国税専門官になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
国税専門官は、国家公務員の専門職試験の中で人気のある試験です。公務員を目指す方にとっては、国家公務員一般職・地方公務員上級と併願可能であるため、受験先を多くカバーしたい受験生には魅力的である反面、受験者が多く、合格率も厳しい状況となっています。そのため、試験内容全般に対応している学校選びが重要です。
国税専門官になるには何が必要?
国税専門官採用試験に合格する必要がある
国税専門官は公務員となるため、所定の試験を受験し、合格しなくてはなりません。学歴は問われないため、受験資格に該当すれば誰でも受験することができます。
ただ、難易度は相当高いため、専門学校や予備校などで勉強をして専門的な知識を身につけなければ、試験の合格は難しいでしょう。
試験合格後は「税務大学校」での研修受講
国税専門官採用試験に合格したあとは、「税務大学校」で約3ヶ月間の基礎研修が行われます。そして、研修修了後に採用局管内の税務署に配属されることになります。まずは、それぞれの税務署で実務経験と研修を重ね、さらに約7ヶ月間の専科研修を経たのち、正式に国税専門官として就任することになります。
幅広い専門知識と洞察力
国税専門官は、その名の通り、税金のスペシャリストです。個人や法人の税金が適正に支払われているかどうかを調査したり、不正があった場合は指導を行ったりと、税金の知識に限らず、法律や会計、経営、商学など、幅広い専門知識が必要になります。
特に、売上が順調な企業や年収の高い方々などは、税金対策をしているのが当然となっています。合法的な税金対策であれば問題はありませんが、時には、脱税目的で不正を働いている場合もあります。法律の隙間を突いて、何とか納税を免れようとするものです。または、単に税金の知識が乏しいがために、納税ミスを起こしている場合もあります。それらに対抗するためには、圧倒的な専門知識が求められるのです。
国税専門官に向いている人、適正がある人
コミュニケーション能力の高い人
国税専門官と聞くと、帳簿や数字と向き合うだけのイメージがありますが、実際は、経理担当者や経営者などと直接話をする機会は非常に多いです。そういった方々に対して、納税方法に誤りがある場合は指導を行うため、相手と上手にコミュニケーションを取りながら、正しい納税について納得してもらわなくてはいけません。
また、悪意ある脱税や滞納がある場合は、高圧的にならずに専門知識で相手を諭し、正しく納税してもらう説得力も必要になります。状況に応じた柔軟なコミュニケーション能力が求められます。
几帳面で緻密な調査に対応できる人
帳簿などから間違いや脱税などを読み解く能力が必要です。また、自分で立てた仮説が正しいのか誤りなのかを実証し、判断する能力も求められます。もちろん、国税専門官になりたての頃は判断が難しい場合もあるでしょう。調査能力は長年の経験を重ねて身に付く側面が強く、その能力を自分のものにするための根気強さも必要になります。
粘り強さ・精神力の強い人
納税が適正になされているかを確認するためには、帳簿の数字を細かく確認し、膨大な資料の山を読みこなしていく必要があります。その作業を一つずつ確実に行うには、粘り強い姿勢と強固な精神力がなくてはなりません。
また、「不正や誤りは許さない」という正義感の強さも持ち合わせていれば、緻密で長時間の調査業務にも立ち向かうことができるでしょう。
国税専門官になるための学校・教室
国税専門官試験の独学は難しい
国税専門官試験の合格率は、年度によって異なりますが、10%~20%と、決して簡単ではない状況となっています。難易度は、国家公務員採用一般職試験(大学卒業程度)と同じレベルです。試験内容も公務員試験と同じ基礎能力を問われる試験内容となっています。
試験を受けるにあたり、事前に大学などで専門分野の知識を学んでいるのであれば、独学での合格も夢ではないでしょう。しかし、予備知識がなく、公務員試験の対策もしていないのであれば、専門学校や通信教育を利用する方が合格の近道となり、試験勉強のモチベーションを高く保つことができるのでオススメです。
おすすめの学校と通信講座
国税専門官採用試験は、学歴に関係なく受験することができます。そのため、必ず通学しなくてはならない学校はありません。しかし、試験に合格し、その後の仕事を全うするには、法学、経済学、商学などの知識が必須となります。大学などで法学部、経済学部、経営学部、商学部などで学んでいた方は、それらの知識がベースとなり、有利に勉強を進めることができるでしょう。
ただし、大学で上記の学部で所属していなかったという方も、専門の予備校で必要知識を習得することができます。国税専門官試験の対策コースがある予備校がいくつかありますので、オススメの学校を紹介します。
「LEC東京リーガルマインド」は面接に強い
■受講形態
通学、通信
■強み
模擬面接「リアル面接シミュレーション」が通信・通学に関係なく、かつ、回数制限なく受講することができます。面接対策のサポートが手厚いです。
■受講料
通学は31~37万円、通信は27万円~32万円。
「資格の大原」は優秀な講師とサポ―ト力
■受講形態
通学
■強み
専門試験の対策を充実させています。また、論文試験の対策にも力を入れており、合格するために必要な答案作成力が身に着く指導を受けることができます。
■受講料
ホームページなどでは公表されていませんが、約35万円前後となります。
「TAC(タック)」は合格実績が多い
■受講形態
通学、通信
■強み
簿記知識がない方向けのコースと簿記3級レベルの方向けコースという風に、簿記知識のレベルに応じてコースを選択することができます。また、公務員受験指導のプロが、勉強方法や試験情報に限らず、一人ひとりの悩みや不安まで対応してくれるなど、きめ細かなサポートが魅力です。
■受講料
通学は32~39万円。通信は33~36万円。
「クレアール」はWEB通信が安い
■受講形態
WEB通信のみ
■強み
入学金は不要で、教材費込みの受講料が割安です。また、WEB通信のみですが、担任サポートや質問サポート、論文添削サポートなども全てのコースに含まれており、サポート体制も整っている点が魅力です。
■受講料
18~23万円。早い時期に入学すると割引があります。
資格スクール大栄
■受講形態
通学
■強み
全国に100拠点あるため、通学しやすい点が魅力です。また、試験直前には、大栄オリジナルの問題演習を解くことで、実力や弱点の確認をすることができます。2次試験対策としては、面接対策や集団セミナーなど、段階を経たカリキュラムを組んでいることも魅力です。
■受講料
校舎やエリアごとに料金が異なるため、自分が通いたい校舎へ資料請求して確認する必要があります。
「東京アカデミー」は生授業が人気
■受講形態
通学、通信
■強み
生授業で最新の試験傾向に合わせた講義や個別指導を受けることができます。筆記試験対策だけではなく、2次試験の面接対策にも力を入れているのが魅力です。
■受講料
校舎やエリアごとに料金が異なるため、自分が通いたい校舎へ資料請求して確認する必要があります。
国税専門官になるには?まとめ
国税専門官になるためには、難関の公務員試験を突破する必要があります。人気の職業ですので、独学で勉強するよりは、専門の予備校で試験対策することをオススメします。予備校といっても、受講形態を選べるタイプのものが多く、通学だけではなく通信で学ぶこともできます。
どの予備校も専門性の高いカリキュラムを整えている傾向にあるため、各校の特徴や強みを比較し、自分に最適な予備校を選びましょう。
国税専門官の参考情報
平均年収 | 400万円~900万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 公務員 |
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