神職になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

神職になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

神職になるには「神職資格」を得る必要があります。神職となるための資格を得るには大学で専門課程を学んだり、養成所で修行をしたりして「階位」を取得しなければなりません。階位を取得することができる大学や養成所の紹介から、神職に向いている人や女性神職の現状について詳しくお伝えしていきます。

神職になるには何が必要?

神社で仕事がしたい、神職になって神事に関わっていきたいという人が増えてきているそうです。これは、近年の神社ブームが影響していることもあり、改めて神職という仕事が注目されてきているのだと思います。

しかし、神社で仕事をするということ、神職という職業についてはあまり知られておらず、ましてや神職になるための具体的な方法を知っているという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。ここでは神職となるために必要なことや、女性の神職について紹介していきます。

奉職先は自分で探す

神職になるには大学や養成所へ通って資格を取得する必要がありますが、就職先は自分で探さなければいけません。

一般社会では会社に就職するといいますが、神道界では就職することを「奉職」すると表現します。実家の跡継ぎや、神職弟子でいずれ神職に就くという人でない場合、一般社会と同じように就職活動をして、自分で奉職先を探さなければなりません。

しかし、神道界には一般社会でいうところの求人募集はありません。神職となる人の多くは、神道界にいる人づてに奉職先を見つけるのが一般的ですが、大学在学中に学校に来た求人から奉職先を見つけるケースもあるようです。

有名企業への就職活動で競争倍率が高いように、有名な神社や大きな神社には奉職希望者が殺到し、奉職するための競争率は高くなります。

注意が必要な神社や中途採用について

大きな神社は競争率が高いため、地方の神社へ奉職することを考える人もいるでしょう。地方の神社は希望者が少なく競争率も低いかもしれませんが、毎年奉職者を募集している神社には注意が必要です。

毎年奉職者を募集する神社は労働環境が悪いなど、問題のある神社である可能性もあります。神職がすぐに辞めてしまうために毎年採用している可能性もあるので、問題のある神社でないかどうかはしっかり調べる必要があるでしょう。

また、中途採用のほとんどは、つてや縁故を通して神職となっているようです。普通に資格を取得しただけでは中途採用で神職になることは難しく、就職活動をして自分から奉職先を探していく必要があるでしょう。

女性の神職について

神職を目指す女性も年々増えているそうで、現在約22,000人の神職のうち、約3,000人もの神職が女性だといわれています。しかし、まだまだ女性の神職の地位は確立されておらず、いまだに女性神職を認めないという人もいます。

これまでの長い歴史の中、そのほとんどの期間「神職になれるのは男性だけ」という考え方が続いていました。これは女性が神職になることを不利にしている理由の一つで、女性が神職に奉職するようになったのは第二次世界大戦より後のことで、まだまだ女性神職の歴史は短いです。

今でも女性神職を認めない人はいて、女性神職を認めないばかりか、女人禁制で祭祀を行なったりする神社もあります。トンネル工事の祈祷では、今でも男性神職だけで行なうこともあるようで、女性神職の歴史はまだまだ浅いということがいえます。

今後の展望は明るい?

巫女もいないような小さな神社には女性専用の更衣室はなく、女性神職は苦労するといいます。女性だからといって力仕事をしないわけにもいかず、宿直勤務もあるため女性神職は体力的に厳しいものがあるそうです。

しかし女性神職の未来が閉ざされているわけではありません。時代とともに、女性神職を受け入れる神社も増えてきているのは事実で、社家の出身ではない女性神職が宮司に就任したという話を聞くこともあります。

女性の神職ならば、男性よりもきめ細かな対応や気遣いができますし、男性神職には難しい女性特有の相談や悩みへの対応も一手に担うことができます。このようなことから、神社の活性化につながるとして、女性神職への期待も高まっていくと予想されています。

神職に向いている人、適正がある人

神職という職業から思い浮かべるイメージは、どこか浮世離れした神道を極める宗教家というものであるかもしれません。しかし、神道を極めることだけを目的にする人では、神職の仕事を勤め上げることはできません。

神職に求められる仕事はさまざまで、臨機応変に対応しなければならない場面もたくさんあります。神職に求められるものは何か?どんな人が神職に向いているのかについてお伝えしていきます。

コミュニケーション力も必要

神職は浮世離れした宗教家ではなく、神社のスポンサーともいえる氏子(うじこ)や参拝者に対しても安心や安らぎを与える存在でなければなりません。特に氏子との関係は重視しなければならず、密にコミュニケーションを図りながら、良好な関係を保っていけるよう気を使わなければいけません。

当然のことながら、参拝者との関係も大切にしなければいけません。何度も足を運んでもらえるよう、いつも神社をきれいにし、見覚えのある参拝者には声をかけてコミュニケーションを図ります。神職に顔を覚えてもらった、気軽に声をかけてくれる気さくな神職だと思ってもらえれば、参拝者の方も神社へ足を運びやすくなるでしょう。

伝統を重んじる心も大切

神職になりたいと思う人は、伝統的な文化や行事に関心が高い人だと思われます。ですから、神職に就きたいという人は皆、伝統を重んじる心があるといえるでしょう。

神道は古くから日本に伝わる文化の一つで長い年月をかけて形成され、多くの昔ながらのしきたりや伝統があります。ときには回りくどく無駄に思えるような「しきたり」も、確固とした理由があり、そのまま現代まで受け継がれてきているのです。

古い時代から日本に伝わってきた伝統を後世へ引き継ぐためには、伝統を重んじながらも、時代に寄り添う形で仕事をしていく必要があるでしょう。

奉仕の精神が求められる

神社で働く神職の中には仕事とプライベートの境が曖昧という人もいます。たしかに神職の仕事はマニュアル沿って進めていくのではなく、やるべき仕事を自分で決めたり、余裕があれば参拝者の対応をしたりと、自分の思い通りに仕事を進めていくことができます。

日常的に行なう仕事としては掃除や修繕などが主で、誰からも指示をされることはありませんが、その時々に合った臨機応変な行動が求められます。自分の思い通りに進めていくのではなく、「奉仕」の心を持って臨機応変に仕事をしていく必要があるのです。

神への信仰の下、常に感謝の気持ちを持って奉仕活動を行える人が神職に向いているといえ、そこに喜びを感じることができる人なら、神職という仕事を滞りなく進めていくことができるでしょう。

神職は「奉仕」をする仕事

一般社会の就職に当たることを神道界では「奉職」といいますが、一般社会で「仕事」に相当することを神道界では「奉仕」といいます。「神事に奉仕する」「お祭りに奉仕する」といった使い方をしますが、このような例からも奉仕の心が大切だということがわかります。

奉仕する際は宮司と密にコミュニケーションを図り、参列者へさり気ない気遣いをしながら、神事やお祭りに奉仕していくことになります。

神職になるための学校・養成所

神職資格を得るためには大学で学んだり、養成所で学んだりして「階位」を取得することが必要です。ここでは「階位」を取得することができる大学や、養成所について紹介していきます。

神道を学べる2つの大学

神職資格を得るための学校としては、國學院大學(神道文化部)と皇學館大学(神道学科)の2つの大学があり、この2つの大学で神道について学ぶことで神職資格を得ることができます。

神道界には「階位」という概念があり、この階位を取得することが実質的な神職資格を得るということになります。階位は神社本庁が発給しているのですが、神社本庁は宗教法人であり、神職の資格は僧侶などと同じように民間資格となります。

階位には、浄階、明階、正階、権正階、直階があり、この内のどれか一つを取得しなければ神職資格を得ることはできません。階位を取得するには専門課程のある大学へ通う方法の他、専門の養成所で修行をしたり、神職養成講習会で学んだりして階位を取得する方法があります。

神道を学んで階位を取得する

神職になるには神道について学ぶことが必要不可欠です。神道を学ぶことができるのは國學院大學(神道文化部)と皇學館大学(神道学科)の2つですが、皇學館大学で神道を学ぶ学生の約7割は社家以外の一般出身の学生だそうです。

また、専門の養成所で修行をすることでも階位を取得することができます。神道養成所があるのは、志波彦神社・塩竈神社や出羽三山神社、熱田神宮などで、修業年数2年ほどで階位を取得することができます。

神職養成講習会を受けて階位を取得することもできますが、講習会を受けるためには神社本庁の推薦や、宮司の推薦が必要となります。実質的には講習会を受ける人は、すでに神社に勤務することが決まっている人や、実家の神社の跡を継ぐ必要があり、急遽神職の資格を取得しなければならない場合などに限られます。

神職になるには?まとめ

奉仕の心を持つことが大切

神職というと、世襲でなるもの、神社とつながりがある人がなるものと考える人が多いかもしれませんが、神職資格を得ることができれば、一般の人でも神職になることができます。

神職になるには奉仕の心が必要ですが、氏子との関係、参拝者との関係も大切にしなければいけません。仕事という捉え方ではなく、奉仕させていただくという気持ちを持ち、伝統を重んじる心があれば、神職の仕事を円滑に進めていくことができるでしょう。

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