キックボクサーの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

キックボクサーの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

本記事では、キックボクサーの仕事内容とともに、キックボクシング界の現状やルールについても解説しています。体が資本となる仕事で打撲や擦り傷は絶えませんが、そんなキックボクサーのやりがいや苦労についてもご紹介します。

キックボクサーの仕事とは?

キックボクサーの仕事はリングに立ち、キックボクシングの試合をすることです。しかし、キックボクシングの収入だけでは生活していくことは難しく、他の仕事やアルバイトをしながらキックボクサーを続けている人がほとんどです。

ここではライセンスを取得したプロキックボクサーの仕事内容について紹介していきます。

年間試合数や階級について

キックボクシングの試合をすることがキックボクサーの仕事ですが、加盟する団体や実力により、年間3~10試合ほどの試合をこなすことになります。日本のキックボクシングの世界ではいくつもの団体が存在し、体重ごとに階級が分けられ試合が行われています。

基本的にはフライ級(50.80Kg以下)からヘビー級(72.57Kg超)まで7つの階級に分けられますが、女子の階級にはフライ級の下に「ジュニアフライ級」という階級もあります。

キックボクシングの試合では、階級が異なる者同士でも、両者の合意があれば試合を行なうことができます。勝敗については「KO」「TKO」「判定」の3つがあり、「判定」の場合はラウンドごとに採点して最終ラウンドまで戦い、ポイントを多く取ったほうが勝ちとなります。

キックボクシングのルールと団体について

日本で行われているキックボクシングはいくつもの団体により試合が行われていて、加盟する団体によってはルールが異なり、ゴルフやサッカーのように「キックボクシング」として世界的に統一されたルールはありません。

それぞれの団体でルールを作り、頭部への膝蹴りを禁止したり、スネによる下半身への蹴りを禁止したりして、それぞれの団体で興行を行っているというのが現状です。

日本で行われるキックボクシングのルールの基となったのは「ムエタイ」で、ムエタイのルールを参考に野口修さんによって作り出されました。パンチによる攻撃に加え、脚を使った攻撃が認められるキックボクシングでは、膝蹴りやひじ打ちなど、ボクシングでは反則となる攻撃も可能です。

日々のトレーニングもキックボクサーの仕事

キックボクサーにとって、年に数回の試合を行なうことだけが仕事ではありません。肉体的にも精神的にも万全の状態で試合に望むためには、日々のトレーニングも大事な仕事になります。

基本的なトレーニングはもちろんのこと、パンチの技術を磨いたり、キックの精度を高めたりといった専門的なトレーニングも行います。シャドーボクシングでは相手を想定した動きを繰り返し、スパーリングでは相手との駆け引きの技術を磨いて、試合に向けたトレーニングを続けていきます。

キックボクサーの具体的な仕事内容や苦労

キックボクサーの仕事は体が資本であるだけに、ちょっとした怪我や病気が選手生命に影響を及ぼすこともあります。試合のたびに擦り傷や打撲の絶えない仕事ですが、そんなキックボクサーの具体的な仕事内容や苦労について紹介していきます。

体への負担が大きい

キックボクシングの試合では、打撲や擦り傷といったものは当たり前で、当たりどころが悪いと攻撃した側の選手が怪我をしてしまうことも珍しくはありません。

中でも心配されるのが、「パンチドランカー」という症状で、脳への衝撃を何度も受けたことが原因で、手足のしびれや震え、バランス感覚を失うなど、さまざまな障害が現れます。

K-1元王者の魔娑斗は自分がパンチドランカーにならないよう、定期的に脳検査を受けていたといいます。タイトルマッチや防衛戦などレベルの高い試合に限らず、どんな試合でもパンチドランカーになる可能性はあります。

キックボクサーを長く続けていくためにはパンチドランカーになる可能性があることも意識して、体調管理をしっかりしておく必要があるでしょう。

統一されたルールがなく、いくつもの団体が乱立している

日本でキックボクシングの興行が始まった1966年からの10年間は、沢村忠という国民的なヒーローが存在し、キックボクシングは爆発的な人気を誇っていました。しかし、沢村忠の引退後は急激に人気も衰えていき、現在に至ります。

日本ボクシングコミッション(JBC)のような統一組織がなく、それぞれの団体で興行し、団体ごとに日本チャンピオンが存在するという状態です。加盟する団体を選べるところは良いのですが、団体が多いと人気も分散してしまうというデメリットもあり、目指すべき目標(団体)が定まらないという選手もいるそうです。

引退後の道が用意されていない

K-1元王者の魔娑斗は世界チャンピオンになったことで、テレビ番組への出演など引退後の仕事でも生活を成り立たせることができています。しかし、このようなケースはごく稀で、多くのキックボクサーは引退後の人生設計に悩み、30代に入ると引退を考え悩む選手が増えるといいます。

キックボクサーをしながらアルバイトを掛け持ちしている人などは、現役引退後の人生設計は切実な問題です。そのままアルバイトを続けていくわけにもいかず、引退時期が遅くなるほど就ける仕事も少なくなってしまいます。

キックボクシングにのめり込むほど、一般的な生活からかけ離れていくというのが、今のキックボクシング界の現状です。

キックボクサーのやりがい

キックボクサーのやりがいの一つに、ファンの声援を受けながら試合をすることが挙げられます。多くの声援を受けられる華やかな舞台に立つことを目指して、日々、厳しいトレーニングを頑張っているというキックボクサーも多くいます。そんなキックボクサーのやりがいや魅力について紹介していきます。

自分の勝利を多くの人に認めてもらえる

キックボクサーのやりがいは、自分を応援してくれるファンや、キックボクシング好きの人たちの前で試合を行なえることです。日頃のトレーニングの成果を発揮して試合に勝利し、その勝利を多くの人に認めてもらうことは大きなやりがいになります。

試合に負けたとしても、善戦していれば観客の心を動かすことができ、多くの声援をもらうことができます。そのような声援が次の試合へのモチベーションとなり、日々の厳しいトレーニングに耐えることができるのだそうです。

ファンとの距離が近い

日本では、キックボクシングはマイナースポーツという認識がありますが、実際に後楽園ホールで行われる興行では、約2,000人の会場がほぼ満員になるそうです。野球やサッカーなどと比べると、選手と観客の距離が近く、手紙やプレゼントを手渡しされるなど直接ファンと触れ合うこともできます。

直接ファンと触れ合えることは選手だけでなく、ファンにとっても大きな魅力となります。憧れの念を抱きながら自分に視線を送ってくれるファンがいて、勝利する姿を見せられるというのは何よりの魅力といえるでしょう。

キックボクシングは魅力的なスポーツ

マイナースポーツといわれるキックボクシングですが、日本全国には熱狂的なファンが存在しています。約2,000人収容の後楽園ホールが満員になるというのも、その人気の表れであり、魅力的なスポーツである証拠ともいえるでしょう。

今でもCSのスポーツ専門チャンネルでは、キックボクシングの試合が放送されています。熱心なファンの応援に支えられ、今のキックボクシング界が存在しているといえるかもしれません。

キックボクサーの仕事内容まとめ

ボクシングにはない魅力があるキックボクシング

キックボクサーは、普通のサラリーマンのような生活を送ることはできません。他人から見れば、大人になって「何を夢見てキックボクシングをするのか」と、馬鹿にされることもあるでしょう。しかし、そのような声を気にしていてはキックボクサーになれません。

普通の人にはできない体験ができるというのがキックボクシングの魅力でもあります。今は業界が成熟していないだけで、次世代のスターになれる可能性があると考えることもできるでしょう。

キックボクサーの参考情報

平均年収50万円〜100万円
必要資格
  • キックボクシングプロライセンス
資格区分 免許
職業職種スポーツ

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