歯科衛生士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
歯科衛生士の主な仕事内容は口腔内の健康をサポートすることで、患者一人ひとりと向き合い治療を行ってきます。虫歯や歯周病を予防するためには歯垢や歯石除去が効果的であり、患者の状況を確認しながら適切な処置を行います。本記事では、歯科衛生士の仕事内容について、やりがいと合わせてご紹介します。
歯科衛生士とはどんな仕事?
口の健康をサポートするのが歯科衛生士
歯科衛生士は歯科医師の指導に基づいて、歯石や歯垢の除去を行います。また、健康的な口腔環境を作り出すための正しい歯磨きの方法を指導したり、必要に合わせて薬剤の塗布も行います。
基本的には歯科医院や総合病院で勤務することが多いですが、保健センターや福祉施設で活躍する歯科衛生士も多くいます。子どもから大人まで、健康的な口腔環境をサポートするのが歯科衛生士の仕事です。
長寿大国の日本では需要の高い仕事
長寿大国の日本では高齢になっても健康的な歯を保つことの重要性が強調されています。厚生労働省は、80歳になっても自分の歯を20本残すことを目標にする8020運動を呼び掛けており、歯の健康と体の健康には相互関係があると言われています。
口腔内を正常に保つためには正しい知識が必要になり、間違った方法で歯を磨くと若くして貴重な歯を失うことにもなります。これからさらに高齢化が進む日本において、国民の健康をサポートする歯科衛生士の働きはますます重要になっていきます。
女性が活躍しやすい仕事
歯科衛生士は女性が活躍しやすい仕事です。実際、歯科衛生士の80%程度が女性ともいわれており、結婚や転居、子育てなどの変化があっても続けやすい職業です。また、女性であっても給与水準が高いのも魅力の一つで、シングルマザーでも家庭と仕事を両立することが可能です。
個人歯科病院に勤務する場合、午前と午後の診療の間には休憩がありますし、基本的は残業が発生する可能性もありません。小さな子どもの面倒を見る必要がある母親や家事との両立が求められる場合でも続けやすい仕事です。
歯科助手との違いとは?
歯科医院に行くと、歯科衛生士と歯科助手がいて違いがわからない人もいるようです。ここで簡単に説明したいと思います。
歯科衛生士
歯科衛生士には国家資格が必要となり、患者の口腔内に触れることが許されています。そのため、口腔疾患の改善や予防のための医療行為を行うことが可能です。
歯科医師の指導の下、実際に患者に治療を行ない、健康的な口腔環境のために一歩踏み込んだサポートができます。
歯科助手
歯科助手になるための法的な基準はなく民間資格や通信教育を受けた人でもなることができます。ただし、医療行為に関係することを行うことはできず、患者の口腔内に触れることはできません。そのため、基本的には治療器具の片づけや滅菌作業、受付、診療補助などを行ないます。
歯科衛生士の具体的な仕事内容
歯科予防処置
健康的な口腔環境を維持できるなら高齢になっても自分の歯を保つことができます。実際、歯を失う原因の80%は虫歯と歯周病と言われており、口の環境を整え、予防することが重要になります。
虫歯と歯周病を予防するためには歯石除去が効果的であり、細菌の塊であるプラークを取り除くことで口の中を清潔に保ちます。
歯科衛生士は虫歯と歯周病予防のためのプラーク除去やクリーニング、フッ素の塗布などを行なって患者の口の健康をサポートします。年齢を重ねても健康的な歯を維持するための歯科予防は歯科衛生士の重要な仕事です。
歯科保健指導
健康的な歯を維持するためには毎日の歯磨きが重要なポイントです。歯茎を傷つけたり、汚れを十分に落とすことができていないと虫歯や歯周病の原因になります。
歯科衛生士は正しい歯ブラシの使い方や磨き方を指導します。患者と二人三脚でサポートを行うためには上手なコミュニケーション能力が欠かせません。子どもから高齢者まで、上手に意思を通わせながら口腔ケアの重要性を理解してもらいます。
歯科衛生士は歯科医院や大学病院だけでなく、小学校や幼稚園、保健所などから依頼を受けて歯科保健指導を行うこともあります。
介護施設でも活躍
歯科衛生士が行なう歯科保健指導は介護施設でも行われており、高齢者が健康的に食事ができるようにサポートしています。特に高齢者の場合、毎日の歯磨きがおろさかになりがちなので、適切な歯口清掃法を指導することで自分の歯を維持できるように助けます。
また、歯磨きの方法だけでなく食育支援や摂食機能訓練等も合わせて行われています。介護施設において、寝たきりや要介護者に対して口腔ケアサポートを行うことは歯科衛生士の大切な仕事です。
歯科治療補助
歯科衛生士は歯科医師の指示を受けながら、歯科治療の一部をサポートします。歯科医師と意思を通わせながらスムーズに治療が進むように、患者の治療を行います。なかには不安を抱えて来院する患者もいるので、コミュニケーションをとりながら信頼関係を築き、治療をサポートするのも歯科衛生士の仕事です。
歯科助手とは違い、実際に患者の口腔内に触れることが許されている一方、高度な責任と知識が必要になります。個人歯科や総合病院でも、チーム医療を実践するためには歯科衛生士の働きが重要になり、患者に優しい歯科治療の一端を担うことになります。
歯科衛生士の仕事のやりがい
人の健康をサポートできる
人体と口の健康には大きな関係性があり、長寿大国の日本では口腔ケアの重要性が強調されています。このような状況において、さまざまな問題を抱えて来院される患者の状況を診断して、適切な処置を施し、人の健康をサポートできるというのは歯科衛生士の大きなやりがいになります。
論文や研究書などを読んで勉強した知識が患者の役に立つことを考えると歯科衛生士としてこれからもスキルと知識を向上させていきたいという気持ちになります。
普段はあまり気にすることのない口の健康と向き合い、患者の状態が良くなっていくのを目の当たりにするとき歯科衛生士としての仕事に充実感を持てます。
国家資格という安定性
歯科衛生士になるためには国家資格に合格する必要があり、試験をパスすると一生涯、歯科衛生士として仕事をすることができます。結婚や育児、引っ越しなどの変化があっても状況に合わせて職場を見つけ、自分のスキルと資格を活かすことが可能です。
また、歯科衛生士の仕事は求人倍率も高く、医療業界でも就職しやすい職種と言われています。国家資格を保有しているということもあり、給料面でも平均水準以上を期待できますし、将来的にも歯科衛生士の仕事がなくなることはないでしょう。
さらに、基本的に残業や夜勤はありませんからプライベートを充実させやすく、年齢を重ねても続けやすい仕事です。
活躍できる場所が広い
歯科衛生士が活躍できる場所は多種多様です。総合病院の口腔ケアだけでなく訪問歯科、口腔リハビリテーションセンター、介護施設などで活躍できます。多くの場所で様々な人と接して口の健康をサポートできるのは歯科衛生士のやりがいのひとつです。
さらに、大学の専攻で歯科衛生士教育に携わり、博士号を取得するなら歯科器具の商品開発を行ない、企業や保健所、厚生労働省で勤務できる可能性もあります。
将来的に大きな可能性を秘めている歯科衛生士ですから挑戦するだけの価値があります。
患者からの信頼を勝ち得る喜び
歯科衛生士は歯科医師よりも患者との距離が近く、患者からの信頼を勝ち得ることができる仕事です。患者の口腔内をチェックして、適切な治療法を提案して一緒に状況の改善に取り組みます。
初めは、歯磨きの方法や定期的な歯石の除去などの重要性を分かってもらえないかもしれませんが、丁寧に説明しながらが患者との距離を縮めることによって、患者からの信頼を勝ち得ることができます。
自分の提案した方法を実践することで患者の口腔状態が向上して、感謝の言葉をかけてもらえる時、歯科衛生士として大きなやりがいを感じることができます。
医療チームとして働ける
大学病院に勤務する歯科衛生士の場合、手術に伴う準備段階として口腔ケアを行うことがあります。全身麻酔を受ける患者を感染症から守るための重要な仕事であり、手術が成功するためには歯科衛生士の存在が欠かせません。
質の高い医療を提供しようとしている医療チームの一員として働くことができるというのは大きなやりがいになりますし、歯科衛生士として知識と経験を伸ばしていきたいという動機付けにもなります。
介護福祉施設で働く歯科衛生士であれば、高齢者を肺炎から保護するために口腔ケアを提供することもあります。人の健康状態を左右する仕事なのでミスが許されない重圧がありますが、口腔内のスペシャリストとして働いているという満足感があります。
歯科衛生士の仕事内容まとめ
歯科衛生士は人の健康をサポートする仕事。活動範囲は多岐にわたる
歯科衛生士は口腔内のスペシャリストとして人の健康をサポートする仕事です。歯磨きの方法などを指導することによって虫歯や歯周病を予防します。
保育園や小学校、大学病院や高齢者施設などで活躍することができ、国家資格保有者として将来的にも安定した職業といえます。
口の健康を守る専門家として、高度な知識をスキルが必要になる仕事ですが、患者の健康をサポートでき、チームとして質の高い医療を提供できるというやりがいがあります。
歯科衛生士の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 医療 |
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