銀行員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
銀行員を目指す上で、必須となる資格は特にありません。しかし、銀行員は就職後に取得すべき資格が多い職業と言われています。また、情勢の変化に伴った語学能力も求められる場面が多いです。本記事では、銀行員に役立つ可能性が高い資格、入行後に取得することになる資格などについてご紹介します。
銀行員の資格とは?
必須ではないが、金融に関する資格は取得しておくべき
銀行員は一般企業に勤めるサラリーマンと変わりはないため、就職するために必須となる国家資格などはありません。しかし、企業や個人のお金を預かって運用するという責任の重さと専門性の高さもあり、求められる知識は多くなっています。
主に金融に関する知識は多くなっているため、それに関する資格は取得しておくことが望ましいと考えられています。特に、金融関係に関する知識を求められるファイナンシャルプランナーの資格はほぼ必須となる傾向が多いです。ほかにも不動産に関する宅取地建物取引士や日商簿記なども取得を推奨されている資格となっています。
また、近年のグローバル化に伴って外国人とコミュニケーションを取る機会が増えると共に、投資先として海外銘柄などを選択するお客も増えています。そのため、語学の知識と共に海外に関する知識についても求められることが多くなっています。
入社後に取得することになる資格は多い
銀行員になるために必要となってくる資格はほぼありませんが、入行後に保険や証券を販売するために必要となってくる資格を取得することになります。具体的には以下のようなものとなっています。
- 生命保険募集人(一般課程)
- 生命保険募集人(専門・変額課程)
- 損害保険募集人
- 証券外務員(一種・二種)
これらの資格は入社後直前に取得することになることが多く、専門用語も多いため新入社員にとっては登竜門的な資格となります。また、銀行員には昇進などに影響する資格も多数存在しており、入行後から2年から5年の間に取得する傾向にあります。
- 銀行業務検定 法務3級
- 銀行業務検定 財務3級
- 銀行業務検定 税務3級
- 銀行業務検定 年金アドバイザー3級
- 銀行業務検定 相続アドバイザー3級
銀行員に役立つ資格「FP技能士」
ファイナンシャル・プランニング技能士とは
ファイナンシャルプランナーや銀行員が取得する「ファイナンシャル・プラニング技能検定(FP技能検定)」は国家試験の1つで、金融財政事情研究会と日本FP協会という団体が運営をしています。
FP技能検定は1級FP技能士・2級FP技能士・3級FP技能士の3段階に分かれており、級が上がることに難易度も上がっています。
ファイナンシャル・プランニング技能士の試験概要
合格率
- 3級 約70%
- 2級 約40%
- 1級 約80%
受験資格
■3級
- FP業務の従事者、従事しようとしている者
■2級
- 3級合格者
- 日本FP協会認定AFP認定研修修了者
- FP業務に関し2年以上の実務経験者
■1級
- 2級合格かつFP業務に関し1年以上の実務経験者
受験費用
■3級
- 学科と実技 6,000円
- 学科 3,000円
- 実技 3,000円
■2級
- 学科と実技 8,700円
- 学科 4,200円
- 実技 4,500円
■1級
- 学科と実技 33,900円
- 学科 8,900円
- 実技 25,000円
その他、銀行員に役立つ可能性が高い資格
国際規格のファイナンシャルプランナーの資格もある
ファイナンシャル・プランニング技能士とは別に、世界でも通用するAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)とCFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)という資格があります。
日本でも日本FP協会実施の元で受験が可能です。国外では北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアなど世界24カ国で導入されています。
アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナーとは
AFPを取得するためには研修を受ける必要があります。特にファイナンシャルプランナーとしての実務経験が無い場合は、所定のカリキュラムを用意してある大学院などで「FP基礎、金融資産運用設計、不動産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング、リスクと保険、タックスプランニング、相続・事業承継設計、提案書の作成」の単位を取得し、2級FP技能士の検定に合格した上でAFP資格登録の手続きをすれば認定されます。
また、2年以上の実務経験がある場合や3級FP技能検定に合格している人は、2級FP技能検定に合格した上でAFPの技能研修を修了するか、AFP認定の基本課程を研修中に2級FP技能検定に合格することでAFPの資格を取得できます。費用としては、資格認定会員の入会金として10,000円、年会費12,000円が必要になります。
サーティファイド・ファイナンシャル・プランナーとは
CFPの資格は「金融資産運用設計、不動産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング、リスクと保険、タックスプランニング、相続・事業承継設計」など金融について幅広い知識が求められる内容となっており、AFPを取得した上で受験することができるようになります。
AFP、CFP認定者ともに継続教育が義務付けられており、2年ごとに資格更新をしなければいけません。CFPの更新には2年間で指定の単位を30単位取得することになります。
また、受験資格はAFP資格取得者・日本FP協会が指定した学院で所定の課程の修了者となっており、さらに合格率も4.5%と非常に難易度が高い資格です。
語学力を示すTOEIC
近年のグローバル化に合わせて、銀行でもTOEICのスコアを採用の際に重視するところも増えてきています。TOEICは民間資格でありながら長い歴史と確かな評価基準を持っていることもあり、大手企業でも英語能力の評価基準として見ることがあります。
TOEICでは日常生活で不自由なく会話するのに必要と言われている、単語や文法などの知識を中心に出題しており、筆記試験だけでなく聞き取り試験についても問われます。また、内容は日常的な会話だけでなく政治、歴史、文化、時事など幅広い要素が問われるため、しっかりと勉強しておく必要があります。
また、TOEICは合否で判断することはなく、各受験者の能力をAからEのスコアに分けて評価します。銀行員として仕事の中で活用するならば、やはりレベルB以上の英語力は欲しいところです。
レベルA(スコア860以上)
実社会で十分にコミュニケーションが取れると共に専門性分野だけでなく専門外の会話もできるレベル。
レベルB(スコア730~855)
日常会話ならば十分に会話可能と判断される。取れると共に専門性の高い会話もできるレベル。
レベルC(スコア470~725)
日常会話はほぼ把握でき、質問にも返答できる。しかし、基本文法は身についておらず、専門分野でも表現できないことがある。
レベルD(スコア220~465)
自分の得意分野や日常の簡単な会話はできるレベル。しかし語彙力、文法の双方が勉強不足で相手が合わせないと成立しない。
レベルE(スコア220未満)
単語力が弱く簡単な会話も理解できず、コミュニケーションを取れるレベルに達していない。
銀行員に役立つ資格が取れる学校・講座
銀行員になるための資格学校などはない
銀行員はなった後に多くの資格試験はありますが、就職前で言えば必須となる国家資格などは存在していません。そのため、銀行員になるための学校というものも存在はしていません。
ただし、銀行員に関連する資格が取れる専門学校などによっては、銀行と強いパイプを持っている場合もあります。多くの場合は経済学部などに出身する大学の人が新卒で入行する傾向が強いです。
FP、TOEICに不安がある場合は早めの対策を
銀行員になった後はさまざまな資格がありますが、その中でもFPは専門性も高く、もし必要な場合は高い壁となって立ちはだかることもあります。
その場合は、FP取得のための通信講座や資格学校などに訪れてみるのがいいでしょう。少し前もって勉強しておきたい場合は、FP取得のための教材などからはじめてみるのがおすすめです。
また、大手銀行になると海外の会社とのやり取りが多くなることもあり、TOEICをはじめ語学学習が求められることがあります。この場合も通信講座や教材などは販売されているため、こちらからはじめてみることをおすすめします。
銀行員の資格・試験まとめ
銀行員はなった後に取る資格がいっぱい
銀行員を目指す上で必須となる資格や試験は特にありません。しかし、銀行に入行後は業務に関する資格を多く取得する場面があり、中には昇進に関係するものもあります。
また、専門性を高めるならばFPの取得が必要であり、銀行によっては語学力が必要なためTOEICの勉強を求められることもあります。
銀行員の参考情報
平均年収 | 600万円~800万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 金融 |
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