ピアノ調律師の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

ピアノ調律師の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

ピアノ調律師はピアノの音の高さを調律する、鍵盤を弾いたときに音がきちんと出るように整調する、ピアノの音を演奏家のイメージに合わせる整音といった仕事を行います。この記事では、ピアノ調律師として聴力と技術が求められるこの仕事の初任給、月給、年収といった情報をご紹介します。

ピアノ調律師の初任給

ピアノ調律師になるためには、調律科のある専門学校や大学を出る、もしくは楽器メーカーの養成施設などで基礎的な知識と技術を学んだ後、楽器メーカーや楽器販売会社、修理工房、調律専門会社などに就職するのが一般的です。

では、ピアノ調律師として就職した時の初任給の相場をまず紹介します。

初任給の相場は約19万円

ピアノメーカーに就職した場合の初任給の相場は18万円~20万円。楽器メーカーならば17万円~19万円が初任給の相場です。

一般財団法人労務法人研究所の「2108年度新入社員の初任給調査」によると全産業でみた大学卒の新入社員の初任給の平均は21万1,039円でした。ですから、ピアノ調律師の初任給は平均よりやや少ない程度ということができます。

ピアノ調律師として入社後の仕事

学校や養成施設でピアノに関する勉強をすれば、すぐにお客様の家に派遣されて調律ができるというわけではありません。会社によっては社内試験などにより、社内基準に合格していると認められてからお客様の前で調律できるというところもあります。

調律師として入社しても先輩の職人から調律の知識や技術を学ぶ必要があります。また、ピアノや楽器のメーカー、販売店などに就職した場合、楽器や付属品の販売の仕事も行う必要があります。こうした営業販売の仕事を行うためのコツも学ぶ必要があります。

ピアノ調律師の平均給与

次にピアノ調律師の給与の平均相場、基本給以外に支払われる手当などについて紹介します。

ピアノ調律師の平均月給は25万円前後

厚生労働省のまとめている「賃金構造基本統計調査の職種別賃金表」の中には、各種職業の月収・年収の平均が報告されています。しかし、ピアノ調律師に関しては、該当する職業欄がなく、平均的な給与額を割りだすためには、求人や現役調律師の給与額を参考にして計算しなければなりません。

これらの情報を基準にすると、初任給は20万円以下で、20代後半から30代になってくると基本給は25万円代、技術が円熟してくる40代以降は30万円以上の基本給という具合に上昇していくようです。

ピアノ調律師の給与の仕組み

調律を依頼した場合、1回につき代金として支払われるのが13,000円程度です。フリーの調律師で、月に50件程度依頼があったとしたら、50万円以上の収入になりますが、会社に勤めている調律師はそうではありません。

会社勤務の調律師は月給制のため、調律の代金がすべて自分の収入とはならないからです。また調律の仕事は体力的にハードな面もあり1日で複数件こなすことができないという点もあります。

ピアノ調教師としての給料に含まれるもの

ピアノ調教師として会社に就職した場合、基本給以外に会社から支給されるものがあります。会社によって違いがありますので、就職・転職の際にはどのような手当てが支給されるのかチェックしておきましょう。

基本給以外に支給されるものはおおまかに次の2つになります。

  1. ボーナス
  2. 各種手当

ピアノ調律師のボーナス

ピアノ調律師にも、ボーナス(賞与)の支給を定めている会社ならば支給されます。ボーナス額は給料の1ヶ月から3ヶ月分というのが大体の相場です。一般的には夏と冬の年2回支給されます。

しかし、会社の規模や方針などでボーナスの額や回数にも違いがありますので、調律師として楽器メーカーやピアノ販売会社などに就職する場合は、募集要項などでそのことも確認できるでしょう。

ピアノ調律師の各種手当

ピアノ調律師として働く人のために会社が基本給以外に支給している各種手当があります。代表的なものは以下の通りです。

  • 車両手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 資格手当
  • 外勤手当
  • 乗車手当
  • 販売手当

マイカーで通勤しているならガソリン代などの車両手当、扶養家族がいるなら家族手当や住宅手当が支給される会社があります。さらに、調律師としての技能士の資格などを持っているならその資格手当、お客様の依頼があり外での調律の仕事を請け負ったなら外勤手当や乗車手当がつく会社もあります。

ピアノ調律師として楽器メーカーや販売会社に就職した場合、調律の仕事だけでなく、楽器や付属品の販売の仕事も行います。営業で成績を残したなら販売手当や奨励金が手当として支給されます。

外勤手当や販売手当で毎月の給与をアップさせる

会社に勤めている調律師は、調律の仕事を請け負っても、フリーの調律師のように代金のすべてが自分の収入になるわけではありません。会社に代金を渡し、その何割かを手当としてもらいます。

とはいえ、ある程度調律依頼のある顧客を抱えている会社に就職する、自ら顧客を獲得するなどの方法で、調律での手当てを増やしていくなら、それは給料のアップにつながります。

楽器やピアノ販売店などに勤務する調律師は、営業販売活動もします。巧みなセールストークを身に着ければ、調律の仕事以外でも販売で手当てを増やすことができます。

ピアノ調律師の平均年収

最後にピアノ調律師の年収平均、年収をアップさせる方法、この仕事の将来性などを解説します。

ピアノ調律師の年収平均は約400万円

ピアノ調律師の仕事は基本的には技術職です。総合職のように定期的に昇給や、昇進が望めない場合もあります。ですから20代から30代の最初の頃は年収200万円から300万円前後、40代ベテランの調律師になると400万円くらいというのが年収の平均相場です。全体としては、平均年収は300~400万円となります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると平成29年の男女の平均年収は304.3万円でした。ですから若い調律師の年収は同程度かそれ以下、ベテランクラスの調律師になると年収は、日本の平均年収より高い金額になります。

ピアノ調律師で年収を上げる方法

ピアノ調律師の仕事でも、年収アップを目指すことは可能です。次に、年収アップにつながる方法4つを紹介します。

  • 昇給
  • 昇進
  • 転職
  • 独立

昇給

昇給の時期として一般的なのが4月です。定期昇給を採用している会社であれば、毎年給料が上がります。ボーナスの金額が、毎月の給与金額に基づいて支給されている会社ならば自動的にボーナスの額と年収額が上がります。

昇進

昇進も給与アップにつながります。職人のリーダーや教育係など管理職として部下を束ねる立場になれば、年収もアップします。

調律師のスケジュール管理、クオリティーの維持など、会社のイメージアップや業績の維持や拡大に役立つこうした分野のこうしたスキルを身に着けておけば、経営者側の意図も汲み取れる調律師として昇進や昇給、または有利な条件での転職などの機会を掴むきっかけになるでしょう。

転職

今より給与面で待遇の良い会社に転職するというのも年収アップの方法のひとつです。調律の必要性をあまり理解していない会社よりも、調律師としての腕を高く評価してくれる会社に勤める方がやりがいを見出すことができるでしょう。

独立

フリーのピアノ調律師の魅力は、調律の代金がそのまま自分の収入になるという点です。ピアノの状態などにより異なりますが、代金の相場は1万円から大掛かりなものでも5万円前後の間です。フリーでベテランの調律師になれば月50件ほどの依頼をこなし、年収は800万円を超える方もいます。

すでにピアノ調律師として経験があり、一定数の顧客を抱えている、顧客拡大のための営業活動も行えるといった状況ならば、会社からの独立という方法も考えることができます。また、定年後にそのまま独立しフリーの調律師として活動するということも可能です。

ピアノ調律師の将来性

少子化やピアノ人口の減少、電子ピアノの普及など、ピアノを取り巻く環境は必ずしも芳しくありません。さらに、ピアノの調律は年に1~2回というのが普通であり、全国のピアノの台数と、調律師の数を考えるなら、調律師の数は飽和状態にあると言われています。

しかし、ピアノは習い事として今も人気があります。ピアノコンサートは日本全国で毎日たくさん開かれています。さらに語学力があれば、海外での仕事も視野にいれることができます。とりわけ、コンサート調律師の高齢化、人数の減少は問題のひとつとなっています。

コンサートホールで燦然と輝くピアニストを陰で支える調律師になるということを夢に見て、調律師の修行を始めることができます。

ピアノ調律師の給与・年収まとめ

高収入は望めないが人に喜びと幸せを与えられる仕事

ピアノ調律師の初任給、給与、年収を紹介しました。大卒の新入社員の初任給よりもわずかに低い初任給の額でした。基本給や年収も平均とほぼ同じ程度のもので、高額の月収や年収が望める仕事というわけではありません。

楽器販売会社に勤めている調律師であれば、調律以外の仕事、楽器や付属品の販売などの仕事も行う必要がありますが、それで販売手当や奨励金を得て収入をアップさせることもできます。

調律師の仕事の価値はお金だけで測ることはできません。調律師の技術でピアノの音をよみがえらせ、演奏者や観客が喜びや幸せを感じられるようにお手伝いするという価値ある仕事だからです。やりがいを感じられる仕事なので、志のある方が目指すべき職業だと言えるでしょう。

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ピアノ調律師の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種音楽・ラジオ

統計情報 出典元:

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