薬剤師になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

薬剤師になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

街のいろいろなところにある薬局やドラッグストア。そのなかで必ず見かける薬剤師。薬剤師は、薬について詳しく、同時に、患者に寄り添って薬の説明をしてくれる頼もしい存在です。そんな薬剤師になるには、どのような資格が必要で、どのような人が向いているのでしょうか。今回は、薬剤師になるために必要なことをご紹介します。

薬剤師になるには何が必要?

大学の薬学部を卒業し、試験に合格することがまず必要

薬剤師になるためには、まず国家資格が必要となります。(多くは)大学の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格することで、薬剤師として働くことができる資格が与えられます。

薬剤師試験は、医師国家試験ほど難関ではないものの、高度に専門的な分野の知識が必要となり、かつ、受験資格が与えられる条件も厳しいため、決して簡単とはいえない試験です。

後で詳しくお伝えしますが、あらゆる人に受験資格が与えられるわけではなく、大学の薬学部や薬科大学で、薬学に関する単位を修めることが必須となるほか、大学独自の試験にもパスする必要があります。

大学の勉強をすることと併せて、薬剤師試験のための勉強もする必要があることから、非常に多くの時間と努力が必要な試験でもあります。軽い気持ちで薬剤師を目指したり、薬学部に進んだりするようなことは避けたほうがよいかもしれません。

薬剤師に向いている人、適性がある人

薬剤師は、命に関わる薬を扱うことが少なくないほか、定型的な作業を淡々と行う職業でもありますので、薬剤師としての使命を全うできるような人であることがベストです。具体的に、どのような人が薬剤師に向いているのかを見てみましょう。

わかりやすい説明ができること

薬剤師のお客様は、老若男女様々な方が対象です。薬に詳しい人もいれば、知識がほとんどなく、服用自体が困難という人もいます。実際の接客の場面では、自身が担当するお客様がどのような人で、どのような悩みを抱えていて、どのようなことを不安に思っているのかといったことを感じ取ることが大切です。

患者としては、薬の処方を正確に行ってくれることはもちろん、担当した薬剤師が自分のために親身になって対応してくれたということで、その場での感謝につながるだけでなく、それが最終的には顧客満足度向上につながることにもなります。真摯な姿勢でわかりやすい説明を心がけることができる人が、薬剤師には向いています。

同じことをコツコツ続けられること

お伝えしたとおり、薬剤師の仕事は定型的な作業を1日に何度も繰り返すことが大半です。併せて、分量や種類を絶対に間違えないという正確性も求められます。

それこそ、わずかな分量の違いで、薬の効果が強すぎたり弱すぎたりするほか、患者にとって取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうことにもなりかねません。いつ、どんなときであっても、処方箋の記載どおりに正確に調合や梱包を行うことのできる集中力が必要です。

日々学び続けていくことができること

薬剤師試験に合格し、免許を取ったとしても、薬剤師の仕事はそれで終わりではありません。

医学をはじめとして、あらゆる学問は、日々進化・発展しています。そのため、アップデートされた知識が常に要求されることを意味します。逆にいうと、試験の合格が最終目標となってしまい、合格後に一切学ぶことをできないというような人は、残念ながら薬剤師として仕事をしていくのは難しいでしょう。

お客様である患者のためにならないほか、薬剤師として仕事をする自身のためになりません。知的好奇心が旺盛で、自分の知らないことや新しいことに積極的に向き合うことができる人が薬剤師には向いています。薬事の業界の最新情報や学会・研究者の最新論文といったものを常に読み込み、継続的に取り組む姿勢が重要です。

薬剤師になるための学校

独学で薬剤師になることは可能?

ちなみに、初めに「大学の薬学部を卒業し」とお伝えしましたが、独学で勉強し試験に合格することで薬剤師になることは可能なのでしょうか。

その答えはNOです。現状、大学の薬学部か薬科大学において、6年間(2005年以前の入学の場合は4年間)の薬剤師養成課程を修了していることが必要とされているため、独学で頑張るということはできない状況です。そのため、数ある国家資格のなかでも、どちらかといえば厳しめの受験資格といえるかもしれません。

合格率はおおむね60%~80%

大学を卒業し、受験資格が与えられてからは、薬剤師国家試験を受験することとなりますが、大学によって合格率に違いは出ているのでしょうか。最新のデータをもとに、大学別の合格率をまとめました。

国公立大学別合格率

順位 大学名 合格率
1位 金沢大学 97.5%
2位 広島大学 92.9%
3位 九州大学 90.5%
4位 千葉大学 89.8%
5位 北海道大学 89.2%
6位 名古屋市立大学 88.8%
7位 岡山大学 88.2%
8位 静岡県立大学 86.3%
9位 長崎大学 84.2%
10位 岐阜薬科大学 84.1%

私立大学別合格率

順位 大学名 合格率
1位 いわき明星大学 92.3%
2位 武蔵野大学 90.5%
3位 北里大学 89.8%
4位 名城大学 89.6%
5位 近畿大学 88.8%
6位 星薬科大学 88.0%
7位 京都薬科大学 86.1%
8位 明治薬科大学 85.9%
8位 神戸薬科大学 85.9%
10位 慶應義塾大学 85.2%

国公立・私立とも合格率は同水準

国公立大学の1位と私立大学の1位をみると、金沢大学が特に高い印象がある以外は、おおむね同水準となっています。大学によって独自のカリキュラムが組まれていることも多いため、合格率やカリキュラムなどを基準に大学選びを行うとよいでしょう。

国公立大学と私立大学で違いは?

大学選びで気になることとして、学費が挙げられると思います。特に、国公立大学と私立大学では学費に大きな違いがあります。学費が高いほど、レベルの高い教育を受けられるという関係に必ずしもあるとはいえず、大学独自の理由で金額の面で差がついています。

どのくらいの学費がかかるかをみると、国公立大学の授業料は年間で約54万円、それに対し、私立大学の授業料は年間で約200万円となっています。大学に6年間通うことになりますので、国公立大学と私立大学では約1,000万円もの差があります。

となると、少しでも学費を抑えたいということになれば、国公立大学を目指すことになりますが、ご存知のとおり、国公立大学は募集人数が私立大学に比べて非常に少なく、志願者も多いため、結果的に高い倍率となっています。受験の場面でも、国公立大学の入試問題は難問が多いうえ、センター試験の受験も必須とされているため、非常に狭き門といえるでしょう。

私立大学についてみると、すでにお伝えしたように、学費は非常に高いのですが、薬剤師を目指すうえで大学から手厚いサポートを受けることができたり、キャンパスが好立地で新しい施設が多く導入されたりしていることが多いため、学ぶ環境として申し分ないケースが少なくありません。

また、受験科目が国公立大学に比べて少ないことが多く、入試の成績によっては授業料が免除されたり、様々な奨学金制度(返還が不要な給付型、返済が必要な貸与型など)を利用できたりするため、場合によっては単に国公立大学に進むよりも多くのメリットを受けられるケースもあります。

大学選びに際しては、学費の面と、実質的な学ぶ環境とで、どちらにウエイトを置くかも基準に、選ぶとよいでしょう。

薬剤師になるには?まとめ

試験合格がゴールではなく、あくまで合格はスタート地点

薬剤師になるために必要なことは、形式的には所定の大学で薬学の課程を修了し、薬剤師試験に合格することで、薬剤師として活動できる資格が与えられます。

他方、単に資格を取得すればいいというわけではなく、薬剤師としての使命は何なのか、薬剤師の意義はどのようなものなのか、どのような姿勢が患者に喜ばれるのか、といったことを絶えず追い求めることができれば、薬剤師としての成功は遠くありません。同時に、それが薬剤師として仕事をする自分のアドバンテージ・強みになります。

薬学の分野から、患者のために様々な手助けをしていきたいという志がある人であれば、薬剤師を目指すことは非常に意義深いことといえるでしょう。

薬剤師の参考情報

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