華道家の資格・試験とは?必要資格や取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
日本の伝統的な生け花を行う華道家ですが、どのような資格が必要になるのかを、みなさんは知っていますか?花が好きな方や物作りが好きな方であれば、華道家を目指しているという方も少なくないでしょう。しかし、資格が必要であれば、取得する方法や知識を学べる学校、持っておくべき資格などは知っておきたいものです。今回は、華道家の資格・試験をはじめ、試験の難易度や資格取得が可能な学校についてご紹介していきます。
華道家の資格とは?
華道家に必須となる資格は「お免状」
華道家に必要な資格には、「お免状」と呼ばれるものがあります。お免状を取得することでプロの華道家として認められるため、自分の弟子を取り指導を行うことができるようになります。
また、独立して仕事をされる場合は、生け花教室を開くことができるため、多くの方に生け花の魅力を伝えることができます。さらに、お免状を取得していればブライダル企業をはじめ、生け花を取り扱う企業などへの就職を有利にすることができるでしょう。
しかし、お免状の取得には必ず流派への入門が必須です。そして、お免状を取得して弟子を取る場合は、自分が所属する流派の中だけと限られています。華道家の基礎知識や技術を学べる学校はたくさんありますが、お免状の取得は流派への入門が必須条件となっています。
流派によって階級の呼び名が異なる
華道家になるために入門できる流派にはさまざまなものがありますが、特に有名な流派で知られているのは以下の通りとなっています。
- 室町時代に僧侶が創始した「池坊(いけのぼう)」
- 華道界の革命児である小原雲心が創始した「小原流(おはらりゅう)」
- 昭和2年に勅使河原蒼風によって創始された「草月流(そうげつりゅう)」
これら3つの流派は、華道界でも有名となっている流派となっています。それぞれの流派では、お免状に記入する階級の呼び名が異なります。例えば、池坊の階級であれば「華掌」「総華綱」などがあり、小原流の階級であれば「初等科」「准教授」となっています。
しかし、階級の数や呼び名が異なるだけで実質は同じ資格となっているため、「〇〇流派のお免状を取得した方が良い」ということはないようです。ですので、入門する際はそれぞれの流派の特徴を事前に調べて、自分の好きなところへと入門してみてください。
お免状取得には最低でも5年の修行が必要
お免状の取得は流派へ入門して弟子入りをする必要があり、最低でも5年の修行が必要になるといわれています。そして、修行による熟練度に応じてお免状を取得できるシステムとなっているようです。
ちなみに、修行期間は最低5年といわれていますが、人によっては10年かかる場合もあるようです。というのも、華道には古くから伝わる伝統的な技術があるため、人によっては習得するまでに時間がかかります。知識だけであればしっかりと勉強することで覚えることは可能ですが、技術に関しては体で覚えることなので、個人差が現れるようですね。
取得する階級が上がるにごとに費用が高くなる
華道家としての資格を取得する上で知っておきたいのが、資格取得にかかる費用です。というのも、資格となるお免状の取得には、階級が低ければ約5,000円で試験を受けられるそうですが、取得する階級が上がるにつれて費用が高くなるといわれています。
ちなみに、上位の階級のお免状を取得する場合、一回に2~3万円の費用が必要だといわれています。そのため、華道家を目指す方の多くは、自分に必要なお免状だけを取得して、それ以降は申請しない方が多いようです。
しかし、流派によっては優遇措置を行っているところがあり、学生さんであれば学割制度を利用できます。ですので、華道家を目指す学生さんであれば、お免状の費用を安くできる流派への入門がおすすめでしょう。
華道家の資格の難易度・合格率
華道家の資格難易度はそれほど難しいものではない
華道家の資格となるお免状取得の難易度ですが、上記でも紹介したようにその人の熟練度に応じたものとなっています。そのため、手先が器用で覚えの早い方、または過去に生け花をされた経験をお持ちの方は、お免状の取得はそれほど難しいものではないようです。
また、修行期間の長い方であっても、しっかりと修行を積んでいけば技術を身に付けることができるので、お免状を取得することができます。どちらにしても、最低5年の修行は必要になるので、諦めずに続けることができれば取得できる資格といえるでしょう。
所属する流派で弟子を行っていれば取得できる資格もある
お免状の取得は、所属する流派で弟子を行っていることで取得できる資格もあるようです。試験を受けることなく、熟練度で判断されるようなので、この場合の試験難易度は低いといえるでしょう。
ちなみに、お免状は民間資格なので、国家資格の取得に比べると難易度は低めとなっています。そのため、もし試験を受ける必要があったとしても、修行でしっかりと技術を身に付けていれば、自分が思っているよりも簡単に突破することができるでしょう。
流派によっては階級が上がるにつれて難易度が上がる
流派によって異なりますが、取得するお免状の階級が上がるにつれて試験の難易度が上がるともいわれています。民間資格とはいえ、高位なお免状の取得になれば、当然のことといっても過言ではないでしょう。
しかし、高位なお免状の試験を受けるためには、それなりの熟練度が必須となります。そのため、華道家として上を目指すのであれば、自分が所属する流派で十分な修行を積む必要があります。
その他の華道家に関連する資格
花を使った装飾品を作る「フラワーデザイナー」
フラワーデザイナーは、花を使った装飾品を作るフラワーアティストに求められる資格です。フラワーデザイナーの資格を取得することで、華道には技術と知識を得ることができるので、仕事をされる際にとても役立つ資格となるでしょう。
国家資格となる「フラワー装飾技能士」
フラワー装飾技能士は、国家資格となる技能検定の1つとなっています。この資格には3つの階級があり、1級を取得していれば花を装飾する高い技術を持っている証となります。そのため、企業への就職やフリーランスでの活躍される際には、取得しておくことで有利になれるといわれています。
色彩のセンスを向上できる「色彩検定」
色彩検定は、色に関するさまざまな知識を持っている証となる資格です。生け花ではさまざまな色の花を使用して作品を作り上げるので、華道家であれば取得しておきたい資格の1つです。
華道家に役立つ資格が取れる学校・講座
デザインや比較文化学などの学科を持つ専門学校
資格を取得することはできませんが、流派へと入門する前に基礎知識や技術を学びたいという方は、デザインや比較文化学などの学科を持つ専門学校がおすすめです。基礎的なことを学ぶことができるため、後のお免状取得に関わる熟練度を入門前から高めることができるでしょう。
初めから自分の好きな流派に入門する
お免状の取得には流派へ入門して弟子入りを行い、最低5年の修行が必要になります。そのため、基本的な知識と技術を学びつつ熟練度を高めたいという方は、初めから自分の好きな流派へと入門して、弟子入りをしてみてはいかがでしょうか?
華道家の資格・試験まとめ
華道家の資格・試験の難易度はそれほど高くはない
華道家の資格となる「お免状」の取得は、試験を受けるためにまずは熟練度を上げる必要があります。そして、師範に認められれば試験を受ける資格を得ることができます。また、お免状は民間資格なので、国家資格に比べると難易度はそれほど高くないということがわかりました。
弟子としてしっかりと修行を積んで入れば、確実に華道家としての技術を身に付けることができるでしょう。そんな華道家は、花が好きな方や物作りが好きな方におすすめの職種となっています。多くの方に花の魅力を伝えたい、自分の作品を見てもらいたいという方は、ぜひ華道家を目指してお免状を取得してみてください。
華道家の参考情報
平均年収 | 250万円~350万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 免許 |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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