ピアニストになるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
ピアニストは限られた人しかなることができない職業です。音楽を愛する気持ちを持ち続け練習を欠かさず行うことが必要ですが、ピアニストになるにはどのような過程を踏んでいけばよいのでしょうか。今回はこの記事でピアニストに必要なこと、適正のある人、ピアノを学べる学校などについてご紹介します。
ピアニストになるには何が必要?
音楽の初等教育を受ける
音楽の道でプロになるためには幼いころからの初等教育が必要とされています。ある程度の年齢になってから音楽を始めてピアニストになった人もいますが、その数はごく僅かです。多くの場合は言葉が上手く話せないうちからクラシック音楽などを聞く機会の多い環境に囲まれ育ちます。
子供のうちに音楽のある生活に馴染むことで情操教育、知能の発達の面でも役立つといわれています。また、一説では小さいうちに音楽を聴くことで「絶対音感」が身につくといわれています。絶対音感とは黒鍵(♯や♭)を含む全ての音を言い当てることができる能力のこと。
生まれながらにして絶対音感を持っている人は限られた人だけで、多くは幼いころのトレーニングによって身につきます。人間の聴力は母親のお腹の中にいる時から発達をはじめ、4~5歳ごろに聴力における成長の限界期となり、8歳ごろに聴覚が完成します。
全てのピアニストが絶対音感を必ず持っているわけではありませんが、プロとして活躍するためには絶対音感を持っておいた方が良いのは言うまでもないでしょう。
音楽大学に進学する
ピアニストの多くは音楽大学を卒業しています。音楽大学に入るためには受験指導に対応できる先生に指導してもらうのが一番ですが、元々指導を受けている先生がそうでない場合もあるので、個人によってその都度講師の選択が必要になる場合があります。
また音楽大学に入学するためには音楽以外の一般科目の受験も必要なので、きちんと勉強をしておく必要があります。音楽大学に入る以外にも音大の付属小学校や中学校に入学するのもよいでしょう。
コンクールで入賞する
ピアニストとしての実力を示すためにはコンクールでの入賞が最も効果的でしょう。ピアニストにとって3大世界コンクールは「エリザベート王妃国際音楽コンクール」、「ショパン国際ピアノコンクール」、「チャイコフスキー国際コンクール」です。これらのコンクールには世界中からプロを含む多くの音楽家が参加してきます。
予備審査や予選を受け本選へ進むことすら難関であるため、入賞すれば注目を集めること間違いありません。また日本で開催されているコンクールで代表的なものには、「日本学生音楽コンクール」、「日本音楽コンクール」があります。
日本学生音楽コンクールは小学校・中学校・高校の部に分かれており、1年に1回開催されている大会です。また日本音楽コンクールは若手音楽家の登竜門とされており、有名な演奏家や音楽家が審査員をつとめています。これらの国内コンクールで入賞や優勝することで、次なるステップが開けてくるでしょう。
有名コンクール以外にも道はある
ピアニストになるめには有名なコンクールに入賞、優勝する以外にも自分から音楽関係の会社へデモテープなどを送って積極的に実力をアピールすることで、スカウトの声がかかりデビューへつながることがあります。特にクラシック以外のジャズやポップスのピアニストになりたい場合は有効な手段の一つです。
練習を積み重ねてコンクールでの実績を得ることも重要ですが、自分の存在を外に向けてアピールすることもピアニストになるためには需要な要素です。ピアニストと一口にいっても、ラウンジプレーヤーや伴奏ピアニストなどプレイヤー関連の仕事に就きたい場合は積極的に自分を売り込んでいくことが重要です。
海外留学でさらに実力をつける
ピアニストになるためには国内の音楽大学を卒業する以外にも、海外留学で力をつける方法があります。海外には多くの音楽学校がありますが、クラシック音楽の歴史があり有名な作曲家や演奏家を多く出しているヨーロッパが多いようです。
ヨーロッパ圏内での有名な学校にはリスト音楽院、パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学、ウィーン国立音楽大学などがあります。ヨーロッパ以外ではチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院(ロシア)、ジュリアード音楽院(アメリカ)なども有名です。
自費で海外留学をするにはそれ相当の金額が必要になりますが、日本音楽コンコールで優秀な成績を収めた場合は奨学金が出されます。また、音楽を学ぶ学生のために奨学金を出している団体もあるので、音楽で海外留学をしたい場合は積極的に調べてみるとよいでしょう。
海外留学では世界中から集まったプロのピアニストを目指す高いレベルの学生に囲まれ、刺激的な環境に身を置くことによって、さらに技術が磨かれることでしょう。
ピアニストに向いている人、適性がある人
ピアノへの情熱と体力のある人
ピアニストになるためには音楽やピアノを愛し、情熱を持ち続けることが重要なのは言うまでもありません。ピアニストの多くは毎日何時間もの練習をします。したがって、ピアニストになるにはそれに耐えうる体力や集中力を持ち合わせていることも条件です。
ピアノは手先ばかりが注目されがちですが手先を柔軟に動かすためには肩や腕の力も大きく関わってきます。他にも手の大きさも重要要素の一つです。手の小さなピアニストは存在しますが親指から小指の開きが大きい方が演奏しやすく、肩や腕にかかる負担が少なくなります。
手の開きの小ささを技術やストレッチをすることである程度カバーすることもできますが、曲目によっては手が大きいほうが楽にピアノを演奏することができるものもあるので、生まれながらの手の大きさもピアニストの適正に少なからず関わってくることでしょう。
豊かな感受性と器用な手先を持ち合わせている人
ピアニストは楽曲を作った作曲家の意図をくみ取り、ピアノを介してそれを表現します。曲の歴史や背景を解釈する力が求められるため、想像力や表現力などの豊かな感受性を持ち合わせていることが大切です。
また、それらを表現するためには手先が器用であることも絶対条件です。音の強弱、滑らかさ、大胆さを表現するためには細かやで柔らかい手先の動きが必要です。
ピアノを練習できる環境がある
才能や生まれ持った体格以外にもピアノを存分に家で練習できる環境も必要です。小さなころから音楽に慣れ親しむことができ、いつでも家でピアノを弾ける環境に身を置けるということがピアニストになるための条件の一つといえます。
ピアノといってもグランドピアノでの演奏が基本ですので、グランドピアノを置ける家の広さも必要です。また、スクールや音楽大学などに進学することができる経済的余裕も必要です。これらは全て家庭の経済状況や家の環境に関係します。
ピアニストになるための学校・教室
国内の音楽大学
日本にはピアノを学ぶことができる音楽大学が多く存在しています。国公立大学ではお茶の水女子大学、東京藝術大学、京都市立芸術大学、愛知県立芸術大学、沖縄県立芸術大学があります。
また私立大学では国立音楽大学、東京音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学などがあります。これらの大学の指導者は一流の音楽家なので、在学中に指導を受けることでピアノの技術向上が期待できます。またピアニストを目指す同志が多く集まることで、刺激を受けあいながら成長することが可能です。
専門学校や音楽教室
音楽大学以外にピアノが学べる学校には国立音楽院、尚美ミュージックカレッジ専門学校、関西ピアノ専門音楽学校などがあります。
専門学校の中にはクラシック以外のジャズやポップスを学べるところもあり、ピアニスト以外のピアノに関係するスタジオミュージシャン、インストラクターや講師など将来へ向けて幅広い職業を目指せるように教育システムを導入している特徴があります。
音楽教室では「カワイ音楽教室」、「ヤマハ音楽教室」が歴史もあり有名どころでしょう。これらの音楽教室は幼少期からも通うことが可能です。
ピアニストになるには?まとめ
本人の才能、努力、周りの環境が必要
ピアニストになるには、なによりも本人のピアノに対する情熱と努力が必要です。ただしその努力をピアニストという形で実らせるためには、幼少教育を受けさせ、音楽学校に通わせることやグランドピアノを家で演奏できる環境に恵まれているほうが有利といえるでしょう。
ピアニストになるには家族や周りの人間の協力も多いに影響すると考えられます。
ピアニストの参考情報
平均年収 | 200万円~300万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 音楽・ラジオ |
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