アクチュアリーになるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
たくさんのデータを使って将来を分析するアクチュアリーになるには、一体どんなスキルが必要なのでしょうか。今回はこの記事でアクチュアリーに必要なスキルや働くために必要な資格、向いている人の性格的特徴などをご紹介します。
アクチュアリーになるには何が必要?
アクチュアリーは統計学や確率論を使ってビジネスにおける将来のリスク等を予想するスペシャリストです。アクチュアリーは膨大のデータを用いて、死亡率や事故率、国の景気や経済情勢を分析します。アクチュアリーの出した予測に基づいて年金や保険金の適正な掛け金や支払い金額を決定します。
アクチュアリーになるには根気が必要
アクチュアリーで一番に大切なのは根気です。アクチュアリーの仕事はいつも数字と向き合い、膨大なデータを基に解析や分析を行います。データの分析には、高度な数学が必要なわけではありませんが、たくさんの計算方法の中から、一番に適した計算式を選ぶ必要があります。
アクチュアリーは将来を計算するため、アクチュアリーの行う計算には正しい答えというものが存在しません。そのため、たくさんの情報を集めて、いろいろな計算を試しながら、これだと思える適切な答えを見つける必要があります。そのため地道にコツコツと根気よく仕事を行うことが求められます。
また、アクチュアリーの仕事は保険業法などの法律も関わります。そのため保険の仕組みについても詳しくなければなりません。保険に関する法律は改正されるため、法改正が行われたときには、どの部分の法律が変わったのかを理解する必要もあります。アクチュアリーの仕事は、毎日が勉強になるため、どこまでも続けることのできる根気が必要です。
責任感がアクチュアリーの仕事に役立つ
アクチュアリーとして働くには責任感も必要です。アクチュアリーが扱う保険や年金は、人の生活に関わる重要なもので、人の人生を左右するものと言えます。アクチュアリーの分析結果によっては、年金受給者や企業の従業員の暮らしに大きな影響を与える可能性もあります。
アクチュアリーとして働くためには資格が必要
アクチュアリーは、なりたいと思ったらすぐになれる仕事ではありません。アクチュアリーとして名乗れるのは社団法人日本アクチュアリー会の正会員の資格を持つ人だけです。アクチュアリーの正会員になるためには、試験に合格することが必須ですが、試験の内容は非常に難しく、難易度の高さは司法試験並みと言われています。
そのためアクチュアリーになるには、試験に合格して夢を実現させたいという野心を持つことも必要です。
語学力があれば仕事の幅が広がる
アクチュアリーとして働く人の中には、外資系の企業や外国で活躍している人もいます。また企業によっては、外国人のアクチュアリーと一緒に仕事をする機会もあります。そのため英語など語学力を身につけていると、仕事の幅を広げることができます。
必ずしもTOEICなどの試験で好成績を収める必要はありませんが、ビジネス英語を習得している方が活躍の場は広がります。
アクチュアリーに向いている人、適性がある人
アクチュアリーになるには、持って生まれたセンスや性格的な要素も多少影響します。
数学が得意な人はアクチュアリー向き
アクチュアリーに求められることとして、まずは数学が得意ということがあげられます。大学院で学ぶような専門的な数学の知識は必要ありませんが、高校で学ぶレベルの数学の知識は必要です。その中でも、線形代数や微積分、確率や統計については十分に理解している必要があります。
線形代数とは行列に関する計算式のことです。線形代数に関する計算式は、画像処理や3次元データ処理や電子力学で用いられ、アクチュアリーの仕事で必要な統計に関する計算でも線形代数は使われます。
微積分とは変化する量の割合を求める計算式のことで、車が時速何キロで走行しているかの計算も微積分の一つといえます。アクチュアリーの仕事で使われる確率の計算は微積分にも関係しています。
数字を眺めたときに拒否反応が出る人はあまりアクチュアリーに向いているとはいえません。むしろ数字を眺めたときに、この数字はどんな計算式で成り立っているのかなどの興味を持てる人がアクチュアリーには必要です。
分析力があれば活躍できる
アクチュアリーには数学が得意なことに加えて、分析力の高い人であることも求められます。アクチュアリーは高度な計算式を使って将来を予測しますが、将来に起きることの中には、数字だけでは表せないものもあります。
例えば、政治情勢が突然変化したり、景気変動が起きたりすることもあります。また日本では自然災害よるリスクなどもあります。そうした数字では表しにくい事柄についても、さまざまなデータを用いて分析して、答えを導き出す必要があります。
コミュニケーション能力がある人はアクチュアリー向き
アクチュアリーの就職先として生命保険会社や信託銀行などがあります。そこでは、アクチュアリーが行ったデータ分析に基づいて、新たな保険商品を開発したり、私的年金の支払額を決定したりします。
状況によっては、アクチュアリーは他の部署の社員と一緒に働くこともありますが、アクチュアリーは専門性が高い職種のため、周りから頼られることも多くなります。そのようなときでも、求められる高いレベルに答え応じることができるようにならなければなりません。そのためには、知識を身につけていることはもちろん、他の社員と上手に仕事ができるようなコミュニケーション能力を身につけていることが求められます。
説明能力もアクチュアリーには不可欠
アクチュアリーが他の部署の社員から信頼されるためには、アクチュアリーの分析結果を分かりやすく説明して納得してもらうことが大切です。難しい内容を分かりやすく伝えることのできる能力が必要です。
アクチュアリーになるための学校・教室
アクチュアリーになるためには、社団法人日本アクチュアリー会主催の試験に合格しなければなりません。アクチュアリーの試験を受けるためには、大学で62単位以上の単位を取得していることが必要です。そのためアクチュアリーとして働くために、多くの人は大学へ進学します。
アクチュアリーを目指すために一流大学に進学する人も多い
アクチュアリーなるための選択肢として、数学を学ぶために理数系の大学に進学するという方法があります。またアクチュアリーの多くが保険会社に就職するため、経済学部のある大学に進学する人もいます。
アクチュアリーとして働くためには、アクチュアリー、またはアクチュアリーの候補生として採用されなければなりません。しかし、アクチュアリーの採用試験はかなり難しい内容になっています。そのため、厳しい試験を勝ち抜くために東京大学や京都大学、早稲田大学や慶應大学などの一流大学に進学してから、アクチュアリーを目指す人も多くいます。
アクチュアリープログラムのある大学で学ぶ方法も
アクチュアリーを目指す別の方法として、アクチュアリーを専門に学ぶことのできる大学へ進学する方法があります。早稲田大学の会計研究科では2018年よりアクチュアリープログラムを開設しました。
アクチュアリープログラムではアクチュアリーとして働くために必要な、数学の知識や保険や年金の知識について専門的に学ぶことができます。このコースでは早稲田大学の学生はもちろん、他大学の大学院生や社会人も履修できます。
アクチュアリーの専門教育のある大学は、現在のところ早稲田大学のみですが、今後増える可能性も考えられます。
大学へ進学しなくてもアクチュアリーは可能
大学へ進学しない人についても、試験委員会が大学卒業と同等の必要な基礎知識を持っていると判断された人については受験資格を得ることができます。ただしアクチュアリーの試験はかなり難易度が高いため、知識を身につけるためには大学へ進学するほうがおすすめです。
就職をしてからアクチュアリーを目指す人も
アクチュアリーになるには、必ずしも在学中にアクチュアリー正会員の資格の取得をする必要はありません。多くの人は大手の保険会社や金融機関、外資系の保険会社に就職した後にアクチュアリーの資格の取得を目指します。
アクチュアリーの準会員、もしくは正会員に合格した後に配属先が変わるということもあります。
アクチュアリーになるには?まとめ
アクチュアリーを目指すには根気が必要。難易度が高いため数学を中心にコツコツと勉強することが大切
数学が得意なことと、根気強さ。アクチュアリーになるには、将来を予測するために、たくさんのデータを集めて分析できる力が必要です。またアクチュアリーの仕事は、保険や年金を利用している人の生活に大きくかかわっているため、強い責任感を持つことも大切です。
アクチュアリーとして働くためには、アクチュアリーの正会員にならなければなりません。アクチュアリーの正会員の試験には、基本的に大学で62単位を取得していることが求められるため、大学へ進学してアクチュアリーについての知識を身につけることがベターです。
また、保険会社や金融機関に就職後にアクチュアリーを目指すこともできます。
アクチュアリーの参考情報
平均年収 | 500万円~1800万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 金融 |
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