社会起業家の資格・試験とは?身につけておくと役立つ知識や教養などを解説
日本でも多くの社会問題が発生していることもあり、徐々に注目度が上がっている職業が社会起業家です。社会起業家は社会問題を解決しながら利益を生み出す仕組み作りを行うのですが、必要な資格などは基本的にありません。ここからは、社会起業家にとって必要な知識や役立つ資格などについて紹介していきます。
社会起業家の資格とは?
思いがあれば誰でも目指せる職業!
育児や労働問題、健康、高齢化などあらゆる問題に対し、自ら興した事業にて解決を試みるのが社会起業家です。社会起業家になるのは非常に難しく、資格なども必要になりそうなイメージを持つかもしれませんが、特別な資格はおろか学歴などが問われることもない職業の1つです。
社会起業家として活動するのであれば資格や学歴はもちろんのこと、年齢や性別が問われることもなく、ある意味とてもフラットな職業といえます。その代わり、社会起業家として活動するために絶対欠かせないと言われているのが「信念」です。
社会起業家は社会問題に対して自ら考える方法にて、絶対に変えてやりたいと最後まで信じられるほどの確固たる信念が求められます。そして、自分がどの社会問題に対して疑問を持ち、どのように変えられるのかという社会を見通す視野の広さも重要になってきます。
上に書いたように社会起業家にとって最も重要なのは、社会に対する関心や自分の力で変えたいという信念です。しかし、自分の行う事業が社会にとって不要であれば、資金調達は難しくなりますし、むしろ自分の事業によって社会をより混乱させる可能性もあります。
そのため、しっかりと社会を見通せる力も資格以上に社会起業家に求められる力といっていいでしょう。
視野を広げるため行動力も重要
社会起業家は社会で起こっている問題を解決するために行動する人のため、やはり色々なコミュニティに興味を持つと共に、飛び込めるだけの行動力が求められます。実際に自分が問題視するコミュニティにも飛び込めなければ、事業を興したとしても問題解決には至らないでしょう。
また、日本より社会起業家という文化が根付いていたり、自らの視野を広げるという意味では海外に渡ることができるぐらいの行動力も求められます。海外に出ると日本が抱える問題を別角度から考えることができる上、新たなアイデアを知るきっかけにもなる場合があります。
行政からも注目を集める社会起業家
一昔前は、社会起業家は日本での注目度は低い状態でした。現在でもまだまだ厳しい状態で社会起業家として活動する人も多いですが、少しずつ政府からの注目を集め始めると共に助成金などの制度も生まれつつあります。
海外ではすでに社会起業家が活躍する場面が多くなっており、アメリカでは2003年時点でおよそ90万団体が社会貢献する事業として認識されています。さらに、イギリスでは2016年に7万団体となっており、さらに増加傾向にあるようです。
日本では2000年代初頭にやっと社会起業家として事業登録がはじまり、まだまだ始まったばかりといえます。2008年には約8千団体が登録されており、徐々にではありますが増加しているのがわかります。
社会起業家の増加に合わせて、公共機関だけでは対応できない諸問題の増加もあり、政府は社会起業家が生み出す新しいセーフティーネットに大きな期待を寄せるようになっていきます。そこで、公的な助成金の制度を整えるようになり、さらには一般企業も金融機関と連携して基金なども生まれ始めています。
社会起業家が身につけるべき知識や資格
自分の取り組みたい事業に合わせて適宜資格を取得する必要はある
社会起業家に資格は特にありませんし、年齢や性別、さらには学歴が問われることもありません。しかし、社会起業家が取り組む社会問題には専門性が高いものもあり、さらには事業を立ち上げる際に何らかの資格が求められる場合があります。
そのため、社会起業家として活動したい場合は、あらゆる問題に対してアンテナを張っておくと共に、適宜必要に応じて資格などを取得しておく必要があります。たとえば、社会起業家が取り組んでいる社会問題としては、以下のようなものが考えられます。
貧困
職に就けない等の理由により貧困から脱出できない人を支援します。発展途上国を対象にした事業だけでなく、最近では国内の貧富の差に対応するための「子ども食堂」や、ホームレスの労働力を活用した事業などがあります。
環境
温暖化や海洋汚染など環境に関する問題に関する分野です。また、衣料品や化粧品などのリサイクルも社会起業家が立ち上げた事業に入ります。成功した事業は一般企業にまで発展したケースもあります。
教育
社会起業の中でも複雑な問題であり、多岐にわたる分野。海外で義務教育を受けられない子供に授業を行うケースに止まらず、国内でも社会的貧困により学校へ行けない子供への支援や、いじめによる不登校生を対象にしたケースも増加傾向にあります。
福祉
高齢者、障がい者だけでなく小さい子どもへの支援も賄う分野です。日本でも高齢社会による独居老人への支援だけでなく、待機児童の問題などに取り組む社会起業家も増えています。
社会の課題は多岐にわたる
社会起業家たちが関わる分野を大きく分けると少なく見えますが、彼らが関わる諸問題は多岐にわたりますし、専門的な知識も求められる場面が多いです。
育児支援といっても保育士の知識が無ければ十分な支援を行うことは難しいですし、ホームレスの就業支援においても 就業関連の法律にうとければまともに動くことはできません。
すぐにでも問題を解決したい情熱と行動力は大事ですが、長い目で見て支援できる枠組み作りができるだけの知識は付けておきたいところです。
社会起業家に役立つ資格やスキルが身につく学校
社会起業について学べる環境も整いつつある
日本においても増加傾向にある社会起業家に対して、教育機関においても社会起業家を支援するための教育機関を作っています。2010年には「社会起業大学」という社会起業家を育てるためのビジネススクールが誕生し、すでに400名以上が卒業しています。
また、東京大学や九州大学、東京工業大学、慶應義塾大学では社会起業家を目指す人向けの講義やプログラムを組んでいます。これから社会起業家を目指したい人は、公的な機関でもしっかりと知識を付けておくのがいいでしょう。
日本ではじめてできた社会起業家大学
近年の日本は長い不景気の中にあり、就職して1つの企業に長年勤めることも難しくなってきているのが現状です。中には大手企業が副業を推奨するケースもあり、日本経済が大きな転換期を迎えているといっても過言ではありません。
そんな中、徐々に日本で増加する社会起業家のニーズに応えるため、日本ではじめて0から起業を支援する「社会起業家大学」が2011年に設立されました。社会起業大学では「学習」「仲間」「支援」の3つを主に学ぶことが可能で、収益が難しい事業でも利益を生み出す仕組み作りと共に、持続できるノウハウなどを学ぶことができるようです。
社会起業大学は18歳以上ならば誰もが入学可能になっており、社会貢献をしたいと志した人や起業を考える人の働き方を見直せる学校です。社会起業大学という機関自体が、1つの社会起業家が作り出した事業とも言えます。
大学にも増え始めた社会起業を学べる環境
大学に進む人の中にも、将来は社会起業家として起業を志す人も増えており、そうした人向けに大学側で社会起業につながるコースを開設している場合があります。
たとえば、東京大学では社会起業家の育成プログラムを設置し、今ではNPO法人とタッグを組んでより実践的な学びの場を提案しています。また、九州大学は「ソーシャルビジネス研究所」という場所を作り、人材育成を学べるプログラムを提案しています。
社会起業家の資格・試験まとめ
社会起業家になるための資格は不要
社会起業家は自分が興味・関心のある問題を持ち、それを解決したいという強い信念を持っているのであれば、資格だけでなく学歴さえ不要です。男女や年齢も関係なく、誰もが等しくなれる職業となっています。
しかし、起業するための知識や取り組みたい問題に対する専門的な知識は必要になってくるため、日ごろから知識を身につける習慣は必要になってくるでしょう。
社会起業家の参考情報
平均年収 | - |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | その他 |
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