ホワイトハッカーの資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

ホワイトハッカーの資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

ホワイトハッカーとして働く上で役立つ資格はあるのでしょうか。仕事を行う上で取得しておいた方が良い資格があることも少なくありません。今回はホワイトハッカーに役立つ資格試験情報についてご紹介します。

ホワイトハッカーに役立つ資格とは?

CEH認定ホワイトハッカー資格

ホワイトハッカーに役立つ資格としてCEH認定ホワイトハッカー資格が挙げられます。CEH認定ホワイトハッカー資格はEC-Councilが認定するサイバーセキュリティ資格の1つで、国際資格として認められています。CEHは(Certified Ethical Hacker=認定倫理ハッカー)の略称です。

EC-Councilとは電子商取引コンサルタント国際評議会のことで、e-ビジネスや情報セキュリティの個人スキルを認定する組織として世界145ヶ国で事業展開を行っています。

ホワイトハッカーとしての活躍やキャリアアップを望む方は、まずCEH認定ホワイトハッカー資格試験の合格を目指すことが重要です。

CEH認定ホワイトハッカーが証明できる知識やスキル

CEH認定ホワイトハッカー資格を取得することで、客観的に専門的な知識やスキルを有していることを証明できます。具体的には以下の知識やスキルの保有を証明できます。

  • スキャニング方法(クラウドハッキング方法)
  • 脆弱性評価方法(IoTデバイスハッキング方法)
  • ターゲットの偵察方法(モバイルハッキング方法)
  • 攻撃に対する防御策(Dos/DDoS攻撃方法)
  • Webアプリケーションハッキング方法(ネットワークトラフィック解析方法)
  • Webサーバーハッキング方法 など

上記はホワイトハッカーとして活躍するために欠かせない知識やスキルであり、資格の取得によって客観的に専門性をアピールできます。

CEH認定ホワイトハッカー資格を取得するメリット

CEH認定ホワイトハッカー資格を取得することで得られるメリットもあります。具体的には以下の2点です。

  1. 知識やスキルの積み上げによって自信を得られる
  2. 収入アップにつながる

まずは資格を取得することでホワイトハッカーとしての自信につながる点が挙げられます。ITエンジニア全般に言えることですが、自身が担当する領域に関連する資格を取得することで周囲の評価も高まりますし、ご自身としても大きな自信につながります。

資格を持っていることで客観的に専門性をアピールできますし、周囲からの信頼感も出やすくなります。資格を取得するための勉強を行う段階で必要な知識やスキルを体系的に習得できることも大きなメリットです。

また、資格を取得することで収入アップにつながる側面もあります。ホワイトハッカー自体、高年収の求人が多い職業ですが、CEH認定ホワイトハッカー資格を取得することでさらに好待遇の求人につながる可能性が高まります。

ホワイトハッカーを含むIT技術スペシャリストの平均年収は約760万円ほどですが、資格取得によって平均年収以上の収入を得るチャンスも広がるでしょう。

CEH認定ホワイトハッカー資格を取得するための学習イメージ

CEH認定ホワイトハッカー資格を取得するためには、日々の積み重ねによって必要な知識を習得する必要があります。合格には500時間以上の勉強時間を目安にして、時間を効率的に確保することがポイントです。

合格に向けた具体的な学習イメージとしては、以下のような流れをたどることがおすすめです。

  1. CEH認定ホワイトハッカー試験の概要について確認する
  2. 各種OSやネットワークについて深く理解する
  3. ハッキング手法について深く理解する
  4. 各種ツールの使い方を覚える
  5. 試験の想定問題集や過去問を解く
  6. 苦手分野を徹底的に繰り返す

大まかに上記のような流れで勉強するイメージを持つと、合格の可能性が高まります。ネットワークやOSに関する知識を最初に身につけておくことで、その後の学習効率も高まります。

OSに関しては実際に触ってみながら覚えることも有効です。また、試験に合格するためには苦手分野をなくすことも重要なポイントです。

合格基準ラインは満点の70%以上なので、苦手分野が多いと失点が多くなってしまうため不利です。できるだけ満遍なく得点できるように対策を進めることが大切です。

ハッキングのメカニズムを理解することが重要

試験勉強をする際に大切にしたいこととして、暗記だけに終始しないことが挙げられます。必要な情報や知識を暗記することも重要ですが、それだけで合格できる試験ではありません。

特にハッキングに関してはメカニズムを理解することが重要です。ハッキングには必ずメカニズムがあり、攻撃側の視点に立って理解を深める必要があります。

ハッキングの仕組みや攻撃側のやりたいことなどを体系的に理解することで、より合格に近づきやすくなります。

意味や考え方を暗記するべきキーワードも多い

体型的な理解が必要な部分もあれば、意味や考え方を暗記しなければならない部分もあります。一定のキーワードについては単語とその意味を記憶することで合格に向けた知識習得につなげます。

具体的には以下のキーワードについて、意味や考え方の暗記が必要です。

  • CSRF
  • SQLインジェクション
  • OWASP Top 10
  • XSS
  • syslog
  • トロイの木馬の種類
  • バックアップデータの種類
  • BLE SLE ARO MTD RTOなど
  • Nmapの基本的な使い方
  • ファイアーウォールの機能と種類
  • ShellShock
  • セキュリティフレームワークと法律(HIPPA、NIST SP-800など)
  • ARP
  • ブラックボックス、ホワイトボックス、グレーボックスの違い
  • ハッキングフェーズの一般的な説明
  • どのポートがどのサービスに属しているか
  • WFPの脆弱性
  • インシデントレスポンスの考え方
  • Burpsuite、kismet、nikto等の基本的な使い方
  • Wiresharkの基本的な使い方
  • suiteを読むことができる など

数多くのキーワードや考え方がありますが、全て試験対策として暗記しておいた方が良いものです。ホワイトハッカーとして長年活躍されている方にとっては当たり前の内容ですが、初見の方も多いでしょう。仕事をする上でも必要な知識となるので、確実に押さえておきたいところです。

情報処理安全確保支援士資格もおすすめ

その他の資格として情報処理安全確保支援士資格の取得もおすすめです。情報処理安全確保支援士とは情報セキュリティに関する一定の知識やスキルを有することを証明する資格で、合格者には経済産業大臣から合格証書が交付されます。

CEH認定ホワイトハッカー資格のような国際資格ではありませんが、セキュリティ面について必要な知識があることを証明する上では最適な資格です。

セキュリティ分野の知識や経験があると取得しやすい

情報処理安全確保支援士の資格試験では、情報セキュリティやサイバーセキュリティなどを中心にセキュリティに関する問題が数多く出題されます。

そのため、実務経験としてセキュリティ分野に携わったことがある方や関連知識がある方は取得しやすいでしょう。ゼロから勉強して合格することも可能ですが、実務経験がある方の方がスムーズに学習できます。その辺の経験値も踏まえながら受験を検討することがおすすめです。

ホワイトハッカーに役立つ資格の難易度・合格率

ホワイトハッカーに役立つ資格試験として、CEH認定ホワイトハッカー資格と情報処理安全確保支援士資格の2つを取り上げています。

どちらの資格もホワイトハッカーとして役立つものであり、取得を目指して勉強することがおすすめです。それでは具体的な試験の概要について確認しましょう。

CEH認定ホワイトハッカー資格の試験概要

CEH認定ホワイトハッカー資格はEC-Councilが主催する試験で、基本的にはEC-Councilが主催するCEHコースを受講した上で受験することになります。試験時間は4時間で125問出題されます。出題形式は4択式の選択問題で70%以上の正答率で合格です。

合格率

非公開

受験資格

  • EC-Council主催のCEH特別講座を受講する
  • セキュリティ業務に2年以上携わっていることを試験本部に通達する

上記のいずれかを満たすことで受験可能

受験費用

  • 54万7,800円(税込)→CEH特別講座の受講料込み
  • 100ドル(セキュリティ業務に2年以上携わっている方が受験する場合の申請料)

出題範囲

  • フットプリンティングと調査
  • ネットワークの診断
  • 列挙
  • 脆弱性解析
  • システムハッキング
  • マルウェアの脅威
  • スニッフィング
  • ソーシャル・エンジニアリング
  • サービス拒否(DoS攻撃)
  • セッション・ハイジャック
  • IDS、ファイアーウォール、ハニーポットの回避
  • Webサーバーのハッキング
  • Webアプリケーションのハッキング
  • SQLインジェクション
  • ワイヤレスネットワークのハッキング
  • モバイル・プラットフォームのハッキング
  • IoTハッキング
  • クラウド・コンピューティング
  • 暗号技術

情報処理安全確保支援士資格の試験概要

情報処理安全確保支援士資格試験は基本的に春と秋の年2回実施されています。試験は午前と午後に分かれており、午前は4択式の選択問題で午後は記述式の問題が出題されます。その他の試験概要について紹介します。

合格率

  • 18.5%(2018年秋期)
  • 16.9%(2018年春期)
  • 17.1%(2017年秋期)
  • 16.3%(2017年春期)

受験資格

年齢や国籍、学歴や職歴などによる制限はなし。

受験費用

5,700円(非課税)

出題範囲(午前試験)

  • 基礎理論(離散数学、応用数学、情報理論、通信理論、計測制御理論)
  • アルゴリズムとプログラミング
  • コンピュータ構成要素
  • システム構成要素
  • ソフトウェア
  • ハードウェア
  • ヒューマンインターフェイス
  • マルチメディア
  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • システム開発技術
  • ソフトウェア開発管理技術
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システム監査
  • システム戦略
  • システム企画
  • 経営戦略マネジメント
  • 技術戦略マネジメント
  • ビジネスインダストリ
  • 企業活動
  • 法務

出題範囲(午後試験)

  • 情報セキュリティシステムの企画・要件定義・開発・保守・運用に関すること
  • 情報セキュリティの運用に関すること
  • 情報セキュリティ技術に関すること
  • 開発の管理に関すること
  • 情報セキュリティ関連の法的要求事項などに関すること

ホワイトハッカーの関連資格を取得するのに役立つ学校や講座

実際にホワイトハッカーの関連資格を取得するためには事前の試験対策に時間をかけることが重要です。特にCEH認定ホワイトハッカー資格の受験条件の1つに講座の受講が挙げられているため、一定の時間を確保して講座を受講しなければなりません。

その他の勉強法も含めて試験の合格に向けた有効な対策について確認しましょう。

CEH(認定ホワイトハッカー)資格講座

CEH認定ホワイトハッカーの合格に向けてはCEH(認定ホワイトハッカー)資格講座の受講がおすすめです。受験資格を得るためにも受講が必要な講座であり、試験の合格に向けて体系的に知識を習得できます。

試験の出題範囲に即した形でカリキュラムが組まれているので、合格に向けて最短距離で学習を進められることがポイントです。受講期間は月曜日から金曜日までの5日間で、都合のつく日程を選択して申し込むことができます。

基本的にはEC-CouncilまたはEC-Council関連会社のセミナールームでの受講となりますが、オンラインでの受講も可能です。

公式サイト: CEH(認定ホワイトハッカー)資格講座

勉強会への参加

資格取得に向けて勉強会へ参加することも有効な方法です。1人で勉強しているとどうしても行き詰ったり、悩んだりすることが出てきます。そうした時に一緒に勉強できる仲間ができると、試験本番に向けたモチベーションも保ちやすくなるでしょう。

CEH認定ホワイトハッカー試験については、資格ホルダーの方がボランティアで勉強会を開催しています。不定期ではありますが、以下のサイトで告知されているので時間の都合がつく方は積極的に参加してみると良いでしょう。

公式サイト:Connpass

Udemy

オンラインで学習できるサイトとしてUdemyの活用もおすすめです。試験合格に向けて講座や勉強会への参加だけでは不十分な部分も多々あります。足りない部分を補うために、Udemyのオンラインコースを受講して必要な知識を身につけることも1つの考え方です。

Udemyにはさまざまなコースがありますが、特に以下のコースがおすすめです。

  • 「情報セキュリティ」EthicalHacking 認定ホワイトハッカー入門
  • これからの時代に必須!基礎から学ぶ「情報セキュリティ入門」
  • 「サイバーセキュリティ完全攻略」ホワイトハッカー養成講座(ハッキングツール、Webアプリ攻略、不正侵入検知)
  • 「サイバーセキュリティ完全攻略」ホワイトハッカー養成講座(インシデントハンドリング&Windowsアタック編) など

Udemyでは自分が受講したい講座やコースを1つずつ選択することができます。上記のコースも含めて自身に足りないと思った知識やスキルを学べるコースを選択して学習効率を高めると良いでしょう。

公式サイト:Udemy

参考書やアプリを使った学習

参考書やアプリを活用した学習も有効です。CEH認定ホワイトハッカー資格の取得に向けて「IT&Security」と呼ばれるアプリを活用することがおすすめです。このアプリは月額2,100円程度かかりますが、登録しておくと約700問の問題を解くことができます。

また、参考書のおすすめとして以下の問題集が挙げられます。

  • 「CEH Certified Ethical Hacker Practice Exams, Third Edition (All-In-One) (English Edition)」 Matt Walker(著)

こちらの問題集は解説が充実しており、必要な知識を深く理解しやすいところに特徴があります。全て英語での解説となっているので英語が理解できないと難しいですが、Kindle版を購入すれば翻訳も活用できるのでそれほど大きな問題はないでしょう。

情報処理安全確保支援士資格の取得におすすめの参考書

情報処理安全確保支援士試験の合格に向けてもおすすめの参考書は複数あります。午前と午後の対策をそれぞれしっかりと行うことで合格の可能性を高めることが重要です。具体的には以下の参考書がおすすめです。

  • 「情報処理安全確保支援士 午前Ⅰ・Ⅱ 一問一答問題集」 Tokyo Interactive(著)
  • 「ポケットスタディ 情報セキュリティスペシャリスト[第2版]」 村山直紀(著)
  • 「午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問」 林秀樹(著)
  • 「情報処理教科書 情報処理安全確保支援士」 上原孝之(著) など

特に「ポケットスタディ 情報セキュリティスペシャリスト[第2版]」は午前と午後の試験全体を網羅的に学習できるおすすめの参考書です。午前用と午後用の参考書と合わせて勉強することで、より学習効果を高めることができるでしょう。

ホワイトハッカーの資格・試験まとめ

ホワイトハッカーとしてキャリアアップを目指すならCEH資格を取得しよう!

ホワイトハッカーとして活躍したいのであれば、まずCEH認定ホワイトハッカー資格の取得を目指すことが重要です。CEH認定ホワイトハッカー資格は国際的に認められている資格であり、ホワイトハッカーとしての実力を世界中で客観的に証明できるものです。

もちろん日本国内でも評価される資格であり、ホワイトハッカーとしての信頼性を高める上でも最適な資格です。簡単に取得できるものではありませんが、一定の勉強時間を確保することで合格に向けた機運も高まります。

情報処理安全確保支援士資格もそうですが、資格の取得によって自身の評価を高めることが重要です。1つ1つの資格試験をクリアすることでホワイトハッカーとしてのキャリアを確実に上昇させていきましょう。

ホワイトハッカーの参考情報

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