版画家の給与・年収は?ほとんどの場合、版画家のみの収入で生計を立てられる人はいない
版画家として活動する人のほとんどは版画や美術を教える教師・講師の仕事など、版画の作品制作以外の仕事を兼業しています。では、版画家として活動する人はどのような仕事でどれくらいの給与・年収を得ることが多いのでしょうか。
版画家の初任給
副業で生計を立てていることが多い?版画家としての収入は人それぞれ
版画家としての収入源はさまざまですが、基本的には制作した作品が売れれば収入があると思ってよいでしょう。そのほか、企業や個人などから直接依頼されれば、クライアントの意向に合った作品を作り、契約通りの報酬をもらうことになります。
作品の値段は多種多様です。有名な版画家の作品や歴史的価値のある版画作品は数百万円から数千万円の値がつくこともあります。作品の大きさや作家によって異なりますが、数万円から数十万円で作品を販売している版画家が多いようです。
しかし、版画家の仕事のみで生計を立てられる人はごくわずかです。ほとんどの人が、会社員としての本収入を持っていたり、副収入として他の仕事をしていることがあります。基本的に版画家は初任給という形で給与を受け取らないため、初めて得た収入の統計を取るのは難しいでしょう。
高校の正規職員として採用され、美術教師になるとどれくらいの初任給?
版画家になるために必要な資格や学歴はありませんが、美術系の大学や専門学校で版画技術や知識を学ぶ人が多いです。中には教育学部の美術専攻から教員免許を取得して美術教師となり、休日などプライベートの時間を使って版画家として作品制作などの活動をする人もいます。
版画家として活動するかたわら美術の高校教員として働く場合、初任給は20万円前後です。教える教科によって基本給が変動することはありません。また、私立高校でも公立高校の給与額に準拠しているため、基本給はそれほど差がないと思ってよいでしょう。
そのほか部活動顧問をした場合や、私立高校で残業をした場合は手当てが支給され、初任給にも若干の差が出ることがあります。
版画家の平均給与
カルチャーセンターの講師になるとどれくらいの収入を得られる?
版画家としての初任給の統計が取れないように、月々の給与の統計を取るのも難しいです。
作品がいつ売れるのかは予測がつかず、出来高になるためです。展覧会を開いた月は作品が売れることで収入が増えたり、ギャラリーなどに作品を置かせてもらえれば毎月いくらかの収入が確保できることもあります。
版画家として美術や版画技術を教える講師・教師をする人も多いです。中学校・高校・専門学校以外であれば自分が開いている教室や、カルチャースクールの講師で毎月いくらかの収入を得ている人もいます。
カルチャースクールの講師になると収入は、受講料や生徒の入り具合、またカルチャースクールの講師として雇われる際に交わす契約によっても異なります。カルチャースクールによっても異なりますが、生徒が払う受講料の4割を講師に支給されるのが大体の相場ではないかと考えられます。
例えば1か月5000円で受講できる版画教室を開いたとします。受講料5000円の4割は2000円、生徒が10人集まればひと月で2万円の収入が得られることとなります。
クラスをいくつか掛け持ちできれば、それなりの収入になりますが、カルチャースクールの講師のみの収入で生活するのは難しいでしょう。カルチャースクールの講師はホームページやカルチャーセンターで求人が出ていることが多く、版画家として講師の場数を踏みたい方にはおすすめです。
高校の正規職員として美術を教えると、月々どれくらいの給与を得られる?
では版画家の活動をしながら美術の高校教師として働いた場合はどれくらいの給与を得られるのでしょうか。美術教師と他の教科の担当教師との間に給与の差は基本的にありません。初任給と同様に、公立・私立高校共に基本給もほとんど差がありません。
私立は基本的に残業代がつくため、基本給ではなく手当の面で公立・私立の間で給与の差が出ることがあります。また、高校教師は年功序列で給与が上がります。1年に1万円ずつ上がることが多いですが、副校長などの役職に就くと役職手当がつきます。
高校の美術教師の大まかな給与額は、20代後半で24~32万円前後、30代で28~40万円前後、40代で40~50万円前後、50代で50~60万円前後ではないかと推測できます。
不安定だが版画家としての活動時間を確保しやすい!非常勤講師の給与とは
美術教師になるには大学などで教員免許を取得するだけでなく、教員採用試験に合格しなければなりません。教員採用試験は非常に競争率が高く、地域・年度によって異なりますが倍率が10倍以上になることも珍しくありません。
一方、非常勤講師として美術の教員免許を持った求人募集をしている地方自治体もあり、非常勤講師の方が採用されやすい場合もあります。非常勤講師となった場合は、授業ごとに報酬が支払われることになります。授業1コマに対し2000~3000円程度が相場のようです。非常勤講師の待遇は自治体によっても異なりますが、部活動の顧問になった場合はさらに手当てが出ることもあります。
1コマ2500円で1週間に6コマ担当した場合、ひと月6万円前後の収入になります。契約が終わった後継続される保証がなく、夏休みなど授業がない期間は基本的に収入がなくなります。複数の学校の非常勤講師や他の仕事を掛け持ちすることも多いようです。
教師の仕事は生徒に授業を教える以外にも多岐にわたり、進路指導や学校行事の準備、PTA関連の業務などさまざまです。非常勤講師の場合、生徒の成績を付けたり、授業内容を考える、次の授業の準備をするなど、担当の授業に関する業務をする必要があります。しかし、それ以外の仕事を負担しなくてよいというメリットがあります。
版画家として活動をするのであれば作品制作に時間をかけなければなりません。また、依頼が入れば直接打ち合わせをしてクライアントから要望を聞いたりするなど、相手に合わせて行動することもあります。どのように働くかは収入のバランス次第と言えるでしょう。
版画家の平均年収
高校の正規職員として美術教師をした場合、どれくらいの年収が得られる?
初任給・月々の給与と同様に版画家としての年収統計を測るのも難しいでしょう。有名な版画家であれば高収入を得ることも可能です。無名の版画家の作品であれば1年に1つも売れず、版画家としての収入がゼロになる可能性もあります。版画や美術に関わらない仕事をしている人もいるため、年収は人それぞれです。
では高校美術の教員となった場合、年収はどれくらいでしょうか。高校職員は年功序列で給与が上がっていき、ボーナスや退職金も一般的な会社員と同等かそれ以上の金額を期待できます。しかし、公立高校の残業代に関してだけは見込み額として給与に含まれているため、どんなに残業が増えても給与に反映されません。
一方私立高校では残業代として月々支給される可能性が高いです。そのほか、部活動顧問としての手当てや修学旅行などに付き添った場合などに手当てがつくことがあります。高校の美術教師の20代年収は400~500万円前後、30代では500~640万円前後、40代では640~800万円前後、50代では800~860万円前後が相場ではないかと推測されます。
正規教員になると安定するが非常に忙しい?版画家としての活動時間が減るかも
正規の高校教員になると非常に給与が安定します。また、美術に関する授業を受け持つことができ、カリキュラムによっては版画を取り入れることも可能でしょう。
しかし、その一方で、教員は非常に多忙です。授業だけではなく、学校を運営していくための仕事を教師が担っています。授業をするにあたって準備や生徒への評価も行わなければなりません。
安定はしませんが、非常勤講師や版画教室の先生になると時間に余裕ができる可能性が高いです。生徒さえ集まれば自分で教室を開くことも可能です。版画家として活動するための時間や資金をどのように確保するかも版画家の課題の一つと言えます。
版画家の給与・年収まとめ
版画家の給料や年収は人によってさまざまなので一概に統計を取るのは難しいでしょう。有名な芸術家の版画作品であれば数十万から数百万円の値段で売れることもありますが、作品が売れなければ収入はゼロです。
版画家として活動をしながら、他の仕事で生計を立てている人がほとんどです。高校の正規の美術教員になると収入が安定し、美術・版画に関係する仕事ができるかもしれませんが、忙しく時間の確保が難しいでしょう。
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版画家の参考情報
平均年収 | - |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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