エステティシャンになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
エステティシャンになるために、特別な資格の取得や試験などは必要ありませんが、美を目的とした肌質の向上やボディラインの改善など、エステティックに関する様々な知識や技術が求められます。本記事では、エステティシャンになるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
エステティシャンになるには何が必要?
第一に、美に対する高い意識と興味・関心が必要
エステティシャンは、美の向上・改善を主軸に置いたエステティックの手法によって、多種多様なケアを施します。近年ではトータルビューティーの観点が重要視され、見た目の美しさの向上だけでなく、内面の健康増進にも働きかけるなど、より総合的な身体機能への働きかけが求められています。
従来のエステティックに対する考え方は、フェイシャルケアやボディケア、フットケアなど主に露出が大きい部分の矯正や調整を行うことで「表面的な美」を磨くというものでした。しかしながら今では、健康意識への高まりに比例して、身体面での健康を増進することによって美を磨いていくといった考え方が主流となってきています。
現在のエステティシャンは、表面的な美へのこだわりや熱意はもちろん、より深い意味での「美への探究心」をも求められるようになってきています。表面に現れてくる美しさは、必ずしも表層を磨くだけで生まれるものではありません。
表面に見えてこない部分、内臓や血管の状態の改善、循環器や神経機能などの改善から美は生まれる、という考え方が今後ますます必要となってくるでしょう。そうした考え方によって美容効果を生み出していくためには、肌ケアや美白、脱毛などの表層的な知識のみでは太刀打ちできません。
生理学、病理学、解剖学、栄養学、内外科学、心理学、人間科学、健康心理学など、多種多様な分野に対する知的関心を持ち、それらのあらゆる知識を美の向上へとつなげて考えられるほどの「美への興味・関心」と「美への熱意」がエステティシャンには必要です。
国家資格が設けられてないからこそ、信頼性を高める勉強が不可欠
エステティシャンには明確な国家資格が存在しません。ですので、重要なのは肩書きではなく、エステティシャン個人が持つ知識や技能そのものです。そうした個人の持つ実力への信頼性の積み重ねが、エステティシャンという職業を守っているのが現状です。
民間資格は数多くあるので、そうした知識や技能のレベルを可視化するために肩書きがあると安心ではありますが、それは国単位で公的に保証されたものではありません。だからこそ、エステティシャンは安易な気持ちで施術にあたってはいけません。明確な国家資格という裏打ちがない状態で事故を重ねると、エステティシャン全体の社会的信頼が失墜するからです。
将来的に、エステティック分野の技術水準を保証する国家資格が整えられていく可能性は十分にあります。エステティシャンには、そうした時に備えて、自らの職の社会的信頼性を常に高め続けていく熱意と、日々の勉強の積み重ねが求められています。
エステティシャンに向いている人、適性がある人
自分のこだわりよりも他人の幸せを大切にできる柔軟な思考を持つ人
エステティシャンには、美への高い意識が必要不可欠です。自分なりのこだわりを持つことは大切ではありますが、それだけにとらわれてしまうことは公益性の観点からいっても大きなマイナスになってしまいます。
現在、エステティック分野の施術法や機器は日進月歩で発展を続けており、様々な国の伝統医学、例えばインドの伝統医学であるアーユルヴェーダや、ハワイの伝統的なマッサージ法であるロミロミなど、効果のありそうな技法や考え方が次々に発見・発掘され、現場の施術に取り入れられています。
こうした最新の技術や新たな流行に対して毎日のようにアンテナを張り、リサーチを重ね、美容への効果が明確であり、より大きなものとなる手法は、取り入れられるものであればすぐさま取り入れて、より人々の美の向上へつながるように、施術のなかで活かしていくことが大切です。
また、昔ながらの手法にこだわることも大切ですが、それよりも有用かつダメージが少ない手法が新たに開発されれば、効果を検証したうえで従来の手法を捨てるという選択肢も重要になってきます。そのためには、自らのこだわりよりも人々の幸せを優先して考えられる姿勢が求められます。
人々の心に寄り添える思いやりを持った人
エステティシャンに求められることは、必ずしも美容効果のある施術だけではありません。近年は特に、ストレスや精神的な不調をケアしていくアプローチも、美容には欠かせないものとなってきています。
つまり、人々はエステティシャンの施術に対して、美容効果だけを求めているわけではなく、「癒し」も求めているのです。必ずしも全員がそうであるとは限りませんが、元来マッサージやフットケアといった手法は、心と身体をリラックスさせる効果も大きいものです。
アロマテラピーの技術や知識を持ったエステティシャンも増えていますが、そうした場合は精神状態に応じた適切なアロマを焚くことによって心身ともにリラックスさせ、安心して施術に臨んでもらえるように環境を整えます。
また、ヒアリングの際や、直接的に身体に触れる際の細やかな気遣い、配慮、心遣いも大切で、なるべく施術を受ける人たちが不快な思いをしないように尽力する思いやりと、工夫を凝らした対応が求められます。
顧客がなぜ施術を求めるのか、ということを適切に察してあげることも大切で、理想的な距離感と気遣いによって、信頼と安心をかたち作っていくことがエステティシャンには求められます。ふみ込みすぎず、突き放さず、思いやりを大切に人と接することができる人がエステティシャンに向いています。
エステティシャンになるための学校・教室
エステティックに関する知識を学べる専門学校への進学が定石
エステティシャンの仕事を始める際には特別な資格や免許などは必要なく、誰でもエステティシャンを名乗ればエステティシャンになることができます。
ただし、仕事として成立させるためには社会的な信頼性を担保する必要があります。だからこそ専門知識や技能をしっかり身につけなければなりません。エステティシャンとして就職するためには、エステティック分野の専門学校を卒業していることがほぼ必須条件となっています。
組織への従属よりも、個人としての対応力が求められるエステティシャンの仕事だからこそ、就職前から基礎的な知識と基本的な手技をはじめとする技能がある程度身についていることを前提とすべき、という考え方が強いのかもしれません。
学校選びは、取得したい資格認定団体の認定校を選ぶのがおすすめ
エステティシャンになるためには資格が特に必要ない状況であるからなのか、とにかく民間資格の数が多いことが挙げられます。
そして、それぞれの認定資格は管理している団体が異なり、認定基準も細かく異なっています。国内の資格だけでなく、海外で活かせる国際資格も乱立している状態です。
エステティシャンの資格認定団体には、日本エステティック協会(AJESTHE)、日本エステティック業協会(AEA)などがあり、それぞれの団体が別々に協会認定校を各地に置いており、資格取得のためにはそれらの認定校で所定のカリキュラムを修了しなければならないという場合もあります。
日本エステティック協会が認定する資格には、「AJESTHE認定エステティシャン」などがあり、日本全国に100校を超える認定校を持っています。また、国際認定校とされる限られた学校に進めば、日本エステティック協会と提携している国際的な教育機関であるCIDESCOが認定する「Beauty Therapy Diploma」という国際資格も目指すことができます。
日本エステティック業協会が認定する資格には「AEA認定エステティシャン」「AEA認定インターナショナルエステティシャン」などがあり、協会認定校は東京、大阪、石川、山口、沖縄にあり、その数は合計で8校となっています。
これらはあくまでも代表例となり、通信教育のみで得られる資格などもありますが、学校選びの際は、日本でよく知られた職能団体、資格認定団体の認定している認定校を選ぶといいかもしれません。そうした学校を選ぶことで、いざ、資格を取得したい、となった時の選択肢が広がるでしょう。
エステティシャンになるには?まとめ
より美しく、より健康的に生きる人々の手助けができる仕事
エステティシャンの役割は近年ますます広がっています。それは美容に関する考え方が根本的に変わってきたことが影響しています。表面的な美しさを磨くことで美を向上させるのではなく、内面的な健康を増進していくことによって総合的に美しくなっていこうというのが今の美容の主流です。
美しさと健康は今や、切っても切り離せない関係性になりつつあります。人々の美しさだけでなく、健康に生きていくことをも後押しできるエステティシャンの仕事は、今後ますます需要が高まっていくはずです。
エステティシャンの参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 美容・ファッション |
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