イラストレーターの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

イラストレーターの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

イラストレーターは、様々な媒体やグッズなどに掲載されるイラストを生み出す仕事ですが、その仕事のスタイルや表現手法は多種多様です。様々な需要に応えるイラストレーターの仕事はどういったものなのでしょうか。本記事では、イラストレーターの具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

イラストレーターとはどんな仕事?

イラストレーターは、オリジナルあるいは版権もののイラストを描く仕事

イラストレーターは、広告やポスター、メディアや本の表紙、挿絵、販促グッズなど、非常に多岐に渡る媒体に載せられるイラストレーションを描き、イラストを描くことによって訴求を図り、思想やメッセージを伝える仕事です。

イラストレーターの仕事は非常に多様ではありますが、大きく分けると、オリジナルのイラストを描く場合と、原画家やキャラクターデザイナー、シナリオライターが作り出したキャラクター造形に沿って、そのキャラクターの販促イラストやグッズのイラストなどのグラフィック制作、イラスト制作に従事する場合とに別れます。

前者は、広告やポスターといった媒体の制作に際して、プロジェクト開始時点で絵が全く出来上がっていない場合に、1からイラストを設計し描画する場合に当たる仕事です。創造性やオリジナリティが問われる仕事であり、イラストレーター冥利に尽きる仕事でもあります。

後者については、特にゲーム業界、アニメ業界においては、原作の漫画家、原画家、メインディレクターや監督、シナリオライターなど、キャラクターを産み出す役職の人が作り出したキャラクターを様々なビジュアルに起こすのが、イラストレーターの役割と考えられていることが多いです。場合によっては、グラフィッカーや彩色担当の人が、イラストレーター的な役割を担う場合もあります。

自分のオリジナリティは一旦封印して、製作委員会や企業のキャラクター性をより幅広い流通に乗せて行くために工夫を凝らす制作スタイルが求められます。

イラストレーターとキャラクターデザイナーの違いとは?

イラストレーターの仕事は基本的にはイラストを描くことです。キャラクターを一から作る場合もありますが、継続的に展開されるキャラクターを1からデザインすることは、イラストレーターよりもキャラクターデザイナーの領分となるので、あまり多くはありません。

例えばゲーム会社やアニメ関連企業といったキャラクターデザイナーを別途抱えている業種の場合、そのキャラクターデザイナーが生み出した既存のキャラクターを、デザインそっくりに描くのがイラストレーターの仕事です。アニメーターで言うところの原画マンがキャラクターデザイナー、動画マンがイラストレーターといった感じです。

相対的に見てキャラクターデザイナーに比べると給与は低い傾向にありますし、あまり高収入には至らないケースが少なくないようです。しかしながら、原画を担当するキャラクターデザイナーの手が回らない様々な販促グッズなどの制作を大いに助けるのがイラストレーターなので、その役割は非常に重要です。

ソーシャルゲーム業界の需要が増え、昔よりは稼ぎやすくなった

近年では、ソーシャルゲーム業界においてイラストレーターの需要はかなり多くなっています。なぜかというと、ガチャ引きなどカードコレクション要素を含んだソーシャルゲームが当たり前になっていて、開発スパンも非常に短く、大量のゲームがリリースされているからです。

イベントごとの特別なカードイラストを定期的に発注することも多いので、ソーシャルゲームの運営が終了しない限り、継続的に仕事を得て行くことが可能となってきています。また、運営が終了したとしても、同じようなゲームが非常に短いスパンで続々とリリースされるため、今後しばらくは常に需要がある状態が続くでしょう。

日本イラストレーション協会が2006年に実施した所得実態調査でこそ、年収100万円未満が50%を超え、90%のイラストレーターが年収300万円未満という厳しい結果が出ていますが、10年以上経った現在では、そうした新たな業界の台頭による大量発注を受けて、比較的高収入を得やすい仕組みも整ってきています。

イラストレーターの具体的な仕事内容

企業に勤めるイラストレーターの仕事の流れ

イラストレーターには、個人で活動するイラストレーターと、企業に勤めて活動するイラストレーターがいます。

企業に勤めるイラストレーターの場合、例えば、デザイン制作会社、デザイン事務所、イラスト制作事務所、広告制作会社、一般企業の宣伝部、広告代理店などに採用されて働きます。そうした企業で働くイラストレーターは、会社専属となり、制作したイラストの著作権は多くの場合会社に帰属することとなります。

企業に勤めるイラストレーターの場合、案件が受注されたら、アートディレクターと入念な打ち合わせを行います。イラストレーターは、打ち合わせの具体的な内容を元に、数点〜十数点のラフスケッチを起こします。クライアントに都度ラフスケッチをチェックしてもらい、時には繰り返し描き直しを要求されることもあります。

最終的にそのラフスケッチの中からクライアントが選択して、採用されたラフスケッチをもとに、具体的なビジュアルイメージの方向性が決定することとなります。方向性が決まったら、アートディレクターの管理下のなかで、打ち合わせの詳細な内容と、ラフスケッチを基盤にし、イラストレーターは作品として本格的に制作に着手します。

イラストレーターはここでイラストを仕上げた時点で、仕事をグラフィックデザイナーに引き継ぎます。グラフィックデザイナーは、アートディレクターの指示の下、イラストレーターが仕上げたイラストを、広告物など所定のデザイン案に沿ったフォーマットに落とし込んでいきます。

ただしここで終わりではなく、デザインに落とし込んだ段階でクライアントから修正が入れば、イラストもまた描き直しとなる場合もあり得ます。

フリーランスのイラストレーターは営業や経理も含めて全て一人で行う

イラストレーターには、フリーランスとして個人で仕事を請ける人も少なくありません。仕事の流れとしては企業勤めのイラストレーターと大きな差はないものの、個人として請ける場合には、チームを組まない限りにおいては、アートディレクターと呼ばれる人は存在せず、完全に自分自身がディレクションも含めて担当することとなります。

仕事を獲得するための営業、売り込み、プレゼンテーション、コンペティションへの出展、仕事に繋げていくための個展の開催及び運営、経理、確定申告など、イラスト制作そのものだけでなく、様々な雑務があります。

事業を法人化していない場合や他の法人等と提携していない場合は、これらの雑務をすべて一人で行わなければなりません。企業勤めの場合はアートディレクターが進行管理やクオリティチェックを行いますが、フリーランスのイラストレーターは、そうしたことを全て自分で行います。

それに加えて、クライアントの要望に応じて修正や描き直しの作業も行わなければならず、非常に大変です。しかし自分一人で制作が行えることは時に気楽で、顧客の要望を逸脱しない範囲であれば、ある程度自由な表現が行えます。

イラストレーターの仕事のやりがい

自分の個性を生かしたイラストで「表現」を行えることがやりがい

イラストレーターは、特に企業勤めの場合、自分以外の多くの人のことを考えながら、一定の制作ペースを維持し続けなければなりません。しかし、それは逆に言えば、自分の制作物を、他の人の尽力によって実際に形にしてもらえるということでもあります。

会社の看板を背負うにしろ、自分のオリジナルの看板を背負うにしろ、クライアントの要望に沿った形ではあるものの、イラストレーターは、自分ならではの表現を存分に発揮できます。

そうして仕上げたイラストが、広告物やポスターの表紙や挿絵といった形に整えられ、沢山の人に見てもらえる形に起こしてもらえると、自分のイラストをもとにした人気商品が生まれたことの喜びを大きく実感でき、それがイラストレーターの大きなやりがいへと繋がっていきます。

魅力的なイラストで人気になれば、高収入が得られる

イラストレーターとして高収入を得る着実かつ理想的なセオリーは、やはりまずはデザイン事務所や広告代理店、アニメやゲームの制作会社などにイラストレーターとして採用されて、企業の一員として経験とスキルを積み、ディレクション能力も含めて仕事の実態を掴む事です。

そして日々の仕事の中で人脈も築いていき、ここだというタイミングで独立して、フリーランスのキャリアをスタートさせるのが最も失敗が少ない方法です。会社勤めによって個人では請けられない規模の仕事に慣れておき、発注側の立場も把握できることも、最初に企業勤めをしておくメリットとして大きく働きます。

そうした経験を通して培った感性を、独立したイラストレーターとして発揮し続け、実績を多く重ねていくことで、知名度や人気が継続的に上昇し続けていきます。そうして大きなプロジェクトを任されることも増えていき、さらに厳しい顧客要望に応えるイラストを制作し、また知名度と実績を得る。

この繰り返しが、フリーランスのイラストレーターとして高収入を得ていくためのロールモデルであり、大きな責任のもとでより大きな規模の仕事に取り組めることは、イラストレーターにとって大きなやりがいを生むことでしょう。

イラストの使用のされ方によっては、ロイヤリティ収入を定期的に得られることが可能となる場合もあります。そうするとさらに年収は増えるので、やりがいもひとしおとなることは間違いないです。

イラストレーターの仕事内容まとめ

自分の会社やクライアントが求める表現で成果を作る喜びが大きい仕事

イラストレーターは、単に下請けでイラストを制作していくだけでなく、様々な需要にセンスとスキルで対応していくことが出来る仕事です。たとえ版権もののイラストであったとしても、自分なりのアレンジ要素を付け加えることで、新たな魅力が世間に見出される可能性もあります。

そうした意味では、たかがイラスト、されどイラストで、将来性は非常に高い職業だと言えます。特にゲーム業界ではソーシャルゲームをはじめ新たな需要が常に生まれ続けています。時代の流れを掴み、活躍できるイラストレーターとなることで、第一線に登り詰めることが可能となるでしょう。

イラストレーターの参考情報

平均年収250万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種マンガ・アニメ・ゲーム

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