電車運転士になるには何が求められる?必要な資格とその適性とは

電車運転士になるには何が求められる?必要な資格とその適性とは

男の子であれば、誰もが一度は電車運転士に憧れたもの。なるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。 この記事では、電車運転士になるために求められる適性や性格的特徴、資格について紹介していきます。

電車運転士になるには、人が好きであることが必要

男の子であれば、幼稚園・小学生の頃一度は憧れたことがある職業にあげられるのが電車・バス・車の運転士です。実際、第一生命保険株式会社が、全国の幼児・児童を対象に毎年行っている「大人になったらなりたいもの」というアンケートの2018年版でも第10位に入るなど、その人気は根強いものがあります。

線路沿いにある陸橋や公園に、日曜日になると電車を見に来た親子連れがたくさんいることからも、運転士に憧れる人の多さがうかがえるでしょう。

電車運転士になるにはいくつか必要な要素がありますが、もっとも大切なのが「人と接することが好きである」という点です。電車の運転室は個室になっていることが多いので、意外に思われるかもしれませんが、これにはきちんと理由があります。

鉄道会社に入社してすぐに運転士になることができるというわけではなく、最初は駅員や車掌などの駅務からとなります。電車は、若者からお年寄りまで老若男女問わず多くの人が利用するので、人が嫌いであればまず務まらないと判断されるでしょう。

電車運転士になるには、「動力車操縦者運転免許」の試験を受けて合格することが必要です。この資格を取るための養成所がありますが、適性がないと判断されれば、入所するための選抜試験を受けることさえできません。

多くの子供が憧れる職業なので、華やかに見えるかもしれませんが、実際にはさまざまなお客様に接しなければならないなど、ストレスの溜まりやすい環境にあります。

それでも電車運転士になりたいのであれば、うまくオンとオフの切り替えを行い、嫌なことがあっても次の勤務に引きずらないようにする工夫をすることが必要です。

電車運転士になるには、鉄道会社への就職が第一歩

電車運転士になるには、まずは鉄道会社が実施する採用試験を受験して、社員として採用されることが必要です。そのため、学歴で見ると高校もしくは高等専門学校、専門学校、短大、大学卒卒業、大学院修了(見込み)であることが求められます。

学歴で見た場合、就職までの壁がもっとも高いのが高校卒業からの就職です。理由としては、高校とそれ以外で応募までのプロセスが異なる点があげられます。

専門学校・大学などでは、学校に寄せられた求人から探して受験する場合もあれば、就活サイトに掲載されている就活情報などから探して応募するなど、基本的には自分で探して応募することになります。

一方、高校の場合は「指定校制」といって、過去に採用実績のある学校へ求人を出し、学校長の推薦を経て応募して受験するパターンが一般的です。鉄道員を養成する学科のある高校、商業高校・工業高校に求人が集まりやすいので、過去に採用実績のある高校を調べて、高校受験時にそこを目指すのもいいかもしれませんね。

高卒・専門学校卒が多いが、最近では大卒の電車運転士も増えている

電車運転士になるには、「鉄道現業職(※)」という区分で採用されることが必要です。基本的には大学卒、大学院修了であれば、「総合職」で採用される人が多くなります。

※一般的には「鉄道現業職」ですが、会社により呼称はさまざまです。大手のJR西日本では「プロフェッショナル職」、愛知県の名古屋鉄道(名鉄)では「運輸職」と呼ばれています。

結論から言えば、総合職採用であっても適性さえ認められれば、電車運転士になることは可能です。しかし、一般的には総合職採用となると、経営幹部候補としての採用となるため、どちらかといえばステップアップのための資格といった側面が強くなります。

もちろん、ジョブローテーションで運転士になることができますが、それも数年です。その期間が終わると、技術や保安に関する部署を中心として、様々な部署の経験を配属されることとなり、あまり運転士としての経験は積めません。

以前は、高校・専門学校出身者の中から、若い人で適性のある人を運転士として養成していたのは確かですが、近年では大学卒・大学院修了者の採用試験でも、「鉄道現業職」の採用区分を設けているので、少しずつ大卒以上の運転士が増加傾向にあります。

大学卒業以上で電車運転士を目指すのであれば、「運輸職」などのように「車掌・運転士」を目指すことができる職種を受験するといいでしょう。

電車運転士には徹底した自己管理が必要

電車はお客様を乗せて動いているので、365日土日祝日・年末年始などを問わず、絶えず動いています。そのため、勤務日・休日ともに不定期です。

また、勤務体系についても日によって運転する時間帯や休憩時間が異なるため、一定していないという特徴があります。勤務地が首都圏や大阪などの大都市圏であれば、始発電車は4時台から、終電は24時台~25時(午前1時)台という路線も多く、そういった時間帯の業務が入ると、泊まり勤務となってしまうでしょう。

休憩時間についても、例えばお昼休憩として1時間取れるというわけではありません。運転業務(乗務)を1時間半行ったあと、15分休憩。それを繰り返し、1日の中で合計1時間休憩を取るという形になるのが一般的です。

このように、勤務時間が不規則になりやすいこと、まとまった休憩時間が取れない環境にストレスを感じる人が多いようです。その他、前日にお酒を飲みすぎたり、寝坊して遅刻してしまったりすることがあれば、運転することができなくなります。

鉄道会社に入社後、電車運転士として運転業務を行いたいのであれば、常に心身ともに健康であるよう体調を整え、しっかりと自己管理を行い続ける強さが求められます。

電車運転士になるには動力車操縦者運転免許が必要

電車運転士になるには、「動力車操縦者運転免許」という資格が必須です。運転免許を所持する人が同乗した上で指導を受ける場合など、一部の例外を除き、基本的には上記免許の交付を受けていなければ、操縦できないこととなっています。

免許の種類は、蒸気機関車(SL)、電気車(電気機関車・電車)、新幹線などの車種別に設けられており、そこからさらに甲種・乙種、第一種・第二種に枝分かれして、全部で12種類ある中より、鉄道会社ごとに必要な免許を取得します。

最初は駅務から経験を積んでいく

先にも書いたように、電車運転士になるには、鉄道会社への入社が第一歩です。まず、採用試験を受験して内定を得られなければ、いくら希望したとしても運転士になることはできません。

入社後も、すぐに電車運転士を目指すことができるというわけではありません。最初は配属された駅で、駅員や車掌などの業務に従事します。その後、運転士への適性があると認められると、養成所入校のための選抜試験を受け、訓練を経て運転免許試験を受験することになります。

試験に合格したら、晴れて電車運転士になることができるのです。経験については、具体的に何年と決まっているわけではなく、1年~数年程度駅員などの駅務に従事します。

駅員・車掌としての勤務態度については、運転士としての適性を見るためでもあるので、上司だけでなくいろいろな人が見ていることを意識して、懸命に勤務することが大切でしょう。

電車運転士に向いている人、適性がある人

電車運転士への適性には、性格的な要素があります。

電車運転士には集中力と責任感が求められる

電車運転士には、「乗客を目的地まで安全に運ぶ」という使命があります。そのため、「乗客の人命が、自分の運転にかかっている」という自覚を持つことが大切です。

特に、首都圏や大阪・名古屋などの大都市圏であれば、ラッシュ時には約1000人~2000人乗車していると言われています。

大きな駅であれば、同じ鉄道会社内の別路線や地下鉄など別の電車への乗り継ぎが発生することも。そんな時、少しでも遅れが発生したら、予定している乗り継ぎに間に合わなくなる事態も出てくるでしょう。

そうなると、多くの乗客に迷惑がかかります。大都市圏では、朝と夕方のラッシュ時には秒単位でダイヤが組まれていますが、そのダイヤ通りに運行させるためにも高い集中力が必要です。

電車運転士には高い意欲が求められる

鉄道業界にも、IT化の波が押し寄せています。技術は日々進化しており、運行システム・車両ともにどんどん進歩して、新しいものが日々開発されています。そのため、電車運転士も新しいシステムや車両が出てくるたびに、その操作方法を覚えることが必要です。

新しいものを覚えていこうという意欲がなくなったら、電車運転士として通用しなくなるでしょう。

電車運転士には冷静な判断力が求められる

電車運転士は、どのような状況下においても乗客の安全を維持できるよう、日々訓練を重ねています。それでも、想定外の事態に出くわすこともあります。

そのような時でもパニックになることなく、冷静に状況を把握して適切な行動を取れるよう、冷静な判断力が必要です。

眠くなっても我慢

どんなに気をつけていても、運転中に眠たくなってしまうこともあるかもしれません。電車運転士にとって辛いのは、「眠たいから」と言って、電車を停止して休むことはできません。また、ウトウトしながら運転するのは、もっての外です。

少しでも眠気を感じたら、立って運転することも大切ですし、停車したら軽く運動をする。もしくは、ブラックガムを携帯しておいて、眠気を逃がす工夫をすることが求められます。

マルチタスクが求められる

運転中は、常に何が起こるかわかりません。そのため、何かが起きた時に冷静に対処することが大切です。そのためには、集中しながら周りの状況にも常に気を配るとともに、複数のことを同時にこなすマルチタスクを行う力が求められます。

電車運転士になるためには行くといい学校

電車運転士になるには、鉄道会社の社員として採用されることが必要です。いろいろな方法がありますが、どのような進路を選ぶかによって、その道のりは変わってきます。

高校は指定校制なので求人がないと応募できない

電車運転士になる人でもっとも多いのは、高校卒業後入社した社員です。若い人であれば、20歳~21歳で運転士になることも可能なので、若いうちに技能を身につけることで長く活躍することができます。

ただし、注意点もあります。高校生の採用については、過去に採用実績のある学校へ求人票を出すという点に注意してください。採用傾向としては、商業高校・工業高校などといった実業系の高校、鉄道に関する学科のある高校が多いとされているのが実情です。

もし、進学校や普通科高校に通っている生徒で、ほとんど就職する人がいない高校であれば、採用実績がないため、希望する鉄道会社から求人が来ないということも考えられます。その場合は、専門学校や大学に進学して鉄道会社の採用試験を受けるといいでしょう。

観光系の専門学校を選ぶ方法もある

電車運転士になるには、観光系の専門学校に進学することも選択肢の一つです。観光系の専門学校で、「鉄道サービス科」や「鉄道交通科」などのコースがあれば、鉄道会社へ就職を目指すための授業が用意されています(学科の名称は、学校により異なります)。

最近は、大卒で電車運転士を目指す人も出てきたため、就活サイトで専門学校生も含めて募集する会社も増えているようです。それでも、高校と同じく採用実績のある専門学校に求人票を出すところも多いので、就活サイトと学校にある就職課の両方をうまく活用するようにしてください。

カリキュラムや就職サポートもしっかり確認しよう

鉄道サービス科など鉄道関連の学科がある専門学校は、関東・関西などの主要都市がある地域にあります。専門学校であれば、インターンシップで実際に駅の現場で業務に携わることも可能です。その他にも、就職サポートがしっかりしているところであれば、進路についての不安もある程度は軽減されるでしょう。

しかし、鉄道関連の学科といっても、電車運転士や駅務(駅員や車掌)に関することではなく、電車の整備など保守・保安に関することが中心となる専門学校もあります。学校のホームページを見れば、カリキュラムに関する記載があるので、事前確認を忘れないようにしましょう。

大卒以上の場合、運輸職であれば電車運転士を目指せる

電車運転士は運輸職になります。これまでは、電車運転士といえば高校・専門学校出身者がメインでしたが、近年では多くの鉄道会社で、大卒以上の学生にも運輸職(鉄道現業職)への門戸を開きはじめました。そのため、人数としては少ないものの、大卒以上の電車運転士も出はじめています。ただ、大卒以上の場合、総合職での応募をしている会社が多くなります。その場合、総合職ではなく運輸職(鉄道現業職)にエントリーすることが必要です。

総合職でも「動力車操縦者運転免許」を取得できるものの、総合職はあくまでも経営幹部候補としての採用となるため、ジョブローテーションで数年程度従事するにとどまります。大卒以上の学生が、新卒採用で電車運転士になりたい場合、総合職でなく現業職(運輸職)での応募が必要なことを覚えておきましょう。

中途採用から電車運転士を目指すこともできる

多くの鉄道会社では、団塊世代の運転士が定年退職したこと、若年層で電車運転士を志望する人が少なくなったなどの理由で、中途採用を行っているようです。運転士育成にかかる費用は約700万円で、これらの費用はすべて会社負担となります。そういった点から、他社で運転経験のある電車運転士を雇用することでコストを抑える狙いもあります。

異業種・異業界からの転職でも電車運転士を目指すことができる

新卒で入社する場合と比べると、ハードルはかなり高くなるものの、異業種・異業界からの転職組であっても電車運転士を目指すことが可能です。ただし、新卒入社と同じく、いきなり運転士になることはできないので、同じように駅員として車掌などの駅務の経験を積んだ後、適性を認められることで運転士になるための訓練を受けることになります。

駅務の経験は人によって異なるものの、1年~数年と言われており、養成所での訓練期間も含めると2年~5年程度はかかるのが普通です。実際、未経験からの中途採用は30歳~40歳までという年齢制限を設けているところがあります。ただし、近年は志望者が減少していることもあり、年齢制限も撤廃されているところもあるようです。

電車運転士になるには?まとめ

電車運転士になるには動力車操縦者運転免許が必要。これに加えて、体力とストレス耐性が求められる

入社後に駅務の経験を積み、養成所で訓練を受けた後、「動力車操縦者運転免許試験」を受けて、合格することで電車運転士になることができます。

電車運転士の業務は、運転する電車が勤務ごとに違うため、どうしても勤務時間が不規則になってしまうようです。そのため、不規則な勤務が大きなストレスとなることが多くなります。運転士になるのであれば、そういったストレス耐性を持つこと、不規則な勤務をこなすことができる体力・精神力が求められます。

電車運転に関する技術は入社後に学ぶこととなるので、まずは学生時代にいろいろな経験をすることで豊かな人間性を養うようにしましょう。

電車運転士の参考情報

平均年収400万円~600万円
必要資格
  • 動力車操縦者運転免許
資格区分 免許
職種運輸・乗り物

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