オプトメトリストの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
オプトメトリストとして技術と知識を示せる資格は主に2つあります。認定眼鏡士とオプトメトリスト認定証です。いずれも国家資格ではなく民間の資格ですが、資格があれば専門知識や技術を社会的に証明することができます。本記事では、オプトメトリストに役立つ資格など、資格試験についてご紹介します。
オプトメトリストの資格とは?
オプトメトリストは、視力保護の専門家です。専門的な知識や技術を基礎として、目に関する機能を検査し、視力の問題、目の病気、その他の異常を見つけます。それだけでなく、乳幼児から高齢者まであらゆる人々にビジョンケアを提供することで、快適な生活ができるためのトータルなサポートを得意としています。
こういった専門技術を提示するために生まれたのが、オプトメトリスト認定試験に合格することで取得できる「JOA認定オプトメトリスト」の資格です。
オプトメトリストの資格「JOA認定オプトメトリスト」
オプトメトリスト認定試験に合格すると、オプトメトリスト認定証を得られる
オプトメトリスト認定試験とは、日本オプトメトリック協会(JOA)が行っている資格試験のことです。これに合格するとオプトメトリーのスキルを証明することができるため、オプトメトリストとして社会で活動しやすくなると考えられます。
オプトメトリスト認定試験の受験資格、難易度
オプトメトリスト認定試験の受験資格は、4年制以上のオプトメトリーカリキュラムを受けることで得られます。このカリキュラムを導入しているのは日本で唯一キクチ眼鏡専門学校のみとなっているため、オプトメトリストの資格を得るにはキクチ眼鏡専門学校で所定の単位を取る必要があります。
難易度に関しては、のちに紹介する最高難易度のSSS級認定眼鏡士よりも受験科目数が多く、相当の専門知識が必要なようです。
続いては、オプトメトリストの2つ目の資格である認定眼鏡士について紹介します。
オプトメトリストに役立つ資格「認定眼鏡士」
メガネは単に見えればいいというものではありません。その人の生活環境やライフスタイルに合っているか、かけ心地や耐久性はどうかなど、様々な条件にマッチしてこそ、その人が求める眼鏡であるといえます。
そんな眼鏡を作るためには、適切な視力測定や、生活環境や目的に合ったレンズの選定、フレーム選び、そしてフィッティング調整などの専門的な知識と技術が必要です。こういったスキルを提示するために生まれたのが、(社)日本眼鏡技術者協会による「認定眼鏡士制度」です。
オプトメトリスト認定試験に比べると裾野が広く9000人が認定眼鏡士の資格を持っているといわれます。認定眼鏡士は、オプトメトリスト認定試験に準ずる最大の認定試験と考えられます。
認定眼鏡士の受験資格とランク制度、オプトメトリスト認定試験との関係
日本眼鏡技術者協会認定の眼鏡学校を卒業すると、受験資格が得られます。認定眼鏡士には、S級、SS級、SSS級とあり、眼鏡学校卒業者はまずS級認定眼鏡士への登録申請が可能です。さらに、SS級認定眼鏡士の試験をパスすると、SS級認定眼鏡士の認定を受けられます。
SSS級認定眼鏡士になるには眼鏡スペシャリストとして7科目の学科試験をパスしなければなりません。また、SSS級合格者はオプトメトリスト認定試験を受ける際に、すでに受験した科目が免除となります。そして認定眼鏡士となった者は、有効期間3年の間に3回以上の生涯教育認定講習会を受講することを義務付けられます。
そのほか、学校卒業者でなくとも、実務経験があれば公益社団法人日本眼鏡技術者協会主催の認定眼鏡士試験を受験することが可能です。
認定眼鏡士の資格の難易度・合格率
S級眼鏡士は事実上廃止のような扱いとなっており、SS級・SSS級の認定眼鏡士資格が中心となっているようです。SS級眼鏡士認定試験に関しては、眼鏡学校を卒業したばかりでもしっかり対策さえしていれば多くの方が合格できるものですが、SSS級の合格者は毎年数名とかなり少数となっています。
実務経験に加えて、相当な勉学も必要であるといえそうです。しかし、オプトメトリスト認定試験ではさらに受験科目が増えることから、よりプロフェッショナルとしてのキャリアを求めるならば最低限獲得したい資格ともいえます。
オプトメトリストの資格が取れる学校
キクチ眼鏡専門学校
オプトメトリーカリキュラムを日本で唯一導入しているのが、キクチ眼鏡専門学校です。オプトメトリスト認定試験(JOA認定オプトメトリスト)の受験資格を得られる唯一の学校でもあります。
オプトメトリスト・認定眼鏡士になるための専門的知識が学べる
眼のつくりと働き、眼の病気に関する医学的知識など、眼そのものに関する知識や、検眼技術や光学理論など、見る機能全般にかかわる知識について学ぶ視科学に始まり、コンタクトレンズづくりのための知識と技術のほか、付け外しの技術も習得できます。
さらに眼鏡を販売するうえでの実際的な技術として、メガネフレーム1本が完成するまでの組み立てや加熱といった工程を学び、レンズを手作業で微調整し仕上げるレンズ加工を学ぶことも可能です。科学技術的な知見と、職人的な技術を同時並行して学ぶことができる、優れた専門学校といえるでしょう。
幅広い活躍の場
卒業後の進路は幅広く、眼鏡店やコンタクトレンズクリニックはもちろんのこと、眼科や研究員などの道があります。今後、高齢化とIT化が進むとともにニーズも高まり、活躍の場はさらに広がりを見せることが予想されます。
それに伴ってか視力改善センターや視能訓練クリニックが増えているともいわれ、独立開業の可能性も高まっていくと考えられます。独立開業するうえで資格を取ることは必須ですし、高い専門性を集中的に身に着けたという事実は信頼性にもつながります。独立開業を考える場合は、学校に通うなどして資格を取るのがおすすめです。
認定眼鏡士の資格が取れる学校
認定眼鏡士の認定対象の学校は、国内のみだと5つ存在します。それぞれ、東京眼鏡専門学校、キクチ眼鏡専門学校、日本メガネ技術専門学校、ワールドオプティカルカレッジ、近江時計眼鏡宝飾専門学校です。
卒業と同時にS級認定眼鏡士の資格がほぼ確実に取れるなどのメリットがあり、オプトメトリストを目指すなら通うべき学校といえます。
学校選びの注意点
上記の5校はいずれも養成校として認められており、認定眼鏡士になるための優れたカリキュラムを準備しています。しかし、都市部にしか存在しないことや学費がそれなりにかかることなども考慮すれば、人によってはまず販売店に就職して実務経験を積む方がよい場合もあるかもしれません。
また、仮に5校に通えない場合でも、健康科学や医療技術学、数学や物理学に特化した学部・学科を卒業していると、知識を応用して認定試験に挑むことも可能です。
学費の相場
オプトメトリストになるためにはいくつかの方法があり、学校を卒業して受験に望むのが一般的ではありますが、実務経験を積み、SSS級認定眼鏡士の認定を取得してからオプトメトリストになる人もいるため、かかる学費は様々です。
しかし、ビジョンに関する医学的な知識や、眼鏡の屈折補正、光学の知識を体系的に学ぶには、協会認定の眼鏡学校に進むのが最もよい手段であるといえます。専門のスクールに通う場合の目安としては、1年当たり100万円~というのがおおよその相場です。一般的な専門大学にかかる費用と大差ないと考えられます。
オプトメトリストの資格・試験まとめ
資格は必須ではないが、取る過程で専門知識を身に着けられる
国家資格があるわけではないため、資格がなくてもオプトメトリストの業務に就くことは不可能ではありません。しかし、就職や転職、開業を考える場合など、資格を持っている方が有利に働く場合もあります。JOA認定オプトメトリストや認定眼鏡士の資格があれば、一定の知識やスキルを証明するのに役立つでしょう。
またオプトメトリストは今後活躍の場が広がっていくため、独立や新たな職場への転職の機会が増えるとも考えられます。この場合は資格や集中的に勉強をしたという事実が有利に働く可能性が高いです。
オプトメトリストの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 医療 |
オプトメトリストの関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします