警備員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
職種によっては何かしらの資格が必要になりますが、警備員の場合は基本的に必須となる資格はありません。ただし、管理職として警備員の指導などを行うために必要な警備員指導教育責任者の資格など、業務上で必要となる資格は多数あります。本記事では、警備員に役立つ資格についてご紹介します。
警備員の資格とは?
警備員に必須となる資格はない
大型ショッピングセンターの警備や貴重品の運搬を警護する警備員ですが、仕事柄必要となる資格は多数あります。しかし、警備員を目指す上で特に必須となる資格は存在しません。
そのため、警備会社では正社員だけでなく契約社員やアルバイトで勤務している方は多いです。特に、アルバイトの場合は資格を必要とするところがなく、誰でも働くことができる仕事ばかりです。しかし、警備会社に入社すると雇用形態を問わず必ず研修を受けなければなりません。
しかし、その研修さえ受けてしまえば誰でも警備員として働くことができるので、ある意味研修を受けることが警備員として働くための資格といえるでしょう。
資格を持っていれば優遇される
上記では警備員に必要な資格はないと紹介しましたが、警備に関する資格はたくさん存在します。そして、それらの資格を取得しておくと、就職や転職の際に優遇される傾向があるようです。
まず、警備員の仕事には大きく分けて4つの職種があり、それぞれの職種に合った資格があります。
警備の職種 | 対応資格 |
---|---|
1号警備(施設警備) | 施設警備業務検定、空港保安警備業務検定 |
2号警備(交通誘導警備、雑踏警備) | 交通誘導警備業務検定、雑踏警備業務検定 |
3号警備(輸送警備) | 貴重品運搬警備業務検定、核燃料輸送警備業務検定 |
4号警備(身辺警備) | 警備員指導教育責任者 |
これらは警備員の職種とそれぞれに合った資格です。中には資格不要でできる業務もありますが、資格がなければ務まらない職種もあります。また、資格を持っている人は優遇される傾向があるので、採用率アップにも繋がるでしょう。
さらに、無資格に比べて資格を持っている方は安定した収入を得やすいというメリットもあります。そのため、警備員を目指している方は目的の職種に合った資格を取得しておくと良いでしょう。
管理職を目指す場合は資格が必要になる
警備員の仕事は上記で紹介した4つの職種が主なものとなりますが、会社内で社員の教育や指導を行う管理職もあります。しかし、教育者となる管理職になるには「警備員指導教育責任者」という資格が必須です。
この資格を持っていればキャリアアップとして管理職を目指すことができますし、上記でも紹介したように4号警備の業務を担当することも可能です。そのため、管理職を目指す方は、紹介した資格を取得してみてはいかがでしょうか?
警備員の資格の難易度・合格率
施設警備業務検定
さまざまな施設の警備業務に関する資格となっていて、学歴・年齢ともに制限がないので誰でも取得できる資格となっています。
気になる試験の難易度はそれほど高いものではなく、1級・2級ともに合格率は約62%となっています。
交通誘導警備業務検定
車や歩行者の誘導を行う警備業務を行うのであれば、「交通誘導警備業務検定」を取得しておくと良いでしょう。2級であれば誰でも試験を受けることができますし、難易度もそれほど高くなく合格率もやや高めとなっていています。
また、1級を取得する場合は2級を取得して1年以上の業務経験が条件となっています。
雑踏警備業務検定
交通整備の業務と同じ2号警備となる雑踏警備には、「雑踏警備業務検定」という資格があります。こちらの資格にも1級・2級が存在しますが、難易度はそれほど高くなく合格率は約70%と高めです。
スポーツの試合会場やコンサート会場、お祭りなどのたくさんの人を誘導する雑踏警備を行う方は、雑踏警備業務検定の取得をおすすめします。
貴重品運搬警備業務検定
現金輸送車や貴重品の運搬を護衛するのであれば、「貴重品運搬警備業務検定」を取得しておくと良いでしょう。輸送警備を行う3号警備の業務には、必ずこの資格を持った人が最低1人は必要となります。
貴重品運搬警備業務検定の試験難易度はやや低めとなっていて、2級の合格率は約70%、1級の合格率は約83%と高めとなっていました。ちなみに、この資格は警備会社からの需要が高いため、採用率アップのためにもおすすめの資格といえるでしょう。
空港保安警備業務検定
「空港保安警備業務検定」は、機内に持ち込む際の荷物チェックや不審物の捜索やハイジャックなどのトラブルなど、空港での警備業務に関する資格です。
試験の難易度はやや高めといわれていますが、合格率は1級・2級ともに約63%となっています。警備員として空港で働きたい方にはおすすめの資格です。
核燃料輸送警備業務検定
「核燃料輸送警備業務検定」はその名の通り核燃料の運搬の警備に関する資格となっています。
他の資格に比べて受講者は少ないですが、試験の難易度はそれほど高くなく、合格率も約70%とやや高めなので取得しやすい資格といえるでしょう。
警備員指導教育責任者
警備員の指導やボディーガードの業務を行う場合は、「警備員指導教育責任者」の資格が必要になります。試験を受けるにはいくつかの条件がありますが、試験の難易度は低めとなっていて、合格率は約70~90%と高めとなっているようです。
というのも、この資格を取得する方は警備員としての業務経験が豊富ですし、上記で紹介した資格を持っている方ばかりです。そのため、キャリアアップを目指す方にはおすすめの資格といえるでしょう。
その他の警備員に関する資格
地震や災害時に役立つ「自衛消防業務講習」
「自衛消防業務講習」は警備員の三種の神器と呼ばれる資格の1つです。大規模な建物で地震や災害などが起きた際に責任者として消防機関への通報や、火災の際は初期消火を行うことが目的とされています。
また、この資格は取得後も定期的に再講習を受ける必要がありますが、1号警備を行う方は取得しておけば万が一の事態が起きた際に役立つでしょう。
緊急時に役立つ「上級救命講習」
「上級救命講習」も三種の神器の1つと呼ばれる資格となっていて、人命救助の知識や技術を身につけられる資格です。
警備員は人々の安全を守ることが仕事なので、人命救助も仕事の一環です。もしも業務中に救命処置が必要な状況になった場合はとても役に立つ資格です。
都内で警備員をするなら「防災センター要員講習」
上記2つの資格と同じく、「防災センター要員講習」も三種の神器と呼ばれる資格となっています。2009年に防災センター要員講習は廃止されているようですが、東京都では現在でも存在している資格となっています。
防災に関する知識や技術を身に付けることができるので、都内で警備員をされる方は他の資格と合わせて取得してみてはいかがでしょうか?
警備員に役立つ資格が取れる学校
一部の資格なら医療系・観光系など専門学校で取得できる
紹介した資格が全てではありませんが、一部の資格であれば医療系・観光系などの専門学校で取得できるといわれています。
このような学校では警備員に関する知識を学ぶことができますし資格も取得できるので、将来警備員の仕事に就きたいと考えている方にはおすすめの学校といえるでしょう。
警備会社に入社してからの方が資格を取りやすい
学校ではありませんが、警備会社に入社してある程度経験を積めば、会社側から資格取得の話が持ちかけられるといわれています。
さらに、入社してからの方が資格を取りやすい傾向があるので、紹介したような学校に通うことが難しい方、または転職で警備員を目指している方は、警備会社に入社してから資格を取得すると良いでしょう。
警備員の資格・試験まとめ
警備員に必須資格はないが持っていると仕事の幅が広がる
警備員に必須となる資格はありませんが、持っておいた方が良い資格や関連資格など、さまざまな資格が存在することがわかりました。
また、紹介したような資格を持っていると仕事の幅が広がりますし、取得していなければできない職種もあります。
さらに、資格を持っていると優遇される傾向があるので、警備員を目指している方や今後キャリアアップを考えている方は、資格取得を検討しましょう。
警備員の参考情報
平均年収 | 250万円~400万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 保安 |
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