仏師の給与・年収は?一品ものの仏像を作る、仏像彫刻のスペシャリスト

仏師の給与・年収は?一品ものの仏像を作る、仏像彫刻のスペシャリスト

仏師は、一般的なサラリーマンとは違い、師弟関係をもとにした職人という働き方に近いものです。このような場合、給与や年収もまた、一般的な仕事・働き方と単純比較はできませんが、その実態はどのようなものなのでしょうか。本記事では、仏師の収入面についてご紹介します。

仏師の初任給

新人仏師の給料(弟子としてのお小遣い)は約10万円前後

弟子入りして働く場合、初任給は10万円前後が相場といわれています。

仏師は労働者というよりも「師弟関係」という形態が主となっています。仏師は、多くの場合会社に就職してそこで経験を積むというよりも、すでに仏師として活動している現役の仏師のもとで腕を上げるために「修業」をします。

この「修業」期間中の収入は、「給料」という形で明確に示すことが難しい金額であるといわれており、指導している師からの「小遣い」のような形で生活の面倒を見てもらうというような賃金体系が一般的です。

お小遣いとしては10万円前後貰えるといわれていますが、金額は師によって変動するので、一定ではないとも言われています。ただし、この期間はもらえる金額的には少ないものの、住居などの面倒を見てもらうことができる場合もあります。

また、数は少ないですが昔ながらのお小遣い以外にも給与として時給800円前後で給与を払っている所もあります。給与の所はほとんどが通いで弟子入りというケースが多いです。

仏師の平均給与

仏師の平均給料は約30万円だが、仏像の売れる値段によってかなり変動有り

仏師の平均給与は30~100万円となっています。仏像製作の専門家という意味では、仏師は一般的な給与所得者(サラリーマン)とは、その就業形態において一線を画すると考えるのが自然でしょう。

ですが仏師の場合は一人前となるとほぼフリーランスと同じ扱いになるため、上記に平均給与を挙げましたが、仏像が売れた時の値段によって平均給与は変動する可能性が高いです。

それについて以下に詳しく解説いたします。

作る仏像によって報酬が異なる

仏師が実際に製作する仏像の金額は、そのサイズなどによって大きく異なります。一般的に、像高30cm程度の仏壇用仏像であれば、30~100万円程度ですが、200万円に届くこともあります。

ただし、仏像の値段は大きさだけで決まるわけではなく、仏師のネームバリューや腕前に大きく左右されるとされており、「このサイズの像だからいくら」と一概に判断できるものではないことは知っておかなければなりません。

仏像の価格は千差万別

仏像の価格は、仏師の経験・出来栄えと仏像のサイズにより変動する部分が大きいといわれます。

まず、若い仏師が製作した仏像に関しては、おおむね20~60万円といったところです。師匠クラスの仏師になると、価格はかなり変動が大きくなり、一概には言えませんが100万円を超えるものもあります。

これだけの価格となるにはそれなりの理由があり、たとえば手彫りで製作されていることによって、仏像の衣の柔らかなラインや表情がしっかりと作られていることなど、仏像として評価を受けるポイントがあるということです。

近年では新しい就職の形も

他にも近年では、はじめから「仏師」としてだけではなく、彫刻を掘るという枠組みの中で仏像製作も請け負っているというパターンも増えてきています。

もとより彫刻は仏師の専門というわけではなく、美術や彫刻を専門とする大学・専門学校などは数多く存在しており、こうした大学や専門学校で学ぶ中で、仏教彫刻の仕事を請け負う機会に恵まれるという機会もあります。

そのため、必ずしも従来の「師弟関係」によってしか仏師としての仕事を得ることができないというわけではないため、大学や専門学校での就職によってはサラリーマンと同じような給与で貰える可能性も高く、仏像を売るという方法以外の、給与を上げる一つの手段ともいえるでしょう。

仏師の年収について

仏師の年収は腕前や人気によって変動する

給与と同じく、ほとんど仏像の大きさや仏師の腕前や人気によって年収も変わってきます。師匠クラスからさらに有名な仏師になれば300~500万円くらいが相場と言われています。

このように、一般的なサラリーマンなどとは異なる形態で働いている仏師という世界ですが、今後仏師の業界はどのように変化していくのでしょうか。また仏師が収入を増やす、年収をアップしようと考えたときには、どのような対策があるのでしょうか。仏師の年収アップのポイントなどについて解説します。

仏師の知名度は上がってきている

仏像はもともと大量に消費される類の製品ではないため、一度製作されたものが市場に流通しても、それがすべて消費者に届くまでにはタイムラグがあるという世界です。

しかし、仏像は購入して手元に置くだけではなく、展覧会などで鑑賞される対象として、または寺院などで仏像を購入するというケースもあります。

若年層が国宝や日本文化にふれる機会が増えている昨今では、仏師という職業の知名度については徐々に上がってきていると見るべきでしょう。

仏師が年収を伸ばすためには

仏師は、ここまでで解説してきたように、「給与所得者」というよりは、職人としての自営業であるケースが多いといえます。このようなことから、年収のアップは自分自身の努力次第ということになるわけですが、それもそう簡単なことではありません。

仏像を買ってくれる顧客の開拓や、その顧客に見合う金額・規模の仏像を提供し続ける必要があり、そうすることで売上を上げ続けることができるといえるでしょう。

ただし、仏像製作は一日二日でできるものではありませんから、自分の稼働時間と仏像の金額(単価)との兼ね合いなども考える必要があり、企業で言うところのマネジメント能力も、年収を上げるためには求められてくるといえます。

海外の仏像の値段についても知っておくこと

デパートなどの売り場で、2万円~といった比較的安価な仏像が販売されているケースがあります。

これは、主に海外製の仏像です。海外製の仏像は大量生産の機械で製造されていることからコストが安く抑えられ、その分販売価格も安く、また、市場への流通量もかなりの割合を占めています。このような製品の価格は2~10万円前後となります。

機械彫りであるため、どうしても彫刻刀のタッチとは異なる彫りとなっていますが、消費者としては信仰の対象というよりも、「ただ単に飾らなければならないもの」という意識で購入するには都合がよいのです。

日本の仏師にとっては、このような海外製の仏像が多く販売されている実情を知っておくことで、海外製に負けないような作品を作るモチベーションにも繋がるでしょう。

仏像に対する意識の変化や時代に作風や技法を変えていくこと

かつては、仏像というと宗教的な意味合いが強く、「拝む」対象としての仏像を求める傾向にありました。

しかし近年、仏像は単なる崇拝や参拝の対象というだけではなく、美術品として仏像を求めるニーズもあります。美術品としての作風も求められているという事は、仏師が活躍する場面は少しずつではありますが増加していると見ることもできるでしょう。

また、比較的高齢の方は仏壇や仏像を大切にする傾向にありますが、現在の日本は高齢社会と、そうした層が多い時代の潮流もあります。外国製の安い仏像などの競合はあるものの、こうしたところでまだ仏師が活躍する余地は残されいます。

また日本以外でも海外でも売りに出してみるというのも考えておくと、美術品としての価値も上がってきているため、海外の方から高く購入してもらえる場合もあります。

仏師の給与・年収まとめ

仏師の給与や年収は変動が激しい。仏像製作のプロフェッショナルとしてやりがいが得られる仕事

仏師は、一品一品を手彫りで製作するといういわゆる「職人」の域に到達する職業です。下積み期間ともいえる師弟関係は、人によってはつらいものとなる場合もあるでしょう。しかし「一品もの」の技術が認めて貰える事で、給与や年収が上がるケースは十分にあります。

仏像一品ごとの価格設定はピンキリですが、自分の腕前次第で収入を伸ばすことのできるやりがいや夢のある職業であるともいえます。

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仏師の参考情報

平均年収300万円~500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種葬祭・宗教

統計情報 出典元:

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