芸術家になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説
芸術家になるにはどのようなことが必要でしょうか。芸術家と言うと、天性の才能や心の声に従って、気が向いたときに自由に創作活動をしているイメージがあるかもしれませんが、実際に芸術家として身を立てるためには大変なこともあるようです。本記事では、芸術家になるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
芸術家になるには何が必要?
人に感銘を与える芸術性が求められる
芸術家になるために必要な資格や学歴などは何もありません。芸術家を名乗るのも自由なので、なりたい人は誰でもすぐになることができます。
ただし、芸術家として生計を立てていこうとすれば話は変わります。芸術家の主な収入源は、彫刻や絵画、陶芸品、工芸品といった美術作品を製作して販売したり、歌や楽器を演奏して入場料収入を得たりして得られるものです。しかし、お客様からお金を払うだけの価値があると思ってもらえるような芸術作品を生み出すのはかなり難しいことです。
美術作品を購入する理由は人それぞれです。その作品を目にして感銘を受けた、自宅に置きたい、といった理由から購入する人は多いかもしれません。また、芸術鑑賞が良くわからなくても、話題性やステータスのために購入する人もいるでしょう。
将来の価格上昇を期待して投資目的で美術作品を購入する人もいます。いずれにしても、一つ一つの作品に何らかの芸術性や、専門家に評価されるだけの実績、話題性などが必要です。
歌手や楽器の演奏家も同様です。その演奏会を聴きに行くだけのことはあると思ってもらえるためには、これまでにも素晴らしい演奏をしてきたとか、有名なコンクールで優勝した、有名な演奏家の弟子である、といったプロフィールがなければならないでしょう。
したがって、芸術のみで生計を立てていけるような芸術家になるには、人に何らかのインパクトを与えるような芸術性が不可欠です。
生計を立てるのは困難
芸術家になるには、学歴や職歴などは一切関係ありません。生まれながらの芸術性を持ち合わせていれば、すぐにでも芸術家になることができます。たとえば、自宅などで好きな時間に好きなだけ創作活動をし、その作品を高額で買い取ってもらうことができれば、芸術家として生計を立てていると言えます。
しかし、現実にはそのように生計を立てられる人はごく一握りです。多くの芸術家志望者は、生活のために別の仕事をしてプライベートの時間に創作活動をしているのが実態です。美術館・博物館や音楽機材・楽器販売店など、芸術分野と近いところで働く人が多いようです。陶芸や工芸の工房で働いている人もいます。
芸術家個人に弟子入りする方法も
芸術家個人に弟子入りして、師匠のお手伝いをしながら芸術家を目指す人もいます。たとえば、演奏家に弟子入りし、演奏会のオファーを受けたり、スケジュール調整をしたり、クライアントとの事前打ち合わせをしたり、演奏衣装や楽屋の準備、片づけといったマネージャー業のようなことをしながら演奏について学ぶといった具合です。
この場合、演奏家の間近で演奏やリハーサルの様子を見聞きすることができます。また、演奏家が演奏のために日頃どのような練習や勉強をしているのか、といった一般のお客様には見せない姿を知ることができるというメリットがあります。
しかし、自分の演奏そのものについては、弟子だからと演奏家がボランティアで指導してくれるようなことはめったになく、プロの技術を盗み見ながら学ぶというのがメインとなるでしょう。演奏家のお手伝いが忙しくて自分の練習をする時間が取りにくくなったり、演奏家の影響を受けすぎて個性が失われたりするリスクもありますので注意が必要です。
パトロン等による支援を受ける人も
芸術の発展には、古くからパトロンの存在が大きく影響してきました。領主や教皇といった資産家が、画家や音楽家を支援するなどです。
現代においては、英国王室が様々な芸術活動のパトロンとなっていることが有名です。日本でも、演歌や歌舞伎の世界では「タニマチ」と呼ばれる後援者が芸術家を支援しています。才能のある芸術家の支援をする財団などもあります。
芸術家としてパトロンの支援を得るということは現実的にはかなり難しいことですが、才能のある人にはチャンスがあるかもしれません。
芸術家に向いている人、適性がある人
創作意欲が尽きない人
彫刻、絵画などの美術作品を製作する芸術家は、このような作品を作りたい、というインスピレーションや情熱を持って仕事をします。作りたいものが何もない、インスピレーションがまったく湧かない、ということでは創作活動ができず仕事になりません。
いくつもの作品を創作しても次の作品の創作意欲が尽きないような人は、芸術家の適性があると言えます。
時流に流されず独創性を貫ける人
世間の評価を気にして作風が変化したり、落ち込んで創作意欲が削がれたりする人は芸術家には向いていません。芸術家にはその人だけのオリジナリティが求められます。
世間の声やトレンドなどに関係なく、自分の芸術を貫ける人、自分の作風にこだわらずにはいられない人は芸術家としての適性を持ち合わせていると言えます。
黙々と作業ができる人
発注されたものを作る職人と違って、芸術家は自分の心、インスピレーションに従って創作活動をするので、創作活動に掛ける時間、仕事の仕方はすべて自分次第です。毎日、朝何時から夜何時まで、と時間を決めて創作活動をしている芸術家もいれば、心の赴くままに何日でも没頭して作業をする芸術家もいます。
ほとんどの場合、創作活動は1人で部屋にこもって作業をすることになります。演奏家であれば大勢の人の前で演奏しますが、そのための基礎練習などは1人でしなければなりません。
何時間も、場合によっては何日間も、1人で黙々と作業をすることが苦にならない人は、芸術家への適性があると言えます。
芸術家になるための学校・教室
学歴は無関係だが必要と考える人も
芸術家には学歴は無関係です。学校・教室に通う必要はまったくありません。天性の才能がある人は、すぐにでも芸術活動を始めれば良いのです。芸術家は唯一無二のオリジナリティや感性が大切なので、芸術家が学校・教室に通っても集団の中で個性を失い画一的になるだけ、と学校・教室に通うことについて否定的な人もいます。
一方で、学校・教室がとても大切と考える人もいます。美術、音楽といった芸術の分野にはそれぞれに専門性があるので、学校・教室で基礎や応用を学ぶ方が良いとする考え方です。
彫刻や絵画であれば、道具の使い方や使う材料の特性といった基本的なことを学ぶことも大切ですし、古代美術から前衛芸術まで幅広い芸術についての知識を得たりすることで、自分の作品に深みが出るかもしれません。
一方、楽器演奏であれば演奏技術そのものを学ぶことはもとより、他の楽器のことも学んだり音楽史やソルフェージュを学んだりと音楽の解釈、演奏表現に必要な知識を得ることも有益でしょう。
学校・教室で先生やライバルの学生から刺激を受けたり、互いに切磋琢磨しあったりすることで才能が伸びることもあるようです。
個人の教室や工房
芸術の道に進む人の多くは、子供の頃から芸術に携わっています。画家や演奏家が開催している教室などに通い、先生に才能があると認められれば芸術高校・芸術大学等へ進学することが多いようです。
陶芸や工芸の分野では、陶芸家・工芸家に弟子入りして、工房で下働きをしながらスキルを取得していく人も多くいます。食器や家具などを製作し、販売している工房に出入りしていれば、世の中のトレンドを知ることもできますし、実践的なスキル・ノウハウを学ぶこともできます。
生活のためにも工房などで働き、休みの日に創作活動をしている芸術家もいるようです。
大学、専門学校、スクールなど
芸術分野の学部や学科がある大学や短大、専門学校も多くあります。道具の使い方などの基礎的なことを学ぶだけでよければ、スクールや個人の教室などに一定期間通えば学ぶことができるでしょう。
一方、芸術への知識を深化させたり、関連する科目についても学んだりしたい場合は、芸術大学等へ入学することも考えられます。志望者が多く、狭き門と言われている人気の大学・学部もあります。
学校・教室は、自分が何をどのくらい学びたいのか、よく考えて選ぶことが大切です。学校によっては受験に向けて相当期間の準備が必要なこともあるので、早めに情報収集をするようにしましょう。
芸術家になるには?まとめ
世間に認められる才能、独創性
芸術家になるために必要な資格などは何もありません。誰でも自称で芸術家を名乗ることができますが、芸術家として生計を立てることは容易ではありません。
自分の芸術作品が世間に高く評価され、高額で販売することができれば良いのですが、そのためには類まれなる才能や独創性が必要です。また、芸術作品を創作するために孤独な時間を過ごすことができる精神力や創作意欲も大切な要素です。
芸術家の参考情報
平均年収 | - |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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