原型師の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
みなさんは「原型師」がどのような仕事をしているのかを知っていますか?名前からして物作りに関わる職業であることはわかりますが、具体的な仕事内容について知っている方は少ないでしょう。原型師は、模型や工業製品デザイン、部品などのひな型や試作品などの原型などを製作するのが主な仕事です。本記事では、原型師の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。
原型師とはどんな仕事?
模型・ひな型・原型などを制作するのが主な仕事
原型師は工業製品の製造に使用する鋳型の原型の制作を行うのが主な仕事ですが、一般的には玩具やフィギュアの原型を制作する職業として知られているようです。
作品の制作には手作業で行われる「手原型」、パソコンを使用して原型制作を行う「パソコン造形」の2種類があり、作成するものによって作業方法が異なっています。
また、手原型による制作では手先の器用さが求められる仕事となっていて、粘土やパテを使って作品作りを行います。キャラクターの制作であれば細かい部分まで全て手作業で行うため、手先の器用さに加えて高度な技術が求められる職業だといえるでしょう。
専門的な知識や技術が求められる仕事
手原型やパソコン造形には専門的な知識や技術が求められるので、デザイン系や美術系の大学、またはフィギュア制作の専門学校で学ぶ必要があります。
専門的な学科を持つ学校では、基礎知識から制作技術までを学ぶことができますし、実際に作品を作成しながら技術を身に付けることができるでしょう。
そのため、原型師を目指すのであれば仕事に必要な知識と技術を身に着けられる学校に進学することをおすすめします。
見本を作成する場合はフィニッシャーまで担当することもある
原型師の基本的な仕事は玩具やフィギュアの原型を制作することですが、完成形の見本を作成する場合はフィニッシャーまで担当することもあるといわれています。
フィニッシャーとは、制作した原型のヤスリがけや塗装を行うことで、商品として完成させる業務のことです。
企業での仕事であれば担当がきちんと分担されていることが多いですが、フリーランスで活躍する場合は紹介したフィニッシャーも仕事として行うことがあると考えておいた方が良いでしょう。
原型師の具体的な仕事内容
制作する作品の企画・提案を行う
まずは制作する作品の企画・提案を行い、作成するもののアイデアを出し合って1つにまとめます。ちなみに、自社で商品の制作を行う場合は自由度が高いため、作成するものに制限はないといわれています。
しかし、商品化を決めるためには権限を持った担当者に企画を通さなければならないため、必ずプレゼンテーションを行います。考えたアイデアを企画書として作成する、商品のイメージのラフ画を作成するなど、まずは企画を提案するための準備が必要になるでしょう。
また、メーカーから依頼を受ける場合は、相手の意向を確認しつつ意見交換を行い、どのような商品を作成するのかを決める必要があります。しっかりと打ち合わせを行って依頼者の意向に沿った作品を作る必要があるので、この場合は自由に制作することはできないようです。
使用する素材や材料を集める
提案した企画が採用されると、制作に必要な素材や材料を集める必要があります。特に、手原型による制作であればフィギュアの元となる粘土や塗料、衣装となる布や綿などを揃える必要があります。他にも、制作に必要な道具としてナイフや彫刻刀などの準備も必要になるでしょう。
また、パソコン造形の場合は3Dプリンターを使った方法や3Dモデリングといったデジタル技術を使用して作成を行います。3Dプリンターを使用する場合はフィギュアの元となる材料が必要なので、企画した作品の完成イメージに合った質感を表せる素材や材料を揃える必要があるでしょう。
企画に沿った作品の制作を開始
必要な素材や材料が揃ったら、さっそく制作業務に移ります。手原型であれば土台の制作から開始して、素材や材料を使って作品を作り上げていきます。道具を使いながら細かい部分の微調整を行い、企画通りの作品を正確に再現しながら制作を進めます。
パソコン造形であれば3Dモデリングなどで企画通りのキャラクターの作成を行い、3Dプリンターを使用して実際に形として作成します。
手原型と比べて作品の完成度は高いという利点はありますが、細かい手修正が必要になります。そのため、余分な部分がある場合はヤスリがけを行ってなめらかな質感を出す必要があるそうです。
作成した作品の確認と仕上げ作業
作成が完了した作品を入念に確認して、細かい部分の仕上げ作業を行います。そして、完成後は責任者に状態確認を行ってもらい、問題があれば再度修正が必要になるでしょう。特に問題がなく責任者からのOKが出れば、その時点で原型師の仕事は終了です。
しかし、企業によってはフィニッシャーまでを担当するところもあるので、その場合は研磨や塗装といった仕上げ作業を行います。フリーランスの場合は制作・仕上げ・確認までの全ての作業を行い、最終チェックは依頼者に行ってもらうことになるでしょう。
原型師の仕事のやりがい
制作した商品が店頭で販売されている光景を見たとき
原型師としてやりがいを感じるのは、制作した商品が店頭で販売されている光景を見たときという意見が多かったです。フィギュアであれば店頭で販売されているだけでなく、アミューズメントの景品としても取り扱われています。
そのような場所でお客さんが自分の作った商品を手に取っている、またはUFOキャッチャーなどで一生懸命取ろうとしている姿を見ると、嬉しく思う方が多いそうです。
人気を集める商品であればSNSで拡散されることもあるので、そのような書き込みを見たときもやりがいを感じられるでしょう。
自分の好きなものに携わることができる
原型師をされている方の多くは、玩具やフィギュアが好きな方やもの作りが好きな方が多いそうです。そのため、自分の好きなものに携われることが、仕事へのやりがいに繋がっているという意見もありました。
原型師の仕事はコツコツとした地道な作業となるため、人によっては長続きしないことがあるようです。専門的な知識や技術は必要ですが、原型師は好きだからこそ根気強く続けられる職業と言えます。
自分が制作した作品が評価されたとき
フィギュア制作を行っている原型師は、自分の作品を出展できるイベントに参加している方が多いといわれています。そして、出展した作品が評価されると、喜びややりがいを感じられるという意見もありました。
自分のオリジナル作品を評価してもらえるということは、それだけの技術を持っている証拠ですし、今後の自信にも繋がるといえるでしょう。
原型師の仕事内容まとめ
さまざまな玩具やフィギュアの原型を作るのが原型師の仕事
原型師は工業製品の製造に使用する鋳型の原型の制作を行うのが主な仕事内容ですが、一般的には玩具やフィギュアの原型を制作する職業だといわれています。基本的には商品の原型の制作を行いますが、場合によってはフィニッシャーと呼ばれる完成させる業務も担当することがあります。
また、フリーランスの場合は依頼者によって細かい仕事内容が異なるので、その都度担当する業務が異なるでしょう。原型師の仕事は専門的な知識や技術が求められるため、誰でも簡単になれる職業ではありません。
その分、仕事をしていく上で沢山のやりがいを感じられるので、もの作りやフィギュアが好きな方で自分に合った職を探している方は、ぜひ原型師を目指してください。
原型師の参考情報
平均年収 | 300万円~450万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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