ネイリストの給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ
ネイリストの多くは、専門的な知識や技能を学ぶためにネイルスクールに入り、サロンで働くためにネイリスト技能検定などの資格を持っているスペシャリストです。しかし必ずしもその給与・年収は一般の社会人と比べても高いとはいえません。それでも高い志を持って努力を続ければどんどんアップしていく可能性が秘められています。
ネイリストの初任給
ネイリストの仕事は、ネイルサロンに正社員として就職するのが一般的です。中にはパートやアルバイトとして働くケースや、アシスタントとして働く場合もあります。
正社員の場合
勤務エリアや経験、持っているスキルや資格によって給与水準は異なりますが、正社員の場合は初任給15万円~20万円からスタートするのが一般的です。
年収にすると300万円前後ということになり、すごく良い収入というわけではありません。しかし、サロンでの仕事は仕事に専念できる環境の中でスキルアップを目指すことができ、技術レベルが高まっていくとともに、収入もアップしていきます。
福利厚生の面では、大手は社会保険が完備されていますが、個人経営のところは整っていないところもあり、少ない収入の中から自分で保険料を払わなければならないため、経済的な大変さから挫折する新人さんもいるのが現状です。
アルバイト・パートの場合
アルバイト・パートのネイリストの給料は、時級900円~1,200円程度が相場となっています。
アシスタントで働く場合は「下積み期間」という考え方から、勤務先によっては給料がかなり安くなることもあります。さらに、スキルアップのための研修費用もその中から捻出しなければならないケースもあり、アシスタントからスタートするには、よほどの覚悟が必要です。
また、アルバイト・パートの場合はサロンの事情によって週に2~3日程度しか働けないこともあるため、中には他のアルバイトを掛け持ちして、生活できるだけの収入を得ようとする人も珍しくありません。
せっかく資格を取っても正社員になることができなければ、経済的に苦しくてネイリストの仕事に専念できない状況になることもあるというのが実情です。
ネイリストの平均給与の統計
年齢によるネイリストの月収の統計
ネイリストの平均給与は、年齢によってそれほど大きな差がでてくるわけではありません。具体的な平均額は、20~24歳が17万円、25~29歳が19万円、30~34歳が22万円、35歳以上では、各年代ともに平均月収25万円~26万円前後となっています。
平均だけをみると、年齢が上がるにつれて収入が伸びるというわけではなさそうですが、各年代ともに高収入の人もいる半面、まだまだ低収入の人の割合が大きいという側面も考えられそうです。
ネイリストの主な3つの給料体系
ネイリストの給料についてお伝えする際には、ネイリストの給料体系には次のような3つの給料体系があることも忘れてはならないポイントです。その3つとは固定給、歩合制、役職手当です。
固定給
固定給は、ネイリストの給料体系の中で最も多いタイプです。これは、勤務時間や勤務状況に関わらず、毎月に一定の決められた給料が支払われる方法になります。
一般のサラリーマンと同じような働き方を行うことができる内容も持っており、基本的には交通費などの手当ても支給されます。
固定給のメリットは、ノルマなどが設定されていた際にそのノルマを達成できなかったとしても、原則として同じ給料が支払われる方法なので、一般的には安定している働き方として固定給を希望されているネイリストも多いようです。
一方で固定給の場合では、大きな収入を期待することが難しい場合もあります。高いスキルやセンスを持っていて、たくさんの施術をこなせるなど、仕事に対して自信をもっているネイリストのケースでは、他の働き方を選択することも可能です。
歩合給
歩合給は来店されたお客様に対して対応できた仕事量によって給料が支給される方法になります。ネイリストによっては1日に3人程度の少人数のお客様に対応する人から、10人近い人数をクリアする人、たくさんのお客様から指名される人などが存在します。
歩合給のメリットは、高い能力を持つネイリストが多くの収入を見込むことができる点にあります。仕事量によって給料額が決められるので、手際良くスピーディーな仕事を行うことができたり、指名客をたくさん持っていたりするネイリストには相応しい給料体系といえるでしょう。
また、習得していく技術によってランクが分かれており、それに伴って給与が上がっていくシステムを採用しているお店もあり、高いスキルを身につけようと努力を重ねるネイリストにとっても魅力のある給料体系です。
歩合制は能力に応じて支払われる給料体系なので、一般の年功序列とは異なり、誰でも一定の年数に達すれば昇給するというものではありません。その点がネイリストの業界と一般のサラリーマンとの違いだといえます。
歩合制を導入しているケースでは、固定給に上乗せして支払われているところが多く、安定収入を確保しながら、さらにスキルと人気を高めて収入につなげていくことが可能なシステムです。
役職手当
店長やマネージャーなどに昇格すれば、その役職に対して役職手当が支払われます。これらの役職に就けば、自分が担当しているお客様への施術だけではなく、サロン全体の運営に責任を持って取り組まなければなりません。
大きな責任を伴いますが、若手の指導をしたり、サロンのネイリストが働きやすいように職場を改革したりするなど、今までよりも大きな視点を持ちながら、大きなやりがいをもって仕事をすることができるようになります。
役職手当のメリットは、基本給の他にも手当として支給されることになり、仕事に対する責任感やモチベーションを高くもって取り組むことができることです。役職手当がついた店長の給料は、少なくとも30万円以上、待遇の良いサロンなら40万円以上、結果を残せば50万円に届くこともあります。
ネイリストの平均年収の統計
ひとことでネイリストといっても、その業務形態はさまざまです。最も多いのはネイルサロンのスタッフとして働くケースですが、その立場は店長・正社員・パートやアルバイトまでさまざまです。また、個人で独立開業しているネイリストもいますが、その年商額の開きも大きいのが実情です。
そのような状況下でのネイリスト全体の平均年収は220万円~270万円と、かなり厳しい金額になっています。
業種別にみる平均年収
ネイリストの職場には、ネイルサロンだけではなく結婚式場などもあります。その中の主な業種の平均年収は次の通りです。
- ネイルサロン:250万円
- 結婚式場:240万円
- ブライダルサロン:260万円
- 美容クリニック:270万円
このように若干の違いはありますが、どこで働くかによる大きな違いはなさそうです。
年齢別にみる平均年収
サロンで働くネイリストの場合、月々の給料の他にボーナスが支給されます。年収は、毎月の給料とボーナスを合わせた金額です。
年収を各年代別にみると、20~24歳が273.0万円、25歳~29歳が311.5万円、30歳~34歳が350.0万円、35歳~39歳が392.0万円、40代以上は402~420万円となっています。あくまでも平均なので、給料の受け取り方法が固定給なのか歩合制なのか、年齢が上がれば役職手当を受け取っているか否かによって、個人的な開きは出てくるでしょう。
店長やネイルスクールの講師などとして高額の年収を受け取っている人がいるにも関わらず、平均年収がそれほど高くないのは、業界全体では低所得の若いネイリストの割合が多いからだと推測できます。
高額年収を得るために
多くのネイリストは、働いているサロンで安定した収入を得てはいるものの、高額収入にはなかなか結びつかないのが現状です。ネイリストが高額年収を得るためには、どのような方法があるのでしょうか。
働いているサロンでスキルアップ、役職を目指す
大手のネイルサロンでは、キャリアアップシステムが整えられ、ネイリストとしての成長とがんばりに応じてどんどん収入をアップさせることが可能です。可能であれば就職の段階でこのようなサロンを選んで入社すれば、その職場の中でキャリアアップと収入アップに挑戦できる環境の中で働くことができます。
キャリアアップに必要なものは、「技術」、「資格」、「人気」です。昇給制度を導入しているサロンでは、ほぼ確実にスコアをつけるために実技試験を実施しています。スキルアップに対する適切な評価を得られる環境が整っているので、技術レベルが上がれば確実に昇給できます。
また、ネイルサロンによっては資格による昇給システムを導入しているところも少なくありません。サロンに就職するためには、最低でもネイリスト技能検定2級の資格が必要ですが、ベテランのネイリストとして活躍するためにはネイリスト技能検定1級を取得するくらいの実力は欲しいところです。さらに認定講師の資格を取れば、数万円前後給与のアップが期待できる場合もあります。
そして、ネイルサロンがネイリストに期待しているのは、何といっても稼いでくれることです。つまり「人気のネイリスト=指名客やリピーターが多い」というのは、やはり待遇が良くなります。人気を得るためには技術や資格はもちろんですが、お客様とのコミュニケーションや提案力、お客様の希望を汲み取る力など、総合的な接客力も必要です。お客様に喜んでもらえるネイリストは人気が上がり、サロンにとってなくてはならない存在なのです。
サロンで収入アップを目指すには、店長やマネージャーを目指す方法もあります。経営面での負担が増え、責任の範囲も大きく鳴りますが、高額の役職手当が支払われ、高いモチベーションを持ってできる、やりがいのある仕事です。
店長になるために必要なのは、勤続年数(経験)と実力です。ベテランとして長く仕事を続けることで会社からの信頼も得られ、店長になる道も開かれていくのです。
講師を目指す
ネイルスクールなどの講師は、ネイリストにとって人気の職業です。毎月売り上げに追われるネイリストと違い、仕事も安定感があり、高収入が得られます。月給は平均35万円前後で、人気講師になれば40万円以上を稼ぐこともできます。
ネイルスクールの講師になるには、当然のことながら、生徒に教えられるだけの実績と実力が必要です。講師になるためにはネイリスト検定1級とジェルネイル検定上級の資格が必要で、できればJNA(日本ネイリスト協会)認定講師の資格を取得しておきたいものです。
認定講師の受験資格は、ネイリスト検定1級の資格に加え、プロネイリストとしての経験やJNA認定校のカリキュラムを修めていることが必要です。そんな精鋭たちが受験しているにも関わらず、合格率は10~20%程度という、本当に狭き門です。しかし、そのような難関を乗り越えて講師になり、業界を担う次の世代のネイリストを育てるのは、やりがいのある仕事といえそうです。
サロンを開業してオーナーになる
ネイリストとして収入を上げるには、独立して自分のサロンを持つのも1つの方法でしょう。自分のネイルサロンであれば、当然売り上げを上げた分だけ収入が増えるので、年収1,000万円以上を目指すのも夢ではありません。
個人サロンは回転率の問題で年収600万円前後が打ち止めと言われていますが、従業員を雇ったり店舗を拡大したりすれば、どんどん収入を増やすこともできます。
しかし、個人経営のネイルサロンにはリスクがあることも否めません。事業が成功すれば収入を増やすこともできますが、お客様がつかずにサロンが潰れてしまうこともよくあります。新規オープンしたネイルサロンの80%は3年以内に閉店しているというデータもあります。
独立開業には、それ相応の覚悟としっかりした経営計画、そして何よりもお客様を惹きつけるサロンとしての魅力が大切なのです。
ネイリストの給与・年収のまとめ
好きだからこそ続けられるネイリストの仕事
ネイリストは良いサロンに勤務してスキルアップや役職を目指したり、講師やオーナーになったりして人気が上がれば高収入を得る道もありますが、多くのネイリストは年収が200万円台と、少ない収入でがんばっています。
本当に好きだからこそ、収入が少なくても頑張って続けられる仕事であり、よりたくさんの努力をした人が高収入という報いを得られる厳しい職業といえます。
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ネイリストの参考情報
平均年収 | 200万円~300万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 美容・ファッション |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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