プログラマーの資格試験とは?スキルアップに役立つ、仕事に活かせる試験を紹介
近年、プログラマーという仕事は注目度も人気も高まっています。そのプログラマーになるためには、なにか資格や試験が必要なのでしょうか。また、プログラマーとしての資格や試験は、実際のプログラマーの仕事の中でどのような役に立つのでしょうか。
プログラマーの資格とは?
まず、プログラマーという職業に就くためには特別な資格は必要ありませんし、プログラマーになるための試験というものも現在は存在しません。そのぶん、実務での能力が重視される仕事だと言い換えることもできるでしょう。
その一方で、プログラミングの技術や理解についての程度を示す資格試験というものが存在します。実際のところ、これらの試験は各プログラミング言語ごとにあり、その試験の種類も多数あるのですが、ここではその中で代表的なものをチョイスして紹介します。
C言語プログラミング能力認定試験
C言語プログラミング能力認定試験は、プログラマー・システムエンジニアという職種では馴染み深く、普及率も高いC言語でのプログラミング能力を認定する試験です。
3級から1級までの受験級が設定されており、3級ではC言語の概念理解・簡単なプログラミング、2級では500行程度の小規模なプログラム・基本的なアルゴリズム、1級では応用プログラム・ユーティリティについての試験が実施されます。
C言語は開発現場でもよく使われる言語であるため、取得してからプログラマーになるという方も多い試験です。
Java™プログラミング能力認定試験
Androidなどのスマートフォンでのアプリ開発からゲーム開発、業務系アプリケーションの開発など、様々な場面で使われる言語であるJavaを扱う能力について認定するのがJava™プログラミング能力認定試験です。
3級から1級まで受験級が設定されており、3級と2級はそれぞれ筆記試験(多肢選択式)とテーマ別大問が出題されます。Javaのプログラミングに必要なプログラミング知識・技能について出題されるほか、プログラムの空欄を補完するような問題も出題されます。
Javaも広汎な業務で使われるため、習得を目指す方が多い資格のひとつです。
基本情報技術者
基本情報技術者試験は、IT系の試験の登竜門とも言うべき資格で、IT・ソフトウェア・ハードウェアに関する幅広い知識が試される試験です。プログラマーになりたいけれど、これまで情報処理・ITの分野に関わってこなかった、というような方にとっては、基本的な情報処理の知識や技能があるということを示すことができる資格でもあります。
試験は午前・午後に分かれて行われ、テクノロジ・マネジメント・ストラテジ分野、システム、ソフトウェア設計・開発、アルゴリズム、情報セキュリティといった様々な分野での問題が出題されます。
Ruby技術者認定試験制度
Rubyは日本人開発者によって作られたプログラミング言語です。Ruby on Railsという、プログラマーを強力にサポートするフレームワークの存在、参考書の豊富さ、そして何より開発効率の高さから人気を集めており、WebサイトやWebサービスを開発するプログラマーに広く用いられています。
Ruby技術者認定試験制度は、Rubyの技術力を認定する試験であり、Rubyの文法、組み込みライブラリ、オブジェクト指向についてや、実行環境などについての試験が行われます。
プログラマーの資格の難易度・合格率
このように、プログラマーとして活用できる資格は様々なものがあります。もちろん各言語そのものや、各試験によって問題の難易度は変わってきますし、それは受験級によっても変わります。これらのプログラマーに関連する資格試験の難易度や合格率について、以下に解説していきます。
C言語プログラミング能力認定試験の難易度・合格率
C言語プログラミング能力認定試験の全級共通での合格基準は、得点率60%以上と設定されています。資格試験を運営するサーティファイの情報によれば、平成29年3月31日までに累計で160,549名が受験しています。
合格率は、平成28年度の平均合格率で67.9%というデータが示されています。
Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験は、多肢選択式・マークシート方式で出題され、合格基準は60%以上とされています。
試験の合格率については、2016年度の平均合格率で65.3%という数字が示されています。なお、資格試験と実務のレベルでは、まったくの初心者が独学でチャレンジするなら3級、実務に就きたいという方は2級を目指すのがよいとされています。
基本情報技術者
「基本情報技術者」は、「基本」と銘打っていながら、これまで情報系に関わってこなかった方にとってはかなり難易度の高い試験となっています。まったく知識がないという場合には、その下位とも言える試験の「ITパスポート」から勉強を始めるのが効率のよいやり方といえるでしょう。
基本情報技術者の合格率については、平成21年春期に行われた試験では27.4%、平成30年秋期の試験では22.9%となっています。なおこの間、30%を上回ったのは平成21年秋期の35.4%と、平成28年春期の30.4%の2回のみとなっています。
Ruby技術者認定試験制度
Ruby技術者認定試験制度については、合格率が非公開となっています。難易度については2段階設けられており、Silver version 2.1、Gold version2.1とがあります。
初心者はRubyの背景や文法知識の基本事項が出題される、Silverから受験していくのがよいでしょう。中級者・上級者の場合にはGoldを受験するとよいでしょう。
その他のプログラマー関連資格
このほかにも、IT系・プログラマーに関連する試験はいくつもあります。以下に、そうしたプログラマーに関連する可能性がある資格を列記します。
プログラマーはプログラミングだけができればよいというものではなく、他の分野での知識を身につけることで仕事の幅が広がったりすることもあるため、プログラマーとして成長したいと考えている方は取得を検討してみるとよいでしょう。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリスト試験は、ITエンジニアとして、各アプリケーションを構成するネットワークの専門家としての能力を判定する試験です。ITエンジニアとして、プログラミングだけではなく、システムの企画から運用保守までを統括することができる能力としての認定なので、難易度は高めに設定されています。
LPIC
LPICは、WindowsやMacとは異なるOSの一種である、Linuxに関する知識と技術力を認定するものです。Linuxは、プログラマーやシステムエンジニアが避けては通れないサーバーの運用・保守や、Webプログラミングなどの場面で必要となってくるものです。
Linuxに関する知識があるという認定を受けていることは、これらの業務への入り口を広げてくれることが期待されます。
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験は、Microsoft Accessを活用できる実務能力を認定する試験です。
Microsoft Accessは、主に業務系システムなどで使われることがあるデータベースのシステム構築などに用いられており、このAccessビジネスデータベース技能認定試験を取得することで、様々な職種で活躍する場面を増やすことができるでしょう。
Android™ 技術者認定試験制度
もし、自身がAndroidアプリケーションなどの業務に就くことを検討しているのなら、Android™ 技術者認定試験制度も関連する資格といえます。
この試験は、「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」の2資格があり、それぞれAndroidプログラミング、Javaプログラミングなどがアプリケーション、Linuxやライブラリ、Androidに関する知識がプラットフォームといった具合に分かれています。
プログラマーの資格が取れる学校
プログラマーに関連する資格を取得するには、必ずしもスクールなどに通う必要はありません。しかし、体系的にプログラミングを学び、資格も順番にとっていきたいというような場合には、スクールを利用するのもまたよい選択肢です。
プログラマーに関連する資格を取得できる学校について、以下に紹介します。
プログラミング専門学校 HAL東京
HAL東京では、Javaプログラミングの基礎、データベース設計、Androidアプリケーション開発などのカリキュラムを2年間にわたって学習します。カリキュラムの中に資格試験の取得は必ずしも含まれませんが、スクールで学んだことを資格試験で反映することができれば、合格は難しくないでしょう。
大原学園
大原学園に通っている場合には、基本情報技術者試験の午前科目が免除となります。これは、大原学園が認定カリキュラムを受けており、免除制度を利用できるためです。そのため、受験者は午後試験に全力を振り分けることができるため、合格率も必然高くなっていくというわけです。
日本工学院
日本工学院は、東京のプログラマー・プログラミングの専門学校です。2年間にわたってシステム開発について、プログラミング、基本情報処理技術者試験、LPICなどのカリキュラムを学び、資格試験に備えることができます。
オンラインスクール
近年では、インターネット上で動画配信サービスを利用して、オンラインスクールを行うという形態も頻繁に目にします。
プログラマー関連の資格取得を目指していても、なかなかプログラミング学習のためにスクールに通うことができないというような場合に、このようなオンラインスクールを活用することで、自宅で好きな時間に学習を進めることができるというのは、受験を目指す方にとってありがたいことでしょう。
ただし、従来のスクールのように出欠を管理してくれたりといったことはないため、自分自身でしっかりと自律して学習を進めることができ、遅れたり不明点については自分で調べたりするなどして、学習を進めることが重要です。
プログラマーの資格・試験まとめ
どの分野に進みたいかが資格取得の鍵
以上に見てきたように、プログラミングの資格には非常に種類が多くあります。これらすべてを取得するというのは心意気としては良いのですが、現実的には無理ですし、効率が悪いともいえます。
自分がプログラマーとして、どのような分野の仕事をしたいかを考えて、それに関連する資格を中心に取得していくのが最も効率よく学習を進められる方法となるでしょう。
プログラマーの参考情報
平均年収 | 350万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | コンピューター |
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