ウェディングドレスデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
ウェディングドレスデザイナーになるにあたって、特別な資格の取得などは不要です。しかし複雑かつ美しさを重視したウェディングドレスのデザインには、高度な感性と豊富な知識が試されます。今回は、ウェディングドレスデザイナーが持っておくべき資格の詳細や、試験の情報をご紹介します。
ウェディングドレスデザイナーの資格とは?
ウェディングドレスデザイナーに必須の資格は特にない
ウェディングドレスデザイナーになるにあたって、特別な資格や免許は必要ありません。しかし、女性にとって結婚は最初で最後であることが理想であって、殆どの場合、ウェディングドレスを着るということは、一生に一度しかない特別な機会です。
成人式に晴れ着を纏うように、女性の夢や憧れを一心に集める衣装がウェディングドレスですので、通常のファッションデザイナーとはまた違った、特別な意味合いを持つ仕事になります。
そうした重要な役割を担うわけですから、ウェディングドレスには特別上等な素材を用いて、豪奢、あるいは清廉とした非日常的な意匠を施し、ウェディングドレスにしかない特別な所作を演出するように制作します。普段使いの服では絶対に施せないようなお姫様感を、これでもかと盛り込みます。
こうした決して扱いやすいとまでは言えない衣装を作成するにあたっては、基本的な服飾デザインや裁縫のみならず、ウェディングドレスに特化した設計手法、意匠、飾り付けなどをしっかりと勉強する必要があります。
また、近年では少なくなった「服を1から仕立てる習慣」が今もなお残っている数少ない服装ですので、多くの場合、通常のファッションブランドとは異なり、ウェディングドレス専門のブランドや、結婚式場に就職します。
次章では、ウェディングドレスデザイナーとして活動する上で、取得しておくと役立つ資格などについて解説していきます。
ウェディングドレスデザイナーに役立つ資格
洋裁、ファッションデザインに関する資格があると有利
ウェディングドレスデザイナーは、普段着やフォーマルな衣装を扱うファッションブランドに就職する場合もありますが、多くの場合、ウェディングドレス専門ブランドにおいてキャリアをスタートさせます。
先述の通り、ウェディングドレスデザイナーになるにあたっては特別な資格は不要ですので、資格を取らずとも技術とポテンシャルがあれば就職は可能です。
しかしウェディングドレスデザイナーというのは特別であり、言ってしまえば特異な世界に属することにもなります。ウェディングドレスデザイナーになるために役立つ資格などはあるのでしょうか。
結論から言えば、「ウェディングドレスのデザイン」に特化した資格もまた存在しません。着物の世界では和裁士など着物の制作や着付けに特化した職業がありますが、ウェシングドレスデザイナーの場合、西洋ルーツの裁縫技術さえあれば制作が可能です。
洋裁に関する民間資格「洋裁技術検定」を受験する人が多い
多くのウェディングドレスデザイナー志望の人が取得を目指す資格には「洋裁技術検定」があります。洋裁技術検定とは、財団法人日本ファッション教育振興会が認定する民間資格です。
洋裁技術検定においては、洋服、特に婦人服、子供服に特化した服飾制作を行うにあたって、型紙の製作から裁縫、仕上げに至るまでの洋服の製作工程において求められる技術、および専門知識を認定します。
受験資格
洋裁技術検定試験を受験するには、日本ファッション教育振興会が認定する所定の養成校(服飾系の教育機関)において、所定の単位を修了することが必要となります。
受験資格は、こうした認定教育機関に進んだ学生のみに与えられるということです。
等級
洋裁技術検定には3つの等級があり、簡単な方から初級・中級・上級と設定されています。
試験実施
試験は日本ファッション教育振興会認定の学校において実施され、回数は年1回で、1月に実施されます。
受験料
受験料は3,000円で、合格者は別途認定料2,500円が必要です。
試験内容
試験は専門知識を問う筆記試験と、技術を認定する実技試験に別れています。
初級においては、筆記では洋裁に関する用語、服装に関する常識、日常着の素材に関する知識、基礎製図などが問われ、実技では婦人および子供の平常着の製作を行います。
中級の筆記試験は、洋裁用語や用具に関する知識、流行や社会性に関する知識、服飾マナー、スタイル画などの知識が問われ、実技では一般的に普及されることを想定した服装の製作を行います。
上級の筆記試験は中級において問われた分野に加えて服装史およびファッションにおける社会性や流行に関するより専門的な知識が追加となり、実技は一般的デザインの服を製作します。
合格率
合格率は初級・中級・上級共に80%近くに達しており、認定教育機関においてしっかり勉強していればほぼ確実に合格できる資格試験ということができるでしょう。
その他のウェディングドレスデザイナーに関する資格
ブライダル業界向けの資格「ブライダルコーディネート技能検定」がお勧め
ウェディングドレスデザイナーは製作系、デザイン系の職業ですから、服飾デザインに関する資格を取る方が優先されますが、ブライダル業界に特化した感性や知識を養うために、ブライダルコーディネート技術検定を取得するのもいいでしょう。
ブライダルコーディネート技能検定は、職業能力開発促進法の規定に基づき、厚生労働大臣によって認定される国家検定です。公益社団法人日本ブライダル文化振興協会によって実施されます。
ブライダルコーディネート技能検定は、2018年に制定され、2019年度より新しくスタートする資格です。
同協会において従来実施されていたアシスタントブライダルコーディネーター検定の上位資格のような扱いとなります。(アシスタントブライダルコーディネーター検定は平成30年1月の実施を持って終了しました)
等級は簡単な方から3級→2級→1級と3つの等級が設定されており、それぞれに所定の受験資格があります。資格認定に必要なのは、お客様のニーズを汲み取る力や、お客様に合ったサービスを企画するプランニング力などです。
例えば3級であれば、「ブライダル事業関連業務に従事している者及び従事しようとしている者」、2級であれば「3年以上の実務経験を有する者」「3級の技能検定に合格した者」「アシスタントブライダルコーディネーター検定に合格した者」となっています。
1級の資格は、次のいずれかに該当する者 「7年以上の実務経験を有する者」「2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する者」「ブライダルコーディネーター養成講座を修了したものであって2年以上の実務経験を有する者」となっています。
なお、2級と1級の資格要件は学科試験の受験資格であって、実技試験はそれぞれの等級の学科試験に合格した者のみが受験可能となっています。学科試験は3級が四肢択一形式で、2級以上は四肢択一形式と単語記述問題が出題されます。
実技試験については、3級は映像による判断試験のみで三肢択一形式となり、2級以上はお客様からの相談を想定したロールプレイ形式の試験が実施され、1級ではさらに口述試験にてロールプレイにおいてとった対応についての質問に回答します。
ウェディングドレスデザイナーに役立つ資格が取れる学校等
服飾を学べる大学や専門学校への進学がおすすめ
ウェディングドレスデザイナーには、様々な能力や知識が総合的に必要ではありますが、まずは何と言っても服が作れないと話になりません。
ウェディングドレスのデザインは普通の服よりも遥かに難しく手の込んだ製作となるため、まずは服飾を総合的に学べる大学や専門学校に進学して、ひたすら技術を磨きましょう。フォーマルやモード系の服飾制作を学ぶといいかもしれません。
資格の有無は問いませんが、もし洋裁技術検定の取得を目指す場合は、所定の服飾系の教育機関に進まないといけないので、注意が必要です。
服飾系の場合、大学よりも専門学校の方がより実践的な製作を継続的に行うことができるので、より仕事に特化した教育を受けたいなら、専門学校への進学がベストでしょう。
ウェディングドレスデザイナーに関する資格・試験まとめ
先ずは服作りを磨いて、技術がついたらブライダル系の資格も狙おう
ウェディングドレスデザイナーは、創造力とスキルが何よりも求められるので、イメージを形にできる服作りの技術を学ぶことが第一優先です。
通常の服装ではなかなか付けられない意匠を凝らすことができるので、しっかりと技術を磨いてドレスを作れるようになれば、大きなやりがいを感じられるでしょう。
技術が重要で特別な資格や免許などは問われない仕事ですが、ブライダル業界におけるニーズの把握やプレゼン能力もデザイナーには必須の能力なので、新しく始まったブライダルコーディネート技能検定にも挑戦してみましょう。
ウェディングドレスデザイナーの参考情報
平均年収 | 300万円~450万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 美容・ファッション |
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