校正者の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

校正者の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

校正者は、原稿などにおける問題点を見つける職業です。大手の出版社の校正者であれば収入はそれなりに高くなりますが、必ずしも全ての校正者が高い収入を得られるわけではありません。このページでは、校正者の初任給や平均的な給与・年収などについてご紹介していきます。

校正者の初任給

校正者の初任給の平均は22〜26万円

校正者の初任給は、平均を取るとおよそ20〜22万円前後となります。一般的な民間企業の新入社員ですと、初任給は18〜20万円スタートが平均的と言われているので、校正者の仕事は、初任給としては高い水準と言えるでしょう。

大手出版社の正社員で採用された場合、初任給の平均は24〜26万円と言われていますので、大手であるほど平均より高い収入を、新人の頃から得ることが可能となります。国家公務員で大学の学部卒の場合、初任給の平均は20〜22万円ほどと言われていますので、基本給としてはかなりの待遇と言えます。

しかしながら、校正者の勤務先は必ずしも大手出版社とは限りません。広告代理店の場合もありますし、中小の出版社の場合もあれば、印刷会社、製版会社に勤務することもあります。中小の出版社、印刷会社の場合、初任給が20万円を下回る場合も少なくはないようです。

出版不況の煽りを受け、初任給も年々下がりつつある

校正者の仕事は、平均的な待遇としては新人のうちからそれなりに高い水準での給与が得られる仕事ではありますが、近頃、出版業界、印刷・製版業界の不況は長く続いており、校正者の仕事もその煽りを受けて、待遇が下がりつつあります。

技術の進歩、発展、時代の変化に沿って、今後、校正者の仕事は徐々に減っていく可能性もあります。また、大手出版社とそれ以外の中小企業との差も大きくなっており、大手出版社の競争率は大きく、就職は狭き門です。

統計的には、大手出版社や広告代理店に勤務する新人校正者が平均を大きく押し上げてはいますが、中小企業や下請け会社は依然として厳しい状況となっており、今後、大手出版社の待遇も下がっていく可能性は否定できません。

校正者の平均給与

校正者全体の平均給与は約27〜30万円

厚生労働省賃金構造基本統計調査などの統計、求人や口コミなど様々なデータを参照すると、校正者全体の平均月額給与は、およそ27〜30万円前後となっています。

初任給としては平均を超える水準でしたが、サラリーマンの平均月額給与が35万ほどであることを考えると、あまり高い水準とは言えません。

年代別の平均月額給与は、20代が22〜26万円、30代では26〜30万円、40代では30〜33万円となっており、勤続年数や年齢が上がるに従い、それなりの上げ幅を持って給与が上がっていく仕事と言えるでしょう。

しかし平均としての給与の上げ幅は、サラリーマン全体と比べると小さく、特に40〜50代の平均月額給与は一般的なサラリーマンと比べると大幅に収入が低くなっています。大手出版社で役職に就けば月額給与は大幅に増えますが、そうした人はあまり多くないようです。

校正者の仕事と、校閲の仕事は違う

世間ではよく、校正と校閲は一緒くたにされることが多く、また、仕事的に校正・校閲を兼ねる部署も少なくないので、一般的に校正と校閲は同じ言語の言い換えのように思われるほど違いが認識されてない傾向にありますが、この2つは大きく異なります。

校正者の業務

校正者は、基本的には「ある工程の原稿と、その次の工程にある原稿の内容を照らし合わせて、間違いがないかを確認する」仕事です。校正者に求められる仕事は、2つ以上の原稿を見比べ、照合した上で、間違いやおかしな点がないかを見つけることです。

校正者がメインに関わるのは雑誌や書籍の出版前の最終チェック段階であることが多く、品質管理に関して最後の砦となる仕事です。校正者が見つけるのは、主に文字の間違いや、脱字、文章の欠け、誤植など、純粋に文字としておかしな点がないかという範囲に限られます。

校閲者の業務

対して校閲は、「ある原稿の文章を読み進め、使われている言葉の意味的な間違い、誤用、勘違いを正し、文脈上の矛盾点、問題点を指摘する」仕事であり、文章のみならず文脈としてのクオリティチェック全般を担います。

先述の通り、校正と校閲を兼ねる部署が多いのは、校正の範囲を超えて深い意味でのクオリティチェックに携わるのが校閲ということもあって、特に記者やライターや作家などから上がってきたばかりの原稿の場合、校正と校閲を分けるよりも一緒にしたほうが効率いいからです。

ですから、校正・校閲を両方しっかりと行った上で、最終チェックとして校正作業を入れることが少なくなく、校正・校閲をしっかりと行っている出版社では、校正者の仕事の比重も必然的に大きくなり、収入もそれに合わせて増大します。

受注段階でしっかりとした校閲が既に行われており、最終チェック段階の校正作業のみを請けている校正プロダクションの場合だと、あまり収入は高くない傾向にあるようです。

非正規、フリーランスの校正者も少なくない

校正者には、アルバイト、派遣社員、契約社員など、非正規雇用で働いている人もいます。校正者のアルバイトは編集アシスタントも兼ねることが多く、時給は1,000〜1,200円ほどとあまり高くはありません。企業の規模や個人のスキル如何では、時給1,600〜2,000円になる場合もあります。

フリーランスの校正者もいます。フリーランスの場合は完全に出来高払いとなり、人により収入は様々です。年収200万円に満たない人もいれば、年収1,000万円を超える人もいます。

基本的には文字単価で収入が決まりますが、1文字あたり0.5円から、求められるスキルと経験、クライアントの予算に応じて給与が上がり、人によっては1文字10円で仕事を請けることもあります。

校正者の平均年収

校正者全体の平均年収は約300〜430万円

先述した厚生労働省による統計や国税庁のデータ、求人サイト、口コミなどを参照すると、校正者全体の平均年収は、おおよそ300〜430万円前後となっています。

校正者は、基本的には会社に勤務して仕事を行うため、勤務する出版社や校正プロダクションの規模によって収入が大きく変動しますが、サラリーマン全体の平均年収が432万円となっているので、範囲としては低い水準となるでしょう。

校正者は正社員であれば役職に就くことも少なくなく、サラリーマンと同じく役職に就いて出世することが多い年代になれば収入も大きくなります。平均を大きく超えるとはいかないまでも、低すぎるというわけでもなく、そこそこの年収を得ることが可能です。

校正よりも校閲の需要が今後増えていく見通し

長らく出版不況と言われているのは、書籍や雑誌などの紙の媒体の売れ行きが芳しくないという時代の変化が大きく影響しています。

しかしながら、それに代わって電子書籍の需要が高まっていて、電子書籍に対しても当然ながら校正作業は必ず行われます。なので、今後も校正者の需要は無くなることはないでしょう。

ですが原稿を照らし合わせて誤りを見つける校正よりも、原稿の文章の意味や内容の整合性、文脈上の矛盾点などを詳細に見ていく校閲の仕事の方が需要も多く、賃金も増えると言われています。フリーランスの校正者もいますが、フリーランスで仕事をするのなら、校閲者になる方がいいかもしれません。

フリーランスになるよりも正社員で出世した方が高収入に繋がりやすい

校正者になる道としては、出版社や校正プロダクションに新卒で就職して正社員の校正者になる方法と、校正の仕事を個人で請けて経験を積み、中途採用で就職するか、フリーランスで校正を請け負う方法の2つに大別されます。

校正者の仕事の発注者は多くの場合出版社です。そして、案件として高単価を出せるのは大手出版社が多いです。大手出版社の場合、自社に校正・校閲部門を設けていることが多いので、必然的に大手出版社の仕事は下請け的な性格が強くなります。

正社員の校正者はあまり残業がないと言われていますので、校正者として実力がある人は高単価の仕事をたくさん請けて、自分で案件数をコントロールした方が収入が上がる人もいます。

しかしながら、基本的には上記のような下請け的な仕事が多く発生するのが実情ですので、年収1,000万円に届くフリーランスはほぼいないでしょう。フリーランスで、案件単位で収入を重ねるよりも、正社員として出版社に雇用され、校正・校閲部門、あるいは編集部単位で出世する方が、安定して高い年収を得ることができるでしょう。

校正者の給与・年収まとめ

校正のみならず校閲や編集など幅広いスキルを身につけよう

校正者の仕事の本分は、原稿を照らし合わせて間違いをチェックする仕事ですが、写植ではなくコンピュータベースで出版物を作るようになった現代では、誤字脱字だけでなく文章についての事実確認や根拠の有無、語彙の正確性なども含めてしっかりと見ていく校閲の仕事の需要が高まっています。

校正専門ではなく校正と校閲を兼ねる部署やプロダクションが増える中、校正作業のみでは高収入は難しいかもしれません。特に独立すると校正者のみで食べていくことは難しいと言われています。校閲やディレクションなど包括的なスキルを身につけていくことが肝要です。

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校正者の参考情報

平均年収300万円〜430万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種出版・報道

統計情報 出典元:

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