カスタマーエンジニアの資格・試験は?ソフトとハード両方に役立つ資格をご紹介
カスタマーエンジニアの資格・試験について、就職に有利になるソフトウェア関連資格を3つ、ハードウェア関連資格を3つ紹介しています。その他の関連資格についても触れながら、現場で必要となるスキルについてご紹介していきます。
カスタマーエンジニアの資格とは?
カスタマーエンジニアは取得が必須となる資格や試験はない
カスタマーエンジニアになるために必ず取得しなければならない資格というものはありません。この業界では1年ほどの研修期間を設けていることが多く、まったくの未経験であったとしても、研修によって必要な知識や技術を手に入れることができます。
ですが、学歴がまったく必要ないというわけではなく、良い企業への就職を望む場合はそれなりの学歴も必要で、高卒よりも大卒、大卒でも機械工学や電気工学科、通信工学や情報工学などで学んでいれば就職に有利になるといえます。
次章では高校卒や大卒資格を持ったうえで、就職に有利になる資格として「マイクロソフト認定資格プログラム」「シスコ技術者認定」「オラクル認定資格制度」の3つを紹介していきます。
カスタマーエンジニアに役立つソフトウェア関連の資格
マイクロソフト認定資格プログラムについて
マイクロソフト認定資格プログラムは、マイクロソフト製品に関する知識や技能レベルを認定する制度で、資格取得者を企業情報に載せる企業もあるなど、マイクロソフト認定資格プログラムが重視されていることがわかります。
マイクロソフト製品は世界中で最も普及しているもので、この資格を取ることがカスタマーエンジニアの仕事にも直結する力となります。似たような資格にマイクロソフトオフィススペシャリストがありますが、マイクロソフト認定資格プログラムとは別体系の資格となります。
試験の種類と難易度
マイクロソフト認定資格プログラムには「エキスパートレベル(MCSE・MCSD)」「アソシエイトレベル(MCSA)」の2つがあり、エキスパートレベルの方が上位資格となります。
アソシエイトレベルの試験時間は120分程度で合格ラインは70%前後となり、受験資格は特にありません。エキスパートレベルの試験時間は140分程度で合格ラインは70%前後となっていて、アソシエイトレベルに合格しなければ受験することはできません。
マイクロソフト認定資格プログラムの認定を受けるには、2~3科目を受験する必要がありますが、最低でも4万円以上はかかることになります。試験合格に自信がない人は再受験分もセットになった「Exam Replay」を利用するといいでしょう。3割ほど割高になりますが、不合格となった場合は3割の値段で再受験できることになります。
シスコ技術者認定とは
世界基準の資格として、シスコ技術者認定はネットワークの世界で最も有名な資格の一つでもあり、資格保有者は基礎的なネットワークに関する技術(TCP/IP)を持っていると証明することができます。
ネットワークエンジニアに必要な技術や知識を世界的に証明できる資格としてカスタマーエンジニアにつながる部分もあり、企業に対するアピール材料とすることができるでしょう。
シスコ技術者認定の試験は非常に良くできていて、試験範囲はネットワークの基礎から応用までを系統だって網羅しており、自分の弱いところを客観的にチェックすることもできます。
資格のグレードと試験の難易度
シスコ技術者認定は「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」と5つのグレードに分かれていて、アーキテクトが最上位資格となります。その中で最も一般的なものがアソシエイトに属する「CCNA」で、系統だって8つの分野の資格が用意されています。
その8つの中でも人気なのが「Routing & Switching」で、実務に役立つ資格として海外でも人気があるそうです。誰でも受験することができ、合格ラインは非公開となっていますが、およそ8割から9割の得点が合格ラインといわれています。
オラクル認定資格制度(オラクルマスター)について
オラクル認定資格制度には「オラクルマスター」と「Oracle Applications 認定コンサルタント資格」の2つがありますが、一般的にはオラクルマスターのことを指します。知名度の高いオラクルマスターは世界でも通用する資格で、企業から評価される資格として人気があります。
オラクルマスター資格を取得すればデータベースの制作や運用、保守やSQLに関する知識を身に付けることができ、データベース管理者としての能力を証明することができます。
オラクルマスターの種類と合格ライン
オラクルマスターは大きく分けて「ORACLE MASTER Bronze」「ORACLE MASTER Silver」「ORACLE MASTER Gold」「ORACLE MASTER Platinum」と4つの難易度があり、「ORACLE MASTER Platinum」が一番難易度の高い資格となっています。
試験時間はそれぞれ90分から150分、問題数は40問から95問となっていますが、「ORACLE MASTER Platinum」は2日間にわたり実技試験が行われます。それぞれ正答率60%から70%が合格ラインとされています。
カスタマーエンジニアに役立つハードウェア関連の資格
先に紹介した3つの資格はソフトウェアに関する資格ですが、現場で大型のPCを扱ったり、ハードウェアの保守・点検をしたりする場合は、「電気工事士」「認定電気工事従事者」「工事担任者」のどれか一つの資格を取得する必要があります。
これらの資格はカスタマーエンジニアとなった後、就職先から指示されて取得することになりますが、事前に取得してアピール材料とすることもできます。ここでは3つの資格それぞれについて詳しく紹介し、その他の関連資格についてもお伝えしていきます。
第二種電気工事士とは
第二種電気工事士の資格を持っていれば、一般住宅や小規模店舗などの600V以下の一般用電気工作物の工事を行うことができます。第二種電気工事士は、電気のことを知らない素人でも独学で取得することが可能とされています。
試験は筆記試験と技能試験に分かれていて、筆記試験が約60%の合格率、技能試験が約70%の合格率となっています。試験は毎年2回実施されていて、誰でも受験することができます。
第一種電気工事士について
第一種電気工事士では、ビルや工場など大きな電気設備の工事を行うことができます。試験の難易度も圧倒的に第一種電気工事士の方が高く、3~4人に1人しか合格できないとされています。
試験は毎年1回実施されていて、誰でも受験することはできますが、電気工事士として働くためには5年以上の実務経験か、電気科・電気工事科の大学か専門学校卒業から3年以上の実務経験が必要となります。
認定電気工事従事者
認定電気工事従事者というのは、第二種電気工事士が仕事の幅を広げるために取得するもので、600V以下で受電する自家用電気工作物の工事(最大電力500 kWまで)を行うことができるようになります。
認定電気工事従事者の資格には試験がなく、講習を受けるだけで資格を取得することができますが、講習を受けるためには第一種・第二種電気工事士や電気主任技術者の資格が必要となります。試験は年2回実施されていますが、平日の場合が多く、人気の高い日曜日に受験するためには、早めに申し込む必要があるでしょう。
工事担任者
工事担任者の資格は電気通信回線と端末設備を接続する際に必要となる国家資格で、情報通信インフラや接続工事を行ううえで必要となる設計や施工、運用や保守面の管理を行うことができるようになります。
資格の種類はAI第3種~第1種、DD第3種~第1種、AI・DD総合種と7つあり、AI・DD総合種が最上位資格となります。工事担任者試験は毎年2回実施されますが、認定養成課程を修了することで資格を取得することも可能です。
カスタマーエンジニアに役立つ資格が取れる学校
マイクロソフト認定資格プログラムのようなソフトウェアの資格については、参考書で演習問題や模擬試験を解いていくという形で勉強を進めていくのが一般的です。
第二種電気工事士などハードウェアの関連資格は大学や専門学校で学ぶことができ、卒業と同時に資格が取得できることもあるので、目的によってどこで学ぶかを決めるといいでしょう。
カスタマーエンジニアの関連資格が取れる大学
第二種電気工事士など、カスタマーエンジニアの関連資格の取得を目指す場合は大学の電気工学系で学ぶことがおすすめです。大学では時間をかけて勉強していくので、複数の関連資格について学びながら取得していくことができます。
大学では多くのことを学ぶことができ、複数の資格を取得することができるので、資格取得のためではなく、カスタマーエンジニアを目指す目的で通うというのがいいでしょう。
カスタマーエンジニアの関連資格が取れる専門学校
関連資格が取得できる専門学校についても電気工学系で学ぶことが勧められますが、電気工事科や電気工学コースといった名称の学科やコースで、カスタマーエンジニアの関連資格を学ぶことができます。
短期間で技術や知識を習得し、早く働きたいという人には専門学校へ通うといいでしょう。専門学校では、筆記試験や技能試験が免除されるところもあり、卒業と同時に無試験で資格を取得することも可能です。多くの専門学校が2年制という形であり、大学に比べると早く現場に出て働くことができます。
カスタマーエンジニアの資格・試験まとめ
取得しやすい資格を選べる
カスタマーエンジニアの就職に有利になる資格として3つのソフトウェアに関する資格、3つのハードウェアに関する資格を紹介しましたが、ソフトウェアの資格はとても細かく分けられているので、自分の取得しやすいものを選ぶことができます。
自動車運転免許はほぼ必須となりますが、コミュニケーション力を高めることができれば、現場で円滑に仕事を進めていくことができるでしょう。
カスタマーエンジニアの参考情報
平均年収 | 400万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | コンピューター |
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