ジャーナリストになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
ジャーナリストは、様々なメディアで時事問題や社会問題の報道、解説、批評などを行う職業です。並大抵の決意では、ジャーナリストになるのはやめたほうがいいほど、強靭な体力と精神力、知的好奇心が求められます。本記事では、ジャーナリストになるために必要なこと、向いている人の特徴などについてご紹介します。
ジャーナリストになるには何が必要?
「ジャーナリズム」とは新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・ネットなどの媒体で時事問題や社会問題の報道や解説、批評などを行う活動、またはその組織を表す言葉です。ジャーナリストとは、そうした活動を仕事にしている人を指します。
ジャーナリストには、情報収集力、それを分析する能力、伝える能力などが求められます。この記事では、ジャーナリストに求められる能力を具体的に紹介します。
好奇心
ジャーナリストの中には、国際ジャーナリスト、戦場ジャーナリスト、医療ジャーナリスト、美容ジャーナリストなどの呼び方から分かるように、特定の分野に関して精通しているという特徴があります。
ジャーナリストには自分が専門としている分野に関して、さらに知識を広げたいなどの好奇心があります。特定の分野に関して徹底した取材を行うジャーナリストは物事に対する好奇心が仕事の原動力になっています。
正義感
ジャーナリストの仕事には権力者や権力を持つ組織の行動をチェックするという一面もあります。こうした任務を遂行するためには、正義感が必要です。
例えば一般の人が知らない政治や大企業の闇の部分を暴露する記事を書くこともあるからです。そうした記事を世の中に送り出そうとすれば、反対や圧力、批判を受けたりすることもあります。そうしたものに屈しないためにも正義感が必要です。
探求心や粘り強さ
ジャーナリストは取材対象を深く掘り下げます。
例えば、潜入取材というスタイルがあります。横田増生やジャームス・ブラッドワースなどの有名ジャーナリストは、大手アパレル企業の社員や、インターネット通販会社の倉庫作業員、配車サービスのドライバーとして実際にその職場で働き潜入取材を行い、そこで取材した情報を報道しました。
こうした取材スタイルには多くの時間と粘り強さが必要であり、それを支えているのがジャーナリストとしての探求心です。
強靭な体力と精神
取材対象に密着する必要のあるジャーナリストには強靭な体力も求められます。
例えば、戦場ジャーナリストは、他の人が知らない戦地の真実を伝えるために戦場に赴きます。兵士と行動を共にすることもあります。また実際に銃撃や砲撃、地雷が埋められている場所を行かなければならないこともあります。
こうした中で取材を続けるには強靭な体力と精神が求められます。一ノ瀬泰造などのように戦場カメラマン、ジャーナリストとして戦地に赴き、取材中に命を失った方もいます。
しかしそうしたジャーナリストたちの仕事により、戦争のない場所に住んでいる人たちは戦争の真実を知ることができます。
高い専門性
インターネットの普及により世の中には、正誤の判断が難しいゴシップやフェイクニュース、無価値な情報などが増えてきました。こうした流れを受けて人々は正確で質の高い報道をかつてないほど必要としています。
そのため、ジャーナリストには高い取材力に加えて、自分が得意としている分野に関する専門性を高める、必要な情報と不必要な情報を見極める情報分析力などが求められています。
文章力
ジャーナリストには自分が取材した情報を、メディアを通じて人々に伝える必要があります。これまで多く利用されてきたのが、新聞、書籍などでそれを報道するという方法です。
正確な情報を伝えるためには、だれが・どこで・なにを・なぜ・どのように・いつ(5W1H)行ったのかを伝えなければなりません。取材したことがらを原稿にして発表するために文章力も求められます。
録画・録音技術
紙媒体が中心だったジャーナリズムの時代から、デジタルを中心としたジャーナリズムに時代は移り変わっています。ジャーナリストも取材をするときには、紙とペンだけでなく、自分で映像を撮影したリ、音声を録音する必要があります。
さらにそれを記事にするときにも、デジタルメディアに対応できるよう、映像や画像、図表などを使ったビジュアル的に訴える記事にすることも求められています。取材内容を伝える方法が変化してきているので、それに対応できるような映像・録音を含めたコンテンツ制作の技術も磨く必要があります。
ジャーナリストに向いている人、適性がある人
次にどんな性格の人がジャーナリストに向いているのか、適性があるのかを紹介します。
知的好奇心のある人
「どうしてそうなっているのか知りたい」という好奇心がありそれを満たそうとするために本を読んだり、ネットを調べたりするのが好きな人はジャーナリストとしての資質をすでに兼ね備えています。
好奇心を満たしたいという欲求は、継続して取材を続けていくための動機になるからです。
正義感が強い
権力者の行動をチェックし、社会や世の中に隠れている悪事を暴くというのもジャーナリストが行う仕事のひとつです。
人知れず弱者が搾取されているのを見逃せない、巨大権力だけが甘い汁を吸っているのは許せないなどの正義感が徹底した取材へとジャーナリストを駆り立てます。
そのため、正義感が強い、曲がったことが大嫌いという性格の人はジャーナリストの仕事に向いています。
文章を書くのが好き
ジャーナリストは取材した内容を原稿にします。ジャーナリストには文法的に間違っていない文章はもちろんですが、起承転結のはっきりしている文章、分かりやすい文章を書く能力が必要です。
さらにテレビなどのメディアで取材内容を解説するという仕事もあります。自分が取材した内容を視聴者に分かりやすく解説する能力も求められます。
読みやすい文章を書ける、物事を分かりやすく解説できるという能力のある人はジャーナリストの仕事に向いていると言えます。
すぐに結果を求めない
ジャーナリストは取材対象を徹底的に調査し、それからその内容を原稿にしたり、公表したりします。
例えば、大手アパレル企業に潜入取材したジャーナリストは、1年間に渡り実際に店員として勤務し取材を行っています。取材内容を記事として週刊誌に掲載する、本として出版するまでにある程度の期間が必要だったことがわかります。
同じように戦場ジャーナリストも、報道の公平性を維持するために、戦争している片側陣営だけを取材するのではなく、もう片方の陣営にも取材を行います。
見えている部分だけでなく、その裏に隠れている本当の事を伝えるというジャーナリストの精神を全うするためには、結果をすぐに求めていてはそれを達成することはできません。
そのため、コツコツ作業を行うことをいとわない、結果が出るまで時間がかかるとしてもあきらめないという性格の人はジャーナリストの適性があると言えます。
ジャーナリストになるための学校・教室
ジャーナリストになるために特別な学校に通う必要ありません。しかし、大学や専門学校などで必要な知識やスキルを学ぶことができます。
最後にジャーナリストとして必要な知識やスキルが身につく学校を紹介します。
東京ビジュアルアーツ
東京ビジュアルアーツにあるマスコミ出版・芸能学科ではジャーナリストになるために必要な専門的知識や技術を学ぶことができます。
例えば、取材内容の企画から、実際の取材交渉、ライティング、デザイン、校正など、ジャーナリストに必要な基礎的な事を実際の授業学ぶことができます。業界とコラボした実習授業などもあり、社会に出てもすぐに役立つ即戦力の育成に力を入れています。
朝日新聞ジャーナル学校
創刊140年近い取材・執筆活動実績を誇る朝日新聞が、現場で培ってきたノウハウをセミナーという形で提供しているのがこの学校です。
開催しているセミナーはメディア企業向けですが、一般の方でも参加できます。講座の内容はメモの取り方、チェックの仕方、写真や動画の撮影と編集の方法など、「知る」「書く」「伝える」の分野に関するスキル向上に特化した内容です。
さらに、炎上対策や財政分析講座など一部専門分野に関する講座を開催しています。
ジャーナリストになるには?まとめ
ジャーナリストになるには取材能力、文章力、精神的タフさが求められる
ジャーナリストは、時事問題や社会問題を徹底的に取材し、それを新聞・雑誌・テレビ・ネットなどのメディアを通じ、報道したり解説する職業です。
こうした仕事をまっとうするジャーナリストになるためには、取材対象に密着して取材する能力、得た情報を分析する能力、それを伝える文章力などの特性が求められます。
時には、権力の闇の部分を暴くこともあるので、圧力や反対を受けることもあります。そうした中でジャーナリストとしての矜持を保つためには精神的なタフさも求められます。
ある意味ジャーナリストは、正確な取材と報道により国民の知る権利を守る職業でもあるのです。
ジャーナリストの参考情報
平均年収 | 500万円~800万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
ジャーナリストの関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします