ファッションアドバイザーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
ファッションアドバイザーに必須となる資格や試験はありませんが、取得しておくことで実務レベルやキャリアアップに活用できるものがいくつかあります。本記事では、ファッションアドバイザーに役立つ資格、そのほか服飾に関する資格、サービス業全般で活かせる資格など、資格や試験についてご紹介します。
ファッションアドバイザーの資格とは?
ファッションアドバイザーとなるために必須の資格というものはありませんが、現場で役立つ資格はあります。
ここでは「ファッションビジネス能力検定」と「ファッション販売能力検定」の2つの民間資格についてくわしく紹介していきます。
ファッションアドバイザーに役立つ資格「ファッションビジネス能力検定」
ファッションビジネス能力検定では、ファッションについての知識を問われるだけではありません。
ビジネスの基礎から顧客満足度、商品化計画から販売戦略まで、ファッション業界におけるビジネスの全般的な知識や技術に関して問われる資格となっています。
ファッションビジネス能力検定は、そのレベルによって1級・2級・3級と分かれています。2級・3級では、ファッション業界における基本的なビジネスマナーから、商品の流通やマーケティングなど、現場で必要となる基礎的な知識が問われます。
1級となると難易度も高くなり、「マーケティング戦略」や「マーチャンダイジング戦略」など、専門的な知識が問われることになります。
試験内容や難易度について
2級・3級の試験は、「ファッションビジネス知識」「ファッション造形知識」の2つの科目で構成され、「ファッションビジネス知識」では60%以上の得点、「ファッション造形知識」では70%以上の得点を目安に合否判定されることになります。
1級の試験では「マーケティング戦略」「マーチャンダイジング戦略」「流通戦略」「マネジメント知識」「ファッションビジネス知識」の5科目について出題され、5つの科目で60%以上の得点を取ることができれば合格となります。
受験資格はなく誰でも受験することができ、2級・3級の試験は6月下旬頃と11月上旬頃の年2回、1級の試験は毎年1月中旬頃の年1回となっています。合格率については公にされていませんが、3級が約70%、2級が約50%、1級が約20%の合格率といわれています。
就職先について
就職先についてはアパレルメーカーや高級ブティック、合繊メーカーやデザイナー事務所などがありますが、この資格に対するアパレル会社の認知度は高いため、ファッションビジネス能力検定の資格保持者は、就職時のアピール材料とすることができます。
就職先ではファッションビジネス能力検定の資格を活かし、商品の案内や販売、イベントの計画や提案から、売上や顧客の管理などを行なっていくことになるでしょう。
ファッションアドバイザーに役立つ資格「ファッション販売能力検定」
先に紹介したファッションビジネス能力検定の資格は、アパレルビジネス全般に関する能力を問われるもので、どちらかというと経営者に役立つ資格といえます。それに対してファッション販売能力検定は、ショップ店員など販売業務に関する能力を問われるもので、現場で役立つ資格といえます。
実際に販売業務を行う店舗では、洋服に関する知識をはじめ、接客の仕方やマナーなど、直接顧客と相対する際の接客技術が求められますが、その能力を持っていると証明できるのがファッション販売能力検定の資格です。
ファッション販売能力検定は1級から3級まであり、2級・3級が販売スタッフ向け、1級が店舗マネージャーや運営向けの資格となっています。
試験内容や難易度について
2級・3級の試験はマークシート方式でA科目とB科目に分かれていて、それぞれ70%以上の得点を目安に合否判定されます。
A科目はマーケティング、ファッション販売知識、店舗運営管理(2級)、販売スタッフの業務(3級)で構成され、B科目は売り場づくり、ファッション販売技術、商品知識が含まれています。
1級試験は記述式と選択式の両方で出題されますが、出題範囲は「ショップ・マネジメント知識」「販売知識」「販売技術」の3部からなっています。各科目で60%以上の得点を取ることで合格となります。
合格率は公表されていませんが、3級が約70%、2級が約50%、1級の合格率は2級・3級よりも低くなっているようです。
就職先について
就職先としてデパートやアパレル業界などがありますが、就職時のアピール材料とするためには、最低でも2級は取得しておきたいところです。2級を取得すれば、販売スタッフの業務から店舗の運営管理までをこなせると示すことができます。
実際の仕事では商品の販売や在庫管理、販売スタッフの指導やマネジメント業務から経費の計画・管理まで、ファッション販売能力検定の資格を活かして働いていくことができるでしょう。
その他、ファッションアドバイザーに関連性が高い資格
ファッションアドバイザーの仕事をするうえで役立つと思われる2つの民間資格を紹介しました。ほかに関連する資格として「服飾インストラクター」と「サービス接遇検定」の資格があげられます。
ここではその他の関連資格として、「服飾士認定試験」と「サービス接遇検定」の2つの資格を紹介していきます。
服飾士認定試験とは
服飾士の資格は、服装の色使いや着こなし、服飾デザインなどについて一定の知識を持つ人に与えられる資格です。
服は着る人の個性を表すもので、身に着ける服によって、相手の印象を意図的に操作することも可能だとされています。また、服はコミュニケーション手段の一つともいわれていて、TPOに合わせた服装をすることが必要とされ、服飾インストラクターの資格を持っていれば、適切なアドバイスをすることができます。
服飾士について学ぶ過程では、服飾についてだけではなく、時代ごとの流行なども学んでいくことになります。資格取得後は適切なアドバイスをするだけでなく、服にはどのような役割があり、どのような歴史があるのかを講師として伝えていくこともできるでしょう。
認定試験について
服飾士認定試験は2ヶ月ごとに実施されていて、在宅受験することができます。合格基準は70%以上の正答率とされていて、難易度は低いということができるでしょう。
すでに服飾関係の仕事をしていて、ファッションについての基本的な知識があるのであれば、独学で勉強して合格することも可能です。初心者でも、日本インストラクター技術協会の認定校で学ぶことで試験対策をすることができます。
サービス接遇検定
サービス接遇検定はホテルやレストラン従業員など、サービス業全般で活かせる資格です。1級・準1級・2級・3級と4つに分かれていて、サービスに対する心構えや顧客心理、言葉遣いや接客マナーなどを学ぶことができます。
サービス業に限らず、言葉遣いや接客マナーを学ぶことは仕事の質の向上につながりますし、取得しておけば就職や転職の際にアピール材料とすることもできます。毎年2万人近くの資格取得者がいて、多くの企業が注目しているともいわれています。
検定試験について
サービス接遇検定試験は年に2回(6月・11月)実施されていて、誰でも受験することができます。2級と3級はマークシート方式の選択問題と記述問題があり、試験は「理論に関する試験」と「実技に関する試験」の2つで、それぞれ60%以上の得点で合格となります。
1級は筆記試験に合格した後、二次試験の面接試験を受けることになり、2つの試験に合格することで1級の資格取得となります。準1級の試験は面接試験のみとなりますが、合格するためには「準1級面接試験」と「2級試験」の合格が必要です。
準1級・2級・3級の合格率は高めで、70%を超えることもあるようです。1級になると合格率は低くなり30%を切ることもあるそうですが、面接試験の難易度が非常に高いためといわれています。
ファッションアドバイザーの資格・試験まとめ
資格取得で仕事の質を高める
ファッションアドバイザーの資格として4つの資格を紹介しましたが、「ファッションビジネス能力検定」と「ファッション販売能力検定」の2つの民間資格は現場で役立つ資格として、ぜひとも取得しておきたいところです。
その他の関連資格についても資格取得が比較的容易なので、可能であれば取得して仕事の質を高めていくといいでしょう。
ファッションアドバイザーの参考情報
平均年収 | 250万円~350万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 美容・ファッション |
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