生産管理の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説
生産管理の仕事に必須の資格や試験はありません。メーカー企業に就職し、生産管理の担当に配属されれば、生産管理の仕事ができます。しかし、業務内容が広く同じ生産管理でも生産の計画などを中心にする人や、工程や作業の運用が業務の中心である人もいます。ファッション系の生産管理では、服飾系の知識が非常に役に立ちます。
生産管理には資格や試験は必要?
生産管理に就くために必ず取得しなければならない資格や、合格しなければならない試験はありません。
ただし工場などで製造を行っている会社に就職して、生産管理を担当している部署に配属される必要があります。必要な資格はありませんが、大きいメーカー企業などでは学歴重視の会社もあり、有名大学を出ていると就職活動で有利になることもあります。
中には、工場で働いた人を昇進という形で生産管理担当を決める会社もあり、その場合は生産管理の仕事の求人を出さないことが多いです。逆に人材育成に力を入れているおり、積極的に新人を採用して一から仕事を教える方針の会社もあります。
生産管理の必須資格はないが、取得することで仕事に役に立つ資格はある
生産管理の仕事をするために取得しなければならない資格はありませんが、業務内容の理解を深め、体系的に生産管理の仕事について勉強できる資格はあります。例えば中央能力開発協会が実施する公的資格「ビジネス・キャリア検定試験」です。
生産管理に役立つ資格 ビジネス・キャリア検定試験
専門分野が細かく分かれており、仕事の実務に即した専門知識・能力を客観的に評価する試験です。
会社側は能力評価の参考にすることができ、社員側は自分の能力をアピールすることができます。BASIC級~1級などレベルによって受験する等級を分けることができますが、分野によってはBASIC級や1級が存在しないこともあります。
- 人事・労務・人材開発
- 企業法務・総務
- 経理・財務管理
- 営業・マーケティング
- 生産管理
- ロジスティック
- 経営情報システム
- 経営戦略
ビジネス・キャリア検定試験の「生産管理」分野では原材料の購入から、製品製造、顧客への引き渡しや工場設備の管理など、生産管理の仕事を網羅的に学ぶことができます。「生産管理」分野でも2級と3級は「生産管理オペレーション」と「生産プランニング」の2分野に分かれています。
「生産管理オペレーション」と「生産プランニング」の違いとは?
生産管理の仕事は業務範囲が広いため、2級と3級は業務内容によってさらに試験が分けられています。生産システムの統制や運用業務を中心に仕事をしている人は「生産管理オペレーション」の受験をおすすめします。作業・工程の管理業務をはじめとした在庫管理や品質管理の問題が出されます。
「生産プランニング」では、生産システムの設計や計画業務を中心に仕事をしている人に向けた試験内容となっています。製品企画や生産システム、納期管理に関する内容が出題範囲となっています。
「生産オペレーション」「生産プランニング」ともBASIC級と1級は共通ですが、2級ではさらに業務内容によって試験範囲が分かれます。ビジネス・キャリア検定試験は年に2回しか行われないため、生産管理に関する資格をすべて取得するためには、相応の時間を費やして勉強する必要があります。
自分と関係ある業務内容に絞って取得を目指すのもよいでしょう。以下が「生産管理」分野の試験範囲です。
級 | 試験範囲 |
---|---|
1級 | 生産管理 |
2級 | 生産管理プランニング(製品企画・設計) |
2級 | 生産管理プランニング(生産システム生産計画)(加工型・組立型) |
2級 | 生産管理プランニング(生産システム生産計画)(プロセス型) |
2級 | 生産管理オペレーション(作業・工程・設備管理) |
2級 | 生産管理オペレーション(購買・物流・在庫管理) |
3級 | 生産管理プランニング |
3級 | 生産管理オペレーション |
BASIC級 | 生産管理 |
ビジネス・キャリア検定試験の合格率はどれくらい?
全体的に難易度は高くないが、しっかり勉強しないと合格しない可能性大
ビジネス・キャリア検定試験の「生産管理」分野の難易度はそれほど高くないと言えるでしょう。ただし出題範囲が広く、通常業務で何となくこなしていることも論理的に理解することが求められるため、しっかりと勉強する必要があります。
直近の合格率はBASIC級の75%前後、3級は「生産管理プランニング」「生産管理オペレーション」共に50~60%程度です。2級はほとんどが30%前後の合格率を推移しており、項目や試験によっては合格率50~60%になることもあります。直近の1級合格率は30%です。
1級試験はマークシートではなく、論述式の試験なのでしっかりと対策を立てなければ合格は難しいと言えるでしょう。それでも合格率が3割あれば難易度はそれほど高くありません。
級 | 合格率 |
---|---|
1級 | 30% |
2級 | 30% |
3級 | 50~60% |
BASIC級 | 75% |
どの級を受けるのが適切か?階級は自分の目標やレベルの目安
ビジネス・キャリア検定試験では「生産管理」分野以外でも階級が分けられており、実務経験年数や役職に応じてどの階級を受ければよいかの目安があります。
ただし、受験資格は特になく、どの級からでも受験可能です。現在の仕事の業務内容に関連が深い級のみ受験しても構いませんし、マネジメント能力を要する部長職を目指す方は早い段階で1級に挑戦してみるのもよいでしょう。
BASIC級は基礎的知識を問われる問題がほとんどなので、メーカー企業に入社して間もない人や、学生、就職希望者におすすめです。2級・3級は実務経験を数年間積んだ3~5年目の社員におすすめです。1級はマネジメント能力も求められる部長職などを目指す、実務経験が10年以上ある人が挑戦するのが目安とされています。
生産管理の仕事に関係する資格は他にもある?
製造業の知識や思考力を補い、試すことができる「生産マイスター検定」
生産マイスター検定は「ものづくり人材の育成を目的」とした検定のことです。ものづくりの現場において、若手の新人からグループリーダー、現場の管理者まで受けることができる検定です。
「役割・品質・コスト・納期・安全・環境」の観点から、どれほどの知識と能力を持っているのか証明できる検定です。階級が4段階に分かれているため、現場経験が少ない人からベテランの管理者クラスまで、自分に合った階級を受験することができます。
合格率は1~3級は50~60%を推移しています。ベーシック級の合格率は70~80%程度です。決して低い合格率ではありませんが、しっかりと勉強していないと合格点をとるのが難しいことが予測できます。
所定の講座を受講して単位を取得しなければ受けられないなど、しっかりとした学習体制が整っていることから、企業の人材教育に導入する例もあります。単位取得にレポートの提出が必要など、知識だけでなく仕事に対する思考力も必要とされます。新人や若手向きのベーシック級のみ、誰でも受験することができます。
生産管理の仕事に興味がある人や、ものづくりの業界での就職を希望する人は試しにチャレンジしてみると良いかもしれません。
ファッション系の生産管理は専門知識を学校で学ぶのが最良
国内外のファッション業界に優秀な人材を送り出す「文化服装学院」
文化服装学院は日本初の服装教育の学校として認定を受けた歴史ある学校です。毎年多くの優秀な生徒をファッション業界へと送り出しています。
服作りに関して未経験でも、基礎からしっかりと教えてもらえるので初心者でも安心して入学できます。学校の設備も充実しており、フロアーごとに機能を統一することで、ファッション産業の仕事の流れを再現しています。まさに、ファッション業界を目指す生徒のための学校と言えるでしょう。
世界各国からの留学生が700名以上在籍するなど、グローバルな視点でファッションが学べる学校でもあります。留学制度も充実しているため、文化服装学院を卒業後、語学力と専門技能が認められた場合、イギリスの大学へ留学が可能になります。
卒業生からは世界で活躍するデザイナーも多く輩出しており、日本のみにとどまらず世界で活躍したいと思っている人には、大きなチャンスになる制度と言えるでしょう。
包括的にファッションを学ぶので将来の選択肢が増える「服飾専門課程 服装科」
文化服装学院では「服飾専門課程」「ファッション工科専門課程」「ファッション流通専門課程」と4つの課程に分かれています。
それぞれ専門性を深めることができますが、ファッション業界で働きたいと思っているけどどのような職種にするかはまだ決めていないという人には、「服飾専門課程 服装科」がおすすめです。
服作りの技術・デザイン・素材などの基本を身に付けながら、ファッション全体を総合的にとらえて専門分野を学習することができます。基礎知識を固めながら、ファッション業界の中で専門技術を生かしながら働けるカリキュラムになっています。
ファッション系の生産管理の仕事では素材や縫製技術に関する専門知識やパターン制作技術、CAD技術なども必要とされます。「服飾専門課程 服装科」ではそれらを包括的に学ぶことが可能です。
生産管理の資格・試験まとめ
生産管理の仕事に資格は必要ないが、知識や技術はあったほうが役に立つ
生産管理になるために特別な資格は必要ありません。メーカー企業への就職と生産管理業務を行っている部門に配属される必要があります。しかし、生産管理として仕事をする際に勉強しておくことで役に立つ資格はあります。
例えば「ビジネス・キャリア検定試験」の「生産管理」の検定に合格することで、一定以上の知識を持っていることを会社にアピールできます。また、ファッション系の生産管理では、素材や縫製について専門的な知識があり、CAD技術やパターン技術を持っていた方がスムーズに仕事を行えるでしょう。
生産管理の参考情報
平均年収 | 400万円~500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 販売・サービス |
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