医療秘書になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

医療秘書になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

医療秘書になるためには国家資格は必要ありませんが、民間資格はいくつもあります。この記事ではその中でも代表的な資格や医療秘書になるにはどんな性格の人が向いているかなどについてご紹介します。

医療秘書になるには何が必要?

医療秘書は特に資格や免許が必要な職業ではない

医療秘書の職に就くために必要な資格や免許というのは特にありません。医療秘書は医師や看護師のような国家資格ではなく、医療機関においての事務や裏方作業を行う職業であり、医療行為に直接関わる職業ではありません。

そのため、特別な学歴や資格を必要とされず、一般的な事務職に求められる条件とほぼ変わりないと考えて良いでしょう。4年制大学を卒業していなければならないということもないので、必須なのは医療秘書になりたいという熱意です。

医療事務について知識は必要

とはいえ、全く知識がない人が医療秘書として仕事ができるかというと難しいものがあります。

未経験歓迎の求人もありますが、医療秘書の仕事には電話応対やスケジュール管理、会計事務など一般的な秘書や事務の仕事以外に、レセプトを作成するなど医療知識が必要な仕事があり、できればこれらの知識や技能を事前に持っていることが望ましいでしょう。

レセプトとは診療報酬明細書のことで、患者さんが保険診療を受けた時に市町村や健康保険組合に請求する医療報酬の明細書です。保険診療では診察の報酬の料金が全て点数で決まっており「診療報酬点数表」としてまとめられています。

毎月、患者さん1人ごとに1ヶ月の間に行った診察行為全ての点数をまとめてレセプトを作成し市町村などの審査支払機関に提出し診療報酬を請求します。このレセプト業務は専門的な仕事なので、知識と経験が求められます。

医療秘書の仕事をしたいと思うなら事前に資格取得をするなどしてこうした知識を付けておいたほうが求人の幅も広がり望むような職場に就くことができます。

医療秘書の就職に有利な資格

国家資格がないため医療事務・医療秘書の民間資格は様々なものが乱立しています。医療秘書に関わる資格として有名なのは以下のようなものがあります。

  • 日本医師会による「日本医師会認定医療秘書」
  • 医療秘書教育全国協議会による「医療秘書技能検定」
  • 医療福祉情報実務能力協会による「医療秘書管理実務士」

それぞれ試験を実施している団体が違い、テキストや試験内容も異なります。「日本医師会認定医療秘書」は就職に有利で合格率も高いですが、医師会が認定した養成機関に1年以上通学してカリキュラムを修了しなくては試験が受けられず、ハードルの高い資格と言えるでしょう。

「医療秘書技能検定」は1級、準1級、2級、3級とわかれており、実用的な資格は2級以上からと考えられます。受験資格はとくにないのでいきなり何級を受けてもよいのですが、3級から順番にステップアップしてくのが一般的なようです。

「医療秘書管理実務士」は1級と2級にわけられていますが、1級でも合格率は約58%と難易度の低い資格です。受験資格としては1級を受けるには2級試験に合格していなければいけません。また2018年から一般受験の受付を終了し、協会の指定校による団体受験のみの実施になっています。

医療秘書の勤務先

医療秘書の勤務先は大きな総合病院や大学病院が多いですが、個人のクリニックや歯科医院でも求人を出しているところもあります。変わりどころとしては海外への医療協力派遣にて、医療秘書として働くなんてこともあるようです。

医療秘書に向いている人、適性がある人

医療に興味関心がある人

病院での仕事ということで、仕事をする相手のほとんどは医療関係者のため、医療について興味関心があることは大切です。直接医療サービスをこなす仕事ではありませんが、業務上医療の専門用語や知識がないと円滑に仕事を進められませんし、医療スタッフ同士の橋渡しの仕事もこなすことができません。

日頃から医療についての知識を吸収する、最新の技術や病気と治療法、薬などの関連性を覚えるなどの努力が必要になるので医療について興味感心があった方が良いでしょう。

几帳面で丁寧な仕事ができる人

多くの様々な医療スタッフの仕事をサポートするのが医療秘書の仕事です。医療秘書がミスをした場合、多くの現場に影響が出て仕事の妨げになります。また複数の仕事を同時にこなさなければならないこともあります。

1つ1つの仕事を正確に速やかに終わらせなければなりませんし、その中でも連絡事項は速く伝えスケジュールの情報が変わったらすぐ最新の情報に更新しておくなど優先順位に従って行わなければいけません。几帳面で丁寧な仕事ができる人でないと務まらないでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

様々な医療スタッフや関係者、取引先の机上や時には取材にやってきた報道関係者など、多くの人と接し調整するのが医療秘書の仕事です。

来客の応対や電話応対、メール返信なども役割の1つです。事務職ですが1人で作業をするより他人と関わる仕事が多いのでコミュニケーション能力が高くなければ務まらないでしょう。また人と接する仕事なだけに、礼儀作法や正しいマナーを身に着けていることも大切です。

思いやりの心がありよく気が利く人

様々な医療スタッフや関係者のサポートをして、必要な仕事をこなし間を取り次いだりスケジュールを管理したりする職業です。それぞれの立場の人が何を望んでいるのか、どうすれば彼らの役に立つのか考えて行動しなければなりません。相手の気持を汲み取る思いやりの心や、やると相手の助けになることを察知して行う気遣いの力が求められます。

パソコンが得意な人

レセプトを作成するのもスケジュール管理や書類・会計の仕事も現在ではほとんどパソコンで行います。パソコンが使えないようでは仕事にならないでしょう。Word、Excel、PowerPointなどは扱えたほうが良く、特にExcelは求人の条件になっていることも多いようです。

医療秘書になるための学校・教室

日本医師会が認定した養成機関

宮城県、群馬県、富山県、福井県、山梨県、静岡県、愛知県、滋賀県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、宮崎県の13県に認定された専門学校や短期学校が15校あり、日本医師会認定医療秘書になるためにはこれらの県にある認定養成機関でカリキュラムを修了しなくてはいけません。

通信制は2年間、全日制は1年以上の学習期間が必要になります。入学資格はいずれも高校卒業以上です。

ヒューマンアカデミー

医療事務講座が充実しており、医療秘書だけでなく会計業務や総合レセプト業務、カルテ管理業務、受付業務、各科受付業務、病棟クラーク業務、ドクタークラーク業務など様々な職種に対応した講座コースがあり、その職種に必要な資格・試験の対策も行っています。

2級医療秘書実務能力認定試験合格を目指す医療秘書検定対策講座が開かれているほか、医療事務関係の資格の中で最も難易度の高い資格の1つ診療報酬請求事務能力認定試験の対策講座も行われています。医療秘書を目指す人にも現役医療秘書でさらに資格を取ってキャリアアップを目指す人にも講座を開いているようです。

医療秘書になるには?まとめ

国家資格はないが、民間資格はいくつもあるので資格があると就職上有利

医師や看護師のような国家資格は医療秘書にはありませんが、民間資格はいくつもあります。医療秘書は一般的な事務・秘書の仕事のほかにも、医事コンピュータを使ったカルテの作成管理やレセプトの作成など、専門的な医療知識が必要な仕事があります。

民間資格や公的資格を取得していることで、これらの知識や技能を身に着けていると証明することができます。未経験者や資格を持っていない人でも応募できる求人もありますが、資格を持っていたほうが応募できる職場の幅が広がるので、医療秘書を目指す方はまず資格取得を目指すのが良いでしょう。

医療秘書の参考情報

平均年収250万円~360万円
必要資格
  • 診療報酬請求事務能力認定試験
資格区分 公的資格
職業職種医療

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