ネイリストの資格・試験とは?知識や技術・技能を証明する資格と検定試験を解説

ネイリストの資格・試験とは?知識や技術・技能を証明する資格と検定試験を解説

ネイリストには、美容師等のような国家資格はありません。それでもプロとして活動するならネイリストとしての必要な知識や技術、技能を持っていることを証明するために、資格を持っていると信頼されます。ネイリストには、どのような資格・試験があるのかご紹介します。

ネイリストの資格試験「ネイリスト技能検定試験」

ネイリスト技能検定試験は、国際的に通用するネイリストの育成を目指す、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する、正しい技術と知識の向上を目的とした実践に役立つ検定試験です。

この技能検定試験は1997年にスタートし、平成30年12月現在、受験者数は累計で約80万人、有資格者も約48万人と、ネイルの検定としては最も多く、ネイル業界でも最も権威と歴史のある資格です。

日本ネイリスト検定試験センターとは

ネイリスト技能検定試験を主催するネイリスト技能検定試験を行う公益財団法人とは、ネイル検定試験の専門機関です。2008年12月22日に、それまでこの試験を行っていたNPO法人日本ネイリスト協会(JNA)から検定試験業務の譲渡を受けて、検定試験の運営と資格認証を専門に行う機関として設立されました。

日本ネイリスト検定試験センターでは、検定試験資格が有する専門性、公益性、社会的価値をさらに高めるために検定試験事業を推進し、2012年7月1日に「公益財団法人」として認定され、その際に正式名称を「公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)」に改称されました。

試験内容とその程度

検定試験には1級から3級があり、各級とも実技試験と筆記試験が行われます。

JNECネイリスト技能検定3級

JNECネイリスト技能検定3級の受験資格は、義務教育を修了していれば誰でも受験できます。ネイリストベーシックがマスターできているかどうかを確認するための試験が行われ、その内容は、ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識です。正しく手順と技術が出来ていれば、大半の人が合格できます。

JNECネイリスト技能検定2級

JNECネイリスト技能検定2級の受験資格は、ネイリスト検定3級の資格取得者です。2級で求められるのはプロとして活動できるレベルで、ネイリストとしてサロンワークを志すなら、ぜひともこの資格を取得しておきたいものです。

試験概要に示されている程度及び内容は「サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技能及び知識」となっています。

JNECネイリスト技能検定1級

JNECネイリスト技能検定1級の受験資格はネイリスト検定2級の資格取得者です。試験概要には「トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識」と示されています。具体的な内容はアクリルイクステンション技術と知識(アクリルスカルプチュア、アクリルチップオーバーレイ、ミックスメディアアート)となります。

この1級を取得すれば、より好条件でサロンに就職することができます。

JNECネイリスト技能検定の難易度と合格率

JNECネイリスト技能検定は、飛び級や同時受験ができず、それぞれの級を受験するためには、前の段階の資格を取得することが必要です。

JNECネイリスト技能検定の難易度

JNECネイリスト技能検定の難易度は、級が上がるごと求められる技術レベルによって高くなり、3級は基本的な技術や手順がきちんと身についていればほとんど合格できます。

しかし、2級や1級でもきちんと学んで合格のレベルが身に付いていれば、決して取得が難しい内容ではありません。合格基準を理解して、その基準に見合った知識や技能を身に付けるための努力をすれば、必ず合格できます。

JNECネイリスト技能検定の試験内容と合格率

JNECネイリスト技能検定3級

3級は、基本的な知識や技能を認定するレベルなので、きちんと学んだり練習したりして受験すれば、大抵は合格出来ます。合格率は83.42%と、かなり高めです。

実技試験の内容は「事前手入れ テーブルセッティング&消毒管理 モデルの爪の状態」「ファイル・エメリーボードの使い方」「ラウンド 仕上がり」など、ツールの使い方や仕上がりなど10項目について、各5点満点で採点されます。合格ラインは全50点満点中38点以上で、失格対象に該当していないことが基準とされています。

JNECネイリスト技能検定2級

2級以上はプロとしての技能を認定するレベルです。2級は試験内容もより専門的になり、合格率も39.99%と、かなり厳しくなっています。

実技試験の内容は「ファイルストローク」「ラウンド 仕上がり」「メタルプレッシャーの使用方法」などの10項目について、各5点満点で採点されます。採点基準は、完成度はもちろん作業工程の審査も行われます。合格ラインは全50点中38点以上で、失格対象に該当していないことが基準とされています。

JNECネイリスト技能検定1級

1級はトップレベルのネイリストとして通用する技能を認定する試験です。2級よりも高度な技能が審査され、難易度も高く、合格率は36.77%です。

実技試験の内容は「スタイリング(スクエア・オフ)」「強度と耐久性」「イクステンション」などの10項目について、各5点満点で採点されます。2級よりもさらに高い完成度と仕上がりの美しさや丈夫さが要求されます。合格ラインは全50点満点中38点以上で、失格対象に該当していないことが基準とされています。

ネイリストが取得したいその他の関連資格・検定

JNAジェルネイル技能検定試験

先述したネイル検定の運営団体の前身、日本ネイリスト協会(JNA)が主催する、ジェルネイルに特化した検定試験です。最近のジェルブームによって、プロネイリストだけでなく、一般の方でも受験する人が増えてきました。この資格には初級、中級、上級があり、試験は実技と筆記試験があります。

検定は試験内容からも分かる通り、ジェルだけ出来ればよいというものではなく、併せてネイルケアの技術と知識も要求されます。サロンワークに適用するレベルを目指すなら、中級以上を取得する必要があります。

JNAジェルネイル技能検定試験初級

受験資格は義務教育修了者なら誰でも受験できます。試験内容は、ジェルネイルの基礎的な技術と知識(ネイルケアカラー、ジェルカラー・ジェルアート)です。ネイリスト技能検定3級以上を取得により、実技試験第1課題(ネイルケア)は免除になります。

JNAジェルネイル技能検定試験中級

受験資格はJNAジェルネイル技能検定試験(初級)合格者です。試験内容は、サロンワークで通用するネイルケアカラーとジェル技術(ネイルケアカラー、ジェルオフ、ジェルスカルプチュア、ジェルグラデーション、ジェルフレンチ)です。ネイリスト技能検定2級以上を取得により、実技試験第1課題(ネイルケア)は免除になります。

JNAジェルネイル技能検定試験上級

受験資格はJNAジェルネイル技能検定試験(中級)合格者です。試験内容は、ジェルネイルのスペシャリストとして通用する総合的な技術と知識(ジェルスカルプチュア、ジェルチップオーバーレイ、ジェルフレンチ、ジェルアート)です。

ネイルサロン衛生管理士

ジェルネイル技能検定資格と同様に、日本ネイリスト協会が主催している、安全で安心なネイルサービスを提供するための知識を取得するための資格です。

この資格は国家資格ではありませんが、サロンでネイルサービスを提供する際の知識を身に付けることができ、開業する際には衛生管理に取り組んでいることをアピールすることもディプロマを通してアピールすることもできます。

資格制度の目的

ネイルサロンにおける衛生管理自主管理基準を普及し、サロン従事者への啓発活動を通じて国民の健康を守る安全で安心なネイルサービスの普及と公衆衛生の向上に資することを目的とする資格制度です。

受験資格

18歳以上の人なら、ネイルサロン勤務経験を問わず、誰でも受験できます。

キャリアアップにも必要

ネイルサロン衛生管理士の資格取得は、JNA認定講師資格の受験時や、JNA認定サロン登録の際の申請条件となっているため、指導者になったり自分でサロンを開業したりするなどキャリアアップを目指すネイリストにとっては必要不可欠な資格です。

資格が取れる学校と通信講座

上記の資格を取得するには、必ずしも学校などで学ばなければならないわけではありません。ネイリスト技能検定もジェルネイル技能検定も3級は独学でもきちんとテキスト等を活用して学べば、受験資格は問われないので、受験することができます。

しかし、正しい知識や技術を身に付けるためには、専門学校や通信教育を利用して学ぶことが必要です。プロとしての技能を審査される2級以上の検定に合格するためには、学校(ネイルスクール)や通信教育などで学ぶことが必要でしょう。

通信教育のメリットとデメリット

ネイルスクールに通うためには、高い学費を払い、昼間の指定の時間に通学する必要がありますが、通信教育であれば、自宅で、しかも自分の好きな時間に好きなペースで学ぶことができます。現在何か仕事をしていてネイリストへの転職を考えている方などには、お勧めのシステムです。

しかし、通信講座ではネイルの施術などをDVDで学ぶことができますが、実際に自分の技能を先生に確認してもらったりアドバイスを受けたりすることができないというデメリットがあります。通信教育で学んで資格を取得したとしても、サロンに就職するのは難しいというのが現状のようです。

確かなスキルを身に付けるならネイルスクール

ネイルスクールに通うためには、時間とお金が必要なのは言うまでもありませんが、きちんとした実践的な指導を受けられ、先生からアドバイスをもらいながら学ぶことができるのは、確かなスキルを身に付けてサロンで働き、さらなるスキルアップを目指すためにも大切な学びの場だということができるでしょう。

ネイルスクールは、全国に150校あり、通学と通信教育を併設しているところもあります。学校選びには、在学生や卒業生の検定の合格実績や就職状況などを参考にしながら、自分に合ったネイルスクールを選ぶのが大切です。

ネイリストの資格・試験まとめ

ネイリストの資格は、技能や知識を証明するもの

ネイリストのための主な資格であるネイリスト技能検定等は、自分でネイリストを名乗って仕事をするために必ず必要というわけではありませんが、ネイリストとしての知識や技能を持っていることの証明として必要なものです。

資格をもっていることで自分の技能に自信を持つことができるだけでなく、お客様にも安心していただきながらサービスを提供できるし、良いサロンに就職するなどスキルアップには欠かせないものです。

ネイリストの参考情報

平均年収200万円~300万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種美容・ファッション

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