飲料メーカー社員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
一言で飲料メーカー社員と言っても、その仕事内容は幅広く、様々な部署・部門があります。ひとつの商品が多くの工程を経て消費者に届くまでには、苦労もあるようです。本記事では、飲料メーカー社員の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。
飲料メーカー社員とはどんな仕事?
飲料メーカー社員とは
飲料メーカー社員とは、飲料メーカーと呼ばれる企業に勤務して仕事をする人です。
飲料メーカーには、清涼飲料水のほかに牛乳を含む乳製品や、日本酒、ビールなどのアルコール飲料を製造しているメーカーもありますが、ここでは乳製品やアルコール飲料のみを製造しているメーカーは含めず、それ以外の飲料も製造しているメーカーについて紹介します。
飲料メーカーが扱う飲料は幅広く、コーヒー、紅茶、日本茶や、ジュース、サイダーなどの炭酸飲料、特定保健用食品(トクホ)飲料、野菜系飲料、ミネラルウォーターなどです。また、若者に人気のエナジー系飲料や栄養ドリンクなどもあります。最近は消費者の健康志向が高まっているので、業界全体ではトクホ飲料や野菜系飲料などが好調と言われています。
飲料メーカーは、これらの飲料を製造し、販売して消費者へと届けます。販売方法は企業によって、直営や通販、自動販売機、小売店などさまざま。したがって、飲料メーカーには単に飲料を製造するだけではなく、流通や販売に至るまで様々な仕事があります。
飲料メーカーの現状
日本全体の市場シェアは、大手飲料メーカー上位5社が市場全体の8割以上を占めています。次の5社も含めた上位10社で9割以上を占めていて、それ以外の企業のシェアはほんの数パーセントです。市場全体で見ると、大手数社が市場を席巻している状態で、中小規模の飲料メーカーは相手にもならないという状況です。
日本は人口が減少傾向にあるので、国内での飲料の需要は頭打ちと言われています。そこで、大手の飲料メーカーでは酒や乳製品の製造・販売も行ったり、企業同士での経営統合、業務提携や企業合併などを行ったりして業績を伸ばしています。
また、海外企業との業務提携を進め販路拡大を狙う企業も増えています。今後の需要増加が見込める中国やアジア諸国での事業展開も活発に行われています。
それに対して、中小規模の飲料メーカーは、オンリーワン商品を武器に独自路線を進んでいるところが多いようです。原材料や製造方法にこだわり、大手の飲料メーカーでは難しいような特徴的な商品を販売し、一定の顧客を掴むようなメーカーも見受けられます。
飲料メーカー社員の具体的な仕事内容
幅広い生産工程
飲料メーカー社員の仕事は、飲料を生産してから消費者に届けることです。この一連の流れは、いくつかの段階に分けて考えることができます。
どのような飲料を製造するのかを考え、商品化し、製造、販売する、といったことです。それぞれの段階ごとに具体的な内容を紹介します。
企画・マーケティング
はじめに、どのような飲料を製造するのかを考える段階です。多くの企業は市場調査を実施して、消費者がどのような飲料を欲しているのかを探ります。
性別、年代、職業など、新商品を好んでくれそうなターゲット層にどのようなコンセプトの商品を訴求するのか、価格帯や商品名、パッケージデザインなどを検討していきます。
商品化
どのような商品を作るのかが決まったら、具体的な商品化に移ります。よりおいしく、より健康的に、と商品のコンセプトに合わせて飲料の成分・配合などを研究します。
研究開発職の社員が当たることが多い業務です。既存の商品の改良を図ることもあります。飲料に用いる原料が安定的に入手可能かどうかや原料価格なども考慮しなければならないため、流通部門とも連携して検討していきます。
製造
商品が具体化できたら、実際に製造する段階です。商品を製造するためには、生産設備を準備したり、電力、工業用水などの設備を整えたりする必要があります。商品によっては、新規の生産ラインを建設することもあります。これらはエンジニア職をはじめとする技術系の社員が担当することが多い業務です。
また、原材料や容器などを調達したり、適正に管理したりすることも必要です。そして、実際の生産にあたっては異物混入などがないよう細心の注意を払い、飲料としての安全を確保します。
販売
商品を販売するための営業を行います。販売先は企業によってさまざまですが、スーパーや百貨店、コンビニ、ドラッグストアなどへ販売したり、それらの販売先との取引ルートを持つ卸売業者へ卸したりします。売り場管理を行なうこともあります。また、直営店やインターネットで消費者に直接販売している企業もあります。
営業活動は、既存の取引先を回って新商品の情報を伝え、販売するルート営業や、新規販売先の開拓、消費者へのPRイベントやキャンペーン、メディアを通じた広報宣伝活動などを多面的に行います。
どの販売先にどのくらいの商品を販売するのかが決まれば、そこまで効率的に輸送することが必要です。トラック、鉄道、船、飛行機といったさまざまな輸送方法があるので、納期や輸送コストのバランスも考えて効率的な方法を選択していきます。
その他の重要な仕事
製造や販売と直接関わる仕事以外にも、人事・労務や経理・財務といった仕事もあります。これらの部署は、飲料メーカー特有の部署ではありませんが、社員が働きやすくする環境作りや、会社組織そのものの維持にあたります。
また、今後は海外展開を進めるのか、他社との業務提携を進めるのか、といった企業戦略を立てたり、社内に通達したりもします。飲料メーカーは大企業が多いので、大勢の社員の業務が円滑に進むよう、組織間の連携や意思疎通を図ることも大切な仕事です。
飲料メーカー社員の仕事のやりがい
お客様の反応
飲料メーカーは大企業が多いので、製造した商品が多くの消費者の手に渡ります。商品を手にした消費者からの「おいしい」という喜びの声は、飲料メーカー社員の大きなやりがいとなります。
最近では、インターネットの口コミやSNSを通じて、消費者の正直な反応を知ることができます。自分が生産や販売に関わった商品が評価されるのは嬉しいものですし、次の仕事へのやる気にも繋がります。
自社ブランドの育成
商品の中には、長年にわたって製造が続いているロングセラー商品があります。消費者の趣味趣向や生活様式は時代によって変化するため、長年にわたって好まれる商品を作るのは難しいことです。自分が携わった商品が長年にわたって消費者に愛され続けることは、飲料メーカー社員にとって大きな喜びです。
また、自分が勤める会社や自社商品が消費者に広く知られ支持されることも、飲料メーカー社員としての喜びです。小売店やインターネットなどで自社商品を見つけたときや、自社商品のテレビCMを見たときは、飲料メーカー社員であることを誇らしく思えます。自社ブランドを育成する醍醐味や喜びを味わえることも、この仕事の魅力です。
人にとって欠かせない商品を作る自負
飲料は、人が生きる上でなくてはならないものです。飲料メーカー社員は、その大切なものを生産しているという自負を持って仕事に臨まなければなりません。
飲料の安全性に問題が発生すれば、会社のダメージとなるだけでなく、下手をすれば人命を失いかねません。安全安心でおいしい飲料を作る責任感は、飲料メーカー社員のやりがいにもつながります。
多くの仲間との連携
飲料の製造・販売には多くの工程があるため、飲料メーカー社員は多くの同僚は取引先とやり取りをしながら業務を進めます。
大企業の場合は、全国に支社や工場があるので、転勤を命じられたり、他の支社等から社員が赴任してきたりすることがあります。その分、新たな仕事仲間と知り合う機会も多くあります。仲間とコミュニケーションを図りながら新商品を開発したり、新規顧客を開拓したりする中で、刺激を受けることも多くあります。
また、最近では、海外展開を図る企業が増えています。海外赴任を命じられれば、慣れない海外での暮らしに苦労することもあるでしょう。また、異文化の人たちと一緒に仕事をすることには思わぬ苦戦を強いられることもありますが、その分、仕事が上手くいったときの達成感も大きいものです。
飲料メーカー社員の仕事内容まとめ
職種ごとによるものの幅広い工程が含まれる仕事
飲料メーカー社員の仕事内容は、飲料の企画・マーケティングや商品化、製造、販売、労務、経理など、幅広くあります。多くの同僚や取引先と係わり合いを持ちながら仕事ができるため、仲間から刺激を受けることもあるでしょう。
「飲料」という人にとって必要不可欠なものを生産している自負もあります。商品を製造して消費者に届けるまでには苦労も伴いますが、消費者からの「おいしい」という声は、飲料メーカー社員として仕事をする上で大きなやりがいとなります。
飲料メーカー社員の参考情報
平均年収 | 500万円~700万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 企業 |
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