キャリアコンサルタントの資格・試験とは?スキルアップや未経験での就職に有効な資格

キャリアコンサルタントの資格・試験とは?スキルアップや未経験での就職に有効な資格

個人のキャリア形成や転職への関心が高まるなか、人材と仕事を結びつけるキャリアコンサルタントという職種に興味を持つ人が増えています。キャリアコンサルタントの国家資格として「キャリアコンサルタント」という国家資格が近年設立され、取得者が増加しています。ここではキャリアコンサルタントの資格と試験について徹底解説していきます。

キャリアコンサルタントの国家資格とは?

新設の国家資格は民間資格よりおすすめ。学科・実技試験共に準備は必須

キャリアコンサルタントは人材支援業を担う職種の一つですが、資格の名前ではありません。呼び名はさまざまで、キャリアコンサルタント、キャリアアドバイザーなども同様の職種となりますが、それらに明確な区別はないのが現状です。

キャリアコンサルタントとして仕事をするために資格は必須ではありませんが、「キャリアコンサルタント」という国家資格が2016年に設立されました。以前から民間資格はいくつも存在していますが、これらの信頼性や内容の差異といった課題を統合すべく、国家資格ができたといえます。

スキルアップや未経験での就職に有効な資格

実務経験を3年以上積むか、認定講習を受講し修了すれば受験資格を得ることができます。そのため、キャリアコンサルタントとして働きながら資格を取得して職位や収入アップにつなげたい場合や、キャリアコンサルタントを目指して求人に応募する場合にも役立ちます。

認定講習はキャリアカウンセリング関連の各協会や、一部の資格スクールで開講されています。通信講座もありますが通学が一般的で、全10〜15回の通学で80〜100時間の受講時間が必要とされます。なお、費用は30万円前後です。

年4回実施、学科試験と実技試験に合格すると登録が可能に

試験は年4回実施され、東京や大阪をはじめ全国の主要都市で受験することができます。ただし開催回によって試験地が異なる場合があるので、受験の際には注意が必要です。

試験は学科試験と実技試験に分かれており、費用はあわせて4万円前後です。学科と実技のどちらか片方だけを受験することも可能ですが、資格保有者として登録するには両方合格しなくてはなりません。

学科試験と実技試験の出題はいずれも理論・実務・社会的意義・倫理と行動・職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目からとなります。学科試験はマークシート方式で4肢択一の問題が100分で50問出題されるのに対し、実技試験では論述試験と面接試験が課されます。

論述試験は事例文を読んで1~2問程度の設問に解答するもので、制限時間は50分です。「キャリアコンサルタントとして今後どのようなやりとりを展開するか」といった設問があるなど、姿勢や対応を問う実践的な側面があります。

面接試験は口頭試問とロールプレイの2種類があり、合計20分で行われます。こちらもその場での判断力や、知識と行動の有機的な連携が求められるため、業界未経験者は対策が必要といえるでしょう。

キャリアコンサルタントは難易度高めな国家資格

難易度は高め。学科試験・実技試験ともに範囲が広く専門的

キャリアコンサルタントが仕事に生かせる唯一の国家資格がキャリアコンサルタントですが、その難易度は高いといえます。学科試験と実技試験、両方の対策を行わなければならないこと、専門知識を要すること、出題範囲が広いことがその理由です。

学科試験はマークシート方式で過去問題が公表されているので、ある程度対策がしやすいかもしれません。一方で、論述試験は過去問題がありますが正答は公表されておらず、面接試験には過去問題がありません。受験者の平均点も学科試験は7割、実技試験は各試験とも6割程度と、実技試験への対策のしづらさが表れています。

合格率は6割程度。ストレート合格者は約半数

合格率は学科試験で62.9%、実技試験で65.7%です。両方同時に合格した人の割合は53.3%と、ストレート合格はやや難易度が上がる印象です。受験者の半数以上が合格していることからあまり難しくないのではと思われるかもしれませんが、そうではありません。

事前に実務経験を積む、あるいは認定講習やカウンセリングの実践講義などで対策を行ったうえで試験に臨んでも、残念ながら3割以上の受験者が不合格となっているのです。出題範囲が広く、法令知識なども求められることからしっかりとした対策が必要となります。

なお、実務経験者よりも講習受講者の方が受験者数が多く、合格率も高い傾向にあります。テキストや過去問題に腰を据えて取り組むことがアドバンテージになり得るというわけです。

国家検定のキャリアコンサルティング技能検定とは?

キャリアコンサルティング技能検定は国家資格の上位検定

キャリアコンサルタント以外の資格・検定として挙げられるのは、キャリアコンサルティング技能検定です。こちらは資格ではありませんが国家検定であり、国家資格であるキャリアコンサルタントよりさらに難易度の高い上位検定です。

受験資格には実務経験が必須となり、試験内容もより難しくなります。検定のレベルは2級と1級がありますが、2級に合格すると「2級キャリアコンサルティング技能士」、1級に合格すると「1級キャリアコンサルティング技能士」という称号が与えられ、キャリアコンサルタント保有者のなかでもそれぞれ熟練者、指導者として模範的な存在とされます。

保有者が少なく希少性の高い国家検定。取得は難しいが独立などに有利

キャリアコンサルティング技能検定は保有者が少ないことが特徴です。国家資格であるキャリアコンサルタントの登録者は2017年時点で約3万人であるのに対し、2級キャリアコンサルティング技能士は約8,000人、1級ともなると285人しかいません。非常に希少性が高く、実力を伴わなければ取得できない検定といえます。

こうした上位検定を得ることで自らのキャリアアップや独立開業に役立てられますが、その前提として国家資格のキャリアコンサルタントを取得することが必要になります。なお、エキスパートとして認定されるには多くの知識と経験、そして努力が必要であることはいうまでもありません。

キャリアコンサルタントの資格が取れる学校

認定講習は業界に関連する協会や、認定を受けた資格スクールが設置

国家試験の受験資格には、実務経験か養成講習の受講修了が必要だとお伝えしました。キャリアコンサルタント養成講習という講座を受けることで国家試験の受験資格を得られますが、開講している場所や団体は限られています。

というのも、養成講習は厚生労働大臣が要件を満たすとして認定した講習内容でなければならないため、一般的な資格スクールであれば受講できるというわけではないのです。現在認定を受けている運営主体は約20団体あり、資格スクールでは大原学園、ヒューマンアカデミー、東京リーガルマインドなどがあります。

キャリアカウンセリング関係の協会も認定講習を開講しており、日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会、キャリアカウンセリング協会、日本産業カウンセラー協会などが挙げられます。受講料や受講内容は団体によって少しずつ違いがあるため、認定講習を受講する場合は比較検討してみると良いでしょう。

キャリアコンサルタントの資格・試験まとめ

仕事に直結する試験内容。キャリアコンサルタントなら受けて損はない

国家資格「キャリアコンサルタント」の試験内容は、実際に現場で行われる業務ととても似ています。未経験からキャリアコンサルタントを目指す場合には入職前の実践トレーニングになりますし、すでに実務経験を重ねている場合は力試しになるため、受験の意義は大いにあります。

また、国家資格を取得することでクライアントの信頼感が向上するほか、上位検定の足がかりとなり自らのスキルアップにつながります。入職から熟練期まで、長い目で見ても役立つ場面の多い国家資格ですから、キャリアコンサルタントを志すならいつかは取得を考えるものといえます。

キャリアコンサルタントの参考情報

平均年収300万円~500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種オフィス

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