レコーディング・エンジニアになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
レコーディング・エンジニアは、音楽作りのほぼすべての工程にかかわる職業です。レコーディング・エンジニアになるには、レコーディングだけでなくミキシングやマスタリングなどに関する知識・技術、どのような音楽にも興味を持てる探求心が求められます。本記事では、レコーディング・エンジニアになるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
レコーディング・エンジニアになるには何が必要?
豊富な経験が求められる職業
レコーディング・エンジニアはレコーディングだけでなくミキシングやマスタリングまで、音楽作りのほぼすべての工程に関わる職業といわれています。そのため、いきなり「レコーディング・エンジニアになりたい」と思っていても、一朝一夕になれるものではありません。
そのため、レコーディング・エンジニアを目指す場合は、レコーディングスタジオや制作会社、レコーディング・エンジニアをまとめるプロダクションなどにアシスタントや見習いとして就職し、経験を積むことが求められます。
先輩レコーディング・エンジニアのもとで雑務などを行いつつ、経験とスキルを蓄積させることで、はじめてレコーディング・エンジニアへの道が開けてきます。
アシスタントにも一定のスキルは必要
アシスタントとしてスタジオなどに就職する場合、そこで一から丁寧にすべての技術を教えてもらうことはほぼないと思っておいたほうがいいでしょう。
先輩レコーディング・エンジニアのもとで働くには音響機器の操作技術はもちろんのこと、パソコンやDAW用ソフトウェアのPro Toolsなどの操作技術が求められるため、専門学校で学んでおくことが必要になってきます。
基本的にレコーディング・エンジニアの世界では実力、経験が最も重視されており、新人には厳しい世界ともいえます。逆にいえば、資格などがなくてもスキルやセンスがあれば資格や免許などは必要ありません。
一応レコーディング・エンジニアの知識や技術を確認する「サウンドレコーディング技術認定試験」という資格はありますが、重視するかどうかはスタジオやレコーディング・エンジニアによって違いがあります。
Pro Tools は必須技術!
レコーディング・エンジニアにとって欠かせないツールといわれているのが、デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)用のソフトウェアです。このソフトを使うことでデジタル音声の録音、編集、ミキシングなどを行うのが近年では通例となっており、この技術もなければアシスタントになることも難しいです。
そのなかでも使用されていることが多いのがPro Toolsというツールとなっており、このソフトを動かすためのMacパソコンに慣れておく必要もあります。また、ProToolsには「ProTools技術認定試験」という社団法人日本音楽スタジオ協会主催の資格があるので、こちらは取得しておいて損はないかもしれません。
音響機器の操作技術も求められる
レコーディング・エンジニアが扱う音響機器は多く存在しており、マイクひとつとっても曲調や音質などで変更します。また、それらの使用方法は複雑なものもあるため、こういった音響機器の扱いにも一定の知識が求められます。
また、マイクプリアンプやエフェクタなど、専門機器だけでなく新しい機器が出る度にそれらの操作方法を知る方法があります。さらに、接続不備や不調にも対応する場面もあるため、電気工学に関する知識があるとより重宝されます。
レコーディング・エンジニアに向いている人、適性がある人
音に対するセンス
レコーディング・エンジニアになるためにまず求められることが、音に対するセンスです。これは生まれ持った才能というよりも、後天的にどれだけの音楽に触れてきたのかという部分に直結する部分でもあります。
レコーディング・エンジニアになりたいと思う人は、多くの場合がアーティストや特定の楽曲に思い入れがある人だと思います。そのアーティストや楽曲に傾倒し、何度も聞き返すこともあるかと思います。
特定のアーティストや楽曲に対する深い愛情と知識も重要な部分にはなります。しかし、仕事の場面では自分が好まない音楽の分野にも関わることも十分に考えられるため、さまざまな音楽に触れて感度を高めておくことは重要です。また、自分があまり触れない音楽に触れ、そこから自分流にアレンジすることもセンスの一つです。
さまざまな音楽に触れることは、時代のニーズに合わせた楽曲作りにおいても重要な要素となってきます。自分の好みや得意な分野だけでなく、さまざまな音楽に触れて感じられる「センス」がレコーディング・エンジニアには問われます。
他者とコミュニケーションを築くのに抵抗がない人
レコーディング・エンジニアはスタジオに引きこもって作業をする姿をイメージする人も少なくないでしょう。
しかし、大前提としてレコーディング・エンジニアは楽曲を奏でてくれるアーティストやミュージシャンがいてはじめて成立する仕事でもあるため、人とのコミュニケーションが欠かせない仕事です。また、アーティストだけでなくプロデューサーやディレクター、アシスタントなど、仕事に関わる人が極めて多い職業でもあります。
コミュニケーション能力は仕事におけるやり取りだけでなく、相手が望むイメージをくみ取る際にも重要な素質となってきます。特に、新人時代はアーティストとのコミュニケーションによってレコーディングを円滑に進められるかどうかが評価に直結するともいわれています。
また、コミュニケーションが自然にできる人ほど次の仕事につながることもあり、口コミによって評価を上げるのは重要です。そうしたかたちで人望を獲得し、つながりが広がっていくと案件数も自然と伸びていく可能性が高まります。
気配りができることも才能の一つ
レコーディング・エンジニアは技術職であるうえ、自分の感性をぶつけているアーティストなどが作った音楽を扱う職業です。そのため、レコーディングや完成品に対して配慮ができる人でないと仕事は続かないかもしれません。
アーティストたちはそれぞれ感性やこだわりを持っており、それを察知しながら音作りやレコーディングの雰囲気作りが重要になってきます。また、完成された楽曲によってはアーティストの生活を左右する場合もあるため、そうした部分にも配慮ができるレコーディング・エンジニアは重宝されるでしょう。
レコーディング・エンジニアになるための学校・教室
まずは専門学校などで土台作りをする
レコーディング・エンジニアになるために、何の知識も持たずにプロダクションや制作会社に入社試験を受けに行っても門前払いを受けるでしょう。まずはレコーディングに使うための機材の扱い方やPro Toolsを学べる専門学校などに通うのがいいでしょう。
専門学校ではただ知識を学べるだけでなく、レコーディングスタジオや制作会社と強いパイプを持っていることもあり、関係者が授業の講師として参加していることもあります。レコーディング・エンジニアを目指す人は早い段階から顔を売り込んでおけば、スムーズにスタジオのアシスタントとして参加することも夢ではありません。
音作りを実践的に経験できる東放学園音響専門学校
音に関する専門学校は日本にも数多くあります。東放学園音響専門学校は音響エンジニアを実践的に学ぶことができる学校として知られています。
中でも「VIVA LA ROCK」や「未確認フェスティバル」などにPAスタッフとして参加することが可能で、機材セッティングからステージ転換などを実体験できるのが特徴です。
また、テレビ番組や映画制作に音響スタッフとして参加することも可能で、より実践的なミキシング技術を学ぶことができます。
レコーディング・エンジニアになるには?まとめ
回り道に感じる勉強もレコーディング・エンジニアになるには重要な要素
レコーディング・エンジニアは、何よりも経験と技術が求められる職人気質な職業です。
そのため、新卒でいきなりレコーティング・エンジニアなることはできないため、専門学校などでしっかりと技術を習得しておく必要があります。
もちろん、音楽への飽くなき探求心もレコーディング・エンジニアになるためには必要な素養です。
レコーディング・エンジニアの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 音楽・ラジオ |
レコーディング・エンジニアの関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします