オプトメトリストの給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説
目の専門職オプトメトリストの給与・年収はいくらなのでしょうか?極めて高度な専門性が求められるため、資格と実務経験の量に左右されるようです。本記事では、眼に関する職を参考にオプトメトリストの初任給、平均的な給与、平均的な年収など、収入面についてご紹介します。
オプトメトリストの初任給
勤務先によって幅がある
オプトメトリストは眼の専門的知識を豊富に持っているため、活躍の場も豊富に存在します。ここでは、眼鏡・コンタクトレンズ販売店と視能訓練士の2パターンについて紹介します。
眼鏡・コンタクトレンズ販売店に正社員として入社した場合
眼鏡・コンタクトレンズの販売店はオプトメトリストの主な活躍の場です。初任給の目安は、17万円前後といわれています。「認定眼鏡士」の資格を持っていても仕事内容はあくまで販売員なので、収入は一般的な会社員と同程度になると考えられます。
「認定眼鏡士」の資格があるからといって、初任給が高くなるわけではない
残念ながら、国内では「オプトメトリスト」はおろか「認定眼鏡士」という資格自体があまり認知されていません。そのため、「認定眼鏡士」資格を持っていることで特に手厚い待遇を受けるということも少ないようです。
ただし、のちに紹介するように「認定眼鏡士」を国家資格として確立する動きもあり、初任給が増えていく可能性もあります。
視能訓練士として就職した場合
オプトメトリストが医療現場で視能訓練士として働く場合もあります。日本視能士協会が2010年に行った調査によると、勤続年数5年未満の年間所得は286.9万円となっています。つまり、初任給は20~25万円と考えられます。
視能訓練士の初任給が高い理由
眼鏡・コンタクトレンズの販売員よりも視能訓練士の初任給が高いのは、視能訓練士が国家資格だからです。合格率も受験資格を得るにも、基本的には視能訓練士養成課程のある大学や視能訓練士養成校で3年以上学ばなければならず、資格がなければ職に就くことすらできません。
また、活躍の場が責任の重い医療現場であるということも、初任給が高いことの一つの理由と考えられます。
オプトメトリストの平均給与
眼鏡販売員の平均給与は20~33万円
眼鏡販売員の平均年収は300万円~400万円前後のため、月収換算では20~33万円ほどと考えられます。大きく開きがある理由は、アルバイトや契約社員を含めた統計だからです。そのため、正社員のみに絞れば、月収は25万円以上になると考えられます。
また、認定眼鏡士の資格を持っているのはほぼ眼鏡事業会社の正社員に限られるため、年功序列制度を採用している会社であれば年齢が増すごとに年収も上昇します。
オプトメトリストは給与レベルは高くないが、やりがいのある仕事
眼鏡販売員の場合、開店から閉店後の清掃まで含めると総拘束時間はかなり長くなります。そのため、労働時間超過のわりに薄給と感じられることもあるかもしれません。しかし、見え方はクオリティオブライフに関わる重大な要素であり、高度な技術も必要とされます。
自身の技術が人の人生をより良いものにするという仕事はほかにそうあるものではなく、大変やりがいのある仕事といえるでしょう。オプトメトリストとしてやっていくには、このやりがいに価値を見出せることが重要となると考えられます。
視能訓練士の平均給与は勤務形態によって幅がある
視能訓練士協会の2010年の調査によると、平均年収は正規職員が391.3万円、非常勤職員が193.7万円、契約職員が237.9万円、経営者が514.3万円となっています。月給に換算すれば、正規職員が32.6万円、非常勤職員が16.1万円、経営者が42.9万円と考えられます。勤務形態によって大きな幅があることが分かります。
勤務地別にみると、私立大学病院が最も高く35.6万円、次に多い国立大学病院の33.7万円と比較的高いですが、逆に多くの視能訓練士が在籍する私立眼科病院や眼科診療所の平均月収は20数万円となっています。視能訓練士の平均給与は勤務形態によって幅があると考えられます。
視能訓練士の給与レベルは勤続年数に応じて上がっていく
医療現場での勤務が多いことから、視能訓練士の給与は勤続年数に応じて増えていく傾向にあります。日本視能訓練士協会が発表するデータによれば、5年未満で286.9万円、5年~9年で350.2万円、10年~14年で377.4万円、15年~19年で481.9万円、その後順調に増え続け、35年~39年で810万円とピークを迎えます。
他の業界も同様ですが、最終学歴が年収を決めるという習慣があり、視能訓練士の養成校ではなくむしろ一般の4年生大学を卒業した後に視能訓練士の資格を取得した方の方が収入の伸びは大きいようです。
しかし、視能訓練士は近年注目され始めた職業であるため、判断材料がまだ少ないこともあり、給与が今後どうなっていくかは議論の余地が残されているといえます。勤続年数に応じて給与レベルが上がっていくことは、おおむね間違いないといえるでしょう。
オプトメトリストの年収統計
眼鏡・コンタクトレンズ販売員の年収
眼鏡・コンタクトレンズ販売員の年収は300万円~400万円前後がボリュームゾーンです。認定眼鏡士が国家資格でないため、収入の伸びはそこまで大きくありません。
しかし、技術のばらつきが指摘されはじめ、SS級認定眼鏡士を国家資格に移行しようという動きもあります。維持費も高くないため、収入アップを見込むならば資格を維持するのが賢明といえるでしょう。
視能訓練士の年収
地域や勤務先によって変わりますが、視能訓練士の年収は350~450万円がボリュームゾーンです。給与レベルが比較的高いのは、視能訓練士が医療現場で働く専門職であるためです。
すでに紹介した雇用形態もそうですが、地域、勤務先によっても給与には大きな差がでてきます。給与が気になる人は複数の就職先を比較する必要があるでしょう。
収入アップには独立開業の道も
今後は高齢化やIT化が進むと予想され、オプトメトリストの役割も大きくなっていくと考えられます。
ただし、眼鏡販売店は競争が苛烈で、そのほとんどは安価で質の高い眼鏡を大量生産できる企業です。そのため眼鏡専門店の出店は難易度が高いといえますが、視力改善センターや子どもの視覚発達を促す施設の需要も高まっており、そういった業種で開業することができれば競合も少ないため、大きな収入アップが見込めるといえるでしょう。
発達障害とオプトメトリーの関係が注目されている
近年注目されている発達障害ですが、脳の異常というよりは視る力や見え方(ビジョン)の問題である可能性が明らかになってきました。とくに幼児期に視る力がうまく働いていないと、知能や思考力が正常であっても発達に遅れが生じ、勉強についていけなくなったり周りに溶け込めなくなったりすることがあるようです。
現在こういった問題を解決する発達心理学者やオプトメトリストのニーズが高まっており、今後も増えていくことが予想されます。
独立開業に求められるスキル・適性
特に視力改善センターなどのクリニックを開業する場合、コミュニケーションスキルが求められると考えられます。視る力の問題に悩む人は、老若男女を問わないからです。
特に発達訓練する対象は子どもが多く、子どもに対応するためのコミュニケーションスキルが求められます。優しく楽しく、そして的確に案内し子どもを飽きさせないような工夫が必要です。さらに、専門知識を噛み砕いてわかりやすく伝える能力も必要となるでしょう。
独立開業においては、専門知識以上にコミュニケーションスキルが求められる場合もあると考えられます。当然、事業における収入と支出を管理する資金繰りや資金調達法に関する経営者としての知識も必要です。
オプトメトリストの給与・年収 まとめ
専門性が高く、独立による収入アップの見込みもある
専門性の高いオプトメトリストですが、給与・年収はさまざまです。なかでも眼鏡販売員の給与レベルはあまり高くなく、視能訓練士は比較的高いといえます。
今後は眼科医以上にオプトメトリストへの注目が集まることが予想され、ニーズも高まっていくことでしょう。高い専門性を身に着け、独立による収入アップも見込めると考えられます。
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オプトメトリストの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 医療 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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