書道家の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
書道家としての働き方は多種多様で、どのような仕事をするかによって仕事内容は大きく変わります。例えば書道を生徒に教える教育系、ロゴや看板の文字をデザインするデザイン書道、芸術としての書道を極める書道家などがあります。
書道家とはどんな仕事?
書道とは自己表現をする表現方法の一種、絵や音楽と同じ芸術分野
小学校や中学校では書写の授業が必修となっています。子どもの頃に書道塾やお習字の習い事をしていた人も多いのではないでしょうか。書道と習字は混同されがちですが、実は全く別のものです。
習字というのは読んで字のごとく、字を習うことです。お手本の真似をしながら、正しい筆順できれいにバランスよく整った文字を書くのが目的です。小学校や中学校で習う書写も習字です。また、最近通信講座などでもよく見るようになった、実用ボールペン字講座や実用書道も習字に入るでしょう。
書道とは文字を書くことによって自己表現を行うことです。絵画や音楽などと同じグループに入ると言ってもよいでしょう。そのため、書道家の中にはアーティストとして活動し、国内外問わず個展を開いたり、音楽に合わせて文字を書くなど書くこと自体をパフォーマンスとして取り入れている人もいます。
書道と習字に違いはあるものの、書道家として学校や書道教室で実用的に美しく字を書く方法を教えている書道家も多いです。
書道家と一言で言っても、どんな仕事に就くかによって仕事内容は様々
書道家を名乗るために資格や試験は必要ありません。そのため、いつでもだれでも書道家になることは可能です。そのため働き方は様々といえるでしょう。
書道教室の先生や、小学校・中学校の先生として働く教育系の書道家
書道教室や小学校・中学校・高校などで書道を教えます。字を書く時の姿勢や、実用的で美しい文字の書き方を教える以外に、レベルの高い生徒に対しては自己表現の一つとしての書道を教えることもあります。
書道はその起源を古代中国に持ち、非常に歴史が長い文化です。日本の文化的な習慣を後世に伝えていく、という意味でも書道を教える仕事は大変重要です。
デザイン書道としてロゴを作成するなど、依頼者の希望に沿って書く商業系
お店の看板に勢いのある毛筆の字が使用されているのを見たことはないでしょうか?
商品や会社のロゴなど、デザイン性のある毛筆の文字を書道家が手掛けていることがあります。そのような商業的なロゴを仕事として引き受けるデザイン書道家として仕事をしている人もいます。最近ではインターネットを通して仕事の発注・受注ができることから、本業としてデザイン書道を行う人から、副業として時折デザインの仕事をする書道家もいます。
他にも熨斗や結婚式の招待状、賞状の名前、懐石料理屋のメニュー、神社仏閣で使用される文字など、まるでお手本のような手書きの文字を目にしたことがあると思います。筆耕士という職業の人たちがこれらの仕事を行っていることもあります。
個展を開いたり作品を販売したりするアーティストとして活動を行う書道家
アーティストとして書道を追求している人もいます。個展などを開き、自分の作品を販売したりすることで収入を得ていることが多いです。芸術としての書道家の仕事のみで十分な収入を得られるのは才能のある一握りの人たちだけです。本業を持つ傍ら、自分の作品を制作し販売を行っている書道家も多いです。
書道家の具体的な仕事内容は?働き方によって内容は様々
独立開業して書道教室を経営している書道家の仕事はどんなもの?
書道教室を開いている人は、生徒が通う時間に教室を開け、指導するのがメインの仕事です。
子供だけを対象とするのであれば、学校から帰ってくる14時頃から教室を開けることが多いようです。社会人も生徒として受け入れる場合、生徒が通いやすいよう、平日の夜遅くまで教室を開けておくこともあります。
収入アップするためには不可欠、集客のための宣伝活動も仕事の一つ
独立開業して書道教室を開いている場合、収入源となるのは生徒の月謝です。生徒の数が多ければ多いほど収入は増えます。そのためには教室の宣伝を行う必要があります。ポスターを貼ったりチラシを配ることもあります。最近ではHPを作成したりSNSを利用して教室の雰囲気や実際に通っている生徒の様子などを伝えることも可能です。
そのほか生徒に積極的に展覧会や検定に挑戦させ、成果を残すことも有効です。目に見える実績が残るため、書道教室に通うことで今後役に立つ検定や級・段が取れるのだということがアピールできるためです。
学校の教員として働いている書道家は、書道以外の仕事も多い
小学校で書道を教えるには小学校の教員免許を取得する必要があります。中学校で書道を教えるためには国語の教員免許が必要です。
高校で書道を教えるためには高校書道の教員免許を取得する必要があります。書道のみで独立した教員免許ですが、書道のみを教えられる教員の採用を行っている学校は非常に少なく、正規職員の募集はほぼないと言ってもよいでしょう。
たいていの場合、国語など5科目のどれかを併せて取得し、正規採用される人が多いです。教員になった場合は収入が安定しますが、書道以外の業務に追われることも多いです。
非常勤講師として書道を教えられる教師を雇うことがあります。しかし、授業1コマ2000~3000円ほどが相場ですので、非常勤講師の仕事をいくつも掛け持ちしないと安定した収入が得られにくいのが現状です。そのため、書道以外の業務は多くなっても教員の道を選ぶ書道家も多いのです。
次の授業の準備や学習計画、生徒の作品の採点など、やることも多い
具体的な仕事内容としては次の授業の準備を行う、生徒の作品を採点し成績を付けるなどです。そのほか、クラブ活動や部活動に書道があれば顧問になることもあり、活動に参加する必要があります。
書道家として作品を作り、展覧会に出したり個展を開いたりする
作品を作って販売することもあれば、書道展などに出品することもあります。書道展で入賞することで、書道家としての実績を積み上げることができ、書道家として箔がつきます。箔がついていれば、書道教室をするときの集客に役立ったり、書道家としての仕事を取ってきやすくなります。
また、作品を作りためたら個展を開くことで大勢の人に作品を見てもらったり、買ってもらえる機会を作ることができます。自分一人で個展を開くこともあれば、書道家数人で個展を開くこともあります。
書道家としての仕事のやりがいは?
書道を通じて成長していく生徒の成長を見るとやりがいを感じられる
書道の先生になる書道家はとても多いです。本業は先生以外の仕事でも、長年書道にかかわる仕事をしていると、アルバイトやボランティアで書道を教える機会は何度か訪れるでしょう。
相手は子どもかもしれませんし、大人であることもあります。目的も実用書道として美しい字を書くことを目標にしている人もいれば、本格的に書道家を目指しオリジナリティを求める人までさまざまでしょう。先生として指導する中で生徒の成長を目にすることはやりがいの一つと言えるでしょう。
子どもが書道を習うメリットとは?字をきれいに書けるようになるだけではない
目に見えて成長を感じやすいのは子どもに書道を教えている時かもしれません。文字を書くことに対してまだ経験が浅い分、教えられたことをぐんぐん吸収してく傾向があります。子どもに習字や書道を習わせることには文字を美しく書く以外のメリットがあると言われています。
例えば、書道をするにあたって集中力というのはかなり重要な要素です。最初は落ち着きがない子どもでも、書道を習うことによって一時的に集中力を高める訓練をすることができます。中には思ったように字が書けなくて、泣き出す子どももいるようです。
書道を通して、納得がいくまで頑張れる精神を身に付けることができます。字を美しく書く以外にも精神的な成長を目の当たりにできるのは、書道を教える書道家にとってやりがいの一つと言えるでしょう。
自分の作品が大勢の目に触れたり、認められたりするとうれしい!
作品を販売している書道家にとって、自分の作品を買ってもらえるのはもちろんうれしいです。さらに大勢の人の目に触れる場所に飾ってもらえるのはやりがいを感じる瞬間と言えるでしょう。例えば旅館のロビーや懐石料理・和食レストランのインテリアの一部として飾られることもあります。
また、商業デザインを行う書道家が、身近な商品や会社のロゴに自分が書いた字が使用されているのを目にする機会もあるかもしれません。商品や会社のイメージを決定づけるデザインの一部に自分の仕事が採用されているのがわかると、誇らしい気持ちになります。
書道家の仕事とは?まとめ
書道家としてどのような仕事をするかによって、具体的な内容は異なります。学校の先生や書道教室の先生など教育系の仕事に就く人も多いです。
ロゴや看板などの文字をデザインする商業的なデザイン書道の仕事を請け負って収入を得ることもできます。アーティストとして個展を開いたり、作品の販売を行う書道家もいます。自分の作品が世間に認められ、多くの人に見てもらえるのは書道家のやりがいと言えるでしょう。
書道家の参考情報
平均年収 | 400万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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