プロレスラーの資格試験とは?プロレス団体入門テストの内容と難易度も解説

プロレスラーの資格試験とは?プロレス団体入門テストの内容と難易度も解説

プロレスラーには、独占的な免許や資格は何もありません。しかし、実際にプロレス団体に所属し、プロレスラーとして相応の活躍をしようと思ったら、相当ハードな試練の連続が待ち受けています。今回は、プロレスラーを目指す第一歩となる入門テストの詳細や、その他にもあるプロレスデビューへの筋道についてご紹介します。

プロレスラーに必要な資格はない

プロレス団体の入門テストを受けて練習生になる

プロレスラーを夢見る若者が、プロレス団体へ所属するにはどのようなプロセスがあるのでしょうか。まず代表的なものが、所属したい団体の入団テストを受け、合格すること。

ホームページなどに公示されている入団テスト要綱をよく読みましょう。まずは書類選考で篩に掛けられます。書類選考を通った者だけが、体力テストを受験できます。そして体力テストを突破して、晴れて「練習生」として団体に所属ができます。日本では新弟子養成制度が一般的のため、この道が定石、王道とされています。

また、学生プロレス団体で一定の経験を積んでからプロレス団体への入団を希望する人もいます。鍛錬などの基礎がしっかりできているので、全くの素人の練習生よりもデビューへの道は早いようです。

国内、海外のプロレスラー養成所へ通って力をつける

また、直接プロレス団体の入団テストを受けるのではなく、プロレス養成所へ入りトレーニングを積み、プロレスデビューする手段もあります。現役時代に名を馳せた有名なプロレスラーが主宰する養成所も全国各地に多くあり、有名なレスラーから直接指導を受け、実力を磨くことができます。

プロレス養成所は海外にも多数あります。むしろアメリカ、メキシコの方が本場と言っていいでしょう。日本では、プロレス団体と同じように養成所でも新弟子として迎え入れられ雑用から入り、徹底的に指導を受ける傾向がありますが、メキシコも同様に、養成所に受け入れられ雑用をしっかりこなせば、食事と住居は保証してもらえます。日本やメキシコは、相撲部屋のようなシステムと言えるでしょう。

アメリカでは少々性格が違って、プロレスラー養成コースが設けられた学校に入り、それなりにお金を払ってコーチングをしてもらうという体制になっています。専門学校のようなシステムです。

夢と実力如何によっては、単身海外に渡りプロレス養成所の門を叩いてみるのもいいかもしれません。キャリアの到達点として海外でのデビューを夢見る人も多いと聞きますので、養成段階から海外を選ぶのも一つの手です。

プロレス団体入門テストの難易度

プロレス団体入門テストはどれだけ難しいのか

大手プロレス団体である「新日本プロレス」の入門テストを例にとると、年間200名ほどの応募があり、全ての試験を通過し練習生になれるのはわずか数名といいますから、入門テストがいかに難しいものかは想像に難くないでしょう。

プロレス団体の入門テストは一般的に25歳までの年齢制限がありますが、体力に自信がある場合25歳以上でも可能として受け入れていることもあるので、各団体の募集要項をよく読み、リサーチしておくことが重要です。

プロレス団体の入門テストには大きく分けて2つの試験があります。

書類審査

まず、「書類審査」。書類審査で問われるのは、まず身長。団体によって、180cmなど制限を設けているところもありますので、注意が必要です。

身長以外の体格は逆にでき上がっていない方が望ましいと言われます。体重は軽い方がどんな運動もこなせるので、重さはあまり問われません。逆に重すぎると入門テストについていけない可能性があります。痩せていても、入門後ウェイトトレーニングで身体を作っていきますので問題はありません。

そして、スポーツ歴。何らかのスポーツ経験があり、身体をよく動かせると有利です。写真も上半身裸の写真のバストアップと全身の2枚を提出しますが、この際にプロレスラーらしく個性を出そうとして格好をつけたりメイクをしたりする人もいるそうです。しかし、変に凝ったものよりも、若者らしい健全で好感がもてる写真がいいでしょう。

体力テスト

書類審査を通過した人のみ、次の体力テストへ進むことができます。三沢光晴が設立した団体「プロレスリング・ノア」を例にとると、以下のような体力テストを課されるようです。

  1. 柔軟
  2. 腹筋50回
  3. 足上げ腹筋20回×2セット
  4. クランチ20回×2セット
  5. 背筋(リングから上半身を出した状態)15回×2セット
  6. プッシュアップ20回×5セット
  7. 前ブリッジ前後×10回
  8. 背ブリッジ前後×10回
  9. スクワット200回
  10. ジャンピングスクワット30回

体力テストにおいて大事なのは、スクワットと、ブリッジと、プッシュアップであると言われます。団体によっては、ヒンズースクワットを課される場合もあります。

プロレスラーにとって大切なブリッジは、腕でなく首で支えるもので、首を狙う技などによって首への負荷が多いことから、こうしたトレーニングによって首を鍛える必要がでてくるのです。有名レスラーでは、首で支えるブリッジをした状態で3人乗ってもびくともしないそうです。プロレスラーは首が命と言われます。

体力テストは、並の人間では到底乗り越えられない厳しい内容がほとんどです。体格が仕上がっているというより、体力テストに向けて幅広く運動をこなせるように自主トレーニングをしっかり積んで臨むことが大切です。団体によって課される内容や評価の仕方は異なるので、自分の入りたい団体の社風をリサーチしておくことが肝要です。

例えば「プロレスリング・ノア」の場合、回数をこなすよりも臨む姿勢や将来性を評価しています。

団体入門、養成所以外の、プロレスラーへの新たな道

日本でもプロレス専門の「学校」が新設。6ヶ月でデビューを目指せる養成コースも

2015年、グレート・ムタの愛称で知られる武藤敬司選手が率いるプロレス団体WRESTLE-1を擁するGENスポーツエンターテインメントが、私立のプロレス専門校「プロレス総合学院」の設立を発表し、話題を呼びました。武藤敬司自らが校長となり、現役レスラーが直接指導にあたるという面でも魅力的です。

この学校は、体力テストや年齢制限などがなく、広く一般へ門戸が開かれており、16歳以上の心身ともに健康な方であれば誰でも試験を受けることができます。面接時に健康診断書の提出が必要ではありますが、体力テストなどは課されません。その代わり、所定の入学金と授業料が別途必要となります。

新弟子養成の形式が一般的である日本でこうした専門校が設立されたことは大きな時代の変化の象徴と言える出来事であり、年齢その他の理由で夢を諦めざるを得なかった多くのプロレスラー志望者にとって、新たな道が開かれたと言えます。

また、指導期間が6ヶ月と短いのがこの学校の特徴です。現役レスラーの手ほどきを受け、トレーニングに励み、6ヶ月経つと卒業テストが課されます。合格できないと卒業証明書は発行されないという厳しいものではありますが、卒業者はプロレス総合学院が主催する興行に出場する道も用意されています。希望によっては、他団体への入門テストの受験も可能です。

プロレスラーの資格試験まとめ

時代と共にプロレス事情は変化!門戸は昔より格段に広い

1980年代前半、プロレスの黄金時代と呼ばれる時代がありました。プロレスブームの時代、各プロレス団体には入門者が殺到していました。限られた年齢条件の中で、掃いて捨てるほどいる沢山の志願者の中から厳しい審査やテストを潜り抜け、さらに厳しい練習生時代を耐え抜きデビューするという、王道が確立されたのもその頃です。

しかし昨今はプロレス人口の規模の縮小、団体の乱立もあり、時代は刻々と変化しています。プロレスブームは何度か隆盛があったものの、黄金時代ほどの盛り上がりからは落ち着き、志願者も減っているといいます。そんな中、年齢制限をはじめ諸々の条件の緩和によって、広く一般に門戸を広げる動きも加速しています。IT社会になりグローバル化も手伝い、海外進出もより容易になってきました。

プロレスラーは、人によっては長くキャリアを積める職業で、武藤敬司や蝶野正洋など生涯現役を宣言する選手もいます。年齢制限にとらわれない道も出来て門戸が広がったことで、かつて夢を諦めた人にもチャンスが巡ってきているとも言えます。

ただ、門戸は広がったものの、依然有名プロレスラーになれるのは一握りであり、プロレスだけで食べていくためには厳しい道が待っていることには変わりません。プロレスラー志望の方は、常に体力と根性を試され続ける人生を覚悟する必要があるでしょう。

プロレスラーの参考情報

平均年収100万円~800万円台
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種スポーツ

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