技術アジャスターになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

技術アジャスターになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

技術アジャスターになるには、アジャスター制度(損保アジャスタ)にて認められた技術アジャスター資格が必要です。このページでは、技術アジャスターになるために役立つ学校、必要とされる資格や能力、向いている人の特徴などについてご紹介します。

技術アジャスターになるには何が必要?

技術アジャスターになるために特定の学歴は特に必要とされません。その代わり、技術アジャスターの資格取得が必須であったり、それに伴うさまざまな知識が必要とされます。具体的には、どのようなことが求められるのか詳しく見ていきましょう。

技術アジャスターの資格を取得する

技術アジャスターになるには、技術アジャスターの資格試験に合格して研修を受け、技術アジャスターとして協会に登録される必要があります。この資格は「日本損害保険協会」が定めている民間資格で、2級・3級・4級・見習いの4つに分かれています。

1級の資格も存在しますが、現在では試験がおこなわれていないために実質的には2級が技術アジャスターの最高ランクとして位置づけられています。受験資格に特に制限はなく誰でも試験を受けることが可能ですが、損害保険会社などに入社して働きながら研修などを受け、一つずつ上位資格を目指していく方法が一般的とされています。

中途採用の場合は整備士資格を求められることが多い

中途採用の募集要項の中には、雇用条件「3級以上の整備士資格や普通自動車免許」を求められる例が多く見られます。また、一人前の技術アジャスターとして活躍するまでに6~7年の年月がかかるため、若年層を積極的に採用する傾向にある会社も多々見受けられます。

保険商品の知識

特定の損害保険会社に勤めている技術アジャスターなら、自社の保険商品について精通している必要があります。

損害保険会社で販売している自動車保険は複数の種類であることも多く、それぞれの保険商品は定期的に内容の改定や更新がなされます。また、新商品も次々と販売されるので次々と知識を身につける必要が出てくるでしょう。

保険内容には告知義務・支払い対象の事例・保険金の支払い金額など、さまざまな取り決めがあります。さらにフリーランスの技術アジャスターの場合は、複数の損害保険会社と提携を結ぶことになるので、各社の商品を頭に入れておく必要があるでしょう。

事故にあった保険契約者や被保険者に対して適切なサービスを提供するためには、技術アジャスターとして顧客が契約している商品の内容を全て把握していることが求められます。

法律の知識

私たちの生活は、どの場面においても法律が関係してきます。技術アジャスターの仕事も同様に、仕事をする上で法律の知識が必ず必要とされます。さまざまな法律の中でも、「道路交通法・賠償に関係する法律・民法」などが主に技術アジャスターの仕事に関係してくるでしょう。

また、損害保険会社に勤める職員としては「保険業法や保険法」も知っておく必要があります。さらに、示談交渉が成立しなかった場合の「裁判のさまざまな判決例」を熟知しておくことも大切です。

自動車工学・修理技法の知識

自動車事故の調査をするためには、自動車に関連する一連の知識を身につけておく必要があります。技術アジャスターが最初におこなう事故の整合性の調査では「自動車がどのような動きをして損傷に至ったか」ということを調べます。

その時に必要なのが自動車の機能や構造といった自動車工学についての知識です。また、自動車工学に関連した化学や電気の知識もあると、さらに事故調査の役に立てることができるでしょう。事故調査が終了した後に行われる自動車修理工場などでの損害確認業務においては「どのように車を修理するか」という修理技法の知識が求められます。

修理工場から出された見積金額が適正であるかどうかを判断することも技術アジャスターには必要な力です。このように、技術アジャスターは自動車についての深くて広い知識を有していることが前提条件とされています。

正確な損害費用や保険費用を算出する技量

保険契約者などに損害費用や保険費用の報告をするためには、それらの費用を算出する技量や報告書の作成能力が必要です。保険や車に関する知識を駆使しながら適切とされる金額を提示することが、顧客の信頼を得ることにつながります。

これらは入社後におこなわれる研修や先輩などに教えられながら、徐々に知識を広げつつ実践をこなして経験を増やして身につけていく方法が一般的でしょう。

技術アジャスターに向いている人、適性がある人

技術アジャスターが受け持つ案件は内容によって千差万別です。担当する案件を迅速かつ正確に解決するためには、あらゆる適性や能力が必要です。

コミュニケーション能力がある

技術アジャスターの仕事は、車両に損害を受けた保険契約者など以外にも修理工場の人や保険会社の担当など、さまざまな人との関わりを持たなければなりません。

あらゆる人と会話をすることで正確な情報を聞き出したり、正しい保険金を出すための話し合いをしたりと、コミュニケーション能力が高ければ仕事を円滑に進めることができるでしょう。

常に新しい知識を取り入れようとする意欲がある

技術アジャスターは常に新しい知識を取り入れることを必要とされる仕事です。

昨今では電気自動車や自動ブレーキシステムが装備された自動車など、新しい技術を搭載した車が徐々に普及しつつあります。また、保険商品においても各社各商品の約款はそれぞれ異なり、常に改訂や更新、新商品が発売されています。

そのため調査する際は、事故の案件によって保険約款と照らし合わせて内容を調べたり確認したりする必要が出てきます。積極的に勉強する意欲がなく、古い情報のままで仕事をすることはできません。技術アジャスターは常に新しい情報を取り入れ、時代に適応しながら業務をおこなうことが重要です。

誠実であること

技術アジャスターが調査を行う目的は「保険契約者に適切な金額の保険金を素早く支払うこと」にあります。

事故などを起こした保険契約者の多くは、問題が解決するまで不安の中で過ごすことも多いでしょう。技術アジャスターは、顧客のそのような不安を払拭し、安心感を提供しようという心意気や使命感を持ちながら業務を遂行します。

また、業務上知り得た個人情報などの取り扱いには注意して、顧客との信頼関係を築いていくことも求められます。

論理的に考える力・正しく伝える力がある

事故の原因を探り、自動車の損傷を確認したり顧客の話の辻褄が合致しているかどうかを確認したりして調査を行うには、論理的な思考が欠かせません。

また、調査をしても原因がわからないことも多くあるため、判明するまで粘り強く調査をし続ける執着心も必要です。調査や損害額の算出が終了し、顧客に修理が必要な場所や金額などを適切かつ適格な言葉で伝える力も求められます。

現地調査とデスクワークのバランス調整ができる

技術アジャスターがおこなう一連の仕事は、事故現場や損害車両を調べる「現地調査」と報告書や見積書を作成する「デスクワーク」に分類されます。

効率よく多くの案件をこなすためには、どちらかの調査をおろそかにせずに、バランス良く両者の仕事を進めていくことができる管理能力が必要です。

技術アジャスターになるための学校・教室

技術アジャスターという職業は、新卒で損害保険会社に入社して資格を取りながらその道を進むか、自動車関連の業務経験者が中途採用される傾向が多く見られます。

中途採用の際には3級以上の自動車整備士の資格を求められることが多くあるようです。ここでは自動車整備士の資格が取得できる学校や教室について紹介します。

自動車整備士の資格を取得できる学校とは

自動車に関する知識や技術を学び、なおかつ自動車整備士資格も取得が可能な学校は全国に沢山あります。大学・大学校・専門学校などさまざまです。専門学校であれば自動車整備学科や自動車整備工学科などのコースが設置されているところを選ぶとよいでしょう。

これらの学校に通うことで、自動車のメカニズムの理解・専門知識の習得・電子や電気系統の修理・点検・整備など多岐に渡って実践的な指導を受けることができます。数例ですが、自動車整備士の資格が取得できる学校は以下の通りです。

  • トヨタ神戸自動車大学校・自動車整備科
  • 専門学校日産京都自動車大学校・自動車整備科
  • 北海道科学大学短期大学部・自動車工学科
  • 高山自動車短期大学・自動車工学科
  • 中日本自動車短期大学 自動車工学科・モータースポーツエンジニアリング学科

技術アジャスターになるには?まとめ

技術アジャスターになるには、損害保険会社に入社し、研修を受けながら上位資格の取得を目指す方法が一番効率がよいでしょう。中途入社で技術アジャスターになることも当然可能ですが、自動車整備士の資格の保有を求められることが多いことをおぼえておきましょう。

一人前の技術アジャスターになるには、資格取得の後の実務経験や知識の多さ、誠実に仕事に向き合う気持ちが大事でしょう。

技術アジャスターの参考情報

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