納棺師の給与・年収は?初任給や平均月収、支給される手当まとめ

納棺師の給与・年収は?初任給や平均月収、支給される手当まとめ

故人をあの世を送り出す納棺師の仕事を、間近で見たという方も多くいらっしゃるでしょう。別名「おくりびと」と呼ばれる納棺師の仕事に、憧れを抱く方は多いです。では、実際に納棺師として働いた場合、給与年収はいくらいになるのでしょうか。この記事では、具体的な給与年収や年収アップが期待できる点などをお伝えします。

納棺師の初任給

納棺師の初任給は15万円ほど

納棺師の就職先として、最も多いのが葬祭会社になります。その場合、納棺師の仕事だけを担当する訳ではなく、葬儀に関わる全ての仕事に携わることになります。葬儀の見積もりや会場設営、運営や事務処理など、仕事内容は多岐に渡ります。

また、納棺師として働くのに特別な資格や学歴などはありません。納棺師の役割を担う大半の方が、葬祭会社に就職してから納棺師としての知識や技術を習得しています。そのため、就職してから一人前に育てられる納棺師の初任給は、15万円ほどが相場となります。

ちなみに、厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査によると、高卒の初任給が約18万円、大学卒の初任給が約21万円となります。この金額を見てわかるように、納棺師の初任給は非常に低い金額となっています。

地域や企業規模によって給与が異なる

葬儀の内容や文化は、地域によって様々です。故人を盛大な儀式で送り出す地域もあれば、都市部では「家族葬」や「直葬」といった小規模で簡略化された葬儀が増加傾向にあります。それに伴い、葬儀に費やす費用も地域によって異なります。そのため、納棺師が受け取る給与額も、葬儀に費やす費用が多い地域の方が高くなる傾向にあります。

また、全国に4,000~5,000社あると言われている葬祭会社の中には、大小さまざまな企業が存在しています。葬祭を専門に扱う企業だけでなく、農協や冠婚葬祭互助会なども葬祭業を営んでいます。そのような企業に納棺師として就職する場合、その企業規模によって給与額も大きく異なります。

企業規模が大きいほど給与額も高くなるため、就職活動時の企業選びが非常に重要になってきます。

納棺師の平均給与の統計

納棺師の平均給与は約25万円

これまでお伝えしたように、納棺師として働く場合、葬祭関係会社に就職する方が大半を占めます。そのため、葬祭関係会社に就職した場合の平均給与を参考にすると、納棺師の平均給与は約25万円となります。

また、納棺師になるのに特別な資格や学歴は必要なく、入社後に納棺師としての知識と経験を積むことになります。そのため、納棺師の仕事をしたからといって、特別な手当てを受け取れる訳ではありません。納棺師としての手当てが加算されないため、一般的なサラリーマンと比べて低い平均給与となっています。

突発的に残業となる場合もある

納棺師の仕事だけで考えると、納棺の事前準備や後片付けで合計1時間半の時間を要します。しかし、納棺師は葬祭関係会社に就職するケースが多く、葬祭に関する仕事全般を担当するため、実際の業務時間は一般的なサラリーマンと同程度となります。

また、人が亡くなるのは予告もなく突然です。そのため、時期によっては1日に扱う葬儀の件数が3~4件と多くなります。さらに、亡くなられる時間帯も様々であるため、突発的に対応せざるを得ない状況も出てきます。

納棺師の勤務はシフト制となる場合が多いため、突発的な対応は担当者を交代して対応することになります。しかし、時には1人の担当者が複数件の葬儀を対応するのに残業となるケースもあり、残業手当が付与されます。

休日は週休2日が多い

人の死に関する仕事であるため、突発的な対応を余儀なくされる場合もありますが、休日は週休2日制が基本となります。日曜日にお通夜や葬儀を執り行わない地域が多いため、基本的には日曜日を休日とし、もう1日はシフト制により他の職員と交代して休むことになります。

ただし、葬祭関係会社の中には、職員を少人数制とする中小企業もあります。そのような企業の場合は、突発的に葬儀の対応をせざるを得ず、予定していた休日に休むことができず、振替休日で対応することもあります。

企業規模や従業員数によって予定通りに休日を取得できない可能性もありますが、週休二日であることは、心身の休息には有効です。納棺師の離職率は約8割と非常に高く、日々人の死と向き合う仕事内容であるため、休日にしっかりとリフレッシュすることが重要になります。

ワークライフバランスの実現には大手葬祭会社への就職

女性が納棺師として働く場合、重要視されるのは平均給与だけではなく、出産や子育てによって産休・育休を取得できるか、または、柔軟な働き方に対応してもらえるかが問題になります。

中小規模の葬祭会社では、従業員数が少ないことから出産で離職する割合が高く、産休や育休の制度が確立していないのが現状です。しかし、大手の葬祭会社の場合は、女性の就業支援に力を入れている企業も多く、産休・育休を取得することも可能です。

納棺師として長く勤めたいという方は、大手の葬祭会社に就職することで、ワークライフバランスを実現することができるでしょう。

納棺師の年収統計

納棺師の年収は300~400万円

納棺師の年収は、就職する企業規模や地域によって異なりますが、約300~400万円が相場と言われています。一般的なサラリーマンの平均年収が約420万円であることを考えると、納棺師の年収は平均よりも低めであることが分かります。

大手葬祭会社の場合は年収が高くなる

納棺師の平均給与は平均より低めですが、大手の葬祭会社に就職する場合は例外となります。大手の平均年収は約500~600万円と非常に高く、管理職として働く方の中には年収1,000万円以上となる場合もあります。

しかし、大手の葬祭会社で働き、出世して年収が上がるほど、仕事内容が部下の管理や指導になることが多く、実務として納棺師の仕事ができなくなる傾向にあります。

若手社員の間は実務を経験し、勤務年数が上がれば後輩育成に力を入れ、安定的な給与を受け取りたいという方には大手葬祭会社が良いのかもしれません。しかし、いつまでも納棺師として現場で働きたいという方には、中小規模の葬祭会社で働くのが良いでしょう。

納棺の専門会社で働く場合は、さらに年収が低くなる

納棺師として働く方の中には、納棺や湯灌を専門とする会社に就職する方もいます。その場合は、葬祭会社のように葬儀全般を担当する訳ではなく、納棺や湯灌のみを行うことになります。

そのため、葬祭会社の下請けとして作業することが多く、葬祭会社で働く年収よりも、さらに低い金額となる傾向にあります。仕事内容としては、納棺や湯灌など故人を弔う儀式に集中でき、納棺師としてのやりがいが大きい仕事です。しかし、年収アップは期待できません。

専門業者で納棺師としての経験を積み、将来的には大手葬祭会社などに転職することをオススメします。

新しいサービスを提供する葬祭会社は年収アップが期待できる!?

葬祭会社の中には、エンバーミングを取り入れている企業が増えています。エンバーミングとは、遺体の状態を維持し、腐敗を防ぐ技術のことです。

他にも、遺体を綺麗な状態に修復・維持する作業も行います。日本におけるエンバーミングの件数は、1995年に約8,400件であったのが、2016年には約37,000件に増えており、認知度も高まっています。

元々は、土葬を主とする欧米諸国で発達したエンバーミング技術ですが、日本では故人の遺体をきれいな状態に保ちたいという遺族の要望により、エンバーミングが普及しています。

エンバーミングの医療技術と専門知識をもつ人のことを「エンバーマー」を呼び、エンバーマーの資格を取得するのは非常に難しいとされています。そのため、エンバーマーと納棺師は、全く異なるものになります。

日本の葬祭会社の中でもエンバーミングを取り入れている会社があり、その費用は1件当たり15~25万円となります。納棺師の専門会社では、納棺1件に対して5,000円程度の費用であることを考えると、エンバーミングは非常に高額なサービスとなります。

そのため、エンバーミングのサービスを提供している葬儀会社は、収益率も高まることが予想されます。エンバーミングの仕事は納棺師の仕事とは直接関係はありませんが、葬祭会社に就職して安定的な年収を得るためには、その会社がどのような葬儀サービスを行っているのかをよく理解することが重要となります。

納棺師の給与・年収まとめ

納棺師の年収は低め!葬祭会社の規模や収益状況によって年収アップが期待できる!

納棺師の年収は300~400万円であり、一般的なサラリーマンの平均年収と比較すると低めです。

就職する企業規模や地域によって給与額に変動があり、大手の葬祭会社に就職する方が高い年収を期待することができます。納棺師の年収や働きやすさは、葬祭会社の収益状況によって左右します。

就職活動をする時は、その企業の規模や提供するサービスの利益率などをよく確認することが重要です。

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納棺師の参考情報

平均年収300万円~600万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種葬祭・宗教

統計情報 出典元:

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