で落とす、などと言われています。ましてや応募規定に明らかに当てはまっていないものは、内容に関わらず、一次選考で容赦無く落とされることになります。

新人賞に応募するなら尚のこと、応募要項をよく読んで、規定はしっかり守りましょう。基本的なルールを守って初めて、スタートラインに立つことができます。ルールを守っても9割は落とされてしまいますが、せっかくの機会ですから、くだらないミスで落選というのだけは避けたいものです。

デビュー後の文学賞の難易度について

デビュー後の文学賞は公募制の新人賞よりさらに狭き門

デビュー後に選考委員によって選ばれる文学賞として代表的なものは、芥川賞、直木賞などが挙げられます。これらの賞は、概ね、ここ1年で出版された小説作品の中から、優れた作品を選考委員が篩に掛け、選抜する仕組みになっています。芥川賞、直木賞は、1月と7月の年2回です。

総務省統計局が出している「日本統計年鑑」2016年度の出版関連のデータによれば、「文学」のジャンルで1年に出版された本の総数は、13,381冊にも上ります。各賞の受賞傾向、ジャンルによってさらに絞り込まれる可能性があるとはいえ、1年にこれだけの文学作品が出版されており、その総数がそのまま新人賞でいう応募総数に当たるわけです。年2回で半々であると考えても、6,000冊を超えます。

これまで見てきた通り、新人賞では平均しても2,000作品、多くても5,000作品からの選抜であることを考えると、相当な狭き門となります。直木賞の場合ですと、全くの新人から、ある程度キャリアを積んだ無名の若手作家まで間口が広く設けられていることから、自分よりもキャリアのある競争相手が山のようにいるわけです。小説家として高い評価を得るためには、デビュー後もかなり厳しい戦いが待っていると言えるでしょう。

小説家の可能性を広げる「本屋大賞」

また近年よく話題になっている賞として「本屋大賞」があります。これは権威のある有名小説家や識者など著名な審査員を置き選考する従来の賞とは異なり、書店員有志が組織する委員会によって運営されている賞で、審査員は書店で働くスタッフ(正社員、アルバイト問わず)が務め、審査員の投票によって受賞作が決まります。

過去1年に出版された作品の中で、書店員が面白い、お客様にも勧めたい、と思った作品を投票し、大々的に発表されますので、より現場に即した視点で判断されます。ベテランと新人の垣根なしに、大衆的でエンターテインメント性の高い、話題性の高い本が選ばれる傾向にあります。

湊かなえさんの『告白』も、当時新人ながら本屋大賞に選ばれ、話題を呼んだ作品です。新人のデビュー作が本屋大賞にノミネートされ、受賞するのは史上初の快挙でした。芥川賞も新人の登竜門として知られていますが、元々純文学系の章です。

本屋大賞の出現によって、これまで権威ある賞に選ばれるのが難しかったライトノベル色の強い作品や、エンタメ性の高い作品も、一気に話題となり売り出される可能性が出てきました。Webのコラム記事などを読んでいると、今や芥川賞や直木賞よりも、本屋大賞の方が時代に即した適切な賞となっている、なんて声もあるくらいです。

小説家を目指すための学校等

小説専門の養成課程を持っている学校は少ない

小説家としてデビューを目指すには、新人賞の受賞が第一歩となり、応募資格に年齢学歴は問わないことから、特段学校に通わなくても、才能のある人は賞を取ります。しかし、小説家を育てる学校も少ないながら存在します。

専門学校には、小説家というよりも脚本家、シナリオライターを育てる学校が多く、ノベルス専攻があっても、シナリオ学科の一部であることが殆どといっていいです。小説と脚本、シナリオの書き方は当然のことながら大きく異なりますが、プロットの立て方、ストーリーの組み立て方、構成の仕方など小説とシナリオで通じるところも多くあり、効果的で実践的な教育を受けることができます。

ノベルス専門のコースがあれば、作家を呼んでより実践的な新人賞対策や、デビューへの道筋を教えてもらえますし、ノベルス・シナリオ部門を置く専門学校の中には、多くの場合アニメや漫画や映画など他メディアのクリエイターを育てる学科も併設されていて、他の分野の表現に、シナリオという形でコラボレーションをすることができる授業もあります。

今や小説もメディアミックスが前提の時代です。専門学校に通うメリットは、まさにそこにこそあると考えられます。

小説家デビューへの道まとめ

小説家はデビューしてからが勝負!時代に沿った道を探しましょう

小説家になる、少なくとも商業的な小説家になるには新人賞を受賞してデビューするのが最適なルートなのは今も昔も変わりません。しかし、デビュー後のキャリア形成については、昨今の出版不況を考えると、これからますます時代とともに変化して行くでしょう。

話題になったもの勝ちの小説家は、幅広い視野を持って道を切り拓く必要があります。

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