シューフィッターの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

シューフィッターの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

シューフィッターの仕事内容は主に、お客様の足を測定し、結果に基づいた靴の提案、サイズや履き心地の微調整を行うことです。百貨店の靴売り場や靴専門店、スポーツ用品店などで働くことが多いですが、介護や福祉の現場で歩行サポートの一環を担うためシューフィッターの勉強をする人も多いです。

シューフィッターとはどんな仕事?

一人一人に合わせた靴選びの専門家、スポーツや福祉分野でも活躍できる

シューフィッターとは足に合わせた靴を選ぶ専門家のことです。そのため靴専門店やスポーツシューズを扱うスポーツ用品専門店、シューズメーカーなどで勤務している人が多いです。

シューフィッターになるために公的な資格は存在しません。しかし、1人1人の足に合わせた靴を選ぶためには、単純に足を測定して靴を選ぶだけでは不十分です。足の病気や歩くときに使われる筋肉の動き方、靴の構造や靴に関する知識を必要とされます。

民間資格ではありますが「足と靴と健康協議会」がシューフィッターの資格認定を行っています。プライマリーコース(初級)、バチェラーコース(上級)、マスターコース(修士)と3つのコースがあり、足の構造や靴の構造、歩行に関する知識を医学的な観点からも学ぶことが可能です。初級のプライマリーコースを取得するにも、靴に関する仕事に3年以上就業する必要があり、50人分の足型計測を在宅課題として出題されます。

まさに、実際に靴売り場などでお客様に対して接客ができるような、実践的な知識を身に付けることができる資格です。

介護・福祉関連で働く人やスポーツ関連の仕事をしている人が取得することもある

靴に関する仕事の実務経験が3年以上なければ「足と靴と健康協議会」の認定資格を受けることができません。しかし、それ以外にもフットケアや足に関する医療業務に携わる人は認定基準を満たすことができます。例えば福祉や介護、病院などで患者の歩行リハビリに関係する仕事をしている人です。

特に高齢者は何もないところでつまづいて転倒し、骨折などの大けがにつながる事故もおおいです。歩きやすく、転倒予防ができる介護シューズの種類も多く発売されています。かがんだり、かがんで紐を結んだりする必要がないように、履きやすく脱ぎやすい靴である必要もあります。

このような観点から福祉に従事する人も多く靴と足について勉強し、資格認定を目指しています。そのほかにも幼児や子どもに特化した靴選びのコースもあります。成長期の発育を妨げず、なおかつ活発に動き回る子どもの靴選びに関して特化して学ぶことができます。

スポーツの観点からみたシューフィッターは非常に重要な役割を担う

医療機関やスポーツシューズ店、フィットネスクラブ、スポーツ選手の個別トレーナーなど、スポーツに特化した靴選びの知識や技術を必要とする職業は多いです。

有名スポーツメーカーの靴部門に勤める人が知識を必要とすることもあります。こちらも日本フットウェア技術協会(Jaft)が養成講座を開催しており、医学的な見地から、足の特徴やトラブルを分析することが学べます。

シューフィッターの主な仕事内容

靴選びにおいての基本、足の測定は主に7つのポイントを機械で測る

ほとんどの場合、専用の機械で足の計測を行います。靴を選ぶ際に重要な7つのポイントが測定できます。

足長 かかとから一番長い指までの長さ
足囲 指の付け根の一番張り出した部分の周囲
かかと幅 かかと部分の幅。足裏から測定
足高 甲の高さ
かかと傾斜角度 かかとの内側・外側への傾きの角度
第一趾側角度 親指の曲がり具合、角度
アーチ高 土踏まずの高さ

また、足裏のどこに一番体重がかかっているかなど、体重のかかり方の癖がわかることもあります。普段使用している靴のすり減り方を見て、歩き方の癖をシューフィッターが指摘して改善を促します。

日本の靴のサイズはJIS(日本工業規格)に基づいて決められています。足長・足囲もしくは足長・足幅の二か所の寸法が表示されています。表示方法は足長と足囲、足幅をアルファベットで示したもので「A・B・C・D・E・EE・EEE・EEEE・F」が使われます。男性と女性でもそれぞれサイズが異なり、例えば女性用の靴で「23E」の表記があれば足長23cm、足囲228mm、足幅94mmになります。

専門的な知識がない人が靴を購入する際は足長だけを見て購入することが多いと思いますが、しっかりとした計測をしてもらうことで、より快適に過ごせる靴を見つけることができるのです。

足の測定結果からぴったりの靴を選び提案、インソールなどで調整を行う

測定した結果を用いてどの靴が良いかお客様に提案します。測定結果の数字に基づいて試し履きをしてもらいますが、それ以外にも履き心地やデザインのことも考慮に入れなければなりません。お客様とシューフィッターそれぞれが納得できるように時には何足も試し履きしてこれという一足を見つけることがあります。

JISに則った靴のサイズだけでは微調整が不十分な場合、インソールを用いて調整することもあります。店の設備やサービスによってはインソールの作成をセミオーダーで行ってくれることがあります。その場で加工してくれることもあれば、数日かかるケースもあるようです。

特に、デザインが気に入っているがサイズが少し合わなくて購入をあきらめてしまう場合など、インソールで調整することで快適にはけることもあるようです。

靴職人とお客様の仲介役として意見をフィードバックさせる役割

シューフィッターは靴を作る靴職人やメーカー元とお客様の間に立つ、仲介役の仕事もあります。お客様から得た意見や、実際自分自身がフィッティングの現場に立ち会って感じたことや改善点をフィードバックします。そうすることでより品質の良い靴づくり・靴選びを行うことができます。

シューフィッターのやりがいとは?

靴と社会生活は切っても切れない関係。快適な靴を選んで生活をより快適にする

靴と社会生活は切っても切れない関係があります。デザイン重視で靴を選んでしまったばっかりに靴擦れを起こしたり、タコや魚の目ができてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。歩きやすい靴がないと外に出て活発に活動するのは難しいです。それらのストレスを解消し、歩きやすい靴で生活できるようサポートできるのはシューフィッターのやりがいと言えるでしょう。

例えば、営業職で毎日歩き回る仕事をしている女性は、職業柄ヒールが高い靴を履くことを求められることも多いです。自分の足に合わない靴を履いたことで仕事に差し支えが出てしまうのは絶対に避けたいでしょう。シューフィッターに足に合った靴を選び、インソールを作成してもらうことで、足の負担が軽減できることもあります。

歩くのに時間がかかったり、つまづいて転びやすいお年寄りは歩いて外出するのが億劫になってしまう人もいます。シューフィッターが適切に靴を選ぶことによって快適に外出できる機会が増やせる可能性も高いです。

スポーツ選手のパフォーマンス向上にかかせない、陰の立役者

スポーツ専門のシューフィッターは選手の足の形、体のバランスなどを考慮して靴を選びます。足や体に関しての知識も必要とされます。長距離・短距離を走るスポーツ選手だけでなく、長時間競技を行う球技、室内で行われる競技に関してもどのような靴を選ぶかは重要です。

記録が縮まった、選手として実力を発揮できた、ゲームに勝った等、目に見えた結果を出すことができた時、やりがいを感じられるでしょう。

やりがいや達成感が大きい分、選手の一生を決める重大な責任もある

シューフィッターに仕事のやりがいを感じる反面、靴選びで健康や生活に関する責任も負っています。スポーツのシューフィッターは特に、その責任を大きく感じることが多いかもしれません。

走ることが多いマラソンや駅伝、プレー時間が長い球技など、靴擦れを起こしているだけで記録をだす妨げになったり、ゲームに支障をきたすことも多いです。それだけではなく、足は体全体の体重を支えています。

選手の状態や故障に合わせた靴選びをしないことで、ひざを痛めたり、脚をいためてスポーツができない事態も起こり得ます。体の故障は今後スポーツを続けていけるかの選手生命にもかかわります。シューフィッターのやりがいを感じる一方、その責任も重大になってきます。

専門性のある職業として知識を深め、お客様の靴選びに役立てることができる

洋服や靴の販売員は接客的な要素も多く、専門的な知識や技術がなくても就職しやすいことが多いです。特別な資格が求められない分、お客様とのコミュニケーションの取り方や、在庫管理などお店の経営に関する能力が問われることもあります。

しかし、シューフィッターの資格は接客の中で生かせる資格の一つと言えるでしょう。正しい足の計測結果に基づいて、その人にぴったりの靴選びに関する知識がある人はあまり多くありません。

デザイン重視の靴選びだけではなく、専門的な観点からお客様にアドバイスができるのは自分自身の強みになり、足と靴に関する勉強をしてよかったと思える要素の一つと言えるでしょう。

シューフィッターの仕事内容まとめ

シューフィッターの仕事は、誰かの社会生活に大きく貢献できる専門職

シューフィッターの仕事はお客様の足や目的にぴったりの靴を選び提案することです。インソールなどで微調整を行うこともあります。また、歩き方の癖などから日常生活を行う上での注意点をアドバイスすることもあるようです。

足の測定から靴選びまで、専門的な知識を持ち合わせていなければ、1人1人異なる足に対応することは難しいでしょう。また、スポーツや介護などの観点からも今後必要とされる職業とも言えます。

シューフィッターの参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種販売・サービス

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