テキスタイルデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

テキスタイルデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

テキスタイルデザイナーはアパレルやインテリア、雑貨などで使われる糸や生地を選び、その染色方法やデザイン、加工などを考える職業ですが、就業するために必須となる資格や試験はありません。この記事では、テキスタイルデザイナーに役立つ資格、資格試験の内容や受験資格などをご紹介します。

テキスタイルデザイナーの資格とは?

結論を先に言うとテキスタイルデザイナーになるために資格が必要というわけではありません。

一般的には、専門学校や短大、大学などでデザインに関係する事柄を学び、その後アパレルメーカー、インテリアメーカー、繊維メーカー、デパートなどに就職し、そこでテキスタイルデザイナーとしての知識やスキルを磨くことでテキスタイルデザイナーになることができます。

しかし、テキスタイルデザイナーとしてスキルアップのために持っていると有利な資格に「衣料管理士(テキスタイルアドバイザー)」という資格があります。次章では、この衣料管理士とはどんな資格なのか説明します。

テキスタイルデザイナーに役立つ資格「衣料管理士」

衣料管理士(テキスタイルアドバイザー。略してTAと呼ばれる)とは、一般社団法人日本衣料管理協会によって認定される民間資格のひとつです。

衣料管理士は、繊維製品を企画・生産・販売する企業のなかで、企画・設計/販売/品質保証/消費者対応などの4つの部門の中で活躍できるスペシャリストに与えられる資格です。衣料管理士は2級と1級に分かれています。

日本衣料管理協会が認定した衣料管理士養成大学もしくは短大で4つの専門分野について勉強し、所定の単位を履修すると衣料管理士の資格がとれます。

衣料管理士の資格の難易度・合格率

次に、衣料管理士の資格の難易度、2級及び1級の資格取得方法などを紹介します。

衣料管理士の試験の難易度は低い!?

衣料管理士は2級・1級に分かれています。先ほど紹介したように、協会が認定した衣料管理士養成大学もしくは短大で4つの専門分野について勉強し、所定の単位を履修すると衣料管理士の資格が取得できます。ですから特別な試験があるというわけではなく、認定校を卒業できれば、衣料管理士の認定証が交付されます。

認定校に入学さえすれば、授業をきちんと受け、学校内の試験である程度の結果を残せば、資格取得に必要な課程を履修したと認定されるので、認定校入学後の資格取得までの難易度はそれほど高くないと言えます。

実際に、1973年の資格創設以来、2017年まで1級テキスタイルアドバイザー12,502人、2級テキスタイルアドバイザーが41,190人の合計53,692人の有資格者がいます。

衣料管理士の試験の内容-2・1級

衣料管理士の資格を得るためには、協会の認定した大学・短大で以下の4点について集中的に学ぶ必要があります。

  • 材料・品質
  • 加工・整理
  • 企画・設計・生産
  • 流通・消費・消費者問題
■材料・品質

材料・品質では、繊維や糸、布に関する専門的な知識と品質管理の方法を学びます。

■加工・整理

加工・整理では、加工方法、染色加工の方法、取り扱い方法、洗濯方法などを学びます。

■企画・設計・流通

企画・設計・流通では、衣服のデザイン企画、設計、生産に関する知識や技術を学びます。

■流通・消費・消費者問題

流通・消費・消費者問題では、消費者行動、その調査法、生産・販売の方法、インテリアコーディネイトなどについて学びます。

衣料管理士の受験資格

衣料管理士の資格を得るためには日本衣料管理協会が認定した衣料管理士養成大学もしくは短大で先ほど紹介した4つの専門分野について勉強し、所定の単位を履修しなければなりません。

■1級衣料管理士

養成校に認定された4年制大学で43単位以上 履修

■2級衣料管理士

養成校に認定されたおもに短大で28単位以上 履修

その他のテキスタルデザイナーに関連する資格

テキスタイルデザイナーとしてのスキルアップ、転職など目標にしているなら、「色彩検定」の資格取得を考慮してもいいでしょう。

この資格は、文部科学省後援の検定試験で、色の基礎から、配色技法、専門分野における利用法などを幅広く学習します。色彩検定の資格は、レベルごとに、UC級・3級・2級・1級と分かれています。

色彩検定の試験の難易度はレベルごとに高くなる

色彩検定の資格はレベルごとに分かれています。

2018年のUC級から1級までの合格率は、色彩検定のホームページ(https://www.aft.or.jp/feature/)に記載されています。

等級 合格率
UC級 92.0%
3級 74.9%
2級 67.4%%
1級 42.9%

色彩検定最上位クラスの1級の合格率は42.9%ですから、難易度が高い試験と言えます。

色彩検定のUC級とは?

UC級は、2018年に新設されたレベルで、UCとは「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」を意味する言葉です。特定の色分けの判別が難しいとされる人は全国で約350万人存在すると言われています。さらに高齢になると色の判別が難しくなります。

こうした社会的背景を考慮して生まれたのがUC級です。UC級では、色が見えるしくみ、ユニバーサルデザイン、色覚の多様性、高齢者の見え方など、配色における注意点や改善方法を理解しているかどうかがテストされます。

色彩検定の受験資格や受験費用

色彩検定の受験資格や費用は以下の表のようになります。

受験資格 制限なし。誰でもどの級からでも受検できます
試験方法
  • UC級 マークシート方式
  • 3級 マークシート方式
  • 2級 マークシート方式
  • 1級 マークシート方式と記述方式( 一部実技あり)
受験費用
  • UC級 6,000円
  • 3級 7,000円
  • 2級 10,000円
  • 1級 15,000円

テキスタイルデザイナーに役立つ資格が取れる学校

今回紹介した「衣料管理士(テキスタイルアドバイザー)」の資格を取得できる学校を紹介します。

武庫川女子大学

衣料管理士の1級の資格が取得できる15ある大学のうちのひとつが武庫川女子大学です。武庫川女子大学の大学生活環境学科のアパレルコースを選択し、資格取得に必要な課程を履修したと認められれば、1級もしくは2級衣料管理士の資格が取得できます。

さらに、武庫川女子大学の短大生活造形学科のアパレルコースを選択し、必要とされる課程を履修したことが認められれば2級の衣料管理士の資格が取得できます。

武庫川女子大の資格取得に向けたサポート

この学校には、テキスタイルデザイナーとしての能力を磨き、衣料管理士の資格取得に役立つ設備や教育体制が整っています。

例えば、主として衣生活・住生活のための材料を実験する実験室や、ファッションを創作するための実習室があります。人工気候室などの先進的な設備、種々の測定を行うことのできる高度な機器など、充実した設備が整っています。

さらに、商品企画・デザイン・パターンメーキング・裁断・縫製・仕上げの各工程について実習することができるアパレル生産実習室があります。この実習室には、延反機、裁断機、各種工業用ミシン・工業用アイロン仕上げ装置などが完備されており、既製衣料の全生産プロセスを学ぶことができます。

学校に設置されているロッカー、椅子、机などにもデンマーク製家具が使われており、学校全体の雰囲気がデザイナーとしてのセンスを磨けるように工夫されています。

色彩検定の資格を取得する方法

色彩検定の資格もテキスタイルデザイナーとしてのスキルアップに役立ちます。この資格は主に次の方法で取得できます。

  • 独学
  • 通信教育
  • 専門学校などの各種学校

独学で色彩検定の資格を取得するには?

色彩検定の難易度は低いわけではありませんが、参考書や問題集がたくさん市販されています。ブログなどで独学により合格した人が、おすすめの参考書や勉強法などの情報をアップしています。

試験方法もマークシート方式なので暗記に頼る部分が多いです。したがって、独学でも色彩検定に合格できる可能性が十分あります。

心配ならば通信教育か学校を選ぶ

独学での合格が心配ならば、通信教育を利用しての合格を目指すことができます。さらに、デザイン系・ファッション系・美容系の専門学校でも色彩検定の取得に役立つ知識を学ぶことができます。

テキスタルデザイナーの資格・試験まとめ

衣料管理士などの資格があれば就職やスキルアップにも有利!

テキスタイルデザイナーになるためには資格が必ず必要というわけではありません。しかし、衣料管理士(テキスタイルアドバイザー)や色彩検定の資格があれば、就職や転職などで有利に働きます。

テキスタイルデザイナーの仕事の喜びは、自分がデザイナーとして関わったアパレルやインテリア、雑貨などの商品が世に出て、お客様の心を喜ばせ、生活を豊かにすることに貢献しているのを実感できるという点です。

テキスタイルデザイナーとして活躍するために、ふさわしい資格を身に着けてみるのはいかがでしょうか。

テキスタイルデザイナーの参考情報

平均年収350万円〜500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種美容・ファッション

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