塾講師の給与・年収は?気になる初任給額や全産業の平均給与額と比較して解説

塾講師の給与・年収は?気になる初任給額や全産業の平均給与額と比較して解説

塾で教鞭をふるう塾講師は、多くの生徒の将来にかかわり、生徒からの人気にも左右されるので、教師以上にプレッシャーもある職業ですが、どの程度の給与をもらって働いているのでしょうか。塾講師の給与や年収について、統計データを踏まえて紹介します。

塾講師の初任給

塾講師の多くは大学卒業後、一般企業への就職と同様に、塾の職員として就職します。最初にもらう給料はどの程度の金額になるのでしょうか。

全産業平均と同等

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によれば、平成30年の「教育、学習支援業」における初任給と、全産業を平均した初任給は以下の通りです。

学歴 男女計 男性 女性
教育、学習支援業 全産業 教育、学習支援業 全産業 教育、学習支援業 全産業
大学院修士課程修了 23.2万円 23.9万円 23.7万円 24.0万円 22.7万円 23.4万円
大学卒 20.6万円 20.7万円 21.2万円 21.0万円 20.3万円 20.3万円
高専・短大卒 18.3万円 18.1万円 17.6万円 18.3万円 18.3万円 18.0万円
高校卒 15.9万円 16.5万円 15.9万円 16.7万円 15.9万円 16.2万円

就職直後においては、すべての学歴において、全産業の平均とほぼ差がないスタートとなっているようです。

塾講師の平均給与の統計

厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、塾講師を含む「個人教師、塾・予備校講師」において、全ての事業規模および男女合わせた平均給与額は25.7万円となりました。

同じ期間で集計した全産業の平均給与額が30.4万円であり、塾講師のほうが15%ほど低い給与となっているようです。

男女間における給与格差も大きく、男性のほうが2割ほど高い傾向にあります。なお、事業規模による給与額の差はそれほど大きくない傾向にあるようです。

事業規模 男+女
全事業規模平均 25.7万円 27.1万円 23.6万円
1,000人以上 26.8万円 28.1万円 24.9万円
100-999人 24.7万円 25.9万円 22.8万円
10-99人 25.7万円 27.2万円 22.9万円

年齢・男女別給与平均

年齢および男女別の給与平均は以下のようになっています。

男性

年齢 個人教師、塾・予備校講師 全産業平均
全年齢 27.1万円 33.6万円
~19歳 15.5万円 17.9万円
20~24歳 21万円 21.1万円
25~29歳 23.5万円 24.8万円
30~34歳 26万円 28.9万円
35~39歳 28.5万円 32.4万円
40~44歳 32.1万円 35.9万円
45~49歳 32.3万円 39.5万円
50~54歳 32.4万円 42.4万円
55~59歳 32.3万円 41.2万円
60~64歳 31.9万円 29.4万円
65~69歳 24.1万円 26.1万円
70歳~ 22.8万円 27.1万円

女性

年齢 個人教師、塾・予備校講師 全産業平均
全年齢 23.6万円 24.6万円
~19歳 17.9万円 16.9万円
20~24歳 20.9万円 20.3万円
25~29歳 22.9万円 22.6万円
30~34歳 24.7万円 24.2万円
35~39歳 23.9万円 25.4万円
40~44歳 24.8万円 26.2万円
45~49歳 26.5万円 26.8万円
50~54歳 26.1万円 27万円
55~59歳 25.3万円 26.3万円
60~64歳 22.1万円 22.4万円
65~69歳 19.1万円 22万円
70歳~ 34.6万円 23万円

※19歳以下および65歳以上はサンプル数が少ないため、正確な統計となっていない可能性があります。

女性は平均30万を超えず

給与額の平均値を見ると、女性は全年齢帯において30万円を超えることがありませんが、全産業平均との格差はほとんどないことがわかりました。

反対に男性は40歳~64歳までは30万円以上の給与をもらえますが、全産業平均との差が激しく、また年を追うごとに給与差が大きくなる傾向から、塾講師は昇給幅が小さく、全産業から見ればあまり高い給与水準とはいえない現状が見えてきます。

塾講師の年収統計

給与同様に統計から年収を類推した結果、全事業規模および男女合わせた平均年収は361.9万円となりました。

全産業の平均年収が491.2万円であり、格差が26%に広がっていることから、塾講師は賞与を含めた手当の割合が低いことがわかります。

全事業規模においても、400万円を超えるのは1,000人以上の事業規模における男性のみであり、改めて年収の低さが浮き彫りになっています。

事業規模 男+女
全事業規模平均 361.9万円 384.4万円 326.7万円
1,000人以上 390.8万円 416.4万円 355.9万円
100-999人 340.7万円 359.6万円 311万円
10-99人 354.1万円 378.1万円 311.7万円

年齢・男女別年収平均

同様に、年齢および男女別の年収平均は以下のようになっています。

男性

年齢 個人教師、塾・予備校講師 全産業平均
全年齢 384.4万円 551.7万円
~19歳 190.7万円 261万円
20~24歳 274.1万円 331.5万円
25~29歳 335.0万円 417.7万円
30~34歳 371.2万円 490.9万円
35~39歳 413.2万円 545.3万円
40~44歳 450.3万円 598.2万円
45~49歳 466.9万円 656.3万円
50~54歳 474.3万円 701.5万円
55~59歳 489.4万円 669.6万円
60~64歳 428.6万円 442.1万円
65~69歳 310.9万円 364.8万円
70歳~ 277.4万円 361.3万円

女性

年齢 個人教師、塾・予備校講師 全産業平均
全年齢 326.7万円 377.8万円
~19歳 233.7万円 226.6万円
20~24歳 277.4万円 297.0万円
25~29歳 331.2万円 353.8万円
30~34歳 346.4万円 376.6万円
35~39歳 333.2万円 392.6万円
40~44歳 339.5万円 408.1万円
45~49歳 369.4万円 417.3万円
50~54歳 349.0万円 417.0万円
55~59歳 338.0万円 403.1万円
60~64歳 288.7万円 325.1万円
65~69歳 266.3万円 304.1万円
70歳~ 417.6万円 317.1万円

※19歳以下および65歳以上はサンプル数が少ないため、正確な統計となっていない可能性があります。

男性ピークでも500万に届かず

最も高い年収を獲得できているのが55~59歳の男性ですが、この層でも平均年収は500万に届かず、最高でも489.4万円にとどまりました。

全産業との年収を比較した割合にも差が出ています。男性の給与を比較した割合では、全産業平均の80.8%でしたが、年収を比較した割合は69.68%と、10%以上格差が広がっています。

女性も男性ほどではありませんが、格差に広がりがみられ、9%ほどの差が開いています。したがって、全体的に塾業界は、賞与や手当の支給があまり高額ではないことが考えられます。

60歳以降は格差が縮まる

しかし60歳以上になると状況は少し変わり、男性においては最大67%まで広がっていた格差が97%弱まで縮まっています。

塾講師は年齢を重ねても現役で働き続けることができるため、年収の下がり幅が小さく済み、定年により大きく下がる他産業との差が埋まるのでしょう。

年収を大きく上げるには

これまでの統計からみて、塾講師の収入は大きくないことが読み取れました。では塾講師が高額の収入を得るためにはどうすればよいのでしょうか。

塾講師の収入は1授業(コマ)あたりの単価の積み重ねから計算されるのが一般的です。正社員であっても基本的な考え方は変わらず、高いコマ単価を得られるようになれば給料は上がっていきます。しかし1コマ当たりの単価上昇には限界があり、年収1,000万円を目指せるほど高い単価は望めません。

次に考えられるのが講師としてではなく、管理職としてのポジションに就くことです。教壇に立たずに組織運営や学校運営にかかわることで、管理職として高い給与を得ることができるでしょう。

ただし、それまで担当していた授業とは全く違う仕事になるため、塾講師の仕事が好きだという人には向かないポジションかもしれません。もう一つの方法は塾を立ち上げることです。個人塾は塾長であり、講師も務める自分自身の評判にすべてがかかるため、その重圧は大きなものになるでしょう。

一つ大きな失敗をすれば塾の経営が立ち行かなくなるリスクを抱えることになりますが、自分の理想の教育を行うことができ、また成功すれば高収入にもつながります。塾経営が順調にいき、複数の教室を持つことができるようになれば、年収1,000万円も夢ではないでしょう。

塾講師の給料・年収まとめ

全産業平均と比べると低いが、独立して成功すれば高収入の可能性も

塾講師の給料は全産業の平均と比べて低く、高額の収入を得るのが難しい職業に入ります。20代では大きな差はありませんが、それ以降の昇給幅が小さいため、年を追うごとにその格差は大きくなっていきます。

また年収で見れば、賞与や手当額の差が理由となり、さらにその格差は広がります。全年齢の平均年収額は全産業の70%程度に収まる程度であり、ピークである50代でも500万円の年収を得るのは至難の業です。

塾講師として高額の収入を得るためには管理職の道を選ぶか、独立して個人の塾を持つか、2つの選択肢があります。管理職になると教壇に立つことは難しくなり、個人塾は塾長である個人の人気や評判に多くが左右されるため、経営が安定しない恐れがあります。

どちらの道を選んでもリスクはありますが、高額の収入を得るためには検討していく必要があるでしょう。

統計情報 出典元:

役立ったら応援クリックお願いします

にほんブログ村 資格ブログへ

塾講師の関連記事

教育・保育に関する他の職業KANREN JOB