バリスタの給与や年収は?平均給与や場所別の平均年収を詳しく解説
コーヒーに関して豊富な知識を持つ、バリスタ。専門的な仕事なので高収入のイメージがありますが、実際のところは人によって差が大きく、すべてのバリスタが満足できる給与や年収を手にしているわけではなさそうです。ここでは、バリスタの平均給与や場所別の平均年収を詳しくまとめています。
バリスタの平均的な初任給
カフェで働くお洒落な職業として人気があるバリスタですが、世間のイメージよりも高給取りではありません。飲食店のカテゴリーなので体力を使い、どちらかというと肉体労働なのですが、平均初任給は世の中の仕事よりも少し低めです。
一般的に、バリスタの平均初任給額は12~18万円程度と言われています。大手焙煎会社や大手コーヒーチェーン会社などに就職した場合の初任給は、大卒なら月額20~22万円、短大や専門学校卒で月額18万円前後、もちろん今までの職種や役職、コーヒー関連の仕事経験なども加味されるので一概には言えませんが、それが平均的な金額帯です。
雇われのバリスタの場合、固定給ではなく時給計算で給料が払われることが多いので、初任給も時給計算で換算されます。
バリスタの平均給与月収
最近認知度が高くなってきた職業バリスタですが、やっぱり一番気になるのは平均給与月収です。
一般的に公表されているバリスタの平均月収は16万円前後。20代の平均給料額は13万円~15万円、30代では18万円~20万円、40代では22万円~26万円となっています。とはいえ金額にはかなりばらつきがあり、バリスタの資格以上にホールスタッフの経験やカフェでの勤務期間などにより、時給や待遇には差が表れます。
特に現状ではバリスタとしての特別給与を支給する企業やお店はあまりないので、時給換算なら平均950円程、社員で固定給なら16万前後の手取りが一般です。
バリスタの年齢別平均給与月収
他の多くの仕事と同じように、バリスタも年齢によって給与額に差があります。
年齢が上がる共に経験値や実績も上がっていきますし、勤務年数も多くなりますから給与が増えるのは当然のことです。若いうちは世の中の平均給与よりも少し少なめの金額のバリスタですが、年齢が上がるごとに少しずつ給与額も上がります。
バリスタの年齢別平均月収額表
年齢 | 平均月収 |
---|---|
20~24歳 | 12万前後 |
25~29歳 | 15万前後 |
30~34歳 | 16万前後 |
35~39歳 | 18万前後 |
40~44歳 | 21万前後 |
45~49歳 | 23万前後 |
50~54歳 | 25万前後 |
55~59歳 | 24万前後 |
60~65歳 | 17万前後 |
働く場所別のバリスタ平均給与
バリスタの平均給与額が大きく差が出るのは、働く場所の違いが一番大きな理由です。また雇用形態や店舗の規模や種類にも関係します。
せっかくバリスタとして働くなら給料が高いところがいいというのが本音ですが、まずは給与形態にどんな違いがあるのか理解しておく必要があるでしょう。
ではここから、働く場所別のバリスタ平均給与を詳しく解説していきます。
カフェやバールなどの飲食店で働く場合
カフェやバールで働く雇われのバリスタには、企業や会社に勤める会社員と同じように店の運営会社から毎月給料が支払われます。
全くの未経験からスタートするという人も多いですが、その場合アルバイトとして雇われ、時給計算で平均800円〜1,000円程度というパターンが多いでしょう。経験を積んで社員になれば、固定給で月給18万円〜23万円前後を得ている人も少なくありません。
バリスタには特別な手当などはないので、同じ店で働くバリスタ同士に大きな収入の差はないかもしれませんが、特別なスキルを身につけていたり、接客経験が長いなどのアピールポイントがあれば時給や固定給のアップが見込める可能性もあります。
コーヒーメーカーに就職した場合
バリスタの中には、大手焙煎会社や大手コーヒーチェーン会社などに就職する人も少なくありません。コーヒーに関する知識を生かすにはぴったりの職場ですが、大卒で社員として就職できれば月額20万円前後の月収が一般的です。
未経験の場合はアルバイトとしての採用が一般的ですが、平均の時給価格は800円程度です。都心ならもう少し金額が上がるかもしれませんが、全国平均はそのくらいです。時給800円で1日7時間働いたとして、月20日勤務だと月収は11万2000円程度。家族持ちなら厳しい収入ですが、一人暮らしなら何とかやっていける金額です。
開業して自分のお店がある場合
開業し、自分の店を出しているオーナー兼バリスタの場合は、誰かから給与を支払ってもらうわけではないので、少し状況が違います。
月収に直接関係するのは、店の売上です。純粋な売り上げを計算するためには光熱費や家賃、コーヒーの仕入れや他の材料費も引いて計算しなければなりません。店の規模や立地などにより大きく差が出ますし、集客に失敗すれば売り上げどころではなく赤字の可能性もあります。
小規模の店舗でそれなりに集客できているのであれば、最低でも月収30~40万円前後は期待できることでしょう。もっと繁盛すればそれ以上になる場合もありますし、季節や時期によっては集客に波がある場合もあるので、いつも安定しているとは限りません。
バリスタの平均年収
高収入なイメージのバリスタですが、実際のところどれくらいの年収をもらっているのでしょうか?
一番多いのは、年収300万円台と400万円台。全体のバリスタの約半数の平均的な年収額です。他の仕事の年収と比べて特に低いわけでもなく、高いわけでもないというのが正直なところ。
ただ、バリスタの仕事は思っているよりもハードで体力を使う仕事内容です。立ちっぱなしの接客ですし、力のいる作業と同時にラテアートなどの繊細な作業も行わなければならず、体力のみならず神経を使います。
それらの点を総合して考えると、バリスタの平均年収が勤務内容に見合っているかどうかという点は疑問が残ると考える人がいるのも納得です。
バリスタの年齢別平均年収
年齢によって月々の給与に違いがあるのと同時に、年収にも差が生じます。
バリスタとして一番の最大年収になるのは50代であると考えられていて、400万に届くか届かないかくらいが平均的です。働き盛りの30代の平均年収が300万前後ですから少し少なめですが、特別なスキルを持っていたり、オーナーバリスタになるなら収入は大幅に増えるはずです。
バリスタの年齢別平均年収表
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 188万円 |
25~29歳 | 184万~234万円 |
30~34歳 | 157万~257万円 |
35~39歳 | 189万~293万円 |
40~44歳 | 209万~330万円 |
45~49歳 | 247万~369万円 |
50~54歳 | 286万~396万円 |
55~59歳 | 283万~392万円 |
60~65歳 | 167万~392万円 |
働く場所別のバリスタ平均年収
月々の給与が働く場所によって違うのと同じように、年収も勤務する場所や規模によって随分違いが出ます。バリスタとして同じ内容で働くのであれば、より高い年収を見込める職場を選びたいと思うのは当然のこと。
ではここから、働く場所別のバリスタ平均年収を紹介します。
カフェやバールに勤めるバリスタの年収
カフェやバールなどの飲食店に勤めるバリスタは、平均年収300万円以下と言われています。アルバイトか社員かなどの雇用形態、勤務形態も関係しますが、雇われのバリスタで300万の年収を超えるのは至難の業のようです。
ただし、バリスタとしての経験が多く、高いスキルを身につけていたり、国内外のバリスタの大会で入賞経験があったりすると、給与のアップを交渉することが可能です。有名店で働く一流バリスタの中には、年収500万円以上を稼いでいる人もいます。
バリスタとして人気や知名度があれば、お店にとっては集客の足掛かりになりますし、何よりも話題性があることはお店の生き残りに欠かせない条件だからです。人よりも抜きんでたアピールポイントがあれば、年収をアップさせることも夢ではありません。
コーヒーメーカーに勤めるバリスタの年収
大手の焙煎会社や大手コーヒーチェーン会社に就職しているバリスタの場合、平均的な年収は大卒で300万円前後、短大卒で250万円ほどが一般的です。アルバイトなどで入社し、経験を積んで社員になった場合でも大卒の年収よりは下回る可能性があります。
一般的なサラリーマンの平均年収が521万円前後ですから、それに比べると少なめの年収になるかもしれません。
独立開業したバリスタの年収
独立開業しているバリスタは自分がオーナーですから、雇われのバリスタとは状況が異なります。お店の立地や時期、規模によって売り上げには差がありますが、比較的小規模なお店でバリスタをしている場合、平均的な年収は400万円~700万円ほどが一般的。ただし、定期的に集客ができている状況に限ります。
それに加えて人気店や繁盛店のオーナー兼バリスタともなれば、年収1000万円超えもざらにあります。雑誌やテレビで取り上げられるお店や観光地に所在しているお店のバリスタなら、高額年収も夢ではありません。
バリスタで収入をアップさせる秘訣
コーヒーをこよなく愛し、出来るだけたくさんの人に美味しいコーヒーを飲んでほしい、多くのバリスタはそんな熱意とやりがいを持って仕事をしています。
とはいえ同じ仕事内容でも、年齢や経験値、働く場所、勤務形態、雇用形態、スキルによって給与や年収に違いが出るのは仕方のないことです。でも、せっかくなら手にする収入は多い方がいいのは当然です。では、バリスタとしてできるだけ収入を増やすためにはどうしたらいいのでしょうか?
開業してオーナーになる
やはり雇われのバリスタよりも、自分のお店を持っているオーナー兼バリスタは収入アップの可能性も高くなります。カフェやバールなどの飲食店に勤務するバリスタの場合は、企業に勤めるサラリーマンのように昇格や昇給もありませんし、特別な手当などもあるわけではないので、どうしても月収や年収をアップさせる機会に恵まれません。
一方、独立開業したオーナーカフェバリスタの場合はお店の状態にもよりますが、集客に成功し人気が出れば年収1000万円以上も十分可能です。宣伝手法によっては、インスタやネットの情報を使って上手にお店を宣伝し、自分のお店を人気店に育てあげたオーナーバリスタもいます。
ただお店の営業と同時に経営や集客など行わなければならない仕事が多くなるので、自分の手腕次第という責任重大な部分もあります。リスクが大きい分、成功した時の収入アップの確率は高くなるといえそうです。
スキルアップを目指す
カフェやバールなどの飲食店に勤めているバリスタでも、専門的なスキルアップを行って収入アップを可能にする人もいます。
例えば、コーヒーの基本的な知識を知るためにコーヒーコーディネーターの資格を取ったり、世界的な資格であるコーヒースキルズプログラムを取得したり、最新の3Dラテアートの技術をいち早く習得したりして、他のバリスタにないアピールポイントを持っている人もいます。目立った技術があると昇格や昇給を検討してもらえることも多いので、雇われのバリスタだとしても自身のスキルを磨くというのも一つの手です。
また他にも、国内外のバリスタの大会に挑戦し、入賞経験を積むこともできます。特に国内で行われる大会はバリスタたちの注目の的になりますから、名前が知られれば集客にも一役買います。雇い主に収入アップを交渉する材料になること間違いなしです。
バリスタの給与・年収まとめ
ほとんどのバリスタは自分の仕事にやりがいを感じているので、月々の給与や年収にあまりこだわらない傾向があります。おいしいコーヒーを淹れることに専念し、深い知識と技術、接客のプロとして日々精進しています。
とはいえ、月々の給料や年収は日々の努力の結晶のようなものでもあり、生活していくためには欠かせないものです。どこで働くか、どのような雇用形態なのか、年齢、経験度、スキルの差などによって収入にはかなり差があるようですが、自分自身のスキルアップ次第では収入を増やしていくことも十分に可能です。また独立してオーナーバリスタになれば、高額年収も夢ではありません。
バリスタとしての選択肢は幅広いですから、まずは自分がどんなバリスタのなりたいのか、目標をはっきりさせることによって進むべき道も自ずと見えてくるはずです。
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バリスタの参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 飲食 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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